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	<title>IGA“快楽主義”宣言 &#187; ■読書の愉しみ</title>
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	<description>週末更新お気楽夫婦のエピキュリアン的生活</description>
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		<title>再読のススメ『赤頭巾ちゃん気をつけて』庄司薫</title>
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		<pubDate>Sat, 24 Mar 2012 08:40:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[◆学びの悦楽]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[買った本が捨てられない。正確には、自分で買った本を処分できない。もっと正確に言えば、手に入れて気に入って読んだ本を手放すことができない。「本棚に入らないから捨てようよ！」といつもブツブツ言う妻に明確に答えられない、その捨てられない理由は何だろう。再度読み返そうと思った時にすぐに手に取れるということもある。読んだ時のことを背表紙を眺めながら思い出すのが好きということもある。老後にゆったりと読み返したいと思っているから、というのは言い訳に違いない。今も新刊が増え、全部を読み返すにはずいぶんと長生きをしなければならないだろうし。けれども稀なケースとして、実際に読み直してまた楽しむことがある。そして読み返してもなお色褪せないどころか、今でも輝き続けている、あるいは新たな輝きを持つ物語がある。私にとっては『赤頭巾ちゃん気をつけて』が、まさしくそんな作品だ。
作者は庄司薫。主人公の名前も同じ「庄司薫」という18歳の高校3年生。『赤頭巾ちゃん〜』に続く『さよなら怪傑黒頭巾』『白鳥の歌なんか聞こえない』『ぼくの大好きな青髯』を合わせた4連作の第1作め。それぞれの作品に冠された4色は、古代中国の五行思想における赤(朱雀)、黒(玄武)、白(白虎)、青(青龍)。それぞれ南北西東、人生の夏冬秋春を意味する物語。作者によれば「みんなを幸福にするためにはどうすればいいか」という問いを抱えて、世界の四方に出かけて、何かを予感して封印する輪廻転生の物語。高校時代に初めて読んだこの4冊は私にとって憧れの世界だった。友人たちとの会話、主人公の語り口、軽やかでオシャレでちょっとキザなレトリック。柔らかでしなやかな知性に溢れ、それでいて若さのまっただ中でもがく、ナイーブな高校生。男の子、いかに生きるべきかなどと呟きながら。本棚の隅に妻の追求から逃れるように『赤頭巾ちゃん〜』たちが収まっている。その奥付によると初版は昭和44年8月10日、私の持っているのが昭和48年11月10日の、なんと47版！そう、当時の表現で言えば、猛烈に(笑)売れていた小説なのだ。
そして、2012年。4部作が改めて文庫化される。3月から毎月1冊づつ、「新潮文庫」から出版されるという。福田彰二という本名で受賞した『喪失』が中央公論新人賞を受賞したことから、今までは文庫も含めた全ての庄司薫の著作のほとんどは中央公論社が版元だった。どんな経緯があったかは知らないけれど、3月に出たばかりの『赤頭巾ちゃん気をつけて』新潮文庫版を手に取った。巻末には「あわや半世紀のあとがき」というわずか2Pだけの文章。どうやら庄司薫本人が書いた(当然だけれど)ようだ。そのあとがきを読むために迷わず購入。何しろ、4つの物語を書き終えた後、本人が言うところの「総退却」してしまった作者はほとんど表舞台に出てこない。新たな文章にお目にかかれない。ちなみに、奥さまでピアニストの中村紘子さんの収入で暮している訳ではなく、不動産等の資産運用で悠々自適の、まさしく憧れの生活をなさっているようだ。
そして再読。舞台は1969年の東京。春。主人公の薫は、学校群制度が導入される直前の、東大に毎年200名近く入学していた日比谷高校の3年生。東大入試が中止となり、大学に行くことを止めることを幼なじみの由美ちゃんに伝えようとした朝から、ふんだりけったりの展開の後、銀座の旭屋書店の前でカナリア色のコートを着た小さな女の子に爪を剥がしたての足を思いっきり踏まれ、そして彼女が買おうと慌てていた『赤ずきんちゃん』を一緒に選んであげる。そして、それまでの自分の抱えたトゲトゲを全て許せる気持になって、その日の夜に由美ちゃんと仲直り、というそれだけの、たった半日の物語。けれど、半世紀近く経った今でも、その文章は変わらず瑞々しく、物語は古びることなく、若くはなくなった私に柔らかく響いて来る。書出しの文章をほぼ覚えていることに驚く。それどころか、読み返して、当時は理解できなかった小さなエピソードに気付く。物語の輪郭や陰影がはっきりとする。当時は未知の街だった舞台、東京を辿ることができる。新たな楽しみ方を発見する。40年以上前に読んだ時と変わったのは自分だけなんだと気付く。
「そうまで言うなら、読んでみるかぁ」と、庄司薫作品は未読の妻。未読の方にもおススメしたい。まして村上春樹がお好きなら。なぜなら、村上春樹が80年代に新たな日本の小説の地平を拓いたように、70年代は庄司薫だったんだ。…と庄司薫風におススメしてみようと思った訳だ。再読の方も、ぜひ。

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			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%B5%A4%E9%A0%AD%E5%B7%BE%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E6%B0%97%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%A6-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%BA%84%E5%8F%B8-%E8%96%AB/dp/4101385319%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4101385319"><img src="http://www.amazon.co.jp/gp/registry/wishlist/add-item.html%3Fasin.0%3D4101385319%26SubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D5143%26creativeASIN%3D4101385319" alt="" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2012/03/akazukin3.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-7806" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2012/03/akazukin3-100x133.jpg" alt="akazukin" width="100" height="133" /></a>買</span></strong></span>った本が捨てられない。正確には、自分で買った本を処分できない。もっと正確に言えば、手に入れて気に入って読んだ本を手放すことができない。「本棚に入らないから捨てようよ！」といつもブツブツ言う妻に明確に答えられない、その捨てられない理由は何だろう。再度読み返そうと思った時にすぐに手に取れるということもある。読んだ時のことを背表紙を眺めながら思い出すのが好きということもある。老後にゆったりと読み返したいと思っているから、というのは言い訳に違いない。今も新刊が増え、全部を読み返すにはずいぶんと長生きをしなければならないだろうし。けれども稀なケースとして、実際に読み直してまた楽しむことがある。そして読み返してもなお色褪せないどころか、今でも輝き続けている、あるいは新たな輝きを持つ物語がある。私にとっては『赤頭巾ちゃん気をつけて』が、まさしくそんな作品だ。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">作</span></strong></span>者は庄司薫。主人公の名前も同じ「庄司薫」という18歳の高校3年生。『赤頭巾ちゃん〜』に続く『さよなら怪傑黒頭巾』『白鳥の歌なんか聞こえない』『ぼくの大好きな青髯』を合わせた4連作の第1作め。それぞれの作品に冠された4色は、古代中国の五行思想における赤(朱雀)、黒(玄武)、白(白虎)、青(青龍)。それぞれ南北西東、人生の夏冬秋春を意味する物語。作者によれば「みんなを幸福にするためにはどうすればいいか」という問いを抱えて、世界の四方に出かけて、何かを予感して封印する輪廻転生の物語。高校時代に初めて読んだこの4冊は私にとって憧れの世界だった。友人たちとの会話、主人公の語り口、軽やかでオシャレでちょっとキザなレトリック。柔らかでしなやかな知性に溢れ、それでいて若さのまっただ中でもがく、ナイーブな高校生。男の子、いかに生きるべきかなどと呟きながら。本棚の隅に妻の追求から逃れるように『赤頭巾ちゃん〜』たちが収まっている。その奥付によると初版は昭和44年8月10日、私の持っているのが昭和48年11月10日の、なんと47版！そう、当時の表現で言えば、猛烈に(笑)売れていた小説なのだ。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2012/03/kiwotukete.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-7767" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2012/03/kiwotukete-100x133.jpg" alt="kiwotukete" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">そ</span></strong></span>して、2012年。4部作が改めて文庫化される。3月から毎月1冊づつ、「新潮文庫」から出版されるという。福田彰二という本名で受賞した『喪失』が中央公論新人賞を受賞したことから、今までは文庫も含めた全ての庄司薫の著作のほとんどは中央公論社が版元だった。どんな経緯があったかは知らないけれど、3月に出たばかりの『赤頭巾ちゃん気をつけて』新潮文庫版を手に取った。巻末には「あわや半世紀のあとがき」というわずか2Pだけの文章。どうやら庄司薫本人が書いた(当然だけれど)ようだ。そのあとがきを読むために迷わず購入。何しろ、4つの物語を書き終えた後、本人が言うところの「総退却」してしまった作者はほとんど表舞台に出てこない。新たな文章にお目にかかれない。ちなみに、奥さまでピアニストの中村紘子さんの収入で暮している訳ではなく、不動産等の資産運用で悠々自適の、まさしく憧れの生活をなさっているようだ。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000">そ</span></strong></span>して再読。舞台は1969年の東京。春。主人公の薫は、学校群制度が導入される直前の、東大に毎年200名近く入学していた日比谷高校の3年生。東大入試が中止となり、大学に行くことを止めることを幼なじみの由美ちゃんに伝えようとした朝から、ふんだりけったりの展開の後、銀座の旭屋書店の前でカナリア色のコートを着た小さな女の子に爪を剥がしたての足を思いっきり踏まれ、そして彼女が買おうと慌てていた『赤ずきんちゃん』を一緒に選んであげる。そして、それまでの自分の抱えたトゲトゲを全て許せる気持になって、その日の夜に由美ちゃんと仲直り、というそれだけの、たった半日の物語。けれど、半世紀近く経った今でも、その文章は変わらず瑞々しく、物語は古びることなく、若くはなくなった私に柔らかく響いて来る。書出しの文章をほぼ覚えていることに驚く。それどころか、読み返して、当時は理解できなかった小さなエピソードに気付く。物語の輪郭や陰影がはっきりとする。当時は未知の街だった舞台、東京を辿ることができる。新たな楽しみ方を発見する。40年以上前に読んだ時と変わったのは自分だけなんだと気付く。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">そ</span></strong></span>うまで言うなら、読んでみるかぁ」と、庄司薫作品は未読の妻。未読の方にもおススメしたい。まして村上春樹がお好きなら。なぜなら、村上春樹が80年代に新たな日本の小説の地平を拓いたように、70年代は庄司薫だったんだ。…と庄司薫風におススメしてみようと思った訳だ。再読の方も、ぜひ。<a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%B5%A4%E9%A0%AD%E5%B7%BE%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E6%B0%97%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%A6-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%BA%84%E5%8F%B8-%E8%96%AB/dp/4101385319%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4101385319"><img src="http://www.amazon.co.jp/gp/registry/wishlist/add-item.html%3Fasin.0%3D4101385319%26SubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D5143%26creativeASIN%3D4101385319" alt="" /></a></p>
<p><img src="http://www.amazon.co.jp/gp/registry/wishlist/add-item.html%3Fasin.0%3D4101385319%26SubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D5143%26creativeASIN%3D4101385319" alt="" /></p>
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		<title>1964年の光と闇『オリンピックの身代金』奥田英朗</title>
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		<pubDate>Sat, 10 Dec 2011 04:44:25 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[ある週末の夜、お気楽夫婦は国立代々木競技場第1体育館を訪ねた。ワールドカップバレー2011男子東京大会の最終戦、日本vsブラジルの観戦。試合は日本チームも健闘したものの0-3のストレート負け。残念。ところで、この競技場は1964年の東京オリンピックの開催のために建設された施設。丹下健三による設計。吊り屋根の構造で、巻貝を思わせる独特の外観。オリンピックが開催された当時は日本の近代化を象徴する“未来”を感じさせる建物だったに違いない。その他、日本武道館や駒沢陸上競技場などの競技場に止まらず、東京オリンピックの開催に向けたインフラの整備は、東海道新幹線、羽田空港と都心を結ぶモノレール、今では景観問題にもなっている首都高など、枚挙に暇がない。それらの建設は国の威信を掛けて行われ、日本全国から建設労働者が集まった。
1964年、今から47年前。敗戦から19年で高度成長を遂げつつあった当時の日本。ちょうど2008年の北京オリンピックを契機に中国が先進国の仲間入りをする中、都市部と農村部との貧富の差がクローズアップされたように、日本にも（現在のワーキングプアという問題とは背景が異なる）圧倒的な貧富の差が存在した。『巨人の星』の中で、日雇い労働者だった星一徹が東京オリンピックに向けた工事で仕事が増え、名門（お坊ちゃま）学校である青雲高校に星飛雄馬が入学できたというエピソードがある。当時、長屋に住んでいた星一家。父の一徹が昼夜問わず働いていたシーンが良く出てきたものだ。また、同時代を舞台にした映画『ALWAYS 三丁目の夕日’64』が2012年に公開される。これらは、貧しいながらも明るく健気に生きる当時の人々を描く、夢がある明るいビンボー物語。
けれど、光がある処には陰があり、さらにその傍らには深い闇がある。奥田英朗の『オリンピックの身代金』という作品は、明るいビンボーということばでは片付けられない1964年の闇の世界の物語だ。秋田の寒村に生まれた主人公。東京に出稼ぎに出て働く兄のお陰で、高校に入学でき、余りに成績優秀だったがために担任に奨学金をもらいながら進学することを勧められ、見事に東京大学に入学する。ところが、貧しいながらも平穏な学生生活を送っていた彼の生活は、兄の死で一変する。東京の建設作業場で急死した兄の過酷な生活を経験しようと飯場に住み込み、死の背景を知る。そして、彼の住む貧しく暗い世界の対極にある、富と光の象徴である東京オリンピックを人質にして、日本国家から身代金を得ようと計画を立て、実行して行く。
犯行を重ねる主人公の背景で、1964年の東京が実にリアルに描かれる。建築途中のモノレールの描写と同時に、漁業権を放棄せざるを得なかった東京の漁師たちの存在を伝える。東大の同級生が就職したテレビ局を描き、オリンピックを機にメディアの中心になろうとする当時のTVマンたちの熱気を伝える。それらの描写のいちいちが実に面白い。犯人である主人公と警察との駆け引きや、綿密な犯行計画と実行に至る経過などの物語そのもの魅力も大きいが、多彩な登場人物たちの持つ背景や、時代の描写が魅力的なのだ。タイムスリップし、当時の東京をそれぞれの人物の目で眺めているようなワクワク感。そして、歪んだ善を持った悪として描かれる主人公の魅力と相まって、最後まで緩む部分なく、一気に読んでしまう。
「うん、確かにかなり面白かった♬」奥田英朗の伊良部シリーズファンでもある妻が呟く。コメディタッチの作品も多い奥田英朗。犯罪サスペンスながら柔らかな筆致で読ませる『オリンピックの身代金』かなりのおススメ！
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]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/12/YoyogiOlympicStadium.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-7194" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/12/YoyogiOlympicStadium-100x133.jpg" alt="YoyogiOlympicStadium" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">あ</span></strong></span>る週末の夜、お気楽夫婦は国立代々木競技場第1体育館を訪ねた。ワールドカップバレー2011男子東京大会の最終戦、日本vsブラジルの観戦。試合は日本チームも健闘したものの0-3のストレート負け。残念。ところで、この競技場は1964年の東京オリンピックの開催のために建設された施設。丹下健三による設計。吊り屋根の構造で、巻貝を思わせる独特の外観。オリンピックが開催された当時は日本の近代化を象徴する“未来”を感じさせる建物だったに違いない。その他、日本武道館や駒沢陸上競技場などの競技場に止まらず、東京オリンピックの開催に向けたインフラの整備は、東海道新幹線、羽田空港と都心を結ぶモノレール、今では景観問題にもなっている首都高など、枚挙に暇がない。それらの建設は国の威信を掛けて行われ、日本全国から建設労働者が集まった。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/12/OlympicBridge.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-7197" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/12/OlympicBridge-100x133.jpg" alt="OlympicBridge" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">1964</span></strong></span>年、今から47年前。敗戦から19年で高度成長を遂げつつあった当時の日本。ちょうど2008年の北京オリンピックを契機に中国が先進国の仲間入りをする中、都市部と農村部との貧富の差がクローズアップされたように、日本にも（現在のワーキングプアという問題とは背景が異なる）圧倒的な貧富の差が存在した。『巨人の星』の中で、日雇い労働者だった星一徹が東京オリンピックに向けた工事で仕事が増え、名門（お坊ちゃま）学校である青雲高校に星飛雄馬が入学できたというエピソードがある。当時、長屋に住んでいた星一家。父の一徹が昼夜問わず働いていたシーンが良く出てきたものだ。また、同時代を舞台にした映画『ALWAYS 三丁目の夕日’64』が2012年に公開される。これらは、貧しいながらも明るく健気に生きる当時の人々を描く、夢がある明るいビンボー物語。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/12/Olympic1.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-7198" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/12/Olympic1-100x133.jpg" alt="Olympic1" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008080">け</span></strong></span>れど、光がある処には陰があり、さらにその傍らには深い闇がある。奥田英朗の『オリンピックの身代金』という作品は、明るいビンボーということばでは片付けられない1964年の闇の世界の物語だ。秋田の寒村に生まれた主人公。東京に出稼ぎに出て働く兄のお陰で、高校に入学でき、余りに成績優秀だったがために担任に奨学金をもらいながら進学することを勧められ、見事に東京大学に入学する。ところが、貧しいながらも平穏な学生生活を送っていた彼の生活は、兄の死で一変する。東京の建設作業場で急死した兄の過酷な生活を経験しようと飯場に住み込み、死の背景を知る。そして、彼の住む貧しく暗い世界の対極にある、富と光の象徴である東京オリンピックを人質にして、日本国家から身代金を得ようと計画を立て、実行して行く。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/12/Olympic2.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-7199" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/12/Olympic2-100x133.jpg" alt="Olympic2" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">犯</span></strong></span>行を重ねる主人公の背景で、1964年の東京が実にリアルに描かれる。建築途中のモノレールの描写と同時に、漁業権を放棄せざるを得なかった東京の漁師たちの存在を伝える。東大の同級生が就職したテレビ局を描き、オリンピックを機にメディアの中心になろうとする当時のTVマンたちの熱気を伝える。それらの描写のいちいちが実に面白い。犯人である主人公と警察との駆け引きや、綿密な犯行計画と実行に至る経過などの物語そのもの魅力も大きいが、多彩な登場人物たちの持つ背景や、時代の描写が魅力的なのだ。タイムスリップし、当時の東京をそれぞれの人物の目で眺めているようなワクワク感。そして、歪んだ善を持った悪として描かれる主人公の魅力と相まって、最後まで緩む部分なく、一気に読んでしまう。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">う</span></strong></span>ん、確かにかなり面白かった♬」奥田英朗の伊良部シリーズファンでもある妻が呟く。コメディタッチの作品も多い<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/06/08/3520/" target="_blank">奥田英朗</a>。犯罪サスペンスながら柔らかな筆致で読ませる『オリンピックの身代金』かなりのおススメ！</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E8%BA%AB%E4%BB%A3%E9%87%91%EF%BC%88%E4%B8%8A%EF%BC%89-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%A5%A5%E7%94%B0-%E8%8B%B1%E6%9C%97/dp/4043860048%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043860048"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51BN2ovhdwL._SL75_.jpg" alt="" /></a><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E8%BA%AB%E4%BB%A3%E9%87%91%EF%BC%88%E4%B8%8B%EF%BC%89-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%A5%A5%E7%94%B0-%E8%8B%B1%E6%9C%97/dp/4043860056%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043860056"> <img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/511PfeqmM5L._SL75_.jpg" alt="" /></a>＊『オリンピックの身代金』Amazonへリンク</p>
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		<title>“俺”と高田と畝原と『探偵はBARにいる』</title>
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		<pubDate>Sat, 29 Oct 2011 04:27:04 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■至福の映画]]></category>
		<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[故人となってしまったロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズが、お気楽夫婦のヴァカンスの友だった。何冊か旅先で読む本をスーツケースに詰め込む夏の旅に、必ず1冊新作のハードカヴァーを選んでいた。ところが（仕方ないのだけれど）残されたパーカーの新作は日本未発売の2冊だけ。困った。そこで2人はスペンサーに代わる探偵を捜していた。そしてこの夏、1人の候補者を発見した。東直己「ススキノ探偵シリーズ」の主人公。名前は、俺。札幌、ススキノ在住。作品中では名を明かすことがない。誰かに自分の名前を呼ばれる場面ですら、巧妙に名を記すことを避ける。探偵と呼ぶよりも便利屋の方が相応しい。相棒は北海道大学時代の同級生、空手の達人の高田。この2人の関係が実に良い。
ボストンの私立探偵スペンサーにも相棒はいる。ホークという、やはり格闘技の達人。ボストンの2人は互いを信頼し、支えながらも依存し切らないオトナの関係。セリフのやり取りもウィットに富み、ふふっと思わず笑ってしまい、2人と一緒にウィスキーのオンザロックスでカチンと乾杯したくなる。ところが札幌の2人は、だらしがない。俺は高田を頼りにしているけれど、高田は仕方ねぇなぁ〜という感じで、でもほぼ確実にサポートに回る。とは言え信頼し合ってはいて、打算的ではないけれど、オトナの関係ではない。ガキである。だからこそ面白い。一緒懸命な俺と、とぼけた高田の、ズレた、それでも息の合った会話が実に良い。スペンサーの後継者としてお気楽夫婦のおメガネに適い、一気に全作品をオトナ買い。
