Archive for 8 月 26th, 2012

この仲間たちと♬「ドンチッチョ、再び」

Octopusチリア料理の「ドンチッチョ」という人気のトラットリアがある。春にスカッシュ仲間と訪れ、再訪を約束しながら数ヶ月が経った。「近いうちに」という約束は、どこかの国の与野党の党首たちの玉虫色の言質同様になかなか実現が難しい。そして盛夏。2度目の訪問が叶った。「暑気払いと、IGAIGAの肘治療お見舞いの会だよぉ♬また私が予約するねぇ〜」と幹事役のスカッシュ仲間の奥さまから声が掛る。メンバーのスケジュールを調整し日程決定。この人気店は予定日の2週間前に予約をする必要がある。今回も彼女にお店のOPEN時間と同時に電話をしてもらった。3週間前に(間違えて)予約の予行演習をするというオチまで付けて。「ちょっと気が急いちゃったね♬」彼女のそんなキャラクターが、食事の場での絶妙なスパイスとなる。

Fritter日、厨房入口の横という絶妙な位置にある個室風のスペースに案内される。客席のざわざわ感を感じながら他の客からの視線は遮断される落着いた空間。調理場とホールを行き来するスタッフの動きと厨房の様子を眺めることができる。ライブ感満載。「この席で食べてみたかったんだよね」「その後肘の様子はどう」「ワシントン楽しみだねぇ」オーダーをする前から会話が溢れ出る。毎日のようにFacebookでやり取りしてはいるものの、直接会って話したかった話題がそれぞれ次々に湧いて来る。スタッフからメニューの説明を聞いている間も会話は途切れない。おススメ料理の説明に頷きながら「あ、それ食べたい!」「良いねぇ」とこちらもライブ感覚。真ダコがたっぷりのカポナータ、花ズッキーニが目玉のフリットなど次々にオーダー。

Risottoのフリット美味しいね♬」「どれもハズレないなぁ」そこに顔馴染みにのスタッフが現れたところで、「さっき説明してた料理は全部味見できるの」という直球を誰かが投げる。そんな質問にも一瞬戸惑いながらも柔やかに答えるホールスタッフ。「いいえ、それが残念ながらできないんです。でも、今年の夏に皆でシチリアに勉強しに行くことになってるんです」ほぉ、それは楽しみだねぇ。「はい、シチリアの食材を使った料理を、現地で食べられるのは嬉しいですね」と目を輝かす。この店が予約の取れない人気店である理由は、料理の味はもとよりサービスにもある。その明るく元気な接客と、絶妙な客との距離感。もちろん人によっては味と同様に好みはあろうが、気取らず、おもねらず、客に楽しんでもらうという空気が店に溢れている。定連ではなくとも、思わず気軽にスタッフに声を掛けてしまう雰囲気がある。

donchiccio京は今や世界で最もレベルの高い食事ができる街のひとつだ。日本料理はもちろん、世界各国の料理の水準も高い。中華料理しかり、フレンチしかり、イタリアンしかり。その上、細やかなサービス。けれど、それがオキドリ系に向ってしまい、客に必要以上の緊張を与えてしまう残念な店もある。あるいは、料理の道を追求するあまり、客にもその美学を強いる店もある。敷居の高さは、ある意味店が客を選ぶということでもある。けれども客もお店を選ぶことができる。東京には財布に応じて選べるだけ幅広いレベルの店がある。ドンチッチョは、何度でも来たいと思わせる店だ。輪郭のはっきりとした実に美味しい料理が提供される。そしてその料理をわいわいと楽しめる雰囲気がある。そして何より幸福なことに、この店のC/Pに納得し(ここが重要でもある)一緒に味わえる仲間がいる。

チリアから皆が帰って来た頃に、またお邪魔しまぁ〜す」店先まで送ってくれたスタッフに仲間が声を掛ける。良いね!秋の食材が揃う頃、皆で行こう♬

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