ビバ!エスパーニャ!『アンダルシアの嵐』アントニオ・ガデス舞踊団

PhotoNYC帰りの友人夫妻とスペインに出かけた。最初の訪問先はアンダルシア。地下鉄丸ノ内線/南北線の後楽園駅から徒歩2分。期間限定のスペイン。2004年に逝った天才ダンサー、振付師、そして演出家でもあったアントニオ・ガデスが率いた舞踊団が来日していた。会場は文京シビック大ホール。1,800席余りの大箱。「カルメン」「アンダルシアの嵐」「血の婚礼/フラメンコ組曲」3部作の日替り、全10公演。ガデスがいない「アントニオ・ガデス舞踊団」。入りが心配になるのは前職の頃からの習い。しかし、雪混じりの荒天なのに8割方埋まった客席。ほっとしたながら開演を待つ。幕が上がり、シンプルなステージの上に立つ群衆。フラメンコ独特の手拍子(パルマ)、タップの音が会場を包む。一糸乱れないダンサーたちのステップ。うぁ〜鳥肌。一瞬の内に“ガデス・マジック”の虜になる。

Photo_2 の日の演目「アンダルシアの嵐」は、横暴で好色な地頭に対し、農民たちが鋤や鍬を手に立ち上がるストーリー・・・。スペイン語が分からず、フラメンコに造詣が深い訳でもない2組の夫婦には、チラシに書かれたそんな短い解説しかヒントがない。果たして2時間弱の舞台を楽しめるのだろうか。寝不足の妻は眠ってしまわないだろうか。・・・しかし、すぐにそれは杞憂だったと分かった。ダンサーたちの踊り、つま弾くスパニッシュギターの音色、そして何より舞台全体が醸し出す空気で、難なく登場人物たちに感情移入でき、日本語なしでスペインの田舎の物語が理解できるのだ。そして何よりも心震える群舞。質素なドレスの裾がエロティックに翻る。タップのリズムが会話になる。農民たちの嘆きが、怒りが、喜びがダンスということばになる。パルマのリズムが人々の声になる。囁きになる。

B448002ps3 の訪問先はスペイン名物、バル。向かったのは、ビルの中にある小さな店。文京区のアンダルシアからタクシーで10分程の距離。「ふぅ〜っ!ただものじゃないね。凄い人たちだね」アンコールで幕が上がる度に、舞台の1シーンが再現される演出に驚いたという妻が溜息を付く。「いやぁ〜楽しかったぁ♪」「イギリスにいた頃、2週間ぐらいスペインを旅したんです。夏の暑い時期で、安ホテルのエアコンは壊れかかっていて・・・」NYC帰りの友人夫妻がスペインの思い出を語る。舞台の興奮が残る中、冷たいセルベッサ(ビール)で乾杯。トルティージャ(スペイン風オムレツ)、ハモンセラーノ、カジョス(牛モツの煮込み)、何種ものアヒージョなど小皿のタパスをたっぷりオーダー。「うん、どれも美味しいぃ♪」お気楽で、お手頃な料金で、きっちり美味しいスペイン居酒屋だ。

B448002pm8_bル エスパニョール ラ・ボデガ」というのがお店の名前。(注:撮影忘れのため、写真をぐるなびのサイトから無断借用。お詫びにリンクしておきます)スタッフの気配りも心地良く、なかなか良いお店。友人夫妻はサングリア、私はカヴァ。その後はワイン。お酒も進む。気分はすっかりスペイン。実は、今夏のヴァカンスは、スペイン行こうかと計画してみた。しかし、どう頑張っても実質5日ぐらいしか滞在できないことが分かった。ということであっという間に断念。そこで企画した文京区と千代田区の小さなスペインの旅。「お食事もうすぐラストオーダーですけど、パエリアはぜひ召し上がってみてください♪」う〜む、絶妙のタイミング。お薦め上手。ではシーフードのパエリアお願いします!・・・スペインではきっとこうは行かない。ん、TOKYOで楽しむスペイン。かなり楽しい。良い感じ。

も、スペインにはいつか行ってみたいなぁ♪」と妻。「あぁ、ぜひ行きましょうよ!」と友人(妻)。「良いとこですよ」と友人(夫)。うぅむ。彼らのおかげでお気楽度数が増しているかも。はい、いつかご一緒に。ビバ!エスパーニャ!

 

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