頑張れニッポン!「ジンクス」

06_12006FIFAワールドカップ、日本の初戦の月曜日。土日に連続出勤した私は、代休。夕方から妻と待ち合わせ、買物。店はいつもの平日より空いている。気分良く、ゆったりと買物ができて満足、・・・してしまったらお腹が空いた。今日はデパ地下ご飯を買込んでWC観戦!という予定だったのだが、泣く子と空腹には勝てない(子供もいないのに)お気楽夫婦。二人がいた場所が悪かった。新宿高島屋といえば、あの店がある。ほぼ同時に思いつき、言ってしまった。「鮨源で寿司食べようか!」

この店にGWに来た時には待ち行列の長さに諦め、その数日後にリベンジ。満足して食べ、帰ったものの、いつもより塩が強かったせいか、喉が渇いて仕方なかった。つまり、悪いイメージが残ったままだった。せっかくのお気に入りの店がマイナスイメージで固定されてはいけない。という訳(言い訳)で短期間内での再来店。暖簾をくぐると店内はがらがら。入口すぐ、担当の山本さんの席へと案内される。あれ?案内のおばちゃんにも顔を覚えられている模様。「こんにちは。なんだか空いてますね」「今日はこんな感じだと思います。皆さんいらしても早めに帰られるでしょうね」ワールドカップおそるべし。

「まずは何からいきましょうか?」「鯛と鱸を握ってください。今日は塩を軽めにお願いします」岩塩から卸す白い塩の雨が今日は控えめ。ん~、んまい。やはり軽めの塩が素材の味を際立たせる。良い感じ。鯵は酢橘を搾りポン酢で、イカはやはり塩で。車海老の躍り、ホタテ。ふんふん、順調に美味しい。先制点GET!という感じの出足。「鰹の腹なんていかがですか?」「くださいっ!」目の前で美しい鰹がさばかれる。口に入れる。鰹のトロ。ううっ!うまい!幸せだっ!鮮やかな日本の2得点めが目に浮かぶ。

「サザエがありますけど、握りもできるんですか?」「できますよ。全部使うんで、3貫づつになりますけど、よろしいですか?」ひとつ目は脚の部分。こりこり旨い。ふたつ目は中間部分。さっぱりとした味。最後はワタを軍艦巻で。青緑色の不思議な寿司。遠くで苦味がほんのり。旨い。大人の味。「楽しめますねぇ」その後も煮ハマ、穴子など好物ネタをいただき満足。きっと日本も満足行く戦いをしてくれるだろうと、帰宅。結果は・・・。

今日は後のない二戦目。日本中のブロガーの記事は80%ぐらいが同じタイトルに違いない。悔いのない試合をして欲しい。でも、お気楽夫婦は、今日も寿司。友人夫妻の結婚20周年のパーティにご招待いただいた。友人宅に板さんを派遣してもらう寿司パーティ。豪勢。楽しみ。でも、まさか・・・。頑張れニッポン!       あちゃぁ・・・。

美味を創るもの(前編)「全聚徳」

Pic_0181GW中も仕事を持ち帰り、パソコンに向かう妻。この季節に遠出はできない。しかし、そこは快楽主義のお気楽夫婦。近場のお気楽レジャー三昧。日々“旨し食”の追求に明け暮れる。サプリメントとコーヒーで夕食を済ます残業ダイエットの日々から開放された妻は、我が家に“キッチン”というものが存在することを忘れたかのように「夕飯何食べようか?どこに食べに行く?」と、のたまう。一段と外食係数、エンゲル係数が上がって行く。

ある日、友人夫妻と一緒に食事の約束。休日出勤の友人(夫)は途中合流の予定。買物の後で、新宿高島屋の<鮨源>へ。山本さん(担当の板さん)元気かなぁ♪・・・などとお気楽に向かったのが間違い。どう計算しても1時間以上は待つ行列が出来ている。(鮨源は残念ながら休日の予約不可)方針を変更し、三丁目の「全聚徳」へ。この店、1864年創業の北京料理の名店。北京本店は、キッシンジャー、ニクソン、ブッシュなどの海外要人をもてなす外交の場でもあったらしい。その本店から“北京ダック専門調理師”を招聘して営業。不味かろうはずがない。客も裕福そうな中国人が多い。

