傘に花びら「梅雨空の花見」

pic_午前中に降り続いた雨が夕方には止み、会社に傘を置いたまま帰宅。そんな日が続いたある朝、自宅の傘立てに最後まで残ったビニール傘を持ち家を出た。新宿に買物に出た休日、突然の雨に仕方なく買った傘だった。銀行に寄って所用を済ませ、遅めの出勤。経路を変えて会社に向かってみる。渋谷に向かう私鉄沿線の車窓には青や紫の色が流れている。ちょうど見頃の紫陽花が線路に沿って延々と咲いている。乗換駅の隣りの小さな駅のホームから始まったという紫陽花の群生を丹精したのは鉄道職員の方々らしい。ちょっと雨の日も嬉しくなる風景だ。

会社の最寄り駅を外に出ると雨が降り出した。手にした傘をさす。小降りの雨の中、わずかに陽が射した空を見上げると、桜の花びらが一枚。透明なビニール傘の内側に貼り付いた春の忘れものだった。何かのメッセージが届いたのかもしれない。理由もなく嬉しくなる。人間、単純な発想の方が人生は楽しい。全てを吉兆と考える、ポジティブ・ライフ。その翌日、この先の人生に少なからず変化をもたらす連絡を受け取った。「変わりませんか?」・・・「変えましょう」そう返事をした。

この夏、勤務先を、仕事を、変える。いわゆる“転職”。二度目だけれど、初めての時、28歳の時とは意味が違う。環境は変わるが、自分の“核”は変わらない。変えるべきもの、変えてはいけないもの、得られるもの、失うもの、追うべきもの、捨てるべきもの・・・。自分を整理してみた。すっきりした。人生は永遠ではない、ということを再認識した。“楽しく”こそが、このブログのテーマでもあり、自分のテーマ。「グッチョイス!」妻からそんなエールを受けた。ほっ。この夏、溜まった休暇を使ってロンドンとパリに旅立つことに決めた。・・・なんて奴らだ!

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