味は人「たん熊北店」再々訪

Photo_9この店の魅力は、季節の味。春に初めて訪れた時には、<アイナメの木の芽和え>、初夏に再訪した際には<保津川の天然鮎>、などを美味しくいただいた。そして今回、冬の味と言えば<ふぐ>っ!友人夫妻は<ふぐの唐揚>、お気楽夫婦は<焼きふぐ>をオーダー。4人で並んでカウンタに座り、二組がそれぞれ好き勝手に好きなものを注文。隣りあわせで座るお気楽妻と、友人(妻)とが、絶妙な連携。それぞれの皿を、ちょっとづつ味見。「旨いっすねぇ」友人(夫)も、ようやく買物の呪縛から解き放たれ、目の前の美味に集中している。

そして、何と言ってもこの店の一番の魅力は“人”。“気配りの人”店長の本城さんはもちろん、オープンキッチンで立ち働くスタッフや、フロアの女性たち、入口の案内係(京都弁が良い味)の方まで、見ているこちらが気持良くなる程、小気味良く動き回る。そして、その統率を取るのは、やはり本城さん。一見似つかわしくないインカムを付け、板場やフロア、お客さんのちょっとした動きやメッセージを感じ取り、すばやく指示を出し、自分自身が動く。客と接する際の優しい笑顔や、柔らかなことばが、一瞬変化する。インカムを通じて的確なことばと共に良い緊張感がスタッフに伝わる。

Dvc00029_1それに加えて、今回は、花板さん(名前はまだ読み取れず)に優しくお相手していただいた。友人(妻)の天然な発言に、さりげなく反応し笑い返していただいたり、自然に会話の中に入っていただいたり。さらに、「写真撮って良いですか?」という無謀なお願いに「緊張しますねぇ」と言いながら、桂剥きのコツを伝授していただく。「うぅ~ん、でも今後、実践するチャンスは一生来ないかもしれないなぁ」料理をする気などほとんどないお気楽妻が呟く。(一生ないんかいっ!)・・・楽しく食べる内に、友人夫妻にはメインの<丸鍋(すっぽん)>が、お気楽夫婦には<鮨>が供される。そう、この店には寿司カウンタも併設されており、前から気になっていたのだ。

「美味し~いっ♪」妻×2が、同じタイミングで肯き合う。笑顔が零れる。特にお気楽妻は、大好きな新宿の「鮨源」が改装中で、“寿司絶ち”を強いられているため、喜びも大きいらしい。さらにはデザートを食べ、満足感を持ち帰る二組の夫婦。本城さんが出口まで送ってくれた。恐縮至極。僅か3度の訪問なのに、すっかり常連気分。帰りのタクシーの中で、友人夫妻が声を揃える。「美味しかったぁ。でも、何より、本城達也おそるべしっ!凄いねぇ、あの人」そう、お店は味だけではなく、それ以上に“人”。決して敷居の低い店ではないのに、一度訪問すると居心地の良さに、また来たくなる。「季節、季節に来たいお店だよね」妻のことばに皆が頷いた。本城さん、また伺います。

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