当り前ではないありがたさ「萬来軒」

Photo_197「元気な時には気づかないことっていっぱいあるよね」「健康ってことを当たり前だと思うと、ありがたさが分からないよね」・・・そんなしみじみとした会話で食事が進んだ。余りに健康的な粗食である入院食に飽き、身体に悪そうな美味しい料理が食べたかったという。ご近所の友人が退院した。予想よりも早い快復で、当初2~3週間と言われていた入院期間も10日余りで済んだ。数日の自宅療養を経て、無事出勤。初(再)出勤の前日には、朝の通勤ラッシュ時に、短パンとTシャツという姿で満員電車に乗るというちょっと怪しいリハビリもこなしたらしい。

Photo_198お祝いと言えばこの店!と4人で予約。ご近所の名店<萬来軒>。週末の夕方、相変わらず常連客で賑わっている。おばちゃんに入院してたんですよと報告するご近所の友人(♂)。その日は馴染の客ばかりということもあり、おばちゃんもリラックス。愛想も良い。「じゃあ、これ快気祝い。食べて」と持ってきてくれたのは<甘エビの紹興酒漬>。卵がたっぷりと入った赤くとろんとした海老の身を口に含む直前に、紹興酒と海老の柔らかな香りが鼻腔に絡む。自然と微笑みながら口に入れる。うわっ、旨い。とろとろの身とぷちぷちした小さな卵とが、うまうま♪と暴れる舌の上で溶けていく。

Photo_199続いて<干し豆腐の辛味和え>が登場。冷えたビールとこれ程合う料理も珍しい。クニッサクッとした不思議な食感と、あっさりとした味付けの裏にぴりっと辛さが隠れている。優しく穏やかに旨い。そして<モンゴウイカと二種のニラ炒め>。これが、これが(感涙)抜群に旨い。「おじさんのモンゴウイカ料理はいつも絶妙だよねぇ」妻も絶賛。淡白なイカを繊細な塩味中心の味付けで、豊かな味に変貌させる。違う食感の野菜を合わせる。白い花が咲いたようなイカの白さと緑と黄色の彩りも食欲をそそる。「うっ我慢できない!ご飯もらって良いですか?」いくらでも食べなさい。健康である証としての食欲を満足させなさい(涙)。「入院中も食欲はあったんですけどね」・・・あ、そう。

Photo_200そして、メインは<豚と卵炒め>友人(♂)の大好物。以前はメニューになくなっていたものが、彼のリクエストのためかメインメニューに復活した。「くぅ~っ、旨いっすねぇ♪」幸せそうな笑顔。それを見つめる友人(♀)も、「全く心配かけて、私のスケジュールも随分変えてくれちゃって・・・」とぶつぶつ言いながらも安堵に満ちた幸せそうな笑顔。「ほんとは入院中に友だちの家に遊びに行く予定だったのに、早く退院するからダメになっちゃったし。高層マンションのゲストハウスに泊めてもらう予定で、人気があってなかなか予約取れなかったんで、楽しみにしてたのに・・・」おいっ!そっちかい!さすがお気楽妻と、ずっと一緒にいられそうな、お気楽友人(♀)だった。

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