Archive for 1 月 13th, 2013

職業選択の自由「母と娘の風景」

Sena&JunpeiNewYearConcert業とは何だろう。生活して行くために収入を得るという経済性、社会の中で自らの役割を持って貢献するという社会性、そして自身の生き甲斐を充足させるための個人性。それらのバランスで成り立っているとも言える。何を優先させるかによって職業の選択肢は広がったり、狭まったりもする。振り返れば、経済性を優先した職業選択からスタートし、徐々に社会性や個人性に軸足を置いた仕事ができるようになった。多くの人との関わりによって、現在の仕事に到ることができたことを感謝する日々だ。

NamuljapchaeIGAIGA、年明けの週末って暇ぁ?」スカッシュ仲間の奥さまから声が掛る。新年早々に、娘のコンサートがあるという。「もちろん、行くさぁ!」妻が元気良く答える。彼女の娘は小さい頃からヴァイオリンと共に育ち、ヴァイオリンを中心に生活している。4歳から始めたヴァイオリン。桐朋で学び、イタリアに短期留学した。自らアマチュアのチェロ奏者としてずっと活動をしている父親とともに、彼ら家族の中心は音楽。父親の選択した職業の経済的成功のおかげで、父と娘は音楽を続けることができている。

TostyBabyNew Year Concert 2013」というタイトルの桐朋の同級生3人の小さなステージ。一昨年のクリスマスにも同じメンバーでコンサートを開催。当時3年生だった3人は、今ではそれぞれプロとアマチュアの狭間で音楽に関わっている。家族の支えによって好きな音楽を続けられる幸せなメンバー。当日も母親たちがかいがいしく裏方のスタッフを担当する。本人の才能と努力を掛けた係数だけでは音楽の世界で生活して行くことはできない。スポーツや芸術などの世界では富は集中している。僅かな、一握りの成功者が名声と富を手に入れ、多くの才能にはスポットが当たることはない。

KishichanKiyoshiンサートは素晴らしかった。アンコールの「アヴェ・マリア」は鳥肌ものだった。オトナになった3人の演奏は2年前とはひと味違っていた。そんな感想を言い合いながら帰路に付く。向ったのはスカッシュ仲間の地元、世田谷の高級住宅街。彼女の自宅に戻り、スプマンテで乾杯。地元の韓国料理屋で乾杯。いずれの会場でも同行したスカッシュ仲間の愛嬢が主役。「可愛いよねぇ。私もこんな孫娘が欲しいなぁ」巣立ちの時期を迎えた娘を持つ母親の素直な気持。娘の将来と、職業選択と、家族の形成と、もやもやとした不安と期待が混在する様子。

っという間に大きくなっちゃうよ」彼女の自宅に再度戻り、シャンパンで乾杯。周囲に慣れて来たスカッシュ仲間の愛嬢が元気に動き回る。「皆の注目を集めてるって分かると、すごく嬉しいらしいんです」新米ママが分析。彼女はどんな子供に、そしてオトナになるんだろう。「この娘、ちょうだい!」仲間の娘を撮影するベテラン母は満面の笑顔。きっと、この母と娘の光景は20年前の彼女の光景。

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