夜のお菓子、真夜中のお菓子、朝の…「うなぎパイ」

Photo本各地に定番お菓子のお土産がある。帯広だったら「マルセイバターサンド」、仙台に行けば「萩の月」、長野「栗鹿の子」、名古屋「青柳ういろう」、松山「一六タルト」、福岡「博多通りもん」、そして浜松土産の定番と言えば、誰もが「うなぎパイ」を挙げるだろう。妻の両親が住む浜松から東京へ戻る際、浜松の新幹線改札口を通る人の約65%の人(数字はあくまで感覚)が製造元の春華堂の紙袋を抱えている。販売開始は昭和36年だという。けれど、ここまで一般的な土産になったのは昭和の終わり頃からだろうか。有名なキャッチフレーズ「夜のお菓子」が独り歩きし、精力増強の都市伝説が生まれ、土産をやり取りする際に艶笑ネタの会話が交わされることになった。それからさらにパワーアップ。健康ブームに乗り、うなぎに含まれるビタミンAの効力もあり、今や健全なイメージの堂々たる定番だ。

Vsopころで、うなぎパイには他にも姉妹商品がある。例えば「真夜中のお菓子」というキャッチフレーズの「うなぎパイV.S.O.P.」だ。これが私のお気に入り。形状はうなぎパイとほぼ一緒。そこに名前の由来となるブランデーとマカアダミアナッツが加わる。すると、ブランデーの香りとナッツの香ばしさが相まって、実に良い“おつまみ”になるのだ。高級感溢れる包装も真夜中のお菓子と呼ぶに相応しい風格さえ漂う。隠し味にガーリックが入ったうなぎパイはビールにも合うけれど、V.S.O.P.は焼酎にもぴったり。甘いものでもおつまみにOKという方にはお薦め。

Photo_3つまみと言えば、昼のお菓子「しらすパイ」も捨てがたい。この4月に発売の新商品。お砂糖をまぶした甘口と、ワサビが利いた辛口。そしてどちらも確かにシラスの味がする。おつまみにするには断然ブルーのパッケージの辛口。以前は「エビ汐(しお)パイ」というお菓子が「昼のお菓子」を冠するという商品ラインナップだったものが、2008年3月に全国的なバター不足(あぁ、そんなこともありましたね)で販売中止。エビ汐パイに代わって登場したのがシラスパイという訳だ。エビ汐パイも甘口と辛口があったことから、後継としては実に真っ当。

Photo_4Photo_5ナギにしても、シラスにしても、浜名湖や遠州灘で獲れる浜松の名物。他にも天然とらふぐ、ひらめ、ドウマン(かに)などが有名。そして、商売上手の春華堂が目に付けた食材はすっぽん。うなぎに代わり浜松近辺で養殖されている高級食材を使ったクッキー。名付けて「朝のお菓子 すっぽんの郷」。疲れの取れない朝に、ということらしい。やっぱりちょっと艶笑系。ちなみに、このお菓子は詰め合わせでしか買えない。その詰め合わせの名前は「お菓子のフルタイム」。朝のお菓子「すっぽんの郷」、昼のお菓子「しらすパイ」、夜のお菓子「うなぎパイ」、そして真夜中のお菓子「うなぎパイV.S.O.P.」が一箱に。うぅ〜ん、やるなぁ春華堂。

っぱりスタンダードなうなぎパイが一番だね。あと、本店に行くと割れたうなぎパイのお得なセットがあるのさ♪」と妻。そうなのだ。このうなぎパイ、観光客の定番土産であるばかりではなく、地元の(あるいは浜松出身の)人々に愛されるお菓子になっているのが強み。だからこそ、故郷のお土産として手にするのは春華堂の紙袋、という風景になる。浜松の定番土産「うなぎパイ」侮れません。

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