渋谷にパリの香り「VIRON」

P100VIRONおふらんす帰りの妻は、パリということばに敏感に反応する日々だ。そして、日ごろから感情を顔にはあまり出さないのに、態度には出る妻。ある日、渋谷の「Boulangerie Patisserie BRASSERIE VIRON」の店内に入るなり、挙動不審になった。文字通り、パン屋、ケーキ屋、パブ(・・・日本語にすると味気ない)という店構え、品揃えに(心の中で大はしゃぎしながら)落ち着かない。「パン買って帰る?」と聞きつつ、「買って帰ろうよ!」ということばを裏に隠している。「良いよ。好きなの選びな」と答えると、「判った」とつまらなそうに言いながら、身体の中はアドレナリンで爆発しそうになっている。そう、妻は大のパン好きなのだ。

「2階のブラスリーで食事ができるよ」と声を掛けると、妻はアドレナリンがさらに増幅した模様。お酒が飲めないのに、お酒に合う食べ物が大好き。ブラスリーなら、生ハムやチーズ、パテ、季節に入ったら生牡蠣。(心の中で小躍りしながら)階段を上る。店内の雰囲気はパリそのもの。エンジのハイバックのソファ。メニューは黒板に白い文字。スタッフが生ハムをサーブしている姿は、まさしくパリのギャルソン。妻の瞳が密かに輝く。

メニューはパリより割高だけど、そのものっ!というメニュー。最近お気に入りのクスクスもある。ムール貝やイベリコ豚、ジビエを使ったメニューも。ふぅむ。スパークリングワインとカフェクレームを頼み、定番メニューの看板を見ていると、「本日のお薦めメニューもお持ちします」と、キャンバス立てと共にスタッフがやって来る。なるほど。パンだけではなく、サービスやメニューもパリのエスプリがちらり。ではと、パリの最後の夜のように、パテとハムの盛り合わせとソップ茸のサラダをオーダー。なかなかのお味。

聞けば、パリのPlace du Marche St.Honoreにある<Le PainQuotidien>のスタイルを取り入れ、いろいろなパンをバスケットに山盛り!のブランチもやっているとのこと。「今度はブランチで来ようか?」と妻に尋ねると、「そうねぇ」と、今度は嬉しそうに言った。

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