Archive for 10 月 23rd, 2011

秋味堪能!参りました!の栗ご飯「用賀 本城」

KakiSobanomi賀神社のすぐ側にある、その小さな店はその日も賑わっていた。予約が取れない人気店として、すっかり有名になった「用賀 本城」。ある週末、友人たちと共に本城のランチに出かけた。同じメンバーで2度目のランチ訪問。ご近所に住む地の利を活かし、スカッシュ仲間の奥さまが予約開始日に店に並んでくれたおかげ。「今日は余裕だね!って、早めに店の前まで様子を見に来たら、もう並んでる人たちがたくさんいてね、焦ってそのまま並んじゃったよぉ〜」と予約担当の奥さま。ムードメーカーの彼女の周囲には、いつも元気オーラが溢れている。時には元気が零れてしまい、皆で拾ってあげなければいけない程。皆で改めて彼女に感謝して乾杯。昼下がりに飲む1杯のビールの旨さに、さらに感謝。

SashimiWan回同様に5人が予約した席はカウンタ。この店の魅力はこのカウンタ席にある。7人掛けの小さなカウンタ席。けれど、1人分のスペースはゆったりと、がっしりとした造りの椅子、奥行き充分なカウンタテーブル。実に居心地が良い。そして、目の前に展開される本城劇場。演じるのはもちろん主役の本城さんを中心としたスタッフたち。季節毎の食材を手際良く美味なる料理に仕立て、実に美しい所作で一皿一鉢に盛付けていく。人数分きちんと並んだ器の行く先を眺め、その先が自分たちの手元にやって来ると、わぁと小さな溜息が出る。「美味しそうだねぇ」「器がキレーだぁ」「箸を付けるのが勿体ないね」何度味わっても同様のコメントが零れる。毎回新鮮な気持で味わえる魅力。

AgemonoSakeれは柿と胡桃を…」本城さんが丁寧に料理の説明をしてくれる。一様に頷く5人。けれど失礼ながらきちんと覚えちゃいない。料理評論家でもレポーターでもない5人は、ただ舌の先から身体ごと本城さんに委ねている。安心して任せ切っている。目の前のヨダレものの美味を一刻も早く堪能したいと思っている。そして期待以上の反応が自分の舌から全身に広がって来るのを感じ、「美味しいぃ〜♬」「くぅ〜っ」「幸せだぁ」感嘆と絶賛の大合唱がメンバーの口から漏れる。「おおきに」小さく頷く本城さんの柔らかい笑顔が目の前にある。「そう言えばアド街に…」という妻のことばに、「まだ開店して間もないウチんとこの店がって言うたんですけどね…」必要以上に客の会話に踏み込まず、的確な距離感で交わされる小さなエピソード。このやり取りこそがカウンタ席の魅力だ。

Kurigohan変わらず儲け度外視とも思える絶品かつお得なランチメニュー。なぜこの価格のランチに松茸が出る?この食材と手間では採算合わんでしょ!と。そんなランチメニューの掉尾を飾ったのが、栗ご飯。それまでの料理はもちろん感涙ものだった。当然お酒もぐいぐいと進んだ。けれど、最後のこの栗ご飯が全てをさらって行った。黄金色に輝く栗の甘さ、大粒の栗の存在感と歯応え、ふんわりとしたご飯の炊き加減、その適度に固めのご飯(絶妙に私好みの固さ!)と栗のバランスが茶碗の中で小宇宙を創ってしまう。参りました!の栗ごはん。

は冬だね!忘年会はどう?」「じゃあ次回は、夜の部だね!」そんなメンバーとのやり取りがあり、年末の予約をその場でお願いする。「夜はまだ来たことがないから楽しみだねぇ」と、ワシントンDCに赴任することになったご主人と共に渡米するスカッシュ仲間の奥さま。次回は彼女の壮行会にもなるだろう。「大丈夫!2人の生活が嫌になったらすぐに戻って来るから!」彼女の明るい冗談に「じゃあ、年明けにはまたランチで!」妻もお気楽に応える。それもまた良し?

■食いしん坊夫婦の御用達へ(お店データ/過去の記事) 「用賀 本城

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