そんな2人が映画に登場した。原作はシリーズ第2作『バーにかかってきた電話』、映画のタイトルは第1作『探偵はバーにいる』から取った『探偵はBARにいる』という作品。主人公の俺は、大泉洋。高田は、松田龍平。この2人が絶妙。掛け合いの間が良い。大泉のキャラは“俺”にぴったりだと映画を観る前から期待していたけれど、松田龍平がなんとも高田なのだ。力の抜け具合が、“俺”とは違った意味で浮世離れしたスタンスが、ツボ。くははっ！と笑ってしまう。原作との比較はするまい。これはシリーズ化しても面白い、小説とは違う種類のエンタテインメントだ。と思って観ていたら、エンディングロールで次回作を思わせるシーンが挟み込まれた。やられた。そして期待大。原作とは少しテイストが違うけれど、『釣りバカ日誌』が人気シリーズになったように。
ところで、東直己はススキノ探偵シリーズと並行して、もうひとつの探偵物語を現在の札幌を舞台に描いている。畝原という名の、ちゃんとした（してもいないか）探偵。まだ第1作『待っていた女・渇き』を読んでいる途中だけれど、これまたオトナ買い。やはり中年のスーパーマンではない主人公が好感度高し。一方、ススキノ探偵シリーズの俺は、第6作『探偵は吹雪の果てに』で一気に40代になり、今の札幌で活動している。長年たっぷり飲み続けたがために、お腹が緩くなる傾向にあり、ウォシュレット付きのトイレに拘る立派な中年になっている。ぷっ！と読みながら吹いてしまう描写もあり、電車内では注意をして読んでいる。5作までの硬さがやや薄れ、味わいのある物語になっているが、俺の魅力はそのまま。第8作まで読んだところで小休止。その間に畝原の物語を読み進め、2つのシリーズの時代の調整をしている。
「すっかりハマったよね」ハードボイルド好きの妻にも刺さった。日本映画など滅多に観に行かないのに、映画まで同行。映画を観終わり、お気に入りの沖縄料理屋（バーではなく）に向う。オリオンの生にミミガー、ラフテー、クーブーイリチーなどをつまみながら、原作と映画の違い、キャスティングなどでひとくさり。
お気楽夫婦は飲み屋にいる。
   
＊いずれもじっくり秋の夜を酒を飲みながら楽しめる作品（飲み過ぎ注意！）
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/10/Tantei-bar.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6948" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/10/Tantei-bar-100x133.jpg" alt="Tantei-bar" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">故</span></strong></span>人となってしまったロバート・B・パーカーの<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/04/11/2747/" target="_blank">スペンサーシリーズ</a>が、お気楽夫婦のヴァカンスの友だった。何冊か旅先で読む本をスーツケースに詰め込む夏の旅に、必ず1冊新作のハードカヴァーを選んでいた。ところが（仕方ないのだけれど）<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/09/20/4265/" target="_blank">残されたパーカーの新作</a>は日本未発売の2冊だけ。困った。そこで2人はスペンサーに代わる探偵を捜していた。そしてこの夏、1人の候補者を発見した。東直己「ススキノ探偵シリーズ」の主人公。名前は、俺。札幌、ススキノ在住。作品中では名を明かすことがない。誰かに自分の名前を呼ばれる場面ですら、巧妙に名を記すことを避ける。探偵と呼ぶよりも便利屋の方が相応しい。相棒は北海道大学時代の同級生、空手の達人の高田。この2人の関係が実に良い。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/10/Roadshow.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6949" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/10/Roadshow-100x133.jpg" alt="Roadshow" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">ボ</span></strong></span>ストンの私立探偵スペンサーにも相棒はいる。ホークという、やはり格闘技の達人。ボストンの2人は互いを信頼し、支えながらも依存し切らないオトナの関係。セリフのやり取りもウィットに富み、ふふっと思わず笑ってしまい、2人と一緒にウィスキーのオンザロックスでカチンと乾杯したくなる。ところが札幌の2人は、だらしがない。俺は高田を頼りにしているけれど、高田は仕方ねぇなぁ〜という感じで、でもほぼ確実にサポートに回る。とは言え信頼し合ってはいて、打算的ではないけれど、オトナの関係ではない。ガキである。だからこそ面白い。一緒懸命な俺と、とぼけた高田の、ズレた、それでも息の合った会話が実に良い。<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2011/09/18/6706/" target="_blank">スペンサーの後継者として</a>お気楽夫婦のおメガネに適い、一気に全作品をオトナ買い。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/10/45years-old.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6950" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/10/45years-old-100x133.jpg" alt="45years old" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000">そ</span></strong></span>んな2人が映画に登場した。原作はシリーズ第2作『バーにかかってきた電話』、映画のタイトルは第1作『探偵はバーにいる』から取った『<a href="http://www.tantei-bar.com/">探偵はBARにいる</a>』という作品。主人公の俺は、大泉洋。高田は、松田龍平。この2人が絶妙。掛け合いの間が良い。大泉のキャラは“俺”にぴったりだと映画を観る前から期待していたけれど、松田龍平がなんとも高田なのだ。力の抜け具合が、“俺”とは違った意味で浮世離れしたスタンスが、ツボ。くははっ！と笑ってしまう。原作との比較はするまい。これはシリーズ化しても面白い、小説とは違う種類のエンタテインメントだ。と思って観ていたら、エンディングロールで次回作を思わせるシーンが挟み込まれた。やられた。そして期待大。原作とは少しテイストが違うけれど、『釣りバカ日誌』が人気シリーズになったように。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/10/Unehara.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6952" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/10/Unehara-100x133.jpg" alt="Unehara" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">と</span></strong></span>ころで、東直己はススキノ探偵シリーズと並行して、もうひとつの探偵物語を現在の札幌を舞台に描いている。畝原という名の、ちゃんとした（してもいないか）探偵。まだ第1作『待っていた女・渇き』を読んでいる途中だけれど、これまたオトナ買い。やはり中年のスーパーマンではない主人公が好感度高し。一方、ススキノ探偵シリーズの俺は、第6作『探偵は吹雪の果てに』で一気に40代になり、今の札幌で活動している。長年たっぷり飲み続けたがために、お腹が緩くなる傾向にあり、ウォシュレット付きのトイレに拘る立派な中年になっている。ぷっ！と読みながら吹いてしまう描写もあり、電車内では注意をして読んでいる。5作までの硬さがやや薄れ、味わいのある物語になっているが、俺の魅力はそのまま。第8作まで読んだところで小休止。その間に畝原の物語を読み進め、2つのシリーズの時代の調整をしている。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">す</span></strong></span>っかりハマったよね」ハードボイルド好きの妻にも刺さった。日本映画など滅多に観に行かないのに、映画まで同行。映画を観終わり、お気に入りの沖縄料理屋（バーではなく）に向う。オリオンの生にミミガー、ラフテー、クーブーイリチーなどをつまみながら、原作と映画の違い、キャスティングなどでひとくさり。</p>
<p>お気楽夫婦は飲み屋にいる。</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%8E%A2%E5%81%B5%E3%81%AF%E3%83%90%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%81%84%E3%82%8B-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABJA-%E6%9D%B1-%E7%9B%B4%E5%B7%B1/dp/4150305218%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4150305218"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51yOforTajL._SL75_.jpg" alt="" /></a><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F%E9%9B%BB%E8%A9%B1-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABJA-%E6%9D%B1-%E7%9B%B4%E5%B7%B1/dp/4150305382%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4150305382"> <img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61Iusu5DQFL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%8E%A2%E5%81%B5%E3%81%AF%E5%90%B9%E9%9B%AA%E3%81%AE%E6%9E%9C%E3%81%A6%E3%81%AB-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%AB-JA-%E6%9D%B1-%E7%9B%B4%E5%B7%B1/dp/4150307490%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4150307490"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51mM1IYAE8L._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%BE%85%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E5%A5%B3%E3%83%BB%E6%B8%87%E3%81%8D-%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%82%AD%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9D%B1-%E7%9B%B4%E5%B7%B1/dp/4894566079%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4894566079"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51QJA8SNFBL._SL75_.jpg" alt="" /></a></p>
<p>＊いずれもじっくり秋の夜を酒を飲みながら楽しめる作品（飲み過ぎ注意！）</p>
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		<title>スペンサーの後継として『探偵はバーにいる』東 直己</title>
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		<pubDate>Sun, 18 Sep 2011 02:50:22 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[夏の休暇に毎年必ず持参する本がある。ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズ。2011年、香港に持って行ったのは『盗まれた貴婦人』。シリーズ38作め。著者のロバート・B・パーカーは2010年1月没。昨夏に読み終えた37作めの『プロフェッショナル』以降、シリーズ2作品が本国アメリカで刊行され、日本では最終作となる『Sixkill』を残すだけとなった。最新作『盗まれた貴婦人』はシリーズ初期の頃を思わせる疾走感がある。登場人物が最近の作品より絞り込まれている分（？）心地良いテンポでストーリーが進む。第2次世界大戦時のエピソードまで広がるサスペンスのスケールも大きく、破綻することもない。実に読み応えがある秀作。そして相変わらずのスペンサー節。パートナーのスーザンとの関係も、愛犬パールの存在も、スペンサーが愛する酒や料理との距離感も、このシリーズを味わえるのがあと僅かだと分かっているから、ページ毎に愛おしい。最終作が待ち遠しく、同時にとてつもなく淋しい。複雑な気持が交錯する。
この夏、そんな傷心の私を救う男が現れた。職業はスペンサーと同様の探偵。けれど、スペンサーのように私立探偵という“正式な”職業ではない。ススキノの便利屋を名乗っているだけ。それどころか氏名は明かされておらず、作中では「俺」で通されている。警察官出身のスペンサーと違い、犯罪スレスレの捜査をするのではなく、犯罪を自覚的に犯してもいる。作品の中で自ら列挙しているように、賭博（「俺」の主な収入源）、大麻取締法違反（仲間たちと山中で大麻草を栽培をしている！）、脅迫、威力業務妨害、窃盗、器物破損などを（自らは後ろめたいことはしていないと言い切るが）。そしてスペンサーはボストンに住み、「俺」は札幌を舞台に活躍する。いずれも首都から離れた北の街。その街に主人公の2人それぞれがしっかりと立っている。そんな2人の共通点も多い。
ハードボイルドでありながら、主人公の口数が多い。それもへらず口。幅広く適度に深い知識をセリフに加える。小説の一節を諳んじたり、気の利いた（と本人は思っている）譬え話を発したりもする。特に「俺」は外見も行動も一歩間違えるとタダのチンピラなのに、インテリジェンスが零れてしまう。種類も方向性も大きく異なるが、正義感溢れるタフガイでもある。頼れる相棒や協力者がいる。それも時には敵の立場になるであろうギャングやヤクザの世界にも。そして酒が好き。特に「俺」の酒の飲み方は半端じゃない。朝食は、住まいの階下にある店のモーニングセットにスーパーニッカのストレート。昼はタンカレー2杯だっだりする。夜は何軒かハシゴをするのは当たり前で、何軒目からかは確実に記憶がないのも毎回。当然だ。明らかに飲み過ぎだし、羨ましいほど飲み続けることができる。けれどアル中ではないと自覚し、事件解決のためには飲まずにいることもできる。理想的な（どこが？）酒飲みだ。
そして、実に愛すべき男なのだ。愛される男なのだ。
東直己のデビュー作『探偵はバーにいる』をスペンサーと共に今夏のヴァカンスに持参した。「俺」はスペンサーの後継者として付き合えるかどうかを確かめるために。そして、ハマった。帰国後、大人買い。文庫本で買える彼の作品を全て手に入れた。シリーズ第2作『バーにかかってきた電話』も、あっと言う間に読了。まずい！買ってきた作品全てを一気に読んでしまいそうだ（汗）この秋公開される映画『探偵はBARにいる』も思わず観てしまいそうになっている。この映画、タイトル名は第1作を基にし、原作は第2作の『バーにかかってきた電話』というややこしさ。けれど、映画化第1作の選択としては正解。映像向きのストーリー展開。「俺」のキャスティングも、これしかない！という北海道が生んだスター（笑）大泉洋。相棒の北大大学院のオーバードクター高田（このキャラクター設定が良い！）を演じる松田龍平も楽しみだ。やはり観てしまいそうだ。この映画。
「ふぅ〜ん、人がいっぱい死ぬの？面白いの？」サスペンス及びアクション系の翻訳小説の愛読者である妻が尋ねる。彼女がハマることは間違いない。来年の夏にはきっとススキノ探偵シリーズをヴァカンスに持参することになることになる。スペンサーの後継として。
   ＊夏休みの友　北の国の探偵を連れて
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/09/Painted-Ladies.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6707" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/09/Painted-Ladies-100x133.jpg" alt="Painted Ladies" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">夏</span></strong></span>の休暇に毎年必ず持参する本がある。ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズ。2011年、香港に持って行ったのは『盗まれた貴婦人』。シリーズ38作め。著者のロバート・B・パーカーは<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/04/11/2747/" target="_blank">2010年1月没</a>。昨夏に読み終えた37作めの<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/09/20/4265/" target="_blank">『プロフェッショナル』</a>以降、シリーズ2作品が本国アメリカで刊行され、日本では最終作となる『Sixkill』を残すだけとなった。最新作『盗まれた貴婦人』はシリーズ初期の頃を思わせる疾走感がある。登場人物が最近の作品より絞り込まれている分（？）心地良いテンポでストーリーが進む。第2次世界大戦時のエピソードまで広がるサスペンスのスケールも大きく、破綻することもない。実に読み応えがある秀作。そして相変わらずのスペンサー節。パートナーのスーザンとの関係も、愛犬パールの存在も、スペンサーが愛する酒や料理との距離感も、このシリーズを味わえるのがあと僅かだと分かっているから、ページ毎に愛おしい。最終作が待ち遠しく、同時にとてつもなく淋しい。複雑な気持が交錯する。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/09/Detective-in-The-Bar.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6709" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/09/Detective-in-The-Bar-100x133.jpg" alt="Detective in The Bar" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">こ</span></strong></span>の夏、そんな傷心の私を救う男が現れた。職業はスペンサーと同様の探偵。けれど、スペンサーのように私立探偵という“正式な”職業ではない。ススキノの便利屋を名乗っているだけ。それどころか氏名は明かされておらず、作中では「俺」で通されている。警察官出身のスペンサーと違い、犯罪スレスレの捜査をするのではなく、犯罪を自覚的に犯してもいる。作品の中で自ら列挙しているように、賭博（「俺」の主な収入源）、大麻取締法違反（仲間たちと山中で大麻草を栽培をしている！）、脅迫、威力業務妨害、窃盗、器物破損などを（自らは後ろめたいことはしていないと言い切るが）。そしてスペンサーはボストンに住み、「俺」は札幌を舞台に活躍する。いずれも首都から離れた北の街。その街に主人公の2人それぞれがしっかりと立っている。そんな2人の共通点も多い。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/09/A-Call-to-The-Bar.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6711" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/09/A-Call-to-The-Bar-100x133.jpg" alt="A Call to The Bar" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">ハ</span></strong></span>ードボイルドでありながら、主人公の口数が多い。それもへらず口。幅広く適度に深い知識をセリフに加える。小説の一節を諳んじたり、気の利いた（と本人は思っている）譬え話を発したりもする。特に「俺」は外見も行動も一歩間違えるとタダのチンピラなのに、インテリジェンスが零れてしまう。種類も方向性も大きく異なるが、正義感溢れるタフガイでもある。頼れる相棒や協力者がいる。それも時には敵の立場になるであろうギャングやヤクザの世界にも。そして酒が好き。特に「俺」の酒の飲み方は半端じゃない。朝食は、住まいの階下にある店のモーニングセットにスーパーニッカのストレート。昼はタンカレー2杯だっだりする。夜は何軒かハシゴをするのは当たり前で、何軒目からかは確実に記憶がないのも毎回。当然だ。明らかに飲み過ぎだし、羨ましいほど飲み続けることができる。けれどアル中ではないと自覚し、事件解決のためには飲まずにいることもできる。理想的な（どこが？）酒飲みだ。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">そ</span></strong></span>して、実に愛すべき男なのだ。愛される男なのだ。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/09/Roadshow.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6715" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/09/Roadshow-100x133.jpg" alt="Roadshow" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008080">東</span></strong></span>直己のデビュー作『探偵はバーにいる』をスペンサーと共に今夏のヴァカンスに持参した。「俺」はスペンサーの後継者として付き合えるかどうかを確かめるために。そして、ハマった。帰国後、大人買い。文庫本で買える彼の作品を全て手に入れた。シリーズ第2作『バーにかかってきた電話』も、あっと言う間に読了。まずい！買ってきた作品全てを一気に読んでしまいそうだ（汗）この秋公開される映画『探偵はBARにいる』も思わず観てしまいそうになっている。この映画、タイトル名は第1作を基にし、原作は第2作の『バーにかかってきた電話』というややこしさ。けれど、映画化第1作の選択としては正解。映像向きのストーリー展開。「俺」のキャスティングも、これしかない！という北海道が生んだスター（笑）大泉洋。相棒の北大大学院のオーバードクター高田（このキャラクター設定が良い！）を演じる松田龍平も楽しみだ。やはり観てしまいそうだ。この映画。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff6600">ふ</span></strong></span>ぅ〜ん、人がいっぱい死ぬの？面白いの？」サスペンス及びアクション系の翻訳小説の愛読者である妻が尋ねる。彼女がハマることは間違いない。来年の夏にはきっとススキノ探偵シリーズをヴァカンスに持参することになることになる。スペンサーの後継として。</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%8E%A2%E5%81%B5%E3%81%AF%E3%83%90%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%81%84%E3%82%8B-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABJA-%E6%9D%B1-%E7%9B%B4%E5%B7%B1/dp/4150305218%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4150305218"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51yOforTajL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F%E9%9B%BB%E8%A9%B1-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABJA-%E6%9D%B1-%E7%9B%B4%E5%B7%B1/dp/4150305382%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4150305382"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61Iusu5DQFL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E7%9B%97%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%9F%E8%B2%B4%E5%A9%A6%E4%BA%BA-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%BA-%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBB%E3%83%BB-%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC/dp/4152091738%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4152091738"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/410ter6neYL._SL75_.jpg" alt="" /></a> ＊夏休みの友　北の国の探偵を連れて</p>
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		<title>旅という病、旅の適齢期『旅する力　深夜特急ノート』沢木耕太郎</title>
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		<pubDate>Mon, 08 Aug 2011 01:15:20 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[旅の文学と言えば？と聞かれると真っ先に思い浮かべる作品がある。沢木耕太郎の『深夜特急』だ。第1便から最終巻の第3便まで、新潮文庫では分冊されて6巻からなる魅惑的な旅の物語だ。街に溢れるエネルギーをストレートに伝える文体の疾走感。街に住む人々の生活の中に深く沈みながらも、旅人としての冷めた視点や、異文化への苛立、憧れ、怖れなどの複雑な心情が沸き立ってくるエピソードの数々。読む者を旅に誘うだけではなく、実際に旅立たせてしまうほどの魅力に溢れていた。デリーからロンドンまで、乗り合いバスで行くという（本人曰く“ささやかな”）主題を持って、作者の沢木耕太郎が実際に旅立ったのは1970年代前半。そして第1便が刊行されたのが1986年。第3便が1992年。そして2008年（文庫版は2011年5月）、深夜特急ノートという副題が付いた『旅する力』が刊行された。
