シアターコクーンの怪人「グリークス」

picg東急文化村に務める友人に電話をもらった。週末の公演に急に席が空いてしまい、なんとか埋めたいが、急な話だし、何より芝居が好きじゃなければ勧められないとのこと。なにせ3幕もの9時間、休憩を入れると半日の長丁場だ。その公演「グリークス」は是非観たいと思っていた。その友人に事前に聞いていた情報で、心躍った。作品と設定、演出、キャスティング、・・・何よりも勧めてくれた友人本人が興奮していた。とは言え、チケット代も安くはない。当然話題となり、蜷川人気もあり入手も困難。で、結果的にはチケットも予約できず、諦めていたところに、お誘いの電話だ。

これも何かの縁、「行く!二人で行く!」と迷わず答え、日曜の朝、渋谷に向かった。支払ったチケット代は、どきどきの額。その「どきどき」と「わくわく」とが混在した気持ちのまま、席を案内される。コクーンの席なら分かるよと思っていると、なんと、バックステージを通った舞台裏の席。従来の席に座る観客と向かい合せになる。セゾン劇場の柿落し「カルメンの悲劇」を思い出し、ようやく舞台への期待「わくわく」だけが高まる。

そしてその舞台は期待以上。一幕を観終えてランチ。文化村の中の「ドゥ・マゴ」へ。二幕を堪能した後は、東急本店の「天一」へ。ふうっ。最後の三幕を観終わった後にはすっかり文化村の屋根裏に住む怪人になった気分。しかし、公演時間の長さを感じさせない素晴らしい舞台だった。役者たちももちろんだけど、蜷川さん、やっぱり凄い。そして、感謝。こんなライブを観させてもらった友人と、蜷川さんはじめ、全てのスタッフへ。こんな舞台に関われる仕事ができたら演劇人冥利に尽きるのだろう。

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