Archive for 3 月 26th, 2011

調布では「目玉と仏は おらが蕎麦」ご近所散策 深大寺編

■今週からお気楽復活!けれど、深大寺を訪れ記事を書いたのは東日本大震災前。今もこんなに賑わっていると良いのだけれど…。

Jindaiji-sandoAmazake寒を迎える頃、「冬そば」という京王線のキャンペーンが始まる。ミシュランですっかり世界的?観光地となった高尾山周辺に20軒近くもある蕎麦屋で名物のとろろそばを食べよう!というものだ。ちなみに、今年で9回目だというそのキャンペーンのネーミングは、企画開始当時に人気になった「冬ソナ」をもじったもの…らしい。毎年のことでもあり、蕎麦好きでもないお気楽妻は例年ほぼ無関心だった。ところがある日、冬そばのチラシがテーブルの上に。食べてみたいという意思表示らしい。ふぅむ。高尾山に登りたいのかと妻に尋ねると、「登らなくて良い」とそっけない。けれど、わざわざ延々電車に乗って、高尾山に登らず蕎麦だけ食べに行くのもどうか。とは言え、蕎麦好きの私に火が点いてしまった。…じゃあ、代わりに深大寺に蕎麦を食べに行こうか!

Jindaiji-beerTen-seiroる週末、お気楽夫婦は深大寺に向った。驚いた。東参道沿いには土産物屋、蕎麦屋が軒を連ね、地図やカメラを持った人で溢れている。以前(といっても思い出せない程前だけど)何度か訪れた際の印象とは全く異なり、今やすっかり観光地。人気の店では行列もできている。空腹を抱えた2人は、すかさずこれはいかんと観光地となった一画の店に入る。縁台に腰掛け、深大寺ビール、味噌おでん、天せいろで腹ごなし。暖かな昼下がり、ぐびりと飲むビールが旨い。蕎麦は決して絶品とは言えないけれど、観光地の蕎麦だからと割り切った評価。接客も観光地での一見客向け。これぐらいで仕方ないか。「でも、天ぷらは揚げ置きじゃなくって、からっと美味しいよ♬」と妻。なるほど。期待していないところから物事を見ると、高評価になる典型。店の佇まいも観光客気分を味わえる雰囲気。視点を変えると気分も変わる。モノの見方が柔らかく温かくなる。

Kitaro-Chaya2Nezumi-Otoko台宗別格本山、浮岳山深大寺。東京では浅草寺に次ぐ古刹。腹ごなしに詣でるなどと言うには畏れ多い。けれど、ダルマ市でも有名な境内を散策し、さらに観光気分が高まるお気楽夫婦。お参りの後、山門を出て参道を歩くとお馴染みのキャラクターたちに出会える店が現れる。その名も鬼太郎茶屋。店先には記念撮影用のネズミ男、目玉オヤジのだんご、樹の上には鬼太郎ハウス。裏手に廻ると、こなきじじいい、一反もめん、砂かけ婆、猫娘…。TVドラマ『ゲゲゲの女房』ですっかり有名になった調布は、水木しげるが50年以上住む街。駅近くの天神通書店街には水木の描くキャラクターのオブジェが並び、街には鬼太郎バスが走る。調布の名誉市民となった水木しげるの産んだキャラクターが、いつの間にか調布を観光地にしていたのだ。

YusuiTororo-sobaなり楽しいねぇ♫」ネズミ男と記念写真を撮り、ご機嫌の妻。最寄りの駅から電車とバスでわずか30分の場所に、お気軽な観光地を発見した気分。地方都市が活性化のために地域の観光資源を徹底活用するというモデルが、こんな身近にあった。よし、もう1軒蕎麦食べに行くぞぉ!事前調査で美味しいと評判の店「湧水」に向う。板わさを肴にまたもや深大寺ビールをぐびり。そして待望のとろろそばをずずっとたぐる。旨いっ!香り高い蕎麦。これは深大寺近辺の水が良かったから産まれたという蕎麦を名物と呼ぶに恥じない味。接客も観光客ズレしていない。信州長野に「信濃では 月と仏は おらが蕎麦」というキャッチコピーのような句がある。だったら調布は、目玉と仏は おらが蕎麦。月に負けない目玉オヤジ、善光寺に負けない深大寺、信州に負けない蕎麦もある。

腹いっぱいだぁ♡」ご近所観光と蕎麦に満足した、相変わらずお気楽な2人。遠出を避けてらっしゃる皆さまも、ぜひご近所再発見のプチ・トリップを!

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