旅とは何か。その問いに対する答えは無数にあるだろう。…そんな書き出しに始まる沢木の文章は相変わらず魅力的だ。沢木は旅は病だという。そして、初めての旅として小学生の頃にマツザカヤまで独りで電車に乗って行ったこと、中学生の頃に大島に旅したエピソードなどが綴られる。…自分にとって初めての旅はなんだっただろう。文庫本を閉じ、しばし自らの記憶を辿る。すると、旅ということばから広がるいろいろな記憶が蘇る。小学生の頃、ようやく乗れた補助輪なしの自転車で4Kmほど離れた父親の生家に向ったこと。仲良しだった友だちが転校した街まで、何人かの友人たちと1時間ほど電車に乗って会いに出掛けたこと。中学時代に友人と一緒に初めて泊まりがけで行ったキャンプ。高校時代にアルバイトで貯めた小遣いで、独り自転車で出掛けた1週間ほどのユースホステル巡り。未知の街への不安と期待、独りで向う道筋がいつもと違う景色に見える不思議で新鮮な感覚。その頃には既に私も旅という病に罹っていたのかもしれない。
沢木は言う。旅には経験がなくても経験があり過ぎてもダメな旅の適齢期がある、のだと言う。沢木耕太郎がユーラシアへの旅に出たのが26歳。若いということは、ものを知らないこと。例えば、若い頃には空腹を充たすことが優先して美味しいと感じていたものが、美味しいモノを求めて食べる現在だったら果たして美味しいと感じるだろうか。沢木にとってその旅の適齢期が26歳だったと振り返る。『旅する力』には、その旅に出ることになるまでのエピソード、その後『深夜特急』を出版することになる経緯などが描かれる。けれど、それは決して『深夜特急』の楽屋話などで終わってはいない。旅することの魅力、訪れる街の引力、旅が人にもたらすエネルギー、旅が人の何かを変えてしまう“力”を持つことを綴る。タイトル通り、旅する力の意味、そして何よりも旅の力が描かれている。
私にとって、その旅の適齢期は20歳だった。大学入学前、フランス語を学ぶためにアテネフランセに通い、奨学金とアルバイトで貯めた資金で大学入学早々にフランスを旅した。まだヨーロッパに向うのにシベリア鉄道経由というルートが、貧乏学生の選択肢としてあった時代。南回りの格安航空券。香港、バンコク、モスクワを経由し、コペンハーゲンで飛行機を乗り換えた長い行程だった。パリの語学学校に通うという名目での短期留学。アリアンス・フランセーズという学校に行ったのは1日だけ。パリの街を歩き回り、美術館を巡り、カフェで本を読み、公園でクロック・ムッシュを齧った。マッターホルンが見たくて夜行列車でツェルマットに向った。無事にその山容を眺められたお祝いにと初めてチーズフォンデュを食べた冬の日。モン・サン・ミッシェルを見るためにブルターニュの港町サン・マロに立ち寄り、ムール貝と生ガキを大量に食べたがために（？）お腹を壊して、パリに帰還してしまった。1970年代の終わり、沢木耕太郎がロンドンを目指した数年後のことだ。
お気楽夫婦にとって、その旅の適齢期？は1995年だった。返還前の香港。残念ながら九龍城砦は前年に取り壊されていた。けれど、啓徳空港に着陸するために香港の摩天楼を掠めて飛ぶスリルは味わうことができた。香港初日の夜、ディープな空気が淀む灣仔（ワンチャイ）の街と、英語が通じない場末の中華料理店の味に虜になった。以降、毎年のように出掛ける特別な街になった。そしてこの夏、何度目かの香港に出掛ける。妻は「訪れるべき中華料理店」のリストを嬉々として作成している。到底1週間の滞在では行けるはずもない長いリストだ。
沢木耕太郎がインドに行く途中で立ち寄り、魅せられた香港とはすっかり違う街。けれど、お気楽な2人にとって新たな魅力も纏ってもいる街でもある。さあ、ようやく松葉杖も持たず、けれどスカッシュラケットも持つこともない、2人のヴァカンスはもうすぐだ。
   ＊時代を超える紀行文学です♬おススメ♡
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/08/MidnightExpressNote.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6462" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/08/MidnightExpressNote-100x133.jpg" alt="MidnightExpressNote" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">旅</span></strong></span>の文学と言えば？と聞かれると真っ先に思い浮かべる作品がある。沢木耕太郎の『深夜特急』だ。第1便から最終巻の第3便まで、新潮文庫では分冊されて6巻からなる魅惑的な旅の物語だ。街に溢れるエネルギーをストレートに伝える文体の疾走感。街に住む人々の生活の中に深く沈みながらも、旅人としての冷めた視点や、異文化への苛立、憧れ、怖れなどの複雑な心情が沸き立ってくるエピソードの数々。読む者を旅に誘うだけではなく、実際に旅立たせてしまうほどの魅力に溢れていた。デリーからロンドンまで、乗り合いバスで行くという（本人曰く“ささやかな”）主題を持って、作者の沢木耕太郎が実際に旅立ったのは1970年代前半。そして第1便が刊行されたのが1986年。第3便が1992年。そして2008年（文庫版は2011年5月）、深夜特急ノートという副題が付いた『旅する力』が刊行された。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #993300">旅</span></strong></span>とは何か。その問いに対する答えは無数にあるだろう。…そんな書き出しに始まる沢木の文章は相変わらず魅力的だ。沢木は旅は病だという。そして、初めての旅として小学生の頃にマツザカヤまで独りで電車に乗って行ったこと、中学生の頃に大島に旅したエピソードなどが綴られる。…自分にとって初めての旅はなんだっただろう。文庫本を閉じ、しばし自らの記憶を辿る。すると、旅ということばから広がるいろいろな記憶が蘇る。小学生の頃、ようやく乗れた補助輪なしの自転車で4Kmほど離れた父親の生家に向ったこと。仲良しだった友だちが転校した街まで、何人かの友人たちと1時間ほど電車に乗って会いに出掛けたこと。中学時代に友人と一緒に初めて泊まりがけで行ったキャンプ。高校時代にアルバイトで貯めた小遣いで、独り自転車で出掛けた1週間ほどのユースホステル巡り。未知の街への不安と期待、独りで向う道筋がいつもと違う景色に見える不思議で新鮮な感覚。その頃には既に私も旅という病に罹っていたのかもしれない。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/08/MidnightExpress.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6464" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/08/MidnightExpress-100x133.jpg" alt="MidnightExpress" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">沢</span></strong></span>木は言う。旅には経験がなくても経験があり過ぎてもダメな旅の適齢期がある、のだと言う。沢木耕太郎がユーラシアへの旅に出たのが26歳。若いということは、ものを知らないこと。例えば、若い頃には空腹を充たすことが優先して美味しいと感じていたものが、美味しいモノを求めて食べる現在だったら果たして美味しいと感じるだろうか。沢木にとってその旅の適齢期が26歳だったと振り返る。『旅する力』には、その旅に出ることになるまでのエピソード、その後『深夜特急』を出版することになる経緯などが描かれる。けれど、それは決して『深夜特急』の楽屋話などで終わってはいない。旅することの魅力、訪れる街の引力、旅が人にもたらすエネルギー、旅が人の何かを変えてしまう“力”を持つことを綴る。タイトル通り、旅する力の意味、そして何よりも旅の力が描かれている。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000">私</span></strong></span>にとって、その旅の適齢期は20歳だった。大学入学前、フランス語を学ぶためにアテネフランセに通い、奨学金とアルバイトで貯めた資金で大学入学早々に<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2005/08/19/104/" target="_blank">フランスを旅した</a>。まだヨーロッパに向うのにシベリア鉄道経由というルートが、貧乏学生の選択肢としてあった時代。南回りの格安航空券。香港、バンコク、モスクワを経由し、コペンハーゲンで飛行機を乗り換えた長い行程だった。パリの語学学校に通うという名目での短期留学。アリアンス・フランセーズという学校に行ったのは1日だけ。パリの街を歩き回り、美術館を巡り、カフェで本を読み、公園でクロック・ムッシュを齧った。マッターホルンが見たくて夜行列車でツェルマットに向った。無事にその山容を眺められたお祝いにと初めてチーズフォンデュを食べた冬の日。モン・サン・ミッシェルを見るためにブルターニュの港町サン・マロに立ち寄り、ムール貝と生ガキを大量に食べたがために（？）お腹を壊して、パリに帰還してしまった。1970年代の終わり、沢木耕太郎がロンドンを目指した数年後のことだ。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">お</span></strong></span>気楽夫婦にとって、その旅の適齢期？は1995年だった。<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2005/05/07/45/" target="_blank">返還前の香港</a>。残念ながら九龍城砦は前年に取り壊されていた。けれど、啓徳空港に着陸するために香港の摩天楼を掠めて飛ぶスリルは味わうことができた。香港初日の夜、ディープな空気が淀む灣仔（ワンチャイ）の街と、英語が通じない場末の中華料理店の味に虜になった。以降、毎年のように出掛ける特別な街になった。そしてこの夏、何度目かの香港に出掛ける。妻は「<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2009/09/05/1416/" target="_blank">訪れるべき中華料理店</a>」のリストを嬉々として作成している。到底1週間の滞在では行けるはずもない長いリストだ。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">沢</span></strong></span>木耕太郎がインドに行く途中で立ち寄り、魅せられた香港とはすっかり違う街。けれど、お気楽な2人にとって新たな魅力も纏ってもいる街でもある。さあ、ようやく松葉杖も持たず、けれどスカッシュラケットも持つこともない、2人のヴァカンスはもうすぐだ。</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%97%85%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8A%9B%E2%80%95%E6%B7%B1%E5%A4%9C%E7%89%B9%E6%80%A5%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B2%A2%E6%9C%A8-%E8%80%95%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/410123518X%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D410123518X"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/518Vg5gwqvL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%B7%B1%E5%A4%9C%E7%89%B9%E6%80%A5%E3%80%881%E3%80%89%E9%A6%99%E6%B8%AF%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%82%AA-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B2%A2%E6%9C%A8-%E8%80%95%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4101235058%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4101235058"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51TKZPHT3FL._SL75_.jpg" alt="" /></a><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%B7%B1%E5%A4%9C%E7%89%B9%E6%80%A5%E3%80%883%E3%80%89%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B2%A2%E6%9C%A8-%E8%80%95%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4101235074%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4101235074"> <img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51PHGCD1Y1L._SL75_.jpg" alt="" /></a> ＊時代を超える紀行文学です♬おススメ♡</p>
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		<title>エンタテインメントはステキだ♡『図書館戦争シリーズ』有川浩</title>
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		<pubDate>Mon, 18 Jul 2011 00:57:03 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[読むのを楽しみにしていた作品があった。有川浩の『図書館戦争』シリーズ。作者の有川浩は最近公開された映画『阪急電車』の原作者。映画の評判は今ひとつだったけれど、それによって原作の魅力が削がれるものでもない。小説作品としての『阪急電車』は、登場人物たちの魅力が短いエピソードの中で輝く、実に良い作品だった。その1冊を読んだ後、お気楽夫婦はあっという間にファンになり、文庫化された全ての作品を読んでいた。その有川浩がブレイクしたきっかけになったのが『図書館戦争』シリーズだと聞いていた。それにしても、図書館と戦争という異質なことばがなぜ結びついているのか？図書館を舞台にしている戦争なのか？図書館同士の争いの物語なのか？物語の内容に予備知識を持たずに読み始めた。…そして、はまった。
5ヶ月連続で角川文庫から刊行され、6月までに本編4冊が既に発刊された。そして全てがベストセラーランキングの上位。7月、8月にサイドストーリーを描いた別冊が刊行され、シリーズが終了する予定だ。その角川書店の策略に、見事に絡めとられた。まずは、4月に刊行されたシリーズ1作目『図書館戦争』で、その設定の奇抜さと大胆さ、そして物語の緻密な構成と、何よりも登場人物たちに魅了されてしまった。2作目『図書館内乱』で、脇役にスポットライトが当てられたエピソードによって、物語にさらなる深みと広がりが生まれ、物語の世界にずぶずぶと浸った。物語の展開に感情移入しまくり。この頃になるとご贔屓のキャラクターが生まれ、その登場人物の視点でストーリーをハラハラしながら見守った。
3作め『図書館危機』を読み始めた頃には広がる物語の裾野の大きさに驚きながら、涙するエピソードに心を震わせる。差別用語の取扱を巡るエピソードに背筋がひやっとする。表現の自由を脅かす公的組織の検閲から、図書館という組織により表現の自由を守るという架空の物語に、現実世界が重なってくる。そして第4作『図書館革命』での大団円。読み終えてしまう淋しさを感じながら、物語世界がどこかで続いているという確信に近い幻想を覚えるほど、登場人物たちが物語の中で生きている。登場人物のひとりひとりが、読者に過ぎない私の頭の中を動き回っている。それも、全員が身近なキャラクターとして。
芥川賞に象徴される“純文学”という死語に近いジャンルがある。“大衆文学”というこれまた死語になっているジャンルに対する直木賞との比較において、純文学が優越的な見方をされることがある。さらには、ライトノベルというジャンルに対しては卑下する見方すらあり、マンガに至っては同じテーブルの上に載せてさえもらえない。芸術と娯楽という2極は対立するものではないし、商業的であるから否定されるものでもない。作者の有川浩がライトノベル出身の作者であることや、この『図書館戦争』シリーズの表紙を見て、手に取るのを躊躇う人がいるかもしれない。けれど、騙されたと思って読んで欲しい。
この作品は、素晴らしくステキなエンタテインメントだ。
物語の行間を読者に委ねるだけではなく、登場人物たちの呟きを敢えて文字として書く。マンガの小さな吹き出しのように。巻頭に登場人物たちのシルエット付きの紹介文がある。会話に勢いがあり、話ことばの選択にリアリティがある。たぶん賛否両論も、ある。けれど、各作品の巻末にある作者と故児玉清さんとの対談に、この作品の魅力が増す2人のことばが溢れている。
「まだあと2冊出るんだね」すっかり有川ファンとなった妻。彼女はまだ3作めを読んでいる途中。ネタバレしないように、ていねいに丁寧に記事を書いた。「バレたってヘーキだよ！」巻末の解説から読み始める妻。最後の1行を楽しみにする私。読書スタイルは違うけれど、この作品世界に魅せられたのは同じだ。
   
＊素晴らしくステキなエンタテインメント♬　おススメです♡
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/07/Library-War-1.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6362" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/07/Library-War-1-100x133.jpg" alt="Library War 1" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">読</span></strong></span>むのを楽しみにしていた作品があった。有川浩の『図書館戦争』シリーズ。作者の有川浩は最近公開された映画『阪急電車』の原作者。映画の評判は今ひとつだったけれど、それによって原作の魅力が削がれるものでもない。小説作品としての<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/10/03/4408/" target="_blank">『阪急電車』</a>は、登場人物たちの魅力が短いエピソードの中で輝く、実に良い作品だった。その1冊を読んだ後、お気楽夫婦はあっという間にファンになり、文庫化された全ての作品を読んでいた。その有川浩がブレイクしたきっかけになったのが『図書館戦争』シリーズだと聞いていた。それにしても、図書館と戦争という異質なことばがなぜ結びついているのか？図書館を舞台にしている戦争なのか？図書館同士の争いの物語なのか？物語の内容に予備知識を持たずに読み始めた。…そして、はまった。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/07/Library-War-2.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6363" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/07/Library-War-2-100x133.jpg" alt="Library War 2" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">5</span></strong></span>ヶ月連続で角川文庫から刊行され、6月までに本編4冊が既に発刊された。そして全てがベストセラーランキングの上位。7月、8月にサイドストーリーを描いた別冊が刊行され、シリーズが終了する予定だ。その角川書店の策略に、見事に絡めとられた。まずは、4月に刊行されたシリーズ1作目『図書館戦争』で、その設定の奇抜さと大胆さ、そして物語の緻密な構成と、何よりも登場人物たちに魅了されてしまった。2作目『図書館内乱』で、脇役にスポットライトが当てられたエピソードによって、物語にさらなる深みと広がりが生まれ、物語の世界にずぶずぶと浸った。物語の展開に感情移入しまくり。この頃になるとご贔屓のキャラクターが生まれ、その登場人物の視点でストーリーをハラハラしながら見守った。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/07/Library-War-3.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6364" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/07/Library-War-3-100x133.jpg" alt="Library War 3" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">3</span></strong></span>作め『図書館危機』を読み始めた頃には広がる物語の裾野の大きさに驚きながら、涙するエピソードに心を震わせる。差別用語の取扱を巡るエピソードに背筋がひやっとする。表現の自由を脅かす公的組織の検閲から、図書館という組織により表現の自由を守るという架空の物語に、現実世界が重なってくる。そして第4作『図書館革命』での大団円。読み終えてしまう淋しさを感じながら、物語世界がどこかで続いているという確信に近い幻想を覚えるほど、登場人物たちが物語の中で生きている。登場人物のひとりひとりが、読者に過ぎない私の頭の中を動き回っている。それも、全員が身近なキャラクターとして。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/07/Library-War-4.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6366" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/07/Library-War-4-100x133.jpg" alt="Library War 4" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">芥</span></strong></span>川賞に象徴される“純文学”という死語に近いジャンルがある。“大衆文学”というこれまた死語になっているジャンルに対する直木賞との比較において、純文学が優越的な見方をされることがある。さらには、ライトノベルというジャンルに対しては卑下する見方すらあり、マンガに至っては同じテーブルの上に載せてさえもらえない。芸術と娯楽という2極は対立するものではないし、商業的であるから否定されるものでもない。作者の<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/11/14/4666/" target="_blank">有川浩</a>がライトノベル出身の作者であることや、この『図書館戦争』シリーズの表紙を見て、手に取るのを躊躇う人がいるかもしれない。けれど、騙されたと思って読んで欲しい。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">こ</span></strong></span>の作品は、素晴らしくステキなエンタテインメントだ。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff6600">物</span></strong></span>語の行間を読者に委ねるだけではなく、登場人物たちの呟きを敢えて文字として書く。マンガの小さな吹き出しのように。巻頭に登場人物たちのシルエット付きの紹介文がある。会話に勢いがあり、話ことばの選択にリアリティがある。たぶん賛否両論も、ある。けれど、各作品の巻末にある作者と故児玉清さんとの対談に、この作品の魅力が増す2人のことばが溢れている。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #00ff00">ま</span></strong></span>だあと2冊出るんだね」すっかり有川ファンとなった妻。彼女はまだ3作めを読んでいる途中。ネタバレしないように、ていねいに丁寧に記事を書いた。「バレたってヘーキだよ！」巻末の解説から読み始める妻。最後の1行を楽しみにする私。読書スタイルは違うけれど、この作品世界に魅せられたのは同じだ。</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E6%88%A6%E4%BA%89-%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%EF%BC%88%EF%BC%91%EF%BC%89-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/4043898053%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043898053"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61npb0oxjdL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E5%86%85%E4%B9%B1-%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%EF%BC%88%EF%BC%92%EF%BC%89-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/4043898061%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043898061"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51E8LAP5O4L._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E5%8D%B1%E6%A9%9F-%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%EF%BC%93-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/404389807X%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D404389807X"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61QDc9zde-L._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E9%9D%A9%E5%91%BD-%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%EF%BC%94-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/4043898088%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043898088"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61Z0ZKHdU7L._SL75_.jpg" alt="" /></a></p>
<p>＊素晴らしくステキなエンタテインメント♬　おススメです♡</p>
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		<title>会計検査院の謎、大阪の秘密『プリンセス・トヨトミ』万城目学</title>
