春に逢い、春に酔う「Din’s 鼎」

Spring1Spring4が咲き始めた頃、前職P社の後輩と「魚の寄り処 てとら」へ。同じ沿線に住む彼とは、何年か越しにこの店で飲もうと言い合いながら実現できなかった。それが、年初の大同窓会で久しぶりに彼と会い、今度こそはと実現した。P社入社早々の若手の時代、当時から料理好きな彼は、応募した『danchu』のオリジナル料理コンテストで入賞。発行元のプレジデント社(P社のご近所にオフィスがあった)には、前々職の会社の同期(私より先に転職した)I崎くんがおり、3人で一緒に食事をしたりという不思議な縁があった。現在も“食”に深く関わる仕事をしているナイスガイは、食に関する拘りをブレずに持ち続け、新たな担当事業も抱えている。何よりも楽しそうに仕事をしている様子が嬉しく、頼もしい。春らしくフレッシュな話題で飲む酒は、楽しい酒だった。

Spring5Spring6卒で入社したS百貨店の同期会が開催されたのは、3分咲きの頃。何と入社35周年だと言う。かつて入社式が行われた4月1日に開催するという心憎い設定。集まった総勢30名ほどのメンバーの半数は、会社に残ってはいない。それでもこうして集まることのできる嬉しさ、声を掛けてもらえるありがたさ。わずか数年の在籍だったけれど、社会人として初めてビジネスの基本を叩き込まれた場でもあり、百貨店が元気だった時代、S百貨店が時代のフロントランナーだった頃に過ごした仲間たち。あっと言う間に当時にタイムスリップ。入社当時の懐かしい画像を流す企画では歓声が上がり、幹事も思わず感涙の盛上り。もうすぐ定年を迎えようとする仲間たち。けれど、まだまだ新たなチャレンジをしたり、枯れることなくお洒落で元気だ。嬉しい酒だった。

Spring2Spring10台に住む友人カップルが訪ねて来てくれたのは、自由が丘の桜が満開の頃。震災後に仙台で会社を興し、かの地で出逢い、数年間過ごした街から一足先に東京に戻って来た彼と、後を追うように仙台を離れようとしている彼女。それぞれに紆余曲折があり、周囲に心配されながら、それでも温かく見守られながら、ようやく満開のサクラのような笑顔になった2人。彼らを包む空気が、前回会った時よりも、柔らかく濃密になった。良い感じのカップルになった。元々東京にベースがあった2人だけれど、東京での生活は久しぶり。お気に入りの店「天天厨房」で一緒に台湾料理を食べ紹興酒を飲みながら、「BAR808」でスパークリングワインを飲みながら、杜の都仙台で育んだ温かな関係を、花の都TOKYOでも続けて欲しいと、つくづく思う春の宵。

Spring7Spring8由が丘のサクラが散り始めた頃、前職の後輩であり、自由が丘の仲間でもあるTくんの店を訪問。GACKTとタッグを組んで新規開店した「Din’S 鼎」という焼き小籠包の店。彼はミスチルなどのアーティストと一緒にコンサートツアーを周り、アーティストグッズを企画販売する会社の経営者。家業の惣菜屋を継ぎながら、ケータリング領域に事業を拡大し、グッズまで手がけるやり手社長。学生時代からの体育会(彼はアメフト)気質そのままに、好奇心旺盛で、エネルギッシュな会社を経営してきた。地元自由が丘で彼が初めて手がける“大箱”の飲食店の様子を見に出かけると、本人登場。お祝いの握手と記念撮影、そして乾杯。既に行列ができる人気店。この勢いをそのままに、元気に全力で走り続けて欲しい、誇らしい後輩のひとりだ。

Spring9は新たなスタートの季節。その季節の象徴はサクラ。日本人の誰もがサクラの開花を心待ちにし、サクラをを愛でる。“花”見と言えばサクラを指す。そのサクラは新たな季節の“生”の象徴でもあり、散り行く“死”の象徴でもある。サクラの花と共に、春に逢った友人たちは、みんな良い顔をしていた。新しい仕事やプロジェクトをスタートさせたり、ポジティブに新たな生活設計をしたり、それぞれが新たな季節を迎え、その喜びに目が輝いていた。春に逢い、春に酔う。そんな季節が過ぎていく。

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