東京タワーや六本木ヒルズを望むゆったりとした席で食事開始。三併盆、白菜とホタテの煮込、黒酢古老肉、フカヒレ入小籠包、空芯菜炒め・・・どれも美味しく、丁寧な仕上げと盛り付け。そして、以前二人でランチに来た時は1ロールしかオーダーできなかった北京ダックを半羽。(写真はランチの際のメニュー)それにしても友人は遅い。熱々で美味しい料理を1人分取り分けて残してあるが、すっかり冷めている。せめて北京ダックは熱いうちに食べて欲しい・・・。あ、残念!ダックが来てしまった。食べちゃえ!皮の脂部分は砂糖をまぶして熱々をそのまま食べる。旨い!そして、ピンでダックとキュウリ、甜面醤を巻いてひと口。うま旨っ!カリカリの皮とジューシーな肉がぁ・・・たまらんっ!

そこで友人登場。「遅くなっちゃって、ごめんなさい!」いえいえ。先に食べて申し訳ないのはこっち。「冷めちゃって悪いねぇ」小皿に盛り付けた料理は、やはり食欲中枢へのアピール不足は否めない。我々3人が食べたものとは別の料理のよう。「あ、美味しい。良い店かも」そう言ってくれるものの、満足の笑みではない。「じゃあ、麺でも食べようか」そうして出てきた熱々の麺。旨そう。・・・しかし、「お取り分けします」というアルバイトらしい女の子に任せてしまったのが悲劇のダメ押しだった。4人分に取り分けてそれぞれが美味しそうに食べるのに、彼の様子がおかしい。「これ味ない?」「え?そんなことないよ?美味しかったよ」 ・・・to be continued

ジングル・ガリ!「鮨源/新宿」後編

P1000771この店に初めて招待した友人は、上海でお世話になったYさん夫妻。上海では美味しい寿司は食べられない!と、嘆く2人は中国人。彼の流暢な日本語と奥さまの英語、妻の中途半端な英語とで会話が弾む楽しい食事だった。その後は、NYCから出張で短期間戻ってきた友人を囲んで。後日、その日に合流できなかった友人夫妻。さらに、それを聞きつけた友人ペアと…。連続して同じ店に通い、スタッフに顔を覚えてもらうと、後は楽ちん。しばらく訪れなくても「お久しぶりです」と迎えられる。その日も、遅れてきた妻が店の暖簾をくぐった瞬間に、山本さんがすかさず、「お連れさま、お見えです」と伝えてくれた。

妻には、周回遅れを取り戻してもらうために、先行している我々と同じネタを1貫づつ握ってもらう。そして妻が追いついた頃に、全員が中トロで折り返す。「ほんとに美味しいですねぇ」人柄の良さそうな姪の婚約者がにっこり。さらに、姪を見つめてにっこりする。姪も芋焼酎のロックを飲みながら、ふふふと微笑返す。…安心、安心。美味しいものを美味しそうに食べ、美味しく酒を飲めるやつに悪いやつはいない。ずっと幸せでいられそうなカップルだ。おっと、ここで車海老の頭の炙りがやって来た。海老の躍りを頼んだのは、これを食べたかったから。くぅっ!かりかりと磯の香りが旨い。

次はウニ。この店は軍艦巻にはせず、シャリの上に零れんばかりの生ウニが載る。なのに、箸でつまんでも崩れたりせずに、口の中で柔らかく溶けていく。これも塩と柚子でいただく。軍艦の海苔も美味しいが、塩で食べるとウニだけの香りが鼻腔に残り、ネタそのものを楽しめる。ネタに醤油を付けるためにひっくり返すこともない。お薦め。続いて穴子。私の最後の晩餐は、炙った穴子と決めている。きりっと冷やした辛口の酒をくぃっと飲んで、かりっとした穴子の白焼を頬張り、「良い人生だったなぁ…」と呟きながら、妻に看取られる。…っと、妄想は止め、今日はツメを付けて食す。ぅんまぁ~い。

「最後に、玉子をつまみでください」「焼きますか?」「お願いします」焼けるまでの間に、良い香りの沢庵が二切れ供される。(忘れてたけど、この店ガリも旨い!)そう、熱々の焼きたて玉子がデザート代わり。これがまた旨いのだ。「幸せですねぇ」「ほんと。君らのようだよねぇ」「やっぱり、そうですかぁ。幸せですもんっ!」…10年後も4人で一緒に、美味しいものを食べ、飲み、カラオケに行けると良いねぇ…。

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SINCE 1.May 2005