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		<pubDate>Sat, 21 May 2011 01:26:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[◆仕事の快感]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[文庫本の新刊が発売されると、内容も確かめずに買うことにしている作家が何人かいる。お気楽夫婦の愛読作家トーナメントのシード作家たち。五十音順に、浅田次郎、有川浩、石田衣良、荻原浩、奥田英朗、G.ルッカ、P.コーンウェル、三崎亜紀、山田詠美など。（ちなみに、村上春樹とロバート.B.パーカーは、第１シードと第2シード。彼らのみハードカバーでの新刊購入が許される）数年前、そのシード作家リストの中に、万城目学（まきめ・まなぶ）が加わった。『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』などいずれも関西を舞台にした奇想天外な物語。エッセイ『ザ・万歩計』の脱力系の文章もなかなかの味わい。その万城目学の『プリンセス・トヨトミ』文春文庫版が映画公開に合わせて発売された。もちろん躊躇うことなく購入。読み始めることを楽しみにしていた。
ある朝、自由が丘に向う東横線の車内で声を上げそうになった。渋谷駅から空いている下り電車の座席に座り、文庫本を読むのが朝の楽しみ。その日は待ちに待った『プリンセス・トヨトミ』を手に電車に乗った。ページをめくると会計検査院の文字。ん？読み進めると3人の会計検査院の検査官が、それも1人は日仏ハーフのナイスバディ美女が登場する。なんということだ！これは神の啓示か？ページをめくる手が震えた。というのも、その日の朝、仕事先の自由が丘でお会いするのは会計検査院の女性検査官。助成金をいただいてスタートしたあるプロジェクトの実地検査を受けることになっていたのだ。会計検査院は国家の三権（司法・行政・立法）から独立した組織。税金が正しく使われているかを検査する機関。助成金を交付した所轄官庁でさえも、いつどこが検査対象になるのか分からないのだという。
関東経済産業局の担当者と共に検査官を待つ。やましいことをしている訳ではないけれど、それでも会計検査院の名前に皆緊張は隠せない。そこに検査官登場。残念ながら日仏のハーフではないけれど、穏やかな印象のやや大柄の女性。「今日はよろしくお願いします。今回の事業は勉強のためと思ってお邪魔しました。いろいろ教えてください」と柔らかく微笑む。これも油断させる手口か？まだ緊張は解れない。説明を進める内に、彼女が事前にきちんと下調べをしていることが分かってくる。質問は的確で理解も速い。疑ってかかったり、陥れるような対応もない。場が次第に和んでくる。冗談も互いに言えるようになった頃、ある科目の支払明細に関する質問。会議室に緊張が流れる。経理担当者を呼び、短く説明を受ける。「分かりました。問題ないです」女性検査官がにっこり微笑み、無事に検査終了。ふぅ〜っ。気が付けば、脇の下に嫌な汗をたっぷりかいていた。
最後に事業で施工した現場の視察に同行する。現場に向う道中、いろいろ話を伺ううちに、産休明けの母親であること、宿泊を伴った出張はできないため都内近郊の調査を中心に担当していることなどが分かった。あらら、検査官も人の子というか、人の親。ぐっと親しみが湧き、思わず躊躇っていた『プリンセス・トヨトミ』の話題を振る。「私は読んでいないんですけど、院内で話題になっています。映画化された際に協力したということで、特別試写会に上層部が招待され喜んでいたらしいです。会計検査院のことをきちんと調べてあるという評判です」なるほど。会計検査院も太鼓判。「今まで存在を一般的には知られていない機関でしたからね。国税局と混同されることも多くて」とはにかむ。伊丹十三監督の映画『マルサの女』で国税局が脚光を浴びたように、謎に包まれた会計検査院にスポットライトが当たるのか。「そうなると良いですね」と意外な答えが返って来た。和やかに現場視察も終え、駅までお見送り。無事に検査が終わった安堵感と会計検査院への親しみが生まれ、物語の続きを読むのが楽しみになった。
そしてその日の夕方、自宅へ戻る車内で、自宅のソファで、一気に残りのページを読み耽った。物語は相変わらずの万城目節。現実世界の薄皮1枚隔てたところに広がる世界を描く。絶対にあり得ない世界を、日常のすぐ横にあってもさも当然のような物語に仕立て上げる。登場人物には愛情がたっぷり込められ、壮絶なイジメのシーンがあっても、絶対的な悪は存在しない。根底に大阪出身である作者の（それも主要な舞台となる商店街のすぐ側に生まれ育ったという）大阪人に対する愛情が溢れている。父親と息子、そして母親と娘。さらには近所のおばちゃんやおじちゃんたちの描写が優しい。そして、大阪中のどこにでもいる市井の住民たちが、実はもの凄い共通の秘密を隠し持っている。大阪の秘密。それがこの物語の肝。もしこの物語に登場する何百万人もの大阪人たちが本当に存在するなら、大阪人に偏見を持ってました！ごめんなさい！とひれ伏してしまう。そして、思わず大阪人を見直してしまう大阪城での名シーンを映像で観たいと強く思ってしまう。
「ふぅ〜ん。面白そうだね」妻が余りオモシロくなさそうに呟く。日本映画にも、日本の作家にもさほど興味を示さない妻。シード作家以外の作品は余り読むこともない。「万城目は面白いよね」湿った文体や物語は苦手な妻。そんな妻も太鼓判の破天荒な物語。「でも、映画は観に行かないよ」あっ、そう。それにしても、なぜ私が観に行きたいと分かったのだろう。
   
＊関西方面には現実と異界の隙間があるに違いない！おススメです♡
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/05/Princess-Tyotomi.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-6002" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/05/Princess-Tyotomi-100x133.jpg" alt="Princess Tyotomi" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">文</span></strong></span>庫本の新刊が発売されると、内容も確かめずに買うことにしている作家が何人かいる。お気楽夫婦の愛読作家トーナメントのシード作家たち。五十音順に、浅田次郎、有川浩、石田衣良、荻原浩、奥田英朗、G.ルッカ、P.コーンウェル、三崎亜紀、山田詠美など。（ちなみに、村上春樹とロバート.B.パーカーは、第１シードと第2シード。彼らのみハードカバーでの新刊購入が許される）数年前、そのシード作家リストの中に、万城目学（まきめ・まなぶ）が加わった。『鴨川ホルモー』『<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/05/16/3363/" target="_blank">鹿男あをによし</a>』などいずれも関西を舞台にした奇想天外な物語。エッセイ『<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2011/01/15/5078/" target="_blank">ザ・万歩計</a>』の脱力系の文章もなかなかの味わい。その万城目学の『プリンセス・トヨトミ』文春文庫版が<a href="http://www.princess-toyotomi.com/" target="_blank">映画公開</a>に合わせて発売された。もちろん躊躇うことなく購入。読み始めることを楽しみにしていた。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">あ</span></strong></span>る朝、自由が丘に向う東横線の車内で声を上げそうになった。渋谷駅から空いている下り電車の座席に座り、文庫本を読むのが朝の楽しみ。その日は待ちに待った『プリンセス・トヨトミ』を手に電車に乗った。ページをめくると会計検査院の文字。ん？読み進めると3人の会計検査院の検査官が、それも1人は日仏ハーフのナイスバディ美女が登場する。なんということだ！これは神の啓示か？ページをめくる手が震えた。というのも、その日の朝、仕事先の自由が丘でお会いするのは会計検査院の女性検査官。助成金をいただいてスタートしたあるプロジェクトの実地検査を受けることになっていたのだ。会計検査院は国家の三権（司法・行政・立法）から独立した組織。税金が正しく使われているかを検査する機関。助成金を交付した所轄官庁でさえも、いつどこが検査対象になるのか分からないのだという。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000">関</span></strong></span>東経済産業局の担当者と共に検査官を待つ。やましいことをしている訳ではないけれど、それでも会計検査院の名前に皆緊張は隠せない。そこに検査官登場。残念ながら日仏のハーフではないけれど、穏やかな印象のやや大柄の女性。「今日はよろしくお願いします。今回の事業は勉強のためと思ってお邪魔しました。いろいろ教えてください」と柔らかく微笑む。これも油断させる手口か？まだ緊張は解れない。説明を進める内に、彼女が事前にきちんと下調べをしていることが分かってくる。質問は的確で理解も速い。疑ってかかったり、陥れるような対応もない。場が次第に和んでくる。冗談も互いに言えるようになった頃、ある科目の支払明細に関する質問。会議室に緊張が流れる。経理担当者を呼び、短く説明を受ける。「分かりました。問題ないです」女性検査官がにっこり微笑み、無事に検査終了。ふぅ〜っ。気が付けば、脇の下に嫌な汗をたっぷりかいていた。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">最</span></strong></span>後に事業で施工した現場の視察に同行する。現場に向う道中、いろいろ話を伺ううちに、産休明けの母親であること、宿泊を伴った出張はできないため都内近郊の調査を中心に担当していることなどが分かった。あらら、検査官も人の子というか、人の親。ぐっと親しみが湧き、思わず躊躇っていた『プリンセス・トヨトミ』の話題を振る。「私は読んでいないんですけど、院内で話題になっています。映画化された際に協力したということで、特別試写会に上層部が招待され喜んでいたらしいです。会計検査院のことをきちんと調べてあるという評判です」なるほど。会計検査院も太鼓判。「今まで存在を一般的には知られていない機関でしたからね。国税局と混同されることも多くて」とはにかむ。伊丹十三監督の映画『マルサの女』で国税局が脚光を浴びたように、謎に包まれた会計検査院にスポットライトが当たるのか。「そうなると良いですね」と意外な答えが返って来た。和やかに現場視察も終え、駅までお見送り。無事に検査が終わった安堵感と会計検査院への親しみが生まれ、物語の続きを読むのが楽しみになった。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">そ</span></strong></span>してその日の夕方、自宅へ戻る車内で、自宅のソファで、一気に残りのページを読み耽った。物語は相変わらずの万城目節。現実世界の薄皮1枚隔てたところに広がる世界を描く。絶対にあり得ない世界を、日常のすぐ横にあってもさも当然のような物語に仕立て上げる。登場人物には愛情がたっぷり込められ、壮絶なイジメのシーンがあっても、絶対的な悪は存在しない。根底に大阪出身である作者の（それも主要な舞台となる商店街のすぐ側に生まれ育ったという）大阪人に対する愛情が溢れている。父親と息子、そして母親と娘。さらには近所のおばちゃんやおじちゃんたちの描写が優しい。そして、大阪中のどこにでもいる市井の住民たちが、実はもの凄い共通の秘密を隠し持っている。大阪の秘密。それがこの物語の肝。もしこの物語に登場する何百万人もの大阪人たちが本当に存在するなら、大阪人に偏見を持ってました！ごめんなさい！とひれ伏してしまう。そして、思わず大阪人を見直してしまう大阪城での名シーンを映像で観たいと強く思ってしまう。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #808000">ふ</span></strong></span>ぅ〜ん。面白そうだね」妻が余りオモシロくなさそうに呟く。日本映画にも、日本の作家にもさほど興味を示さない妻。シード作家以外の作品は余り読むこともない。「万城目は面白いよね」湿った文体や物語は苦手な妻。そんな妻も太鼓判の破天荒な物語。「でも、映画は観に行かないよ」あっ、そう。それにしても、なぜ私が観に行きたいと分かったのだろう。</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A8%E3%83%88%E3%83%9F-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%87%E5%9F%8E%E7%9B%AE-%E5%AD%A6/dp/4167788020%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4167788020"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51jddDAU%2BBL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%B4%A8%E5%B7%9D%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%BC-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%87%E5%9F%8E%E7%9B%AE-%E5%AD%A6/dp/4043939019%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043939019"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61MSmHv0FoL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%B9%BF%E7%94%B7%E3%81%82%E3%82%92%E3%81%AB%E3%82%88%E3%81%97-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%87%E5%9F%8E%E7%9B%AE-%E5%AD%A6/dp/4344414667%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4344414667"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51o2otIKtDL._SL75_.jpg" alt="" /></a><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%BC%E5%85%AD%E6%99%AF-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%87%E5%9F%8E%E7%9B%AE-%E5%AD%A6/dp/4043939027%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043939027"> <img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51UIbghGzTL._SL75_.jpg" alt="" /></a></p>
<p>＊関西方面には現実と異界の隙間があるに違いない！おススメです♡</p>
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		<title>箱根駅伝ファンでも、でなくても『風が強く吹いている』三浦しをん</title>
		<link>http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2011/04/29/5851/</link>
		<comments>http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2011/04/29/5851/#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 29 Apr 2011 03:55:32 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[しばらく購入するのを躊躇っていた本があった。三浦しをん『風が強く吹いている』の新潮文庫版。奥付を見たら平成21年7月1日に初版で、結局私が買ったのは平成22年5月30日の12刷。あぁ、やっぱり売れている本なんだと実感した。買おうかどうか、読もうかどうか迷っていたのには訳があった。ひとつには、私は多くの日本人と同様に箱根駅伝の大ファン。新たな年を迎え、1月2日と3日の早朝から深夜までのスケジュールは決まっている。そう、朝からお節料理をつまみに酒を飲むのが…っと、それも当然楽しみつつ、TVの前に陣取る。もちろん箱根駅伝の中継、スポーツニュースなどを可能な限り視るためだ。譲れない正月の愉しみ。TVの前で声援を送る。冷えた辛口の酒をぐびり。おっと、もう飲んじまった。手酌の杯に酒を注ぎながらも、目はTVに釘付け。うわっ、零しちまった。
箱根駅伝には、全てがある。本戦出場に懸ける予選出場各校のドラマがある。先輩が繋いだ伝統の重みがある。このチームで走るのは最後だという4年生メンバーの思いがある。指導者と選手たちの信頼がある。レギュラーと補欠の選手たちの出場できるかどうかという祈りに近い気持がある。レース当日までの葛藤がある。故障に泣く選手とサポートする他のメンバーの友情がある。レースが始まると、新鋭の輝くような走りがある。本命チームに貫禄の走りがある。伝統校に勝負強さがある。襷リレーのはらはらするシーンがある。神様と呼ばれる選手の山登りの脚に驚きがある。選手の苦しい表情に、思わず一緒に唸り、声援を送り、拳を握り、ついでに酒をぐびりと飲み、選手の歓喜と共に涙する。こうして思い出しながら書いていても胸が熱くなる。あ〜、疲れる。
だからこそ、三浦しをんの『風が強く吹いている』を買うのに1年以上も時間が必要だった。平積みにされている表紙を見ても、手に取ることすらしなかった。それまで、三浦しをんの作品は何冊か読んでいた。2006年に第135回直木賞を受賞し、今年4月公開されたばかりの映画にもなった『まほろ駅前多田便利軒』は、奇妙なタイトルと装丁に惹かれ迷いなく手に取り、第1刷を買った。気に入った。飄々とした登場人物と、不思議なのにさらっとしたストーリー、読む人に媚びない心地良い文体。『むかしのはなし』の着想も楽しめた。かぐや姫などの誰もが知っている昔話をモチーフにした、けれどもその昔話から予想できる通りには展開しない物語たち。…それでもまだ、決め手にはならなかったのだ。何と言っても箱根駅伝を愛してさえいる私なのだ。そして、『きみはポラリス』を読み終えた翌日、待ちに待った『風が…』を迷わず買った。この短編集を読んで、この作家を信頼した。この人の書く箱根駅伝なら読んでみたい。そう思った。
結論から言おう。信頼し、期待した以上の作品だった。今も主人公である走（“かける”と読む！名前が凄い）が、私の頭の中を気持良さそうに疾走している。竹青荘という寛政大駅伝チームの10人が棲むぼろアパートを訪ねてみたい（何しろ物語上の設定では、お気楽夫婦の住む街から歩いていける距離なのだ！）欲求が、私の中に今でも潜んでいる。陸上を、駅伝を、スポーツを知っている人なら鼻白む設定かもしれない。競技として本格的に長距離を走ったことがある人なら、あり得ない物語だと一笑するかもしれない。けれど、そんなことは気にならない魅力がこの1冊の中にはたっぷりと詰まっている。箱根駅伝以上のドラマや、エピソードが溢れ出す。そして何よりも、スポーツは勝つためだけにやるのではない、という文中のことばが胸に沁みる。人にはそれぞれの目指すべき高みがある。競技は勝たなければならない。けれど、優勝するだけが“てっぺん”ではない。そんなことを改めて教えてもらえる。
「だから私は、ず〜っとスカッシュやり続けるもんねぇ♡」書きかけの記事を読んだお気楽妻が胸を張る。長く愛することができるスポーツに、そして一緒にラリーを交わせる仲間に出会えたことが、彼女にとっては何よりも貴重な財産。「でも、良い本だからと言って、何も同じ本を2冊買わなくても良いんじゃない？」…ふんっ！やっと買えると思った胸の高鳴りを抑えられず（ただ、忘れたと他人は言うかもしてないが）2冊買ってしまったんだよ！
 ＊2冊買ってしまった『風が…』はBookOffに嫁ぎました（笑）
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/MAHOROEKIMAE.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5852" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/MAHOROEKIMAE-100x133.jpg" alt="MAHOROEKIMAE" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">し</span></strong></span>ばらく購入するのを躊躇っていた本があった。三浦しをん『風が強く吹いている』の新潮文庫版。奥付を見たら平成21年7月1日に初版で、結局私が買ったのは平成22年5月30日の12刷。あぁ、やっぱり売れている本なんだと実感した。買おうかどうか、読もうかどうか迷っていたのには訳があった。ひとつには、私は多くの日本人と同様に箱根駅伝の大ファン。新たな年を迎え、1月2日と3日の早朝から深夜までのスケジュールは決まっている。そう、朝からお節料理をつまみに酒を飲むのが…っと、それも当然楽しみつつ、TVの前に陣取る。もちろん箱根駅伝の中継、スポーツニュースなどを可能な限り視るためだ。譲れない正月の愉しみ。TVの前で声援を送る。冷えた辛口の酒をぐびり。おっと、もう飲んじまった。手酌の杯に酒を注ぎながらも、目はTVに釘付け。うわっ、零しちまった。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/POLALIS.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5853" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/POLALIS-100x133.jpg" alt="POLALIS" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000">箱</span></strong></span>根駅伝には、全てがある。本戦出場に懸ける予選出場各校のドラマがある。先輩が繋いだ伝統の重みがある。このチームで走るのは最後だという4年生メンバーの思いがある。指導者と選手たちの信頼がある。レギュラーと補欠の選手たちの出場できるかどうかという祈りに近い気持がある。レース当日までの葛藤がある。故障に泣く選手とサポートする他のメンバーの友情がある。レースが始まると、新鋭の輝くような走りがある。本命チームに貫禄の走りがある。伝統校に勝負強さがある。襷リレーのはらはらするシーンがある。神様と呼ばれる選手の山登りの脚に驚きがある。選手の苦しい表情に、思わず一緒に唸り、声援を送り、拳を握り、ついでに酒をぐびりと飲み、選手の歓喜と共に涙する。こうして思い出しながら書いていても胸が熱くなる。あ〜、疲れる。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">だ</span></strong></span>からこそ、三浦しをんの『風が強く吹いている』を買うのに1年以上も時間が必要だった。平積みにされている表紙を見ても、手に取ることすらしなかった。それまで、三浦しをんの作品は何冊か読んでいた。2006年に第135回直木賞を受賞し、今年4月公開されたばかりの映画にもなった『まほろ駅前多田便利軒』は、奇妙なタイトルと装丁に惹かれ迷いなく手に取り、第1刷を買った。気に入った。飄々とした登場人物と、不思議なのにさらっとしたストーリー、読む人に媚びない心地良い文体。『むかしのはなし』の着想も楽しめた。かぐや姫などの誰もが知っている昔話をモチーフにした、けれどもその昔話から予想できる通りには展開しない物語たち。…それでもまだ、決め手にはならなかったのだ。何と言っても箱根駅伝を愛してさえいる私なのだ。そして、『きみはポラリス』を読み終えた翌日、待ちに待った『風が…』を迷わず買った。この短編集を読んで、この作家を信頼した。この人の書く箱根駅伝なら読んでみたい。そう思った。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/KAZAEGA.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5854" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/KAZAEGA-100x133.jpg" alt="KAZAEGA" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">結</span></strong></span>論から言おう。信頼し、期待した以上の作品だった。今も主人公である走（“かける”と読む！名前が凄い）が、私の頭の中を気持良さそうに疾走している。竹青荘という寛政大駅伝チームの10人が棲むぼろアパートを訪ねてみたい（何しろ物語上の設定では、お気楽夫婦の住む街から歩いていける距離なのだ！）欲求が、私の中に今でも潜んでいる。陸上を、駅伝を、スポーツを知っている人なら鼻白む設定かもしれない。競技として本格的に長距離を走ったことがある人なら、あり得ない物語だと一笑するかもしれない。けれど、そんなことは気にならない魅力がこの1冊の中にはたっぷりと詰まっている。箱根駅伝以上のドラマや、エピソードが溢れ出す。そして何よりも、スポーツは勝つためだけにやるのではない、という文中のことばが胸に沁みる。人にはそれぞれの目指すべき高みがある。競技は勝たなければならない。けれど、優勝するだけが“てっぺん”ではない。そんなことを改めて教えてもらえる。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">だ</span></strong></span>から私は、ず〜っとスカッシュやり続けるもんねぇ♡」書きかけの記事を読んだお気楽妻が胸を張る。長く愛することができるスポーツに、そして一緒にラリーを交わせる仲間に出会えたことが、彼女にとっては何よりも貴重な財産。「でも、良い本だからと言って、何も同じ本を2冊買わなくても良いんじゃない？」…ふんっ！やっと買えると思った胸の高鳴りを抑えられず（ただ、忘れたと他人は言うかもしてないが）2冊買ってしまったんだよ！</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%A2%A8%E3%81%8C%E5%BC%B7%E3%81%8F%E5%90%B9%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%89%E6%B5%A6-%E3%81%97%E3%82%92%E3%82%93/dp/4101167583%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4101167583"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51CAXQ4LfPL._SL75_.jpg" alt="" /></a> ＊2冊買ってしまった『風が…』はBookOffに嫁ぎました（笑）</p>
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		<title>村上春樹、再発見『夢をみるために 毎朝僕は目覚めるのです』村上春樹インタビュー集1997-2009</title>
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		<pubDate>Sun, 03 Apr 2011 10:24:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[評論家や研究者でない限り、読書をする際に作品を分析をしたり、作品毎に分類して系統付けたりすることは余りない。少なくとも私はそんな読者ではなかった。もちろん作品を読み進めているうちに、ページをめくるのがもどかしいほど面白いとか、残りのページの厚さにうんざりするほど退屈だとか、読み終えるのがもったいないぐらい楽しいとか、せっかく買ったけれど途中で止めてしまおうかと葛藤したりとか、自分なりの評価は生まれる。そして、気に入ったとか、気に入らなかったとか、大雑把に分類された作品が物理的な書架と（こちらは妻が取り仕切り、作家別、出版社別、刊行日順に整然と並べられる）記憶の書架に収められ、整理される。ちなみに、記憶の書架の整理が不充分な場合がままあり、同じ本を2度買ってしまうということが（稀に）起きることがある。
