Archive for 1 月 8th, 2007

快適的香港(ホテルまったり編)「快適の基準」

Photo_42お気楽夫婦の旅の満足度は、ホテルの快適度に左右される。だからこそ、真剣に事前調査を行う。部屋の広さは?間取りは?窓からの眺めは?シャワーブースはあるか?スパの充実度は?ジムの設備と営業時間は?スカッシュコートはあるか?駅からのアクセスは?などなど、旅の目的によって優先すべき項目が変るが、概ね調査項目は変らない。いかに快適にホテルに籠ることができるか…が、2人のホテル選択、そして評価の基準。

Jpg_1ザ・ランドマーク・マンダリン・オリエンタル」の評価は、香港国際空港到着時に大きく跳ね上がった。飛行機を降りてゲートを出ると、スタッフが何人か。あれ?こんな場所でもうお迎え?と不思議に思った私の腕を妻が引っ張る。「ねぇ、これ私たちのこと?」見ると、赤いジャケットを着た空港職員が持っているマンダリン・オリエンタルの歓迎ボードに「Mr.IGA」の文字が!あれ?何だぁ?聞けばホテルのサービスで、カートで迎えに来てくれたとのこと。何しろ香港の空港はでかい。動く歩道を乗り継いでも入国審査までは何分も掛かる。それをカートですいすいと運んでくれるのだ。うっひゃぁ。嬉しい。運転手が「Excuse me !」と声を掛けながら乗客を追い越すたびに注目され、ちょっと照れる。でも楽チン。スタッフは、素朴なにきび顔の男の子。入国手続きを終えた2人を先回りして待ち、Airport Expressの乗り口まで荷物を運び送ってくれる。世界周遊中の中田や、浜崎あゆみも、こうして彼が迎えたと嬉しそうに話してくれた。ふぅ~ん、くすぐられる話に思わずチップも少しだけ弾む。事前調査からは漏れた、サプライズサービス。良い旅の予感に互いに目を見交わすお気楽夫婦。

P1030643_2ところで、香港新空港は中心街から離れたが、いたって快適。入国からAirport Expressに乗り、駅に降り立ち、ホテルに到着するまで、一切階段を使わずに歩ける。(その素晴らしい機能的な設計に、来る度に成田と比較し溜息を付く)そして、マンダリンにチェックイン。スモール&ラグジュアリーなホテルに見合った、小ぢんまりしたフロントデスクと、ロビーと呼ぶにはあまりに狭いソファースペース。中環(セントラル)のど真ん中の“隠れ家”的な佇まい。こりゃぁ良い感じ。スタッフの応対も丁寧ながらフレンドリー。案内された部屋に入ると、思わずにんまり。ひと目で快適な空間だということが伝わる、広く明るい室内。

Photo_44今回予約した部屋は、<Landmark Spa Corner King>というタイプ。リビングとベッドルームの間に仕切りはなく、天井付近がガラス張りのバスルームが暖かな円い壁で、緩やかに3つのスペースを分けている。その壁には大型の液晶TVが2台、それぞれベッドルームとリビングに向いて嵌め込まれている。部屋の色遣いも上品で、デコラティブではない、二人の好み。そして何よりも、この部屋の目玉は巨大なバスルームの中央に鎮座する、やはり巨大な円形のバスタブ。それは、10人用の中華テーブルほどの大きさで、バスピローを使い、ゆったりのんびりできる。(バスルームにも液晶TV)満足の仕様。ホテル付帯のスパ施設も、最新マシンを揃えたジムも快適で素晴らしかったが、このバスタブで過ごした時間の方が長かったほど。

Photo_46そして、朝食用のレストランも満足な味とサービス。お気楽夫婦が“ジャパニーズ・タイム”と呼ぶ、朝早めの時間に席に付きスタッフに尋ねると、やはり最初の客だとのこと。他の客がいないのを幸いに、店内を撮影。細い金属製のバーが、オーロラのように何百本もぶら下がるオブジェが特徴の不思議空間。但し、先端恐怖症の私は、怖くて見上げられない。全館で113部屋しかない小さなホテルのレストランらしく、ここはビュフェスタイルではない。細々と選ぶオーダーは面倒だが、その分スタッフとコミュニケーションができて楽しい。

Photo_47私が選んだのは、Mediterranean Fritt(地中海風オムレツ)。熱々ジューシー。妻はポーチドエッグ。ふんわり旨い。何種類かの中からチョイスできるフレッシュジュースも、それぞれ旨い。さらには、美しいフルーツサラダがどのセットにも付いてくる。嬉しい。朝から巨大円形風呂に浸かった後の水分補給を兼ね、朝の爽やか気分にぴったり。カトラリーや食器も上品で爽やか。気分良く一日をスタートするぞっ!今日もまた元気に食べるぞっ!という気持になる。

Photo_48それにしても、このホテルのスタッフのホスピタリティは素晴らしい。最終日の朝、いつものようにレストランスタッフと何気ない会話をした後に、ペストリーを(持て余していたのを見ていたらしく)可愛いテイクアウト用のBOXに入れてくれた。(そして帰国した翌日の二人の朝食となった)レストランをひとつ、バーもひとつしか持たない小さなホテルが故に、街のレストランの予約もスムース。コンシェルジェが気軽に電話してくれる。足裏マッサージの予約を入れてくれた際には、「新しくきれいだし良い店ですよ」というコメント付き。友人に薦められた店に安心して出かけられる気分。彼らとのやりとりで、思わずゆったりとし、ふっと笑みが漏れる。和みの時間が流れる。あ~ぁ良いホテルだとこっそり頷く。

…こんな風に、3泊4日の香港滞在の、濃厚な時間が過ぎていった。快食、快憩、快眠、快遊、そして何よりも快適な旅。そうなのだ。設備は“快適”の大事な要素だし、“美味”ももちろん欠かせない。しかし、最も大切な快適の要素は、“ホスピタリティ(おもてなし)”。お気楽夫婦がまた訪れたいと評価するホテルは、そこが最大のポイント。一見の客には慇懃無礼に、そして得意客(上客)には過敏に対応するようなホテルは居心地が悪い。初めてなのに、ほっとする、寛げる、いつか“戻って来たい”と思わせる、そんなホテルでの心地良い時間を過ごすことを求め、今年もまたお気楽夫婦は旅に出る。

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