大人のリゾートとは?「ホテル ラ シェネガ」

P101そのMooksに掲載されているホテルは全て制覇しよう!そう誓った。コンセプトは「快適なホテルに泊まって、美味しいものを食べる旅」。そのホテルに泊まることを目的に、その店で食事をするために訪れる。そう、お気楽夫婦の旅のコンセプトにぴったり。そんな2人のバイブルの名前は『山本益博の1泊2日 くいしんぼの旅』。彼の評価はそれぞれだけれど、情報の選択肢が少ない当時、彼の存在は残念ながら大きかった。

10年ほど前の春、掲載されていたホテルのひとつ、湯河原の「ホテル ラ シェネガ」と、初島の「初島クラブ」に出かけた。暖かな陽射しが心地よい週末。初日の「ラ シェネガ」にチェックイン。「予約したIGAです」「お待ちしておりましたIGAさま…。失礼ですが、明日のご予約で承っているようですが?」「え?明日は初島の予定ですが」「少々お待ちください」待つことしばし。「お待たせしましたIGAさま。ご予約いただいたお部屋のタイプがあいにく全てふさがっておりまして、他のタイプのお部屋へのご案内になります」「結構ですよ」…うぅ~ん、予約を間違えたかなぁ?と思いつつ案内された部屋へ。

するとそこは…メゾネットスィート!階上が春の陽射しに明るく光る相模湾が望めるベッドルーム。階下がゆったりソファのリビングルーム。自分のミスかな?という疑念は完全に忘れることにした。「ありがとう。良い部屋ですね」「ごゆっくりお寛ぎください」…寛ぎますとも!妻も思わず微笑む。客室から張り出したテラスからは明日訪れる予定の初島が見える。眼下には相模湾につながるような、白い椅子が並ぶおしゃれなプール。リゾートでのゆったりした時間が流れる。そしてお楽しみの夕食。海を眺めるサンルームのようなガラス窓のテラスダイニング。相模湾の海の幸が供される。美味しい!そして見た目も美しいフレンチを一皿一皿のんびりと堪能する。ふ~幸せ。

そして翌日、シェネガで美味しい朝食をいただき、これも楽しみにしていた初島クラブへ向かう。なんせこのホテル、自らを「大人のリゾート」と呼んでいるのだから、期待も高まる。ところが熱海から乗り込んだ船から下りる人の多さに「?」。チェックインしたフロントの周囲で走り回る子供たちに「?」。案内された部屋は大きいけれど、昔ながらのセクシィ度ゼロのレイアウトに「?」。海を見下ろす素晴らしい眺めの大浴場で、ゴルフの結果を大声で語り合うオヤジの団体に「?」…大人のリゾートって…?

「やっぱり今日の予約でしたって言って、シェネガに連泊するんだったかねぇ」うんざり顔の妻が呟く。…なるほど!「今から電話する?」「しなくて良いよ、さすがに夕食も食べちゃったしねぇ」おいおいっ!本気だったのか!それにしても、大人のリゾートは何かを改めて考えさせられた旅だった。

コメントする








002147516

SINCE 1.May 2005