村上春樹のインタビュー集『夢をみるために 毎朝僕は目覚めるのです』を読んでいる。…このブログの記事では基本的には読了した本を紹介することが前提なのだが、今回は特例。ただ今読みかけのこの本は、お気に入り分類で言えば、読み急がず、丁寧に読んでおきたい1冊ということになる。ご存知の通り、村上春樹はメディアのインタビューにはめったに応じない。海外に滞在していた期間が長かったこともあるのだろうが、特に国内のメディアに“ナマ春樹”はほとんど登場しない。このインタビュー集に掲載されているのも、アメリカ、フランス、中国など海外のメディアに掲載されたものが多く、国内のメディアは半数に満たない。そのインタビューに対する彼のスタンスは「あとがき」の中に詳しいが、基本的に「作家はあまり自作について語るべきではない」と思っていると書いている。
なのになぜこんな本が出版されたのか。それも「あとがき」の中にあるが、文藝春秋の編集者の「きっと面白い本になりますから」という熱心な主張から生まれたという。その編集者（岡みどりさんという方らしい）に感謝。これが、実に面白い本になっているのだ。村上春樹研究本は世の中に数多く出されている。やはり春樹ファンの妻が購入した何冊かを私も読んだ。けれど、実にこれがどれも退屈なのだ。理由ははっきりしている。一般の読者である私は、村上春樹を研究をしたいのではない。彼の作品を楽しみたいのだ。文章を味わいたいのだ。そんな読者には、この1冊は貴重だ。漠然と『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』が最も好きで、『ノルウェーの森』は嫌いだと、子供のような大雑把な感想を持っていた。その理由は何なんだろう？それがこのインタビュー集を読むと、そんな疑問が氷解する。あ〜なるほど！と、すとんと腑に落ちるのだ。
2004年にジョン・レイという作家から受けたインタビューで村上春樹はこう語っている。「僕自身のスタイルは『ノルウェーの森』よりは『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の方に近いと思います。リアリスティックなスタイルで書かれた小説を、僕は個人的にあまり好まない。どちらかといえばシュールレアリスティックな文体の方が僕は好きです。しかし、『ノルウェーの森』を書いたときには、とにかく百パーセント・リアリズムの手法で小説を書いてみようと試みました。…中略…非リアリズムの手法でそのまま小説を書き続けていれば、僕は一種のカルト的作家としての位置を保つことができたと思います。…中略…書こうと思えばリアリズムの手法を使って本が一冊ちゃんと書けるんだ、ということを証明しておきたかった。だからこの小説を書いたわけです。これは日本ではベストセラーになったし、それはある程度は予測できたことでした」
ぽんっ！（膝を打つ音）あ〜っ、すっきり。引用した文章の前後のやり取りも含め、インタビュアーとのやり取りを読むことで、自分の中で靄が掛っていた村上春樹像（というよりも村上春樹作品像）がくっきりと鮮明になった。レイモンド・カーヴァーをはじめとする翻訳した作品に対するスタンスも知ることができた。村上春樹自身が語る自分の作品に関する思いや背景を確認しながら、その作品を読み返す。『スプートニクの恋人』も悪くないなぁ、『神の子どもたちはみな踊る』は、こんな本だったのか…村上春樹を再発見。これはとても楽しい時間だった。室内の暖房を止め、ダウンジャケットを着込み、窓際に椅子を寄せ、熱い紅茶をいれる。インタビュー集を読みつつ、旧作をじっくりと読み返す。3月11日からしばらくの間、自宅での仕事を増やしたことで、仕事の合間にそんな時間を持つことができた。
「なぁんだ。家で仕事なんて言いながら、そんな楽しそうなことしてたんだ」妻のことばも心なしか柔らかい。「でも、私はきっと読み返さないな」…人には人それぞれの読み方がある。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/Haruki-Murakami-Interview.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5671" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/Haruki-Murakami-Interview-100x133.jpg" alt="Haruki Murakami Interview" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">評</span></strong></span>論家や研究者でない限り、読書をする際に作品を分析をしたり、作品毎に分類して系統付けたりすることは余りない。少なくとも私はそんな読者ではなかった。もちろん作品を読み進めているうちに、ページをめくるのがもどかしいほど面白いとか、残りのページの厚さにうんざりするほど退屈だとか、読み終えるのがもったいないぐらい楽しいとか、せっかく買ったけれど途中で止めてしまおうかと葛藤したりとか、自分なりの評価は生まれる。そして、気に入ったとか、気に入らなかったとか、大雑把に分類された作品が物理的な書架と（こちらは妻が取り仕切り、作家別、出版社別、刊行日順に整然と並べられる）記憶の書架に収められ、整理される。ちなみに、記憶の書架の整理が不充分な場合がままあり、同じ本を2度買ってしまうということが（稀に）起きることがある。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/Norwegian-Wood.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5674" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/Norwegian-Wood-100x133.jpg" alt="Norwegian Wood" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000">村</span></strong></span>上春樹のインタビュー集『夢をみるために 毎朝僕は目覚めるのです』を読んでいる。…このブログの記事では基本的には読了した本を紹介することが前提なのだが、今回は特例。ただ今読みかけのこの本は、お気に入り分類で言えば、読み急がず、丁寧に読んでおきたい1冊ということになる。ご存知の通り、村上春樹はメディアのインタビューにはめったに応じない。海外に滞在していた期間が長かったこともあるのだろうが、特に国内のメディアに“ナマ春樹”はほとんど登場しない。このインタビュー集に掲載されているのも、アメリカ、フランス、中国など海外のメディアに掲載されたものが多く、国内のメディアは半数に満たない。そのインタビューに対する彼のスタンスは「あとがき」の中に詳しいが、基本的に「作家はあまり自作について語るべきではない」と思っていると書いている。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/Worlds-End.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5675" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/Worlds-End-100x133.jpg" alt="World's End" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff6600">な</span></strong></span>のになぜこんな本が出版されたのか。それも「あとがき」の中にあるが、文藝春秋の編集者の「きっと面白い本になりますから」という熱心な主張から生まれたという。その編集者（岡みどりさんという方らしい）に感謝。これが、実に面白い本になっているのだ。村上春樹研究本は世の中に数多く出されている。やはり春樹ファンの妻が購入した何冊かを私も読んだ。けれど、実にこれがどれも退屈なのだ。理由ははっきりしている。一般の読者である私は、村上春樹を研究をしたいのではない。彼の作品を楽しみたいのだ。文章を味わいたいのだ。そんな読者には、この1冊は貴重だ。漠然と『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』が最も好きで、『ノルウェーの森』は嫌いだと、子供のような大雑把な感想を持っていた。その理由は何なんだろう？それがこのインタビュー集を読むと、そんな疑問が氷解する。あ〜なるほど！と、すとんと腑に落ちるのだ。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/After-the-Quake.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5676" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/After-the-Quake-100x133.jpg" alt="After the Quake" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">2004</span></strong></span>年にジョン・レイという作家から受けたインタビューで村上春樹はこう語っている。「僕自身のスタイルは『ノルウェーの森』よりは『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の方に近いと思います。リアリスティックなスタイルで書かれた小説を、僕は個人的にあまり好まない。どちらかといえばシュールレアリスティックな文体の方が僕は好きです。しかし、『ノルウェーの森』を書いたときには、とにかく百パーセント・リアリズムの手法で小説を書いてみようと試みました。…中略…非リアリズムの手法でそのまま小説を書き続けていれば、僕は一種のカルト的作家としての位置を保つことができたと思います。…中略…書こうと思えばリアリズムの手法を使って本が一冊ちゃんと書けるんだ、ということを証明しておきたかった。だからこの小説を書いたわけです。これは日本ではベストセラーになったし、それはある程度は予測できたことでした」</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/CARVERS-DOZEN.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5684" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/04/CARVERS-DOZEN-100x133.jpg" alt="CARVER'S DOZEN" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">ぽ</span></strong></span>んっ！（膝を打つ音）あ〜っ、すっきり。引用した文章の前後のやり取りも含め、インタビュアーとのやり取りを読むことで、自分の中で靄が掛っていた村上春樹像（というよりも村上春樹作品像）がくっきりと鮮明になった。レイモンド・カーヴァーをはじめとする翻訳した作品に対するスタンスも知ることができた。村上春樹自身が語る自分の作品に関する思いや背景を確認しながら、その作品を読み返す。『スプートニクの恋人』も悪くないなぁ、『神の子どもたちはみな踊る』は、こんな本だったのか…村上春樹を再発見。これはとても楽しい時間だった。室内の暖房を止め、ダウンジャケットを着込み、窓際に椅子を寄せ、熱い紅茶をいれる。インタビュー集を読みつつ、旧作をじっくりと読み返す。3月11日からしばらくの間、自宅での仕事を増やしたことで、仕事の合間にそんな時間を持つことができた。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">な</span></strong></span>ぁんだ。家で仕事なんて言いながら、そんな楽しそうなことしてたんだ」妻のことばも心なしか柔らかい。「でも、私はきっと読み返さないな」…人には人それぞれの読み方がある。</p>
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		<title>建もの探訪『篤史 My Love』</title>
		<link>http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2011/01/15/5078/</link>
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		<pubDate>Sat, 15 Jan 2011 04:58:24 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[◆微笑みの風景]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[最近気に入っているCMがある。広告主は東京ガス。キャッチは、渡辺篤史が帰らない…。“ある”番組の収録で訪れたお宅から渡辺篤史が帰らない、その理由は…というもの。ところで、東京ガスのCMは昔から私のお気に入り。人気のTV番組『食彩の王国』で流れていた“炎”シリーズ（勝手にそう呼んでいた）…炎の中を食材が踊り、鍋肌を滑り、熱湯に飛び込む。ローアングルからの映像が実に美味しそうで、CMを視ながらぐっと来てしまい（朝食を食べ終えたばかりなのに）その日の夕食を何にしようかなどと妻と毎回話していた。それ以外も、家族の絆シリーズ（これは東京ガスが正式にそう呼んでいる）も良い。きたろう演じる「お父さんのチャーハン」編などは、毎回視る度にうるっとしていた。そして、今は水島かおり出演「お弁当メール」編。これもじんわり。さらには、織田信長と妻夫木くんの絡みも、小西真奈美とのラブストーリーも、東幹久の登場も…。
ところで、本題は渡辺篤史である。あのCMは放送開始から20年を超える長寿番組『渡辺篤史の建もの探訪』を前提にしていることは言うまでもない。が、現在あの番組がまだ続いていることをご存知だろうか。以前は長く土曜の朝、その後は日曜の早朝に放送していたのに、何度も放映時間帯を変え、現在はなんと毎週金曜日の朝、4時30分！この番組が大好きで、ずっと視続けていた私としては淋しい限り。この時間帯では番組を視ることはほぼ叶わない。深酒の翌朝早く目覚め、何気なくTVの電源を入れた時に渡辺篤史が現れると小躍りしてしまう。彼の建物に対する愛情が表れる、あの独特の言い回しが耳に飛び込んでくると、なんだか得した気持になる。なにしろ『渡辺篤史のこんな家を建てたい』などという番組初期（放送8年目）の頃の本まで買ってしまっているのだ。だから、東横線のTQナビに流れる東京ガスのCM「渡辺篤史が帰らない」を眺めながら、幸せな気持で通勤している日々なのだ。
それ程、渡辺篤史（正確には『建もの探訪』の渡辺篤史） Love♡な私だけれど、上には上がいた。『鴨川ホルモー』でデビューし、『鹿男あをによし』が直木賞候補となり、作品がドラマ化された万城目学である。かれのエッセイ集『ザ・万歩計』を読んで、私のLoveの敗北を知った。そのエッセイ集にある『篤史 My Love』の一文を紹介しよう。　…私がこよなく愛する、日本を代表する長寿番組である。その内容はいたってシンプルだ。（中略）最後はリビングで「いかがでしたか？○○さんのお宅」と総括。上品な音楽、ナイスなアングル、テンポよいカット割りがうれしい、まさに盤石の構成の三十分である。　…番組を丁寧に視ている作者の姿勢が良く顕れ、好感が持てる。が、この辺りはまだまだフツー。けれど作者は、高級感溢れるファニチャーショップに行ったら、渡辺篤史ごっこをしてみて欲しいと書き、実際に自分も試したと続ける。そして、渡辺篤史の発した「おおぉ、フェルメールの明かりが」という高度で分かり難いコメントを例にあげる。
そして、万城目学のエッセイはこのように終わる。　…文豪中島敦の代表作に『名人伝』という作品がある。弓の名手が、弓を極めようとするうち、最後には弓の存在すらも忘れてしまう、という話だ。キーワードは「あらゆることの境界がなくなる」という熟練の境地である。その一端を、私は篤史に感じずにはいられない。おそるべし、名人渡辺篤史。ひょっとして私、褒めすぎか。 …何という観察力と分析力、文章の起承転結はもちろん、引用の巧みさ、そして何よりもその文章の引きの強さは素直に敗北を認めざるを得ない。おそるべし、名人万城目学。ひょっとして私、褒めすぎか。
などと、人の書いた文章で遊ぶほど、嬉しかった。同じ思いを持つ他人がいることが、それも好きな作家であることが。『篤史 My Love』の学 My Love！と叫びたい。「んん〜、今日の記事は『ザ・万歩計』を読んでない人には分かり難いかなぁ」と妻。そこは限られた文字数で素人が書く文章、どうかお許しを。良かったら『ザ・万歩計』を読んでお確かめください。
  ＊万城目学って不思議な思考構造を持ってるんだろうなぁ
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/01/Konnaiewotatetai.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5079" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/01/Konnaiewotatetai-100x133.jpg" alt="Konnaiewotatetai" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">最</span></strong></span>近気に入っているCMがある。<a href="http://www.tokyo-gas.co.jp/channel/200ch/index.html" target="_blank">広告主は東京ガス</a>。キャッチは、渡辺篤史が帰らない…。“ある”番組の収録で訪れたお宅から渡辺篤史が帰らない、その理由は…というもの。ところで、東京ガスのCMは昔から私のお気に入り。人気のTV番組『食彩の王国』で流れていた“炎”シリーズ（勝手にそう呼んでいた）…炎の中を食材が踊り、鍋肌を滑り、熱湯に飛び込む。ローアングルからの映像が実に美味しそうで、CMを視ながらぐっと来てしまい（朝食を食べ終えたばかりなのに）その日の夕食を何にしようかなどと妻と毎回話していた。それ以外も、家族の絆シリーズ（これは東京ガスが正式にそう呼んでいる）も良い。きたろう演じる「お父さんのチャーハン」編などは、毎回視る度にうるっとしていた。そして、今は水島かおり出演「お弁当メール」編。これもじんわり。さらには、織田信長と妻夫木くんの絡みも、小西真奈美とのラブストーリーも、東幹久の登場も…。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/01/Watanabe-Atsushi.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5080" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/01/Watanabe-Atsushi-100x133.jpg" alt="Watanabe Atsushi" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff6600">と</span></strong></span>ころで、本題は渡辺篤史である。あのCMは放送開始から20年を超える長寿番組『<a href="http://www.tv-asahi.co.jp/tatemono/" target="_blank">渡辺篤史の建もの探訪</a>』を前提にしていることは言うまでもない。が、現在あの番組がまだ続いていることをご存知だろうか。以前は長く土曜の朝、その後は日曜の早朝に放送していたのに、何度も放映時間帯を変え、現在はなんと毎週金曜日の朝、4時30分！この番組が大好きで、ずっと視続けていた私としては淋しい限り。この時間帯では番組を視ることはほぼ叶わない。深酒の翌朝早く目覚め、何気なくTVの電源を入れた時に渡辺篤史が現れると小躍りしてしまう。彼の建物に対する愛情が表れる、あの独特の言い回しが耳に飛び込んでくると、なんだか得した気持になる。なにしろ『渡辺篤史のこんな家を建てたい』などという番組初期（放送8年目）の頃の本まで買ってしまっているのだ。だから、東横線のTQナビに流れる東京ガスのCM「渡辺篤史が帰らない」を眺めながら、幸せな気持で通勤している日々なのだ。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/01/The-Manpokei.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5081" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/01/The-Manpokei-100x133.jpg" alt="The Manpokei" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">そ</span></strong></span>れ程、渡辺篤史（正確には『建もの探訪』の渡辺篤史） Love♡な私だけれど、上には上がいた。『鴨川ホルモー』でデビューし、『鹿男あをによし』が直木賞候補となり、作品がドラマ化された万城目学である。かれのエッセイ集『ザ・万歩計』を読んで、私のLoveの敗北を知った。そのエッセイ集にある『篤史 My Love』の一文を紹介しよう。　…<span style="color: #0000ff">私がこよなく愛する、日本を代表する長寿番組である。その内容はいたってシンプルだ。（中略）最後はリビングで「いかがでしたか？○○さんのお宅」と総括。上品な音楽、ナイスなアングル、テンポよいカット割りがうれしい、まさに盤石の構成の三十分である</span>。　…番組を丁寧に視ている作者の姿勢が良く顕れ、好感が持てる。が、この辺りはまだまだフツー。けれど作者は、高級感溢れるファニチャーショップに行ったら、渡辺篤史ごっこをしてみて欲しいと書き、実際に自分も試したと続ける。そして、渡辺篤史の発した「おおぉ、フェルメールの明かりが」という高度で分かり難いコメントを例にあげる。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/01/Atsushi-My-Love.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-5084" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2011/01/Atsushi-My-Love-100x133.jpg" alt="Atsushi My Love" width="100" height="133" /></a><strong><span style="font-size: large"><span style="color: #0000ff">そ</span></span></strong>して、万城目学のエッセイはこのように終わる。　…<span style="color: #0000ff">文豪中島敦の代表作に『名人伝』という作品がある。弓の名手が、弓を極めようとするうち、最後には弓の存在すらも忘れてしまう、という話だ。キーワードは「あらゆることの境界がなくなる」という熟練の境地である。その一端を、私は篤史に感じずにはいられない。おそるべし、名人渡辺篤史。ひょっとして私、褒めすぎか。</span> …何という観察力と分析力、文章の起承転結はもちろん、引用の巧みさ、そして何よりもその文章の引きの強さは素直に敗北を認めざるを得ない。おそるべし、名人万城目学。ひょっとして私、褒めすぎか。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">な</span></strong></span>どと、人の書いた文章で遊ぶほど、嬉しかった。同じ思いを持つ他人がいることが、それも好きな作家であることが。『篤史 My Love』の学 My Love！と叫びたい。「んん〜、今日の記事は『ザ・万歩計』を読んでない人には分かり難いかなぁ」と妻。そこは限られた文字数で素人が書く文章、どうかお許しを。良かったら『ザ・万歩計』を読んでお確かめください。</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B6%E3%83%BB%E4%B8%87%E6%AD%A9%E8%A8%88-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%87%E5%9F%8E%E7%9B%AE-%E5%AD%A6/dp/4167788012%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4167788012"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51oaW7lfQcL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%B4%A8%E5%B7%9D%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%BC-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%87%E5%9F%8E%E7%9B%AE-%E5%AD%A6/dp/4043939019%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043939019"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61MSmHv0FoL._SL75_.jpg" alt="" /></a> ＊万城目学って不思議な思考構造を持ってるんだろうなぁ</p>
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		<title>どんどんうどん「さぬきうどん」</title>
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		<pubDate>Sat, 04 Dec 2010 05:11:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■幸福の食卓]]></category>
		<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[いつの頃からだろうか。讃岐と言えばうどん、うどんと言えば讃岐と誰もが言うようになったのは。“あの”村上春樹が『辺境・近境』に収録されている「讃岐・超ディープうどん紀行」の取材で讃岐を訪れたのは1990年。その紀行文ではまだ、香川県限定うどん文化の国を異邦人（村上氏）が訪ねる、という趣がある。2泊3日の取材で、1年分のうどんを食べたみたいと言う村上春樹が、ちょっと羨ましかった私はうどん好き。調べてみると、1980年代の後半に地元情報誌『タウン情報かがわ」で連載された「ゲリラうどん通ごっこ」が評判を呼び、『恐るべきさぬきうどん』として単行本化されたのがブームの源らしい。その後は、地元で話題になっただけではなく、「セルフ店」など香川独特のうどん専門店までが全国的にも知られるようになり、人気店の周辺は“うどん詣”の車で大混雑！という現象が現れた。
ある日、姫路と高松へ1泊2日の出張の予定が入った。チャンス到来。初日に高松に入ってしまえば、何杯かうどんは食べられそうだ。訪問先とのスケジュールを考え、綿密な計画を立てる。さすがに郊外の店までは行けそうもない。ガイドブックを買込み、高松市内でターゲットを絞る。ちなみに、讃岐うどんの店のカテゴリは3つ。1つは全国チェーン「はなまるうどん」などでも有名になったセルフ店。うどん玉の数を指定し、自分で湯がき（湯がいてもらう場合もある）ダシを入れ、ネギなどのトッピングなども自由。店によって微妙に方式が違うため、観光客だと見ると店のスタッフが優しく教えてくれる。このタイプの店は、私も2009年に体験済み。もうひとつは製麺所。文字通り、製麺所のお隣で（作り立ての麺を！）食べさせてもらうスタイル。そして、食券を買ったり、テーブルにオーダーを取りにきてもらえる一般店だ。
高松駅前のホテルにチェックインし、すぐに街の中心部に向う。香川県のもうひとつの名物、骨付き鶏を味わった後にうどんを食べに行こう！という計画だ。骨付き鶏の予想以上の美味しさのために、軽めに食べた後にうどんという計画が早くも暗礁に乗りかけている。こんな時には腹ごなしの散歩に限る。すると、市営レンタサイクルの看板発見。これだっ。さっそく手続きを済ませ、翌朝から予定していたうどん店の下見を兼ねて夜の高松市街を徘徊する。そして、胃に僅かな隙間ができた頃、1軒目のうどん店「鶴丸」に向う。多くのうどん店の店じまいは早い。うどん玉がなくなり次第閉店という店も多い。そんな中、店のカテゴリとしては、深夜営業の一般店。讃岐うどん国の住人たちは、飲んだ後のシメにラーメンではなく、うどん。カレーうどんで有名だと言う鶴丸も、宴会帰りのスーツ姿で溢れていた。カウンタに座り、オーダーしたのは肉ぶっかけ。もちろん「小」でお願いしたのに、多くね？とワカモノ的に反応してしまいそうな量。食べられるかな？という一瞬の迷いも、ひとくち啜り、飲み込む程に消えていく。旨い。あっという間に完食。やるなぁ、さぬきうどん。そう呟きながら颯爽と自転車に乗りホテルに戻り、翌日に備えたかったのに、部屋飲み。あぁ（涙）。
