幸福な仕事「アマとプロ」

Photo_170ある週末の昼下がり、銀座で待ち合わせ。スカッシュ仲間と一緒にお昼を食べ、これまたスカッシュ仲間のお父さんの個展を観に行こうという趣向。向かったのは<銀座 佐藤養助>。稲庭うどんの店。さぬきうどんが一大ブームとなり、強い腰のうどんが持て囃されているが、稲庭うどんの繊細な歯応え、喉越しもなかなか。お気楽妻も友人(♀)も「稲庭うどんの方が好きなの♪」とのこと。私の場合は酔払いの常として、うどんも良いけど、“酒の肴”が大事。<天せいろ>をオーダーし、海老天や“いぶりがっこ”などをつまみつつ、生ビールをぐきゅぐきゅと飲む。昼下がりに飲み干すビール。旨し♪

P1040388_2ところで、ある週末の朝「ボクらの時代」というトーク番組をのんびり独りで観ていたら、椎名誠が篠山紀信、坂東玉三郎という異色の組合せで出演していた。その中で篠山さんが椎名さんの作品(写真)を称して「アマチュアとして最高峰の写真」と“誉めて”いた。篠山さん曰く。「プロは撮りたくない素材でも、自分に期待されるレベルで作品を求められる。椎名さんは自分の撮りたい時に撮りたいものを撮って、この作品レベルを維持している。羨ましい」・・・なるほど。早朝、TVの前で思わず私は唸った。私がやりたいことも、まさにそれ。椎名さんは「アサヒカメラ」に十年以上続く連載を持っているが(篠山さんから規定される意味で)写真はあくまでアマチュア。好きなことを、好きな時間にやって、ある水準を保ち、支持されること。

Photo_171スカッシュ仲間のお父さんは“プロ”の画家。しかし、かつては会社勤めの傍ら、絵を描き続けたアマチュア。そして、会社を辞めプロとなったという経歴。会社勤め時代の絵は、日本の漁村の風景などが多く、素人目には“飾る場所を選ぶ”早い話が“売れそうもない(失礼!)暗い絵”が多かった。それが、素材をヨーロッパなどの街並に求めてからのプロとしての絵は、明るく穏やかで、時には華やかで自信に満ちている。これなら売れる。私も1枚欲しい。(事実、売約済の印がたくさん付いていた)そして、個展は家族総出でお手伝い。家業(?)を支える家族の大事な場であり、父親の仕事を誇りに思う家族の、そしてなによりお父さんの大イベント。ある意味、羨ましい空間。時間。

「お父さんは、好きなことを続けて、メシ食えて、羨ましい人生だよなぁ」そう友人に呟くと、「そうだねぇ」「娘がスカッシュでメシ食っていくのと同じだもんなぁ」「ちゃうちゃう。私スカッシュそこまで好きじゃないから」・・・そうでした。彼女が好きなのは、スカッシュと、その仲間。そして何よりもスカッシュの後のきりっと冷えたビール。「残念ながら今日は行けないけど、銀座の隠れ家バーに行こうぜっ!」「うんっ♪」アマチュアとしての最高峰の“楽しいスカッシュ”、“楽しい酒呑み”仲間を目指そうか。

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