スカッシュと共に「アイドル♡松井千夏」

Chinatsu2013年9月8日(日本時間)午後、2020年東京オリンピックの開催が決定。日本中が湧いた。その数時間後の9日深夜、東京五輪での実施競技枠残り「1」は、第1回の投票で過半数を獲得したレスリングに決定した。次いで野球・ソフトボール、そしてスカッシュは残った3競技の中で最下位に終わった。日本の各放送局は、3競技の関係者がそれぞれに集まる会場を中継し、決定の瞬間にカメラを回した。スカッシュ会場にいた選手のひとりが、松井千夏だった。*呼び捨てゴメン(以後同)周囲に憚ることなく嗚咽を漏らす彼女にスタッフが声を掛ける。そして気丈に、悔しい、でも止めたくないし、諦めたくないとコメントした。そんなシーンを含め、NHKのある番組が彼女をずっと追っていた。『アスリートの魂』という、毎回1人のアスリートを取り上げるドキュメンタリー。放送日は2013年11月、全日本選手権の直後だった。

Truffe夏と久しぶりにご飯食べたいなぁ。IGAさん、セッティングお願いできませんか?」千夏の先輩であり、大学は違うが同じ時期にスカッシュをやっていた前職ぴあの後輩(新婚♡)から声が掛った。NHKの番組を視た彼女は「あぁ千夏頑張ってるんだなぁと思って」会いたくなったのだという。彼女がそう感じるのが分かる、実に丁寧に取材された良い番組だった。千夏とお気楽夫婦の出会いは1999年。当時まだ日体大の学生だった彼女の先輩でもあるコーチのレッスンを受け始めた頃だった。コートの中の彼女は輝いていた。いつも真剣な目でボールを追っていた。その美しいフォームに魅せられた。スカッシュを愛し、楽しんでいるのが伝わるプレーだった。けれど、コートの外に出るとおとぼけ系の素朴な女子大生。そんな彼女にすっかり大ファンになった。そして同じ頃、今や新婚の後輩がぴあに入社。そんな4人の縁。

PizzaMargheritaの後、プロのスカッシュプレーヤーとなり、2001年に当時としては最年少の日本チャンピオンとなった千夏。以降、毎年のように全日本の決勝に進出し、優勝すること4回。日本スカッシュのトッププレーヤーとして、並行してTVなどにも積極的に出演することで、スカッシュを盛り上げメジャーにしようと頑張ってきた。その為にもアイドル的なアスリートとしてマスコミに取り上げられることも、良しとして来たに違いない。その間もずっとトップであり続けた千夏。その集大成がオリンピック競技として採用されることだったはずだ。お気楽夫婦は、そんな千夏をサポートしたいと思いながら、せいぜい2人にできることは試合の応援に出かけたり、美味しいモノをご馳走することくらい。それでも一緒に食事をする度毎に、その時の彼女の思いを聞くことができた。そしてスカッシュ落選で、彼女の今後が心配でもあった。

Isolaいですよ」食事の前にスカッシュはどうかという千夏に送ったメールに、予想外の返信。シャレ半分だったのに。当日、久しぶりに一緒にコートに入る。エレガントで美しいフォームも、軽やかなフットワークも変わらない。「ひぇ〜っ、もう休みます」スカッシュは数年振りだという新婚後輩女子は早々にダウン。プライベートで来てくれたこともあり、コート内でずっと声を掛けながら気さくに一緒にプレーしてくれる千夏に周囲のメンバーは大喜び。「楽しかったぁ。やっぱりスカッシュは良いですね」15分しかプレーできなかった後輩女子の瞳も輝く。「千夏も、千夏に相手してもらってる人も楽しそうですよね」そうなのだ。千夏のスカッシュは変わらず魅力的であり、スカッシュを魅力的なスポーツにする力がある。やはり千夏は日本スカッシュ界のアイドルであり、スカッシュ♡伝道師だと再認識。

のピッツア美味しいですね。もう1枚?ぜんぜん大丈夫です♬」スカッシュの後、向かったのはナポリピッツアで有名な「ISOLA」というトラットリア。旺盛な食欲も変わらず、パン好きも、スイーツ好きも以前のまま。「ねぇ、千夏は60歳の頃、何やってると思う?」学生時代の同じ時期にスカッシュというスポーツを通じて知り合っただけに、新婚後輩女子の質問は内角をえぐるような内容だったりする。「きっとスカッシュやってますね」けれど、千夏もさらりと返す。なんだか良いなぁ。ずっと先輩、後輩の関係の体育界系女子2人を見守る、お気楽夫婦はまるで親の風情。「今年の東アジア大会は、私のスカッシュの集大成になると思います。ぜひ観に来てください」と千夏。9月、仁川。これからの千夏のスカッシュ人生に繋がるであろう、集大成となる試合を魅せてもらおうか。

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