翌朝、7:30から開いていると言う「松下製麺所」に向う。住宅地にひっそりと佇む小さな店。地元のお馴染みさん、観光客で賑わっている。店に入るや素人だと見抜かれ「うどんは何玉にしますか？」と優しく声を掛けられる。180円。安っ！「2、3秒湯がいてね」丼に入ったうどんを自ら温め、ダシを入れ、たっぷりネギを振りかける。優しく温かい上品なダシ、柔らかめのうどんが朝一番の1杯としては申し分無く旨い。先客をチラ見すると、残ったスープをバケツに捨てて、割り箸はゴミ箱、丼は別のバケツに重ねて出て行った。なるほど。ごちそうさまぁ〜っ♡先客に倣って店を出る。よしっ！仕事を開始する前に、もう1杯。栗林公園近くのセルフ店「上原屋本店」に向う。こざっぱりとした店内に入ると、天ぷらが並ぶカウンタ、大きなダシが入ったタンクなどが並ぶ。かけ（小）と竹輪の天ぷらをオーダー。さっぱりとしたダシが旨い。完食。さすがに、お腹がきつい。
「ちょっと今日の記事は長いね」と妻。そう？うどんだからね。でも、余り長いと消化し切れないかもしれない。読んでいただいている方を気遣い、翌日に続く。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/Tsurumaru-NikuBukkake.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4771" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/Tsurumaru-NikuBukkake-100x133.jpg" alt="Tsurumaru NikuBukkake" width="100" height="133" /></a><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/Tsurumaru.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4772" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/Tsurumaru-100x133.jpg" alt="Tsurumaru" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff6600">い</span></strong></span>つの頃からだろうか。讃岐と言えばうどん、うどんと言えば讃岐と誰もが言うようになったのは。“あの”村上春樹が『辺境・近境』に収録されている「讃岐・超ディープうどん紀行」の取材で讃岐を訪れたのは1990年。その紀行文ではまだ、香川県限定うどん文化の国を異邦人（村上氏）が訪ねる、という趣がある。2泊3日の取材で、1年分のうどんを食べたみたいと言う村上春樹が、ちょっと羨ましかった私はうどん好き。調べてみると、1980年代の後半に地元情報誌『タウン情報かがわ」で連載された「ゲリラうどん通ごっこ」が評判を呼び、『恐るべきさぬきうどん』として単行本化されたのがブームの源らしい。その後は、地元で話題になっただけではなく、「セルフ店」など香川独特のうどん専門店までが全国的にも知られるようになり、人気店の周辺は“うどん詣”の車で大混雑！という現象が現れた。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/MatsushitaBukkake.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4773" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/MatsushitaBukkake-100x133.jpg" alt="MatsushitaBukkake" width="100" height="133" /></a><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/Matsushita.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4774" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/Matsushita-100x133.jpg" alt="Matsushita" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000">あ</span></strong></span>る日、姫路と高松へ1泊2日の出張の予定が入った。チャンス到来。初日に高松に入ってしまえば、何杯かうどんは食べられそうだ。訪問先とのスケジュールを考え、綿密な計画を立てる。さすがに郊外の店までは行けそうもない。ガイドブックを買込み、高松市内でターゲットを絞る。ちなみに、讃岐うどんの店のカテゴリは3つ。1つは全国チェーン「はなまるうどん」などでも有名になったセルフ店。うどん玉の数を指定し、自分で湯がき（湯がいてもらう場合もある）ダシを入れ、ネギなどのトッピングなども自由。店によって微妙に方式が違うため、観光客だと見ると店のスタッフが優しく教えてくれる。このタイプの店は、私も<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2009/04/26/500/" target="_blank">2009年に体験済み</a>。もうひとつは製麺所。文字通り、製麺所のお隣で（作り立ての麺を！）食べさせてもらうスタイル。そして、食券を買ったり、テーブルにオーダーを取りにきてもらえる一般店だ。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/UeharayaBukkake.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4776" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/UeharayaBukkake-100x133.jpg" alt="UeharayaBukkake" width="100" height="133" /></a><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/Ueharaya.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4777" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/Ueharaya-100x133.jpg" alt="Ueharaya" width="100" height="133" /></a><strong><span style="color: #ff00ff"><span style="font-size: large">高</span></span></strong>松駅前のホテルにチェックインし、すぐに街の中心部に向う。香川県のもうひとつの名物、骨付き鶏を味わった後にうどんを食べに行こう！という計画だ。骨付き鶏の予想以上の美味しさのために、軽めに食べた後にうどんという計画が早くも暗礁に乗りかけている。こんな時には腹ごなしの散歩に限る。すると、市営レンタサイクルの看板発見。これだっ。さっそく手続きを済ませ、翌朝から予定していたうどん店の下見を兼ねて夜の高松市街を徘徊する。そして、胃に僅かな隙間ができた頃、1軒目のうどん店「鶴丸」に向う。多くのうどん店の店じまいは早い。うどん玉がなくなり次第閉店という店も多い。そんな中、店のカテゴリとしては、深夜営業の一般店。讃岐うどん国の住人たちは、飲んだ後のシメにラーメンではなく、うどん。カレーうどんで有名だと言う鶴丸も、宴会帰りのスーツ姿で溢れていた。カウンタに座り、オーダーしたのは肉ぶっかけ。もちろん「小」でお願いしたのに、多くね？とワカモノ的に反応してしまいそうな量。食べられるかな？という一瞬の迷いも、ひとくち啜り、飲み込む程に消えていく。旨い。あっという間に完食。やるなぁ、さぬきうどん。そう呟きながら颯爽と自転車に乗りホテルに戻り、翌日に備えたかったのに、部屋飲み。あぁ（涙）。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/WarayaBukkake.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4778" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/WarayaBukkake-100x133.jpg" alt="WarayaBukkake" width="100" height="133" /></a><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/Waraya.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4779" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/12/Waraya-100x133.jpg" alt="Waraya" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">翌</span></strong></span>朝、7:30から開いていると言う「松下製麺所」に向う。住宅地にひっそりと佇む小さな店。地元のお馴染みさん、観光客で賑わっている。店に入るや素人だと見抜かれ「うどんは何玉にしますか？」と優しく声を掛けられる。180円。安っ！「2、3秒湯がいてね」丼に入ったうどんを自ら温め、ダシを入れ、たっぷりネギを振りかける。優しく温かい上品なダシ、柔らかめのうどんが朝一番の1杯としては申し分無く旨い。先客をチラ見すると、残ったスープをバケツに捨てて、割り箸はゴミ箱、丼は別のバケツに重ねて出て行った。なるほど。ごちそうさまぁ〜っ♡先客に倣って店を出る。よしっ！仕事を開始する前に、もう1杯。栗林公園近くのセルフ店「上原屋本店」に向う。こざっぱりとした店内に入ると、天ぷらが並ぶカウンタ、大きなダシが入ったタンクなどが並ぶ。かけ（小）と竹輪の天ぷらをオーダー。さっぱりとしたダシが旨い。完食。さすがに、お腹がきつい。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">ち</span></strong></span>ょっと今日の記事は長いね」と妻。そう？うどんだからね。でも、余り長いと消化し切れないかもしれない。読んでいただいている方を気遣い、翌日に続く。</p>
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		<title>中国とは？『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』浅田次郎</title>
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		<pubDate>Sat, 27 Nov 2010 04:36:57 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[かつて、彼の国は（もう面倒だから中国って言っちゃう）我が国が学ぶべき師であり、倣うべき先達であった。文字、思想、芸術などの文化面だけではなく、政治面や経済面でも日本は“大陸”に学んだ。シルクロードと中国を経由して日本に到来したものは無数にある。しかし、明治維新以降に両国の関係が大きく変わった。明治維新という無血革命（多くの血は流されたけれど）により大変革を遂げた日本は、善し悪しはともかくも、欧米列強と肩を並べるべく突っ走った。遅れをとった中国は、かつての教え子が成功させた明治維新に倣い革命を試みた。そして、長い停滞と混迷の時代に突入した。やがて日本は自らを過信し、驕り、中国を侮り蹂躙していった。かつての師に対する偏見は、その頃に生まれたはずだ。さらに、多くの日本人が持つ共産主義に対するアレルギー、中国が情報に乏しく謎の国であったことなどにより、多くの偏見が堆積した。やがて中国は開放政策を推し進め、いつの間にか世界の工場から世界の市場になり、後進国と呼べない巨大な力を持つ国となった。そのスピードに日本は戸惑い、負け（何が勝ちか負けかはともかく）を認められず、自信を失いかけている。そして、あの事件だ。あぁ。
そんな今、浅田次郎の中国シリーズが人気だ。清朝末期、光緒帝の時代から物語は始まる。『蒼穹の昴』では、春児（チュンル）と梁文秀という同郷の2人の数奇な運命を軸に、西太后、李鴻章などの歴史上の人物が織りなす壮大な物語が綴られる。それぞれの人物描写に魅力が溢れ、歴史で語られる人物像を大きく塗り替えしてしまう視点、嘘もここまで大きければ真実の物語のように思えるというダイナミックな展開。もちろん史実を踏まえてのことではあるけれど。このシリーズにお気楽夫婦はハマった。元々、浅田次郎には偏見を持っていた。読まず嫌いだった。けれど、その偏見が氷解し、このシリーズを読み始めてからは敬ってさえ（凄いよ！この人）いる。『珍妃の井戸』は、他の2編（全4巻）に比べれば短い（1巻）エピソード。けれど、心に残る美しい物語だ。『蒼穹の昴』と『中原の虹』という大河小説の間に、光緒帝と珍妃の悲しい恋の物語を挟むことで却ってシリーズに深みを加えている。
シリーズ最新作（文庫化という意味で）の『中原の虹』では、清朝の祖である努爾哈赤（ヌルハチ）から始まる愛新覚羅（アイシンギョロ）一族の物語、そして同じく満州の地に覇を成した張作霖の物語が加わる。『蒼穹の昴』から登場する春児、梁文秀、西太后、袁世凱など、数多くの登場人物が複雑に絡みながらも、物語が破綻することがない。縦糸と横糸が見事に織られていく。全てを読み終えた後に、なる程そうだったのか（歴史的にではなく、あくまでも物語として）という納得感と満足感が得られると同時に、これで終わってしまうのは淋しいという思いを超えて“辛い”とさえ思ってしまう。中国のことをもっと知りたいと思ってしまう。実際、本棚の隅に眠っていた中国の歴史本などを引っ張り出して読んだりもした。なぜ、中国の“今”がこのようになったのか。その歴史的背景を理解しようとすることにも繋がった。まだまだ理解すると言うには遠く、自論を構築するには至らないけれど。
こんな本も買ってみた。『浅田次郎とめぐる中国の旅』サブタイトルに『蒼穹の昴』『珍姫の井戸』『中原の虹』の世界とある。このご時世、中国をめぐる旅は叶わない（というよりも望まない…香港は除く）お気楽夫婦が楽しめる1冊だ。シリーズで描いた土地の情報だけではなく、歴史の情報も詰まっている写真入り読本。義務教育の期間中、日本では教えないと言っても良い近代史。当時の中国がどのような状況だったのか。日本が中国で行ったこと。その頃の我が国の政治的・経済的背景。そんなことを学ばずに両国の関係を語れはしない。逆に、中国では戦略的に反日教育を行っていることも問題だけれど。ところで、中華思想あるいは華夷思想ということばがある。中国が世界の中心だと言う発想であり、古から覇を競った民族、中原を制した王朝が唱えたものではある。プライドとその裏返しの劣等感、地球の人口の20%を占める国をどのように治めるかを考える時、その思想は今も生きている。
「中華料理はとっくに中原どころか世界を制しているもんね」と妻が言う。なるほど。料理では既に世界の中心。だから中国料理ではなく、中華料理（信じないでください！嘘ですので、念のため）。う〜む、その方が世界中が平和だ。
           
＊老後にもう一度全巻読み直したいなぁ〜　と今から楽しみなシリーズ♡
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/sokyunosubaru.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4717" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/sokyunosubaru-100x133.jpg" alt="sokyunosubaru" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">か</span></strong></span>つて、彼の国は（もう面倒だから中国って言っちゃう）我が国が学ぶべき師であり、倣うべき先達であった。文字、思想、芸術などの文化面だけではなく、政治面や経済面でも日本は“大陸”に学んだ。シルクロードと中国を経由して日本に到来したものは無数にある。しかし、明治維新以降に両国の関係が大きく変わった。明治維新という無血革命（多くの血は流されたけれど）により大変革を遂げた日本は、善し悪しはともかくも、欧米列強と肩を並べるべく突っ走った。遅れをとった中国は、かつての教え子が成功させた明治維新に倣い革命を試みた。そして、長い停滞と混迷の時代に突入した。やがて日本は自らを過信し、驕り、中国を侮り蹂躙していった。かつての師に対する偏見は、その頃に生まれたはずだ。さらに、多くの日本人が持つ共産主義に対するアレルギー、中国が情報に乏しく謎の国であったことなどにより、多くの偏見が堆積した。やがて中国は開放政策を推し進め、いつの間にか世界の工場から世界の市場になり、後進国と呼べない巨大な力を持つ国となった。そのスピードに日本は戸惑い、負け（何が勝ちか負けかはともかく）を認められず、自信を失いかけている。そして、あの事件だ。あぁ。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/chinpinoido.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4718" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/chinpinoido-100x133.jpg" alt="chinpinoido" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">そ</span></strong></span>んな今、浅田次郎の中国シリーズが人気だ。清朝末期、光緒帝の時代から物語は始まる。『蒼穹の昴』では、春児（チュンル）と梁文秀という同郷の2人の数奇な運命を軸に、西太后、李鴻章などの歴史上の人物が織りなす壮大な物語が綴られる。それぞれの人物描写に魅力が溢れ、歴史で語られる人物像を大きく塗り替えしてしまう視点、嘘もここまで大きければ真実の物語のように思えるというダイナミックな展開。もちろん史実を踏まえてのことではあるけれど。このシリーズにお気楽夫婦はハマった。元々、浅田次郎には偏見を持っていた。<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2005/08/18/103/" target="_blank">読まず嫌い</a>だった。けれど、その偏見が氷解し、このシリーズを読み始めてからは敬ってさえ（凄いよ！この人）いる。『珍妃の井戸』は、他の2編（全4巻）に比べれば短い（1巻）エピソード。けれど、心に残る美しい物語だ。『蒼穹の昴』と『中原の虹』という大河小説の間に、光緒帝と珍妃の悲しい恋の物語を挟むことで却ってシリーズに深みを加えている。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/chugennoniji.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4719" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/chugennoniji-100x133.jpg" alt="chugennoniji" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">シ</span></strong></span>リーズ最新作（文庫化という意味で）の『中原の虹』では、清朝の祖である努爾哈赤（ヌルハチ）から始まる愛新覚羅（アイシンギョロ）一族の物語、そして同じく満州の地に覇を成した張作霖の物語が加わる。『蒼穹の昴』から登場する春児、梁文秀、西太后、袁世凱など、数多くの登場人物が複雑に絡みながらも、物語が破綻することがない。縦糸と横糸が見事に織られていく。全てを読み終えた後に、なる程そうだったのか（歴史的にではなく、あくまでも物語として）という納得感と満足感が得られると同時に、これで終わってしまうのは淋しいという思いを超えて“辛い”とさえ思ってしまう。中国のことをもっと知りたいと思ってしまう。実際、本棚の隅に眠っていた中国の歴史本などを引っ張り出して読んだりもした。なぜ、中国の“今”がこのようになったのか。その歴史的背景を理解しようとすることにも繋がった。まだまだ理解すると言うには遠く、自論を構築するには至らないけれど。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/chugokunotabi.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4720" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/chugokunotabi-100x133.jpg" alt="chugokunotabi" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000">こ</span></strong></span>んな本も買ってみた。『浅田次郎とめぐる中国の旅』サブタイトルに『蒼穹の昴』『珍姫の井戸』『中原の虹』の世界とある。このご時世、中国をめぐる旅は叶わない（というよりも望まない…香港は除く）お気楽夫婦が楽しめる1冊だ。シリーズで描いた土地の情報だけではなく、歴史の情報も詰まっている写真入り読本。義務教育の期間中、日本では教えないと言っても良い近代史。当時の中国がどのような状況だったのか。日本が中国で行ったこと。その頃の我が国の政治的・経済的背景。そんなことを学ばずに両国の関係を語れはしない。逆に、中国では戦略的に反日教育を行っていることも問題だけれど。ところで、中華思想あるいは華夷思想ということばがある。中国が世界の中心だと言う発想であり、古から覇を競った民族、中原を制した王朝が唱えたものではある。プライドとその裏返しの劣等感、地球の人口の20%を占める国をどのように治めるかを考える時、その思想は今も生きている。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff6600">中</span></strong></span>華料理はとっくに中原どころか世界を制しているもんね」と妻が言う。なるほど。料理では既に世界の中心。だから中国料理ではなく、中華料理（信じないでください！嘘ですので、念のため）。う〜む、その方が世界中が平和だ。</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%92%BC%E7%A9%B9%E3%81%AE%E6%98%B4-1-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B5%85%E7%94%B0-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4062748916%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062748916"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51G2E3DWR3L._SL75_.jpg" alt="" /></a><a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%92%BC%E7%A9%B9%E3%81%AE%E6%98%B4-2-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B5%85%E7%94%B0-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4062748924%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062748924"> <img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41TE3EVTATL._SL75_.jpg" alt="" /> </a><a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%92%BC%E7%A9%B9%E3%81%AE%E6%98%B4-3-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B5%85%E7%94%B0-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4062748932%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062748932"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51KN0THDN6L._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%92%BC%E7%A9%B9%E3%81%AE%E6%98%B4-4-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B5%85%E7%94%B0-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4062748940%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062748940"> <img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/418VB49C5ML._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E7%8F%8D%E5%A6%83%E3%81%AE%E4%BA%95%E6%88%B8-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B5%85%E7%94%B0-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4062750414%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062750414"> <img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51C7JXZF81L._SL75_.jpg" alt="" /> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%AD%E5%8E%9F%E3%81%AE%E8%99%B9-%EF%BC%881%EF%BC%89-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B5%85%E7%94%B0-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4062767414%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062767414"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51vA26PtcaL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%AD%E5%8E%9F%E3%81%AE%E8%99%B9-%EF%BC%882%EF%BC%89-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B5%85%E7%94%B0-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4062767422%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062767422"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51smuCOQ%2BJL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%AD%E5%8E%9F%E3%81%AE%E8%99%B9-%EF%BC%883%EF%BC%89-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B5%85%E7%94%B0-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4062767791%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062767791"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51BaCokxjBL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%AD%E5%8E%9F%E3%81%AE%E8%99%B9-%EF%BC%884%EF%BC%89-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B5%85%E7%94%B0-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4062767805%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062767805"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41gr7lVwtoL._SL75_.jpg" alt="" /></a> </a><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%B5%85%E7%94%B0%E6%AC%A1%E9%83%8E%E3%81%A8%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%97%85-%E3%80%8E%E8%92%BC%E7%A9%B9%E3%81%AE%E6%98%B4%E3%80%8F%E3%80%8E%E7%8F%8D%E5%A6%83%E3%81%AE%E4%BA%95%E6%88%B8%E3%80%8F%E3%80%8E%E4%B8%AD%E5%8E%9F%E3%81%AE%E8%99%B9%E3%80%8F%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C-%E6%B5%85%E7%94%B0-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4062148420%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062148420"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Q5kjBzt0L._SL75_.jpg" alt="" /></a></p>
