ふつ〜に食す贅沢「鼎泰豊(ディンタイフォン)」「グラマシーニューヨーク」

Photo1996年、新宿髙島屋開店。そこに世界的に有名なレストランが海外初出店。同じ年、お気楽夫婦が台北を訪れた頃、その店はまだ知る人ぞ知るという名店だった。それでも、台北の本店には連日世界中から集まる人々で満席が続いていた。もちろん新宿髙島屋店も連日長蛇の列。お気楽夫婦は何度かチャレンジしたが、その待ち時間の長さに食べるのを諦めた。小籠包で有名なその店の名前は鼎泰豊(ディンタイフォン)。台北に行かなければ味わえない逸品が日本にいながらに味わえる。圧倒的に人気の店だった。何度目かの訪問で、長い待ち時間に耐えようやく食べた小籠包。レンゲに小ぶりの小籠包を乗せ、端をちょっと齧り熱々のスープをちゅっと吸う。あとは一気にぱくり。ふぅむ。待った時間が期待を増幅させ、空腹が食欲を刺激したせいもあり、確かに美味しかった。

Photo_2の後、横浜髙島屋、JR名古屋髙島屋、熊本鶴屋百貨店、カレッタ汐留などに続々と店舗ができた。今や全国で10店舗。出店したお店の大半が髙島屋の中にあることでお気付きの方もあろうけれど、実は髙島屋100%出資のRTコーポレーションという日本法人が店舗を運営。ちなみに香港スィーツの名店「糖朝」の日本での展開を行っているのもこの会社。(青山の1号店がオープンした直後は連日大盛況で強気の接客をしていた)つまり、海外ブランドのライセンスを獲得して日本で多店舗展開するというビジネスモデル。オリジナルのレシピは伝わっても、オリジナルの味が多店舗展開によって維持できるとは限らない。

Photo_3る週末、スカッシュのレッスンの帰りにお気楽夫婦は玉川髙島屋に立ち寄った。1時間のハードなレッスンで大量の汗を流した2人は一刻も我慢できない空腹を抱えていた。ということで、買物に来たはずなのにまっすぐレストランフロアに向かう。夕食の時間にはまだ早く、どの店も空いている。どこでも選び放題。「久しぶりに鼎泰豊なんかどう?」と妻。うん、良いねぇ。ビールにぴったり。他の店に比べると混んではいるものの、待つことなく席に付くことが出来た。ピータン、小籠包、エビシューマイなどをオーダー。小籠包もあちこちの店で食べ慣れたせいか、初めての感動もなく、ふつーに美味しい。

Photo_4先できちんと皮に餡を包んでるところを見せてるし、冷凍じゃないだけ立派なものだよね」誉めているのかどうか微妙な発言の妻。しかし、この店は全国に小籠包という料理を広めたという功績がある。日本各地の中華料理店で当たり前のメニューになったし、新宿店の成功後、南翔饅頭店「京鼎樓(ジンディンロウ」など上海や台北の小籠包の名店が日本に進出した。(経営はやはりSoho’sなどの日本法人)「でも私たちって、チェーン店化すると行かなくなるんだよねぇ、これが」妻の言う通り、人気が出て、店が増え、いつの間にかチェーン店のようになり、そこに行かなければ味わえない料理ではなくなると、途端に足が遠のく2人。KIWAグループなどがその典型。

Photo_5もフツーに美味しかったね♪」有り難みは薄れたけれど、確かに一定水準はキープ。並ぶ程ではないけれど、たまに食べたくなる味。「あっ!グラマシー空いてるよ。スイーツでも買って帰る?」買物を終え、預けた荷物を受け取りに行く途中。閉店時間が近いこともありグラマシー・ニューヨークに並んでいる客はほとんどなし。チャンスとばかりクレープシュゼットとフルーツゼリーをお買い上げ。いつもは大混雑の人気店が並ばずに買える小福。自宅に戻り(かなり時間は開いたけれど)食後のデザート。「ふぅ〜ん、やっぱり美味しいんだねぇ」さすがに行列の店。C/Pは決して良くはないけれど、やはり水準以上の味だ。

ばないんだったら食べても良いや、って感じかなぁ」不遜なことばを吐く妻。ふつ〜に食す美味。考えたら贅沢極まりないのかもしれない。「でも、広げ過ぎて失敗するとブランドのダメージ大きいよね」確かに海外(に限らないけれど)ブランド展開の失敗例は多い。古くは、イブ・サン・ローランや、ピエール・カルダンなどは日用雑貨までそのロゴが付きまくり、高級感は全くない。ブランドイメージをキープしつつ、適正な価格で多くの人に買ってもらう・・・。確かに難しい戦略が要求される。「でも、スタバとかまだ大丈夫だよ」なるほど。鼎泰豊がスターバックスのように多店舗展開するかどうかは別として、成功事例はある。頑張れ!鼎泰豊!

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