Archive for 12 月 2nd, 2006

グッ・コミュニケーション♪「クリスマスツリー」

P1030126師走、12月。この季節に初めて日本を訪れる外国人は、日本はキリスト教国だと思うかもしれない。街のあちこちにクリスマスツリーやリースが飾られ、カーネル・サンダースが赤い衣装を纏い、あらゆるクリスマス・ソングが溢れる。ポストに入るダイレクト・メールは、緑と赤のクリスマス・カラーが、チラシにはプレゼント特集が増える。年末まで1ヶ月を切ったことに気づき、残り少ない日々に焦る気持と、楽しいことが待っていそうな、浮き足立ったワクワク感が身を包む。

例年なら我が家のベランダにも、イルミネーションが飾りつけられ、師走の街の演出に僅かながらに寄与するところだが、今年は中止。そう、“鳩との抗争”が続いているのだ。手摺に張ったテグス、トゲトゲの付いた「とりパス」という鳩よけマットを敷き、「スーパー・ハト・ジェット」という鳩が嫌がる臭いのスプレーを常備する。いずれも、しばらくは効果があり、もう大丈夫?と安心するのだが、敵は“学習”する。何をそこまで!と思う僅かな隙間に止まり、何でそんな幅しかないのに入れるの?と思うぐらいの隙間から羽をたたんで進入する。…凄い。敵の生態を観察すると、その学習効果が良く分かる。こちらも新たに対策を講じる。なのに、その障害を乗り越えて、敵はやって来る。…ということで、今年のベランダはイルミネーションもなく、テグスが陽の光に輝くだけ。淋しい。

P1030129ところが、今年はマンションのエントランスにクリスマス・ツリーが登場!お気楽夫婦が“永世理事長”に任命したいと密かに願っている現理事長さんが、ツリーを飾ってくれた。そう言えば、彼が昨年新理事長に就任し、住民とのコミュニケーションを取りたいとアンケートを実施したときに、要望を出したことを思い出した。「住民同士の挨拶や、顔を覚えてもらうことが防犯に繋がります。例えば、エントランスにクリスマス・ツリーを飾るだけでも、会話が増えるのではないでしょうか?」という私のメッセージに「やってみましょう」と返事をくれた理事長さん。覚えていてくれたんだ、と感激。何しろ彼は、一級建築士の資格を持ち、自宅で仕事をしていることもあり、建物管理の大(長期修繕計画)から、小(エレベータのらくがき消し)まで、自ら率先して実行する“行動派”。世の中では、なり手に困っていると言われているマンション管理組合の理事長としては、稀有な人物なのだ。

そんなある夜、帰宅したお気楽夫婦がエントランスホールに入ると、エレベータからパジャマ姿の小さな女の子が2人、元気に飛び出してきた。「ツリーを見にきたの?」「そうなんです」お母さんが微笑む。へへへ、分かる分かる。嬉しいよね。翌朝、工具を抱えた理事長さんとすれ違う。「良い感じですねぇ♪ツリー」「あぁ、そうですか。良かったぁ♪」嬉しそうに微笑む理事長さん。たった1本の、ツリーが創る、小さなコミュニケーション。キリスト教徒じゃなくても、良い習慣かもね。

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