<p>＊老後にもう一度全巻読み直したいなぁ〜　と今から楽しみなシリーズ♡</p>
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		<item>
		<title>保安官も、自衛官も…『海の底』他　有川浩</title>
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		<pubDate>Sun, 14 Nov 2010 02:02:13 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[ニュース番組が始まるとチャンネルを変える。そんな日が続いている。不愉快なのだ。彼の国の人たちに偏見を持っている訳ではない。上海でご一緒したYさん、Eさん、香港で一緒にビジネスを検討をしたPさん、皆が誠実で（同時に、良い意味でしたたかで）柔らかな心を持っていた。信頼できる方々だった。13億人もの人々が、全て同じ考えではないのは当然。けれど、多くの国民は抗日教育を受け、政府は戦略的に情報を操作しているのも事実。日本は得ようと思えば情報を入手でき、その情報を取捨選択し、肯定も否定も選択できるだけ幸せだと思いたい。けれど、気持がざらつくのは日本政府側の対応、姿勢。異論を声として表に出さない、行動しない（自分も含めた）日本人。
20代の頃、海上保安庁に勤める友人たちと出かける機会が多かった。友人何人かと共同購入したディンギーで海に遊び、山に登り、テニスをして、スキーに出かけた。ディンギーに乗る時は、海保の黄色いライフジャケットを借りた。正直恥ずかしかったが、外すことは許してもらえなかった。生真面目なヤツらが多かった。軟派で左系のアテネフランセの友人たちと場を共にすると、海上自衛隊と海上保安庁の違いを丁寧に説明していた。広島、新潟、舞鶴、横須賀…と、毎年のように年賀状の住所が変わった。子供が大きくなった頃、単身赴任になったと書き添えてあった。『海猿』が話題になり、彼らの仕事に少しでも陽が当たったと嬉しく思った。ところが、今回の事件だ。かつての友人たちの顔が浮かんだ。
有川浩の『阪急電車』を読んだだけでは、この良い意味で器用な作家の全貌は分からない。というよりは誤解してしまう。彼女の真骨頂はスケールの大きい構想にあり、同時にディティールの巧さにある。デビュー作『塩の街』から『空の中』『海の底』までを自衛隊三部作と呼ばれているらしい。いずれも文庫本で500P前後の大作。けれど、デビュー作にはまだ拙さが残るものの、どれも一気に読ませる。物語と文章に勢いがある。彼女自身も軍事マニアか？と思わせるほど、自衛隊や警察機構に対する情報と知識が文中に溢れている。『海の底』などは、巨大なザリガニの群れに横須賀が襲われるなどという突拍子もない設定なのに、リアリティがある。登場人物が活き活きとして物語の中を動き回り、彼女の目指す「大人のライトノベル」としても、一流のエンタテインメントとしても見事に成立している。
「巧いよねぇ」グレッグ・アイルズなどの海外作家の作品が好きな妻も珍しく絶賛。三部作を読む前に、外伝とも言える『クジラの彼』を読んでしまった彼女。三部作を読み終えた後に、わずわざ読み返したらしい。「『海の底』の最後で、望ちゃんに夏木から“はじめまして”と言わせるために、この物語の全てがあったのかもね」と妻。ザリガニから逃れるために潜水艦に閉じ込もった自衛官2人と子供たちの物語は『十五少年漂流記』のようでもあり、望という子供たちの中で最年長の女子高生と夏木三尉の恋の物語でもある。そして、陸・海・空の自衛隊を舞台にした三部作に共通するのは、愛する人たちを守るための物語であること。自衛官も恋をして、悩み、憤るフツーの日本人であり、そして真っすぐな志を持っていることが伝わってくる。
「警察や海上保安庁とか自衛隊って、国家権力の象徴のようだけど、生身の人間の集団でもあるんだよね」国家権力を振りかざされることの嫌いな妻が呟く。何も、自衛官も海上保安官も特別な人間じゃない。法治国家であるならば、一貫した信念を国は持たなければならない。一公務員が義憤に駆られ行ったことと、国の一機関が判断した（とされる）彼の国の船長に下した判断を、「国内法」に照らし合わせ、スジを通した形で収めて欲しい。「有川浩の新作が早く文庫化されないかなぁ」とすっかり有川ファンの妻。そうそう、話題はそちらの方でした。
   
＊いずれも名作　キャラクター（登場人物）に魅力たっぷり♬
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			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/Shio-no-Machi.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4667" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/Shio-no-Machi-100x133.jpg" alt="Shio-no-Machi" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">ニ</span></strong></span>ュース番組が始まるとチャンネルを変える。そんな日が続いている。<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/09/26/4365/" target="_blank">不愉快なのだ</a>。彼の国の人たちに偏見を持っている訳ではない。上海でご一緒したYさん、<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2005/05/11/48/" target="_blank">Eさん</a>、香港で一緒にビジネスを検討をしたPさん、皆が誠実で（同時に、良い意味でしたたかで）柔らかな心を持っていた。信頼できる方々だった。13億人もの人々が、全て同じ考えではないのは当然。けれど、多くの国民は抗日教育を受け、政府は戦略的に情報を操作しているのも事実。日本は得ようと思えば情報を入手でき、その情報を取捨選択し、肯定も否定も選択できるだけ幸せだと思いたい。けれど、気持がざらつくのは日本政府側の対応、姿勢。異論を声として表に出さない、行動しない（自分も含めた）日本人。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/Sora-no-Naka.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4668" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/Sora-no-Naka-100x133.jpg" alt="Sora-no-Naka" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">20</span></strong></span>代の頃、海上保安庁に勤める友人たちと出かける機会が多かった。友人何人かと共同購入したディンギーで海に遊び、山に登り、テニスをして、スキーに出かけた。ディンギーに乗る時は、海保の黄色いライフジャケットを借りた。正直恥ずかしかったが、外すことは許してもらえなかった。生真面目なヤツらが多かった。軟派で左系のアテネフランセの友人たちと場を共にすると、海上自衛隊と海上保安庁の違いを丁寧に説明していた。広島、新潟、舞鶴、横須賀…と、毎年のように年賀状の住所が変わった。子供が大きくなった頃、単身赴任になったと書き添えてあった。『海猿』が話題になり、彼らの仕事に少しでも陽が当たったと嬉しく思った。ところが、今回の事件だ。かつての友人たちの顔が浮かんだ。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/Umi-no-Soko.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4669" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/Umi-no-Soko-100x133.jpg" alt="Umi-no-Soko" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">有</span></strong></span>川浩の『<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/10/03/4408/" target="_blank">阪急電車</a>』を読んだだけでは、この良い意味で器用な作家の全貌は分からない。というよりは誤解してしまう。彼女の真骨頂はスケールの大きい構想にあり、同時にディティールの巧さにある。デビュー作『塩の街』から『空の中』『海の底』までを自衛隊三部作と呼ばれているらしい。いずれも文庫本で500P前後の大作。けれど、デビュー作にはまだ拙さが残るものの、どれも一気に読ませる。物語と文章に勢いがある。彼女自身も軍事マニアか？と思わせるほど、自衛隊や警察機構に対する情報と知識が文中に溢れている。『海の底』などは、巨大なザリガニの群れに横須賀が襲われるなどという突拍子もない設定なのに、リアリティがある。登場人物が活き活きとして物語の中を動き回り、彼女の目指す「大人のライトノベル」としても、一流のエンタテインメントとしても見事に成立している。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/Kujira-no-Kare.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4670" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/11/Kujira-no-Kare-100x133.jpg" alt="Kujira-no-Kare" width="100" height="133" /></a>「<span style="color: #0000ff"><span style="font-size: large"><strong>巧</strong></span></span>いよねぇ」グレッグ・アイルズなどの海外作家の作品が好きな妻も珍しく絶賛。三部作を読む前に、外伝とも言える『クジラの彼』を読んでしまった彼女。三部作を読み終えた後に、わずわざ読み返したらしい。「『海の底』の最後で、望ちゃんに夏木から“はじめまして”と言わせるために、この物語の全てがあったのかもね」と妻。ザリガニから逃れるために潜水艦に閉じ込もった自衛官2人と子供たちの物語は『十五少年漂流記』のようでもあり、望という子供たちの中で最年長の女子高生と夏木三尉の恋の物語でもある。そして、陸・海・空の自衛隊を舞台にした三部作に共通するのは、愛する人たちを守るための物語であること。自衛官も恋をして、悩み、憤るフツーの日本人であり、そして真っすぐな志を持っていることが伝わってくる。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">警</span></strong></span>察や海上保安庁とか自衛隊って、国家権力の象徴のようだけど、生身の人間の集団でもあるんだよね」国家権力を振りかざされることの嫌いな妻が呟く。何も、自衛官も海上保安官も特別な人間じゃない。法治国家であるならば、一貫した信念を国は持たなければならない。一公務員が義憤に駆られ行ったことと、国の一機関が判断した（とされる）彼の国の船長に下した判断を、「国内法」に照らし合わせ、スジを通した形で収めて欲しい。「有川浩の新作が早く文庫化されないかなぁ」とすっかり有川ファンの妻。そうそう、話題はそちらの方でした。</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%A1%A9%E3%81%AE%E8%A1%97-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/4043898037%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043898037"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51rQhAseUnL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E7%A9%BA%E3%81%AE%E4%B8%AD-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/4043898010%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043898010"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51NHJOaGrLL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%B5%B7%E3%81%AE%E5%BA%95-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/4043898029%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043898029"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41Y-wT2vhhL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AF%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%81%AE%E5%BD%BC-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/4043898045%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4043898045"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51rO-dEm-AL._SL75_.jpg" alt="" /></a></p>
<p>＊いずれも名作　キャラクター（登場人物）に魅力たっぷり♬</p>
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		<title>読むべし！『阪急電車』有川浩</title>
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		<pubDate>Sun, 03 Oct 2010 03:10:53 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[お気楽ブログには珍しくストレートなタイトルだ。けれど、ぜひそう言いたい。読んで欲しい。秋の風が吹き始め、読書にはぴったりの季節。おススメだ。何しろ、関西出張の際にせっかく関西にいるのだからとシャレ半分で購入し、姫路のホテルであっと言う間に読み終えた。そして翌日、東京に向う新幹線の車内でもう一度読み直した。飛んでいく車窓の風景に作品の中に登場する街を探しながら。ちなみに、後で調べてみると、作品の舞台となる阪急今津線は、上りの新幹線が新神戸の駅を出るとすぐに潜る、六甲山トンネルの出口からすぐ。一瞬で通り過ぎてしまうから、新幹線からの視認は困難。地図を眺めながら、いつかその街を訪ねてみたいという思いが胸を過る。そんな気持にさせる物語。
『阪急電車』は、一部の書店でベストセラーの上位にいるけれど、まだ知らない人も多いかもしれない。作者は有川浩（ありかわ ひろ）、高知県出身。2004年デビューのまだ若い作家だ。けれど、最初のページを開いた時から読者をぐっと惹きつける力量はなかなかのもの。宝塚駅から西宮北口駅までの8つの駅毎に小さな物語を綴り、西宮北口駅から宝塚駅までの折り返しの路線で、折り返しの物語を繋ぐ。実に巧みな構成。そして、ひとつひとつのエピソードの粒立ちが、実に良い。物語全体を包むほのぼの感、女子高校生からお婆ちゃんまで、ぴりっと魅力的な登場人物たち。片道わずか15分程のローカル線沿いの風景と相まって、柔らかい、けれど甘いだけではないストーリー。そして、登場人物それぞれの物語が絶妙に重なり合い、電車と共に進行していく。
品川駅で新幹線を降り、大井町で乗り換えて自由が丘へ向う。大井町駅始発、溝ノ口行きの大井町線。発車間際の停車中の電車に乗り込む。最後部の車両にはベビーカーに子供を乗せた3組の親子が。あぁ騒がしそうだと隣の車両に移動する…のが、いつもの私だった。けれど、その日は親子連れのベビーカーの前に座り、3人の母親の会話に耳を峙てた。見た目は、子供を連れていなければ母親とは思えない若い3人の女の子。子供をあやしながら、フツーのOLでも交わしているような話題に、笑い合い、突っ込み合い、子供の様子や周囲の乗客の様子を伺う。騒がしくなってはいないか、子供が泣き出して乗客の視線を集めはしないか。けれど、尽きない話題。束の間、子育てを忘れ“女の子”に戻る。そんな様子が微笑ましく、そんな見方をしてしまう自分が照れくさい。
途中駅で降りていってしまった3組の親子連れ。ちょっと残念。再び、手元の『阪急電車』をぱらぱらとめくってみる。お互いにかかわり合わずに、見てみぬ振り。ある意味、それが電車内でのエチケット。けれど、関わってしまった偶然と、小さな物語が転換する度に人称が変わる有川浩の絶妙な筆致は、「そんなことある訳ないじゃん！」といういくつかの偶然を、実に自然に必然と思わせる。複数の主人公たちが出会い、関わり、見られていたり、聞かれていたり。物語にあざとさがなく、設定に破綻がない。続いて読み始めた『シアター！』という小劇場を舞台にした作品もすぐに読了。これまた、上手い。物語は続いているという余韻を残し、続編を期待させてしまうところなどは、『阪急電車』と同様。
「有川浩、あるだけ全部買ってきたよ！」妻が嬉しそうに何冊もの文庫本を抱えている。余りにも強く薦める私を胡散臭そうに眺めながらも、2冊をすぐに読み終え、あっという間にファンになったらしい。有川浩、お気楽夫婦にとって新刊が楽しみになる作家が1人増えた。
  
＊巧いなぁ♡　さらっと読めて素直に楽しめる1冊です♬
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/10/hankyudensya.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4409" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/10/hankyudensya-100x133.jpg" alt="hankyudensya" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">お</span></strong></span>気楽ブログには珍しくストレートなタイトルだ。けれど、ぜひそう言いたい。読んで欲しい。秋の風が吹き始め、読書にはぴったりの季節。おススメだ。何しろ、<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/09/26/4365/" target="_blank">関西出張の際</a>にせっかく関西にいるのだからとシャレ半分で購入し、姫路のホテルであっと言う間に読み終えた。そして翌日、東京に向う新幹線の車内でもう一度読み直した。飛んでいく車窓の風景に作品の中に登場する街を探しながら。ちなみに、後で調べてみると、作品の舞台となる阪急今津線は、上りの新幹線が新神戸の駅を出るとすぐに潜る、六甲山トンネルの出口からすぐ。一瞬で通り過ぎてしまうから、新幹線からの視認は困難。地図を眺めながら、いつかその街を訪ねてみたいという思いが胸を過る。そんな気持にさせる物語。</p>
<p>『<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">阪</span></strong></span>急電車』は、一部の書店でベストセラーの上位にいるけれど、まだ知らない人も多いかもしれない。作者は有川浩（ありかわ ひろ）、高知県出身。2004年デビューのまだ若い作家だ。けれど、最初のページを開いた時から読者をぐっと惹きつける力量はなかなかのもの。宝塚駅から西宮北口駅までの8つの駅毎に小さな物語を綴り、西宮北口駅から宝塚駅までの折り返しの路線で、折り返しの物語を繋ぐ。実に巧みな構成。そして、ひとつひとつのエピソードの粒立ちが、実に良い。物語全体を包むほのぼの感、女子高校生からお婆ちゃんまで、ぴりっと魅力的な登場人物たち。片道わずか15分程のローカル線沿いの風景と相まって、柔らかい、けれど甘いだけではないストーリー。そして、登場人物それぞれの物語が絶妙に重なり合い、電車と共に進行していく。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/10/theater.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4410" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/10/theater-100x133.jpg" alt="theater" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">品</span></strong></span>川駅で新幹線を降り、大井町で乗り換えて自由が丘へ向う。大井町駅始発、溝ノ口行きの大井町線。発車間際の停車中の電車に乗り込む。最後部の車両にはベビーカーに子供を乗せた3組の親子が。あぁ騒がしそうだと隣の車両に移動する…のが、いつもの私だった。けれど、その日は親子連れのベビーカーの前に座り、3人の母親の会話に耳を峙てた。見た目は、子供を連れていなければ母親とは思えない若い3人の女の子。子供をあやしながら、フツーのOLでも交わしているような話題に、笑い合い、突っ込み合い、子供の様子や周囲の乗客の様子を伺う。騒がしくなってはいないか、子供が泣き出して乗客の視線を集めはしないか。けれど、尽きない話題。束の間、子育てを忘れ“女の子”に戻る。そんな様子が微笑ましく、そんな見方をしてしまう自分が照れくさい。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000">途</span></strong></span>中駅で降りていってしまった3組の親子連れ。ちょっと残念。再び、手元の『阪急電車』をぱらぱらとめくってみる。お互いにかかわり合わずに、見てみぬ振り。ある意味、それが電車内でのエチケット。けれど、関わってしまった偶然と、小さな物語が転換する度に人称が変わる有川浩の絶妙な筆致は、「そんなことある訳ないじゃん！」といういくつかの偶然を、実に自然に必然と思わせる。複数の主人公たちが出会い、関わり、見られていたり、聞かれていたり。物語にあざとさがなく、設定に破綻がない。続いて読み始めた『シアター！』という小劇場を舞台にした作品もすぐに読了。これまた、上手い。物語は続いているという余韻を残し、続編を期待させてしまうところなどは、『阪急電車』と同様。</p>
<p>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff6600">有</span></strong></span>川浩、あるだけ全部買ってきたよ！」妻が嬉しそうに何冊もの文庫本を抱えている。余りにも強く薦める私を胡散臭そうに眺めながらも、2冊をすぐに読み終え、あっという間にファンになったらしい。有川浩、お気楽夫婦にとって新刊が楽しみになる作家が1人増えた。</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%98%AA%E6%80%A5%E9%9B%BB%E8%BB%8A-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/4344415132%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4344415132"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51VGr6y-u6L._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%BC-%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/4048682210%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4048682210"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51yK%2BJbMfwL._SL75_.jpg" alt="" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%BC-%E3%80%882%E3%80%89-%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/4048702807%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4048702807"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Pq6Mm-g3L._SL75_.jpg" alt="" /></a></p>
<p>＊巧いなぁ♡　さらっと読めて素直に楽しめる1冊です♬</p>
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		<title>過去の未来、未来の過去『一九八四年』『1Q84 Book3』</title>
