Archive for 2 月 25th, 2006

屋台の醍醐味「小金ちゃん/博多」(前編)

P1010240転職前の会社では、国内外問わず出張が多い仕事をしていた。国内の出張では約300泊、海外出張は約60泊。国内は札幌から鹿児島まで、全国主要都市のほとんどを訪ねた。海外は中国やアメリカが多かった。中でも、事業の立ち上げに関わった、札幌、名古屋、博多、上海、台北には長期滞在した。そして、それらはいずれも(偶然にも)美味しい“食の街”。1日の仕事を終えて、地元の方々と訪ねる地元の味。不味かろうはずがない。

博多の街を久しぶりに訪ねた。懐かしい前職での友人たちを誘った。「やっぱりIGAさん、魚が良かとですよねぇ」…店をアレンジしてくれたKさんが事前にリクエストを聞いてくれた。博多の女性は気立てが良く、オシャレできれいな人が多い。「良か、良か」と相も変わらずインチキ博多弁で応える。案内された店の、玄界灘の魚が旨い、安い。本場九州の焼酎もうまかぁ。たっぷり楽しく飲んで良い気分。「やっぱりモツ鍋も行かんとねぇ」「楽天地?行く!行く!」東京でモツ鍋が流行った頃、意地でも行くものか!と誓っていた。「モツ鍋は博多んもんたい!」ふらふらと向かった「楽天地」で生ビールを飲みなおし、モツ鍋だけをさっと食べて帰る。…「やっぱり博多は良かとこばい!」

数日後、再度博多を訪問することになった。同僚を連れて、博多通気取りで街を案内。白子の炙り、箱ウニ(雲丹が箱ごと出てくる!海苔で、ゴマとキュウリと、たっぷりのウニを一緒に巻いてかぶりつく。旨い!)、五島の生鯖刺身、アラの薄作り。幸せぇ~。「次は屋台で焼きラーメンはどう?」「何ですかそれは?!是非行きましょう!」…親不孝通りの入口にある名物屋台、「小金ちゃん」。人気の屋台で、その日も待ち行列が出来ていた。その列の中にメニューを見ながら悩んでいる女性が1人。どうも日本語が読めない様子。「안녕하세요!(アニョハセヨ!)」と、聞けば釜山から一人旅でやってきたとのこと。ブロークンな英語でアドバイス。打ち解け、それぞれ屋台の中へ。

数人のグループを挟んで、狭い屋台の両端に座る。濃密な空間の中で、焼きラーメンを頬張る。カリカリの餃子を齧る。焼酎が進む。酔いも進む。グループの頭越しに話をしていたところ、その中の1人が突然流暢な韓国語で彼女に話かけた。「え?何でしゃべれるの?」仲間も驚く。彼らは歌舞伎のお囃子をしている方々で、博多の公演で東京から来ているバリバリの日本人だという。へぇ~。屋台のご主人も交えて国際交流、文化交流の(?)バカ話で盛り上がる。こりゃぁ、楽しかぁ夜ばい。…続く。

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