上海がにとバースデー「萬来軒」

Kani1Kani2年秋になると集まる仲間たちがいる。それぞれ何人かで会うことはあっても、全員が揃うのは年に1回。合言葉は“上海がに”だ。20年ほど前から、ほぼ同じメンバーで毎年のように開催している“上海がにの会”は、数えて17回目。会場はお気楽夫婦のご近所の「萬来軒」と言う小さな四川料理の名店。「IGAさんだったらきっと先に飲ってるだろうと思って、飲んでました♬」時間通りに店に向かうと、既に全員が揃っており、賑やかにビールを飲み始めていた。「あぁ、IGAさんいらっしゃい」と料理担当のおじちゃんが店に出てきて挨拶してくれる。ではと早速ビールで乾杯。牡蠣の辛味炒め、豚肉と黄ニラ炒め、などのおじちゃん自慢の料理をいただく。楽しく美味しい宴の始まりだ。

Kani3Kani4インの上海がにが出て来ると、一斉に歓声が上がり、撮影タイムとなる。インスタ映えする(インスタやってないけれど)フォトジェニックな柿色のカニの甲羅が食欲をそそる。「これは皆んなにプレゼント!」そう言って仲間の一人が取り出したのは、お揃いの赤いキチッンばさみ。刃先がカーブを描き、カニを食べるのにぴったり。これは嬉しい。サンクス。お気楽妻が持参したおしぼりも配られ、戦闘態勢に入る。3組のカップルがそれぞれ雄ガニ、メスがにを分業制で取り分け合い、1人の独身者が黙々とカニの身をほじる。「おいしぃ〜っ!」「やっぱりカニ味噌がイイね」と肯き合う。濃厚なカニの味噌と内子がたっぷり入った今年のカニは当たりだ。美味しい笑顔が広がる。

Kani5Kani6ぉ〜っ!やっぱりこれだ!」またもや歓声が上がる。もう一つの店の主役、「四川麻婆豆腐」の登場だ。この店に通い始めた30年程前は、まだまだケチャップ風味の甘めの麻婆豆腐が主流。今では珍しくなくなったけれど、中国山椒のピリ辛な味は当時は新鮮で刺激的だった。日本ではまだまだ広東、四川、北京などと中華料理の分化が進んでいなかった頃、「四川料理」の看板を掲げ、長く続けて来られたのは、やはり看板料理のこの味のおかげ。坦々麺もまだ一般的ではなかった頃からこの店の名物だ。「ありがとうございました」おじちゃんが挨拶に出てきたところを一緒に写真に収まる。もう歳だからいつまで続けられるか分からないと言うけれど、まだまだ続けて欲しい店だ。

Kani7Kani82軒目は、おなじみの「BAR808」へ。この店は「ビストロ808」として不定期営業しているが、料理を出さない場合はバーとして営業。酒もそこそこの品揃え。さらにその日は誕生日を迎えたばかりの仲間のお祝いにと、これまたご近所の名店「Patisserie Yu Sasage」のサプライズのバースデーケーキを用意していた。スパークリングワインで改めて「ハピバ!」と乾杯し、さっそくケーキをいただく。「嬉しい!ありがとう」とひとつ歳を取った仲間(笑)は満面の笑み。用意し甲斐がある笑顔だ。そしてケーキはといえば上品な甘さの見目麗し系で、ワインとも良く合う。「来年も萬来軒に集まって、シャンパンでお祝いしよう!」気の早い仲間が嬉しそうに提案する。ん、それはイイね。

の終わりを考えもしていなかった若い頃、一生は永遠に近いものだった。その永遠も疾うに半ばを過ぎた。来年もまた!という約束はくすぐったくも嬉しく響く。来年もまた、おじちゃんの絶品四川料理を食べに集まろう。仲間の誕生日をお祝いするためにシャンパンを開けよう!初冬の頃に、BAR808で♬

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