Archive for 5 月 5th, 2005

涙のリゾート「パンコール・ラウ・リゾート/マレーシア」

DSC00068そのホテルに行くためには、クアラルンプールから車で3時間、Lumutという小さな港から専用船に乗り30分。ようやく島が見えてくる。ヴィラが穏やかな海の上にいくつも浮かんでいる。船が桟橋に着く。島を見上げると椰子の木陰にいくつもヴィラが見える。One Island One Resortがコンセプトの隠れ家リゾート。ずっと、ここに来たかった。…どこかのオペラ歌手が絶賛したという、この小さな島に。

滞在の基本方針は最低限の運動を除き、何もしないこと。朝の涼しい内にスカッシュコートかジムで汗を流し、シャワーを浴び、セミオープンエアのカフェでのんびり朝食。食後はプールサイドで読書&ビール。身体が熱くなるとさすがにプールに浸かる。夕方からはスパ&マッサージ。ビーチヴィラを結ぶ海上のデッキをのんびり散歩しながらスパパビリオンに向かう。デッキの下には小魚が群れ、ブッシュの陰でオオトカゲが闊歩し、樹の上にはオオサイチョウが飛び交う…。

レストランはいくつかあるが、どこも味は絶賛するほどのことはない。でも、波音を聞きながら、のんびり食事し、フレンドリーなスタッフの接客を受け、日々顔なじみになるに連れ、舌も身体も馴染んでくる。だって決して不味いわけではなく、充分楽しむことができるのだから。お気に入りのシチュエーションも最高のソースだ。海に続くように演出されたプールの水面に映る椰子の影、夕陽を浴びて散歩するデッキ、自然のように見えて当然のことながら充分手入されている植栽、闇に浮かぶシーヴィラの灯り、そんな風景が今でも浮かんでくる。…嵌ってしまったのだ、きっと。

出発の朝、荷物をまとめて自分たちのヴィラを出て、階段を降りようとした時、ふいに妻がぽろぽろと涙を流した。めったに涙を見せたことのない妻の、笑顔の涙だった。またいつか、この島に来たいね。こっそり心の中で呟いた。

002147014

SINCE 1.May 2005