Archive for 6 月 28th, 2008

平常心とは?「スカッシュ団体戦in宇都宮」

Photo_6京オリンピックの代表の座を賭けて、各種目のアスリートたちが、国内の選手同士で、あるいは各国代表と熾烈な争いを行っている。土壇場で16年ぶりの出場を果たしたバレーボール日本男子チーム。話題のレーザーレーサーを着て世界新記録をマークした北島康介。ギリギリで決勝進出を果たし、連続出場を危ぶまれたのに奇跡的な大逆転で優勝した400Mハードルの為末大。いずれも土壇場でいつも通りの、あるいはいつも以上の集中力で代表となった。それとは逆に、決勝の最後の直線で失速した200Mの末次慎吾や、A標準記録を持ちながら3位に終わり代表内定を決められなかった女子走り幅跳びの池田久美子など、トップアスリートでも積み重ねてきた練習の成果を試合で出し切れない場合がある。

Photo_7してや、アマチュアのスカッシュ愛好家が、平常心で試合に臨むことは容易ではない。「試合前になるとお腹を壊してトイレ多くなるんだぁ」「私もぉっ!(涙)いっつも前の晩からぴーぴーなんだよねぇ」監督(私)の前であられもない話をする彼女たちが出場するのは、前週に引き続きスカッシュ団体戦。前週では敵同士だったメンバーの混成チーム。お揃いのスコートで宇都宮まで遠征する、チーム名「ハニカミクイーンズ」の4人。前週はフレンドのカテゴリで向かう所敵なし!の水準だったが、今回は無謀にも<一般>グレードに参戦。ジュニアの日本代表候補や、全日本出場経験ありのベテランや、インストラクターまで参加する大会。彼女たちが平常心で戦うことも、自分たちの力を出し切るのも困難な試合。残念ながら善戦したものの、全試合とも惜しくも勝てず、最下位に終わった。

Photo_6ころで、私が出場するはずだった男子団体も一般グレードで参戦。ところが、私の腱鞘炎が治らず、急遽助っ人をお願いし、コーチの山ちゃんを含め4人で参戦。(私が出場しないのに、チーム名だけは「チームイガイガ」)いざと言う時の山ちゃんを除けば、エースはクラブチャンピオンのMちゃん。ところが、彼は本番に滅法弱い。山ちゃんのレッスンを受けている時のプレーは安定し、脚も良く動き、ボールのタッチも、アングルも素晴らしい。なのに、大会ではこれと言った戦績を残していない典型的な内弁慶。ブルペンエース。なのに、この大会は違った。安定した試合運びで連戦連勝。小気味良いショットが無人のコートに突き刺さる。彼の働きで見事最終戦まで無傷の6連勝。決勝で惜しくも敗れ準優勝となったものの、普段の実力通りの結果を、実力を出し切った。おめでとう!

Photo_7ちゃんのプレー、今日は素晴らしかったねぇ」「何が良かったんでしょうねぇ」表彰式を終え、全員で宇都宮名物の餃子をつつきながら祝勝会兼反省会。「良く我慢してましたね。冷静だったし、ミスが少なかった。脚も最後まで良く動いていたし。でも最後の試合は相手のペースに合わせちゃいましたね、攻め切れなかった。そこが残念でした」コーチのコメントに頷くメンバー。そうなのだ。彼の普段の実力が出し切れていれば、そうそう負ける相手ではない。その<平常心>とは、<実力>とは、いったい何だろう。普段の練習で身に付けた技術や体力が、試合などで練習の時のように発揮できること・・・だとすると発揮できない理由は何なのだろう。自分に自信が持てない、負けることへの怖れ、それらによる精神的緊張、肉体的緊張で筋肉が強張る。そうだよね。分かっているんだけど。でも、その緊張もまた楽しい。社会人になって、こんな緊張感を持つことって貴重だよね。誰かがそんなことを呟く。しかし、スカッシュの楽しさはそれだけではない。という訳で、明日の記事に続く。

002145939

SINCE 1.May 2005