待望の鮎尽くし「用賀 本城」

IchiyaBoshiMatsuTake特の香りを持つことから「香魚」とも呼ばれる鮎は、初夏から夏が旬。秋にも落ち鮎、子持ち鮎が楽しめる。けれど、清涼感がある季節の食材として、やはり鮎料理を楽しむには夏が良い。お気楽夫婦は大の鮎好き。初夏の稚鮎の天ぷらに始まり、年に何度も鮎を味わう。特に今年は行きつけのビストロ「トロワキャール」で鮎のコンフィをいただいたり、いくつかの店で鮎の一夜干しを食べ比べたり、鮎を堪能した年だった。そんな2人は、いつか新橋の「鮎正」で鮎尽くしの料理を食べることが夢だった。

AraiCaviar夏の頃、「用賀 本城」を訪ねた2人に幸運が舞い込んだ。店主の本城さんと鮎の話題になり、「鮎尽くし料理ならウチでやりましょか」という願ってもない展開になったのだ。小躍りした2人。さっそく晩夏にいつもの席を予約。先付けは雲丹、生湯葉、茄子を使った小鉢。もちろん美味しいが今日の主役は鮎。続いて登場したのは一夜干しの鮎とウルカ。待ってました!の美味しさ。この一皿だけで何杯も酒が飲める。ちびちびと大切に味わう。逸る気持を抑えつつ松茸を味わうが、次の鮎料理に気持が移る。

ShioYakiTempura城さんが跳ねる活き鮎を掴み損ねる演出?を経て、鮎の背越しと刺身の登場。骨ごと味わう背越し、そぎ切りの刺身とどちらもぷりぷりと文句なく美味しい。次はお約束の塩焼き。小振りの鮎を頭から丸かじりで頬張る。絶妙な塩加減の鮎の香りが鼻孔をくすぐる。肚の苦みと繊細な身、香ばしい皮のバランスを堪能。あぁ、日本の夏だなぁと震える美味しさ。そして天ぷら。刺身で使わなかった頭や尾までカリッと揚げて盛付けられている。王道の塩焼きと甲乙つけがたい鮎料理の定番。淡白な鮎の味に奥行きを付ける味。

UmeNiAyuMeshi都出てから初めて作りましたわぁ」本城さんが笑顔で鮎尽くし料理の裏話を披露してくれる。そしてこれでもか!と鮎の煮浸し。仄かに梅の香りが漂う、これまた絶品の一皿。ほろほろと口の中で蕩けるダシの染み込んだ鮎、旨いに決まってる。そしてシメは鮎メシ。土鍋で炊いた上品な味付けのご飯の中に、焼き鮎の味と香りが絶妙なハーモニー。ほとんど満腹のはずなのに、ついお代わりを差し出す始末。京漬物をかじりながら、その日の鮎料理たちの味を噛みしめ、反芻する。実に幸福な時間だった。

の日の心残りは1点だけ。急遽決めた日程だったため、スケジュールが合わず仲間たちと一緒に伺うことができなかったこと。ダメ元で声を掛けた友人たちはいずれも「えぇ〜!鮎ぅ〜食べたい♡」「えっ!行きたい!」と、皆身悶える。予想以上の反応。オトナの舌には鮎が合うらしい。鮎好きとしては嬉しい誤算。来年の鮎の季節に、ぜひご一緒に♬

■「食いしん坊夫婦の御用達」 *「用賀 本城」詳細データ、過去の訪問記

1つのコメントがあります。

  1. 恒例 “鮎尽くしの会” vol.5「用賀 本城」 週末更新お気楽夫婦のお気楽生活ブログ IGA “快楽主義”宣言


    [...] 川魚は独特の臭いがあって苦手でも、鮎だけは別という人が多い。多くの川魚は“臭い”があり、香魚とも呼ばれる鮎には独特の香しい“匂い”がある。その淡白な身と香りと腹の苦味が相まって、鮎好きな人にはたまらないオトナの味になる。お気楽夫婦は大の鮎好き。ある年の夏、店に伺った際に「鮎尽くし料理」の話題になり、「ウチでやりましょか」という本城さんからの申し出に乗り、念願が叶った。以降、2年目からは鮎好きの仲間たちと一緒に毎年開催する恒例の会になった。夏を迎える頃に「今年はどうしましょう、飽きられんと料理を考えんと…」と本城さんに尋ねられる。どうやら本城さんも我々の会を毎年楽しみにしていただいている様子。嬉しい限りだ。 [...]

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