Archive for 3 月 5th, 2018

弁当LOVE「幕の内 vs 駅弁」

Bento1の内弁当」の由来は諸説あるらしいが、芝居の幕間に観客が食べた弁当が始まりというのが有力らしい。さらに、その定義も諸説あり、俵形にした白米を並べ、黒ゴマを振り、汁気の少ないおかずを少しづつ複数詰め合わせた弁当というのが一般的。劇場で食べる弁当と言えば、歌舞伎座や明治座などの劇場が浮かぶ。座席での飲食禁止の劇場と、幕間で食べる弁当も観劇の楽しみとする劇場の違いは、演目や設備などによる。

Bento2舞伎座を久しぶりに訪れ、“食べられる派”の劇場と芝居を楽しんだ。幕間には食事をすることを前提としており、劇場内には食事処があり、弁当も売っている。お気楽夫婦が選んだのは、「地雷也」の天むす弁当と、「銀座ひらい」の穴子弁当。どちらも感激するほどの美味しさではないけれど、観劇のついでに20分ほどの休憩時間に食べるにはお手頃。きちんと食べたいなら、幕間ではなく芝居の後にゆっくりと楽しめばいい。

Bento3じ弁当でも駅弁の趣はまた別種、というか別格。駅弁の歴史としては、明治時代に鉄道が走り始めてからだから、江戸時代あたりの芝居小屋で食べ始められたであろう幕の内弁当の方が歴史は古い。けれども、新幹線や特急列車のシートに座った途端にビールと駅弁が欲しくなる性癖を持つ身としては、どうしても駅弁に軍配が上がる。旅情と言う名の味付けが決め手。車窓からの風景が駅弁の味を増し、出張の際の駅弁ですら◯。

Bento4る週末、所用で藤沢に行く予定ができた。せっかくの藤沢だから小田急ロマンスカー、ロマンスカーと言えば、駅弁だ。藤沢での所用の後、ロマンスカーの座席を予約し、駅弁を物色。すると、日本初の駅弁だという大船軒の「サンドウィッチ」と「鯵の押寿司」を妻が発見。グッジョブ!早速ビールを買い込み、車内で宴会だ!サンドウィッチは昔ながらのムニャムニャの味。涙。気を取り直して、鯵の押寿司に期待。

Bento5で強めに締めた鯵と酢メシの上に、添えられた生姜を少々乗せて、ひとくちに頬張る。そして、冷えたビールをぐびり。んまい。良い組合せだ。こちらも大正2年から販売しているという、100年を超えるロングセラー。素朴ながら、直球で攻めてくる伝統の味。その街に行かなければ買うことができず、相模湾の鯵という地元ならではの食材を使う。これこそが駅弁のくすぐりポイントだ。いいぞいいぞ!

Bento7華で美味しいね♬」とお気楽妻が絶賛したのは、笹巻き寿司で有名な「ゆしま 扇」のお手頃弁当だ。見た目も上品で、きちんと美味しく、食べ易い。狭い客席で食べるにはぴったり。新橋演舞場での芝居見物用に購入したもの。とは言え、幕間で食べるには空腹になっておらず、その日の宿泊先「ハイアット セントリック銀座」でいただいた。やはり狭い劇場の椅子で食べるより、ゆったりと味わえる。旨し。

場で食べるなら、桟敷席だね」とゼータクな発言のお気楽妻。ふむ、けれどもそれは同意。桟敷席であれば、劇場の雰囲気を楽しみ、芝居の余韻を味わいながら食事ができる。「幕の内なら桟敷席、それ以外なら駅弁の勝ち、だね」この勝負に関する妻の判定は、次回の歌舞伎鑑賞では桟敷席に座るということか。怖っ!

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