しゃきしゃき春野菜を喰らう「へら処 大喜」用賀

Photo_123この季節、“春野菜”のメニューが気になる。それに“季節限定”とか書いてあると、もうふらふらといつの間にかオーダーしてしまう。しゃきしゃき春野菜サラダとか、ヤリイカと春野菜の炒めとか、春野菜とアンチョビのパスタとかとか。春キャベツ、新タマネギ、アスパラガス、筍、菜の花…。春の陽を浴びて元気に育つ野菜のエネルギーをたっぷりいただき、食べてすぐに元気になる気がする。そして、推定95%以上の外食率を誇るお気楽夫婦が心がけている“野菜を摂る”=“健康維持”できるという欲求が満たされる。

毎週日曜日の午後、お気楽夫婦は部活帰りの高校生のように、お腹がペコペコになっている。朝食はしっかり食べるものの、ランチは軽く取るだけで午後のスカッシュのレッスンに備える。そしてそれぞれ一時間のハードなレッスンの後は、もう空腹の限界。「家に帰るまで待てない!お腹が空いたぁ!何か食わせぇ!」と妻が小さく叫ぶ。そこでスポーツクラブ近辺で、ちょっと早い夕食となる。その日は前から気になっていた広島焼きの店「へら処 大喜(だいき)」を訪ねた。(ずっと行けずにいたら、店の名前まで変わっていた)前の名前は「たなふく」という名前で、有名人も出没する割と有名な店だった。

Photo_124店に入ると、カウンタ席の前に美しく磨き上げられた巨大な鉄板。清潔な店内。臭い避けのスーツカバーも壁にたっぷり用意されている。店長らしき男性が先客の料理を鉄板で鮮やかに焼いている。2人は迷わずカウンタに座る。料理人の手さばきを見ながら食事をすることが好きで、スタッフに声を掛けやすいカウンタは最上席。席に付くと、カウンタの横に“野菜置き場”のように大量の元気な野菜がディスプレーされている。旨そう!こっそり写真を撮る。つややかで巻きが固く身がしまっている良いキャベツだ。こりゃぁお好み焼きも旨かろう。ぐびぐびと生ビールを飲み、牛スジ煮込み、きゅうりのたたきをつまみながら、ねぎ焼きとお好み焼き(そば)が焼けるのを待つ。

目の前の巨大な鉄板で、手際よく次々とお好みが焼きあがる。見ると、この店は余り油を引かずに、野菜を蒸すように焼いている。ほほぉ、良い感じ。芸術的に重ねられた、素人ではとても真似できない美しさで焼きあがった広島焼きが目の前に。写真撮っても良いですか?と尋ねると、快く了解してくれたばかりか、料理用のスポットまで当ててくれた。渋めの店長さんも話せば気さくな優しい方。味も抜群。しゃきしゃきとした歯ざわりが残るキャベツが甘く、旨い。これは、今まで食べたお好み焼きの中でも、1、2番を争う水準。満足。美味しかったねぇと妻に同意を求めると、珍しく早い反応。「うんっ、また来るよ!」と小さな鼻の穴を広げ、些か興奮状態。ではまた、春キャベツの美味しい内に。

■残念ながら「へら処 大喜」は閉店


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