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		<pubDate>Thu, 23 Sep 2010 08:22:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[「2001年」と聞いたら、映画好きの人なら「宇宙の旅」と続けるだろう。アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリックによるSF映画『2001年宇宙の旅』、続編は『2010年』。なんと、今年だ。ちなみに、『鉄腕アトム』の誕生日は2003年4月7日。『2001年宇宙の旅』の全米公開は1968年4月6日、国産アニメの第1号としてスタートしたTVアニメ『鉄腕アトム』の放映開始は1963年。過去にとっての未来は、2010年を生きている我々の“今”が追い越してしまった。日本人宇宙飛行士も宇宙ステーションで長期滞在するなど、宇宙旅行が現実味を帯び、ここ数年ロボット開発技術も格段に進んだ。けれど、過去が夢見た未来はどれぐらい実現できたのだろう。
ジョージ・オーウェル著『一九八四年』という小説作品がある。著者のオーウェルは1903年生まれ。『一九八四年』は、彼が亡くなる前年1949年に出版された、13番めで最後の作品。1949年といえば、2度目の世界大戦が終結して4年。中国共産党が国民党に勝利し、中華人民共和国が誕生した年。暗く沈んだトーンで描かれたオーウェルの作品の中では、起きて欲しくない“未来”が描かれている。絶えず国家の監視下に置かれる市民、国家や党が絶対的な存在で、日常的な洗脳が行われている。言論統制、裏切り、密告、拘束、失脚、高級官僚と市民の格差。過去が怖れた悪夢。（あれ？どこかの国では起きてしまっている“未来”だ）
『1Q84』は、2010年という未来から俯瞰した、あったであろう過去と、ありうべからざる過去の話だ。決して起らなかったことが分かっているから、月が夜空にひとつしかない未来人たる2010年に生きる読者は安心していられる。けれど、1949年当時の『一九八四年』の読者にとっては、その陰鬱な未来に不安であったであろう。この夏、村上春樹の『1Q84 Book3』をシンガポールで読んだ。Book1とBook2を読んだのは2009年の夏、香港だった。いずれも、未来と過去が交錯する街。数年前のことでさえ、遠い過去にしてしまうエネルギッシュな街。香港の中国への返還は1997年、わずか13年前。そして、シンガポールの独立は1965年。まだ誕生して45年目の都市国家。観光客向けの顔と、独裁国家の下にある（決して観光客になど見せない）内向きの顔。それに比べ、占領下にあったという自覚さえない東京。関東大震災、東京大空襲、東京オリンピックなどを契機とした変貌を続けながらも、多くの日本人と同様に平板的な表情の街だ。
村上春樹の『1Q84』は、『一九八四年』へのオマージュとして描かれた作品だという。本屋でそんなPOPを見て、『一九八四年』を買った。けれど、それは本屋の陰謀だ。村上春樹がどのように言っているのか知らないけれど、オマージュなんかではない、と思う。過去にとっての未来、未来にとっての過去。未来への憧れ、不安、焦燥。過去への羨望、不信、ジレンマ。…ん？いずれにしても、『1Q84』は、高円寺、環七、三軒茶屋など、極狭い東京の西側で起きている不思議な物語。これが日本全国で、世界各地で爆発的に売れていることが不思議な物語。ははぁ。広がりそうで広がらず、ダイナミックな展開になるのかと思えばちんまりと、平板な表情の東京で、こっそりとホントに起きている物語なのかもしれない。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/1984.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4294" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/1984-100x133.jpg" alt="1984" width="100" height="133" /></a>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #333300">2001年</span></strong></span>」と聞いたら、映画好きの人なら「宇宙の旅」と続けるだろう。アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリックによるSF映画『2001年宇宙の旅』、続編は『2010年』。なんと、今年だ。ちなみに、『鉄腕アトム』の誕生日は2003年4月7日。『2001年宇宙の旅』の全米公開は1968年4月6日、国産アニメの第1号としてスタートしたTVアニメ『鉄腕アトム』の放映開始は1963年。過去にとっての未来は、2010年を生きている我々の“今”が追い越してしまった。日本人宇宙飛行士も宇宙ステーションで長期滞在するなど、宇宙旅行が現実味を帯び、ここ数年ロボット開発技術も格段に進んだ。けれど、過去が夢見た未来はどれぐらい実現できたのだろう。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">ジ</span></strong></span>ョージ・オーウェル著『一九八四年』という小説作品がある。著者のオーウェルは1903年生まれ。『一九八四年』は、彼が亡くなる前年1949年に出版された、13番めで最後の作品。1949年といえば、2度目の世界大戦が終結して4年。中国共産党が国民党に勝利し、中華人民共和国が誕生した年。暗く沈んだトーンで描かれたオーウェルの作品の中では、起きて欲しくない“未来”が描かれている。絶えず国家の監視下に置かれる市民、国家や党が絶対的な存在で、日常的な洗脳が行われている。言論統制、裏切り、密告、拘束、失脚、高級官僚と市民の格差。過去が怖れた悪夢。（あれ？どこかの国では起きてしまっている“未来”だ）</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/1Q84−Book3.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4295" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/1Q84−Book3-100x133.jpg" alt="1Q84−Book3" width="100" height="133" /></a>『<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">1Q84</span></strong></span>』は、2010年という未来から俯瞰した、あったであろう過去と、ありうべからざる過去の話だ。決して起らなかったことが分かっているから、月が夜空にひとつしかない未来人たる2010年に生きる読者は安心していられる。けれど、1949年当時の『一九八四年』の読者にとっては、その陰鬱な未来に不安であったであろう。この夏、村上春樹の『1Q84 Book3』をシンガポールで読んだ。<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2009/09/20/1523/" target="_blank">Book1とBook2</a>を読んだのは<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2009/09/06/1448/" target="_blank">2009年の夏、香港</a>だった。いずれも、未来と過去が交錯する街。数年前のことでさえ、遠い過去にしてしまうエネルギッシュな街。香港の中国への返還は1997年、わずか13年前。そして、シンガポールの独立は1965年。まだ誕生して45年目の都市国家。観光客向けの顔と、独裁国家の下にある（決して観光客になど見せない）内向きの顔。それに比べ、占領下にあったという自覚さえない東京。関東大震災、東京大空襲、東京オリンピックなどを契機とした変貌を続けながらも、多くの日本人と同様に平板的な表情の街だ。</p>
<p><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000">村</span></strong></span>上春樹の『1Q84』は、『一九八四年』へのオマージュとして描かれた作品だという。本屋でそんなPOPを見て、『一九八四年』を買った。けれど、それは本屋の陰謀だ。村上春樹がどのように言っているのか知らないけれど、オマージュなんかではない、と思う。過去にとっての未来、未来にとっての過去。未来への憧れ、不安、焦燥。過去への羨望、不信、ジレンマ。…ん？いずれにしても、『1Q84』は、高円寺、環七、三軒茶屋など、極狭い東京の西側で起きている不思議な物語。これが日本全国で、世界各地で爆発的に売れていることが不思議な物語。ははぁ。広がりそうで広がらず、ダイナミックな展開になるのかと思えばちんまりと、平板な表情の東京で、こっそりとホントに起きている物語なのかもしれない。</p>
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		<title>スペンサーは死なず『プロフェッショナル』ロバート B.パーカー</title>
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		<pubDate>Mon, 20 Sep 2010 12:57:53 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[Robert B.Parker『The Professional』 2009年11月15日初版発行。日本で刊行された時点では、この本がスペンサー・シリーズ最新刊であり、最終刊であるとは誰も思っていなかった。お気楽夫婦は、いつものように迷わず購入し、翌年のヴァカンスまでページを開くことを封印した。これもいつも通り。読み始めてしまったら、一気に読み通してしまう。それが分かっているから、大切に取っておく。夏に向けて、読みたい本を何冊か溜め込む毎年の習慣。その内の1冊は、確実にスペンサーの最新作だった。そして、2010年1月18日、その楽しみが最後になってしまったことを知った。私より早い時間に会社に向う妻からメールが届いた。i-phoneで新聞のダイジェストを読み、パーカーの訃報を知らせてくれたのだった。
ロバート B.パーカー、享年77歳。1973年のデビューから、37編ものスペンサーの物語を綴った。決して早過ぎるという年齢でもなく、主人公のスペンサーやスーザンの実年齢も数えるのが怖いぐらい。けれど、いつか最期がやってくるのなら、こんな終わり方が良かったのかもしれない。作者の意思で物語を終えることなく、作者自らの死をもって終えたことで、スペンサーも、スーザンも、ホークも、トニィ・マーカスも、クワークも、ベルソンも、全ての登場人物が永遠の生命を受けた。読者にとって作者からの最後のプレゼント。スペンサーは死なず、終わらぬ物語の中で生き続ける。
2010年夏のヴァカンスの地シンガポールで、スペンサー・シリーズ最後の作品を読んだ。最終刊となった『プロフェッショナル』には、そんなお馴染みの顔ぶれが揃った。そして、依頼者寄りになれず、加害者であるはずの強請屋の男に好感を抱く最後の物語。最後だと思うからこそ、そんなスペンサーの心情にしんみりとしてしまった。2代目の訳者、加賀山卓朗氏が最後の訳者あとがきに書いている。「作者曰く“スペンサーにはラブ・ライフがあり、背景（コンテクスト）があり、友だちがいる。彼は不幸せではないし、孤独ではない”」パーカーが目指し、離れていったチャンドラーの描くフィリップ・マーロウとの比較だ。真のハードボイルドではなく、ウィットに富み、それを依頼者や敵にさらけ出し、引かれ（相手の冷や汗が行間に見えてくることがある）、そして独りごつ。そんなスペンサーが好きだった。
『夜も昼も』2010年7月15日初版発行。ジェッシー・ストーン・シリーズ第８作目。これこそ最後の著作と思った作品の訳者あとがきに嬉しいニュースがあった。第９作目が近刊予定だという。サニー・ランドル・シリーズと合わせ、精力的に作品を世に出していたパーカー。『勇気の季節』2010年3月15日に刊行されたヤングアダルト向けの作品も、南の島のプールサイドで読むにはぴったりだった。冷たいウェットタオル、オレンジ、スタッフの笑顔、そして何よりも楽しみにしていた作品。こうしてスペンサーと過ごす、最後の夏が終わった。「ん？旧作を読み返せば良いんじゃない？私は読み返さないけどね」う〜む、そんな妻の発想も悪くない。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/The-Professional.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4266" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/The-Professional-100x133.jpg" alt="The Professional" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">R</span></strong></span>obert B.Parker『The Professional』 2009年11月15日初版発行。日本で刊行された時点では、この本がスペンサー・シリーズ最新刊であり、最終刊であるとは誰も思っていなかった。お気楽夫婦は、いつものように迷わず購入し、翌年のヴァカンスまでページを開くことを封印した。これもいつも通り。読み始めてしまったら、一気に読み通してしまう。それが分かっているから、大切に取っておく。夏に向けて、読みたい本を何冊か溜め込む毎年の習慣。その内の1冊は、確実にスペンサーの最新作だった。そして、2010年1月18日、その楽しみが最後になってしまったことを知った。私より早い時間に会社に向う妻からメールが届いた。i-phoneで新聞のダイジェストを読み、<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/04/11/2747/" target="_blank">パーカーの訃報</a>を知らせてくれたのだった。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/Summer-Books1.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4277" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/Summer-Books1-100x133.jpg" alt="Summer Books" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008080">ロ</span></strong></span>バート B.パーカー、享年77歳。1973年のデビューから、37編ものスペンサーの物語を綴った。決して早過ぎるという年齢でもなく、主人公のスペンサーやスーザンの実年齢も数えるのが怖いぐらい。けれど、いつか最期がやってくるのなら、こんな終わり方が良かったのかもしれない。作者の意思で物語を終えることなく、作者自らの死をもって終えたことで、スペンサーも、スーザンも、ホークも、トニィ・マーカスも、クワークも、ベルソンも、全ての登場人物が永遠の生命を受けた。読者にとって作者からの最後のプレゼント。スペンサーは死なず、終わらぬ物語の中で生き続ける。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/Poolside1.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4278" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/Poolside1-100x133.jpg" alt="Poolside" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">2010</span></strong></span>年夏のヴァカンスの地シンガポールで、スペンサー・シリーズ最後の作品を読んだ。最終刊となった『プロフェッショナル』には、そんなお馴染みの顔ぶれが揃った。そして、依頼者寄りになれず、加害者であるはずの強請屋の男に好感を抱く最後の物語。最後だと思うからこそ、そんなスペンサーの心情にしんみりとしてしまった。2代目の訳者、加賀山卓朗氏が最後の訳者あとがきに書いている。「作者曰く“スペンサーにはラブ・ライフがあり、背景（コンテクスト）があり、友だちがいる。彼は不幸せではないし、孤独ではない”」パーカーが目指し、離れていったチャンドラーの描くフィリップ・マーロウとの比較だ。真のハードボイルドではなく、ウィットに富み、それを依頼者や敵にさらけ出し、引かれ（相手の冷や汗が行間に見えてくることがある）、そして独りごつ。そんなスペンサーが好きだった。</p>
<p><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/Poolside-desert1.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-4279" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/09/Poolside-desert1-100x133.jpg" alt="Poolside-desert" width="100" height="133" /></a>『<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">夜</span></strong></span>も昼も』2010年7月15日初版発行。ジェッシー・ストーン・シリーズ第８作目。これこそ最後の著作と思った作品の訳者あとがきに嬉しいニュースがあった。第９作目が近刊予定だという。サニー・ランドル・シリーズと合わせ、精力的に作品を世に出していたパーカー。『勇気の季節』2010年3月15日に刊行されたヤングアダルト向けの作品も、南の島のプールサイドで読むにはぴったりだった。冷たいウェットタオル、オレンジ、スタッフの笑顔、そして何よりも楽しみにしていた作品。こうしてスペンサーと過ごす、最後の夏が終わった。「ん？旧作を読み返せば良いんじゃない？私は読み返さないけどね」う〜む、そんな妻の発想も悪くない。</p>
]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>お気楽夫婦の日和とは『家日和（いえびより）』奥田英朗</title>
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		<pubDate>Tue, 08 Jun 2010 03:34:53 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[◆仕事の快感]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/?p=3520</guid>
		<description><![CDATA[毎朝同じ時間に出勤する必要がない、という意味においては会社員ではなくなった。複数ある名刺にはそれぞれの企業や団体の肩書きが記されているけれど、それらは仕事の“一部”でしかない。一日中自宅で仕事をする日もあるし、土日や平日の深夜に申請書類や企画書を作成することもある。朝は短パン姿で妻をエントランスまで見送りつつ、朝刊を自宅まで持ち帰る。そんなタイミングで他の住民に出会う時には微妙な空気が流れる。「…また今日もお休みなのかしら？それとも…」という好奇心溢れる視線も注がれる。きっと気のせいなのだろうけれど。平日の明るい時間に隣にあるコンビニに向かうと顔馴染みのスタッフから挨拶される。この人は何やっている人なのだろうという疑念を持たれつつ。考え過ぎなのだろうけど。
奥田英朗の『家日和』には、いろんな家族が、夫婦が登場する。6つの家族、6組の夫婦の物語。それぞれの短編に、くすっと笑ってしまったり、身につまされるエピソードがたっぷり詰まっている。例えばその中のひとつ、「ここが青山」に登場するのは、会社が倒産し主夫となってしまった夫と、それを機に以前勤めていた会社に復帰しいきいきと働き始める妻。こう聞くとネガティブな空気が流れる物語を想像する人も多いと思うが、そんな人にはきっと肩透かし。それも良い意味で。主人公の湯村夫妻の肩に力の入らなさ加減が良い。妻の役割、夫の立場などという単純な構造の否定だけではなく、あるいはその逆転の面白さだけではなく、自分の青山（せいざん＝墓場）の在処を自覚していく2人が実に良い。傍目を気にせずに自分を生きると、自分が活きることもある。
「家においでよ」の主人公は妻と別居することになった夫の巣作りの話。お気に入りの家具だけを持って家を出て行ってしまったインダストリアルデザイナーの妻。仕方なく生活用品を揃え直す夫。けれど、独りで家具などを選ぶ内に、妻とは微妙に好み、センスが違っていたことを改めて自覚する。その内に、オーディオセットやソファを揃え、実に居心地の良い“独身男の住まい”になっていく。別居を心配した同僚たちも、その部屋に魅せられ夜な夜な集まって宴会をするようになる。経済的に豪華なオーディオセットが買えなかった独身時代、経済的には購入可能になっても“男の部屋”を持つスペースはない。そんな男たちの理想の家ができてしまう。そして…。いやぁ、分かるぞっ！と膝を打つ男性も（女性も）多いはず。
平日の午前中、自宅の小さな書斎でパソコンに向かっている。もちろん、Tシャツに短パン姿である。妻が出勤準備をしている間に朝食の後片付けをし、掃除も済ませた。仕事のメールを何本か送った。この記事を書き終えたら、企画書を1本まとめなければいけない。それに、コンビニにお昼を買いに行かなければいけない。ゴミをまとめるのは明日で良いか。今日は午後から雨らしい。洗濯日和じゃないからバスタオルを洗うのは明日かな…。“日和”とは『広辞苑』によると、「空模様、天候。また、ある事をするのにふさわしい天候」とある以外に、「事のなりゆき、くもゆき、形勢」ともある。それぞれの家には、それぞれの日和がある。
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]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/06/家日和.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-3521" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/06/家日和-100x133.jpg" alt="家日和" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">毎</span></strong></span>朝同じ時間に出勤する必要がない、という意味においては会社員ではなくなった。複数ある名刺にはそれぞれの企業や団体の肩書きが記されているけれど、それらは仕事の“一部”でしかない。一日中自宅で仕事をする日もあるし、土日や平日の深夜に申請書類や企画書を作成することもある。朝は短パン姿で妻をエントランスまで見送りつつ、朝刊を自宅まで持ち帰る。そんなタイミングで他の住民に出会う時には微妙な空気が流れる。「…また今日もお休みなのかしら？それとも…」という好奇心溢れる視線も注がれる。きっと気のせいなのだろうけれど。平日の明るい時間に隣にあるコンビニに向かうと顔馴染みのスタッフから挨拶される。この人は何やっている人なのだろうという疑念を持たれつつ。考え過ぎなのだろうけど。</p>
<p style="text-align: left"><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000">奥</span></strong></span>田英朗の『家日和』には、いろんな家族が、夫婦が登場する。6つの家族、6組の夫婦の物語。それぞれの短編に、くすっと笑ってしまったり、身につまされるエピソードがたっぷり詰まっている。例えばその中のひとつ、「ここが青山」に登場するのは、会社が倒産し主夫となってしまった夫と、それを機に以前勤めていた会社に復帰しいきいきと働き始める妻。こう聞くとネガティブな空気が流れる物語を想像する人も多いと思うが、そんな人にはきっと肩透かし。それも良い意味で。主人公の湯村夫妻の肩に力の入らなさ加減が良い。妻の役割、夫の立場などという単純な構造の否定だけではなく、あるいはその逆転の面白さだけではなく、自分の青山（せいざん＝墓場）の在処を自覚していく2人が実に良い。傍目を気にせずに自分を生きると、自分が活きることもある。</p>
<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/06/わが家の日和.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-3524" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/06/わが家の日和-100x133.jpg" alt="わが家の日和" width="100" height="133" /></a>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">家</span></strong></span>においでよ」の主人公は妻と別居することになった夫の巣作りの話。お気に入りの家具だけを持って家を出て行ってしまったインダストリアルデザイナーの妻。仕方なく生活用品を揃え直す夫。けれど、独りで家具などを選ぶ内に、妻とは微妙に好み、センスが違っていたことを改めて自覚する。その内に、オーディオセットやソファを揃え、実に居心地の良い“独身男の住まい”になっていく。別居を心配した同僚たちも、その部屋に魅せられ夜な夜な集まって宴会をするようになる。経済的に豪華なオーディオセットが買えなかった独身時代、経済的には購入可能になっても“男の部屋”を持つスペースはない。そんな男たちの理想の家ができてしまう。そして…。いやぁ、分かるぞっ！と膝を打つ男性も（女性も）多いはず。</p>
<p style="text-align: left"><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff6600">平</span></strong></span>日の午前中、自宅の小さな書斎でパソコンに向かっている。もちろん、Tシャツに短パン姿である。妻が出勤準備をしている間に朝食の後片付けをし、掃除も済ませた。仕事のメールを何本か送った。この記事を書き終えたら、企画書を1本まとめなければいけない。それに、コンビニにお昼を買いに行かなければいけない。ゴミをまとめるのは明日で良いか。今日は午後から雨らしい。洗濯日和じゃないからバスタオルを洗うのは明日かな…。“日和”とは『広辞苑』によると、「空模様、天候。また、ある事をするのにふさわしい天候」とある以外に、「事のなりゆき、くもゆき、形勢」ともある。それぞれの家には、それぞれの日和がある。</p>
<p style="text-align: left"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%AE%B6%E6%97%A5%E5%92%8C-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%A5%A5%E7%94%B0-%E8%8B%B1%E6%9C%97/dp/4087465527%3FSubscriptionId%3DAKIAJBI5WB4AZ6TN5G6Q%26tag%3Digaiga0d-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4087465527"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51B78dt83aL._SL75_.jpg" alt="" /></a> ＊Amazonへリンク♬</p>
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		<title>現実と異空間の狭間で『鹿男あをによし』万城目学</title>
		<link>http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/05/16/3363/</link>
		<comments>http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/05/16/3363/#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 16 May 2010 09:23:49 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[ブンガクとは何か、エンタメとは、などという議論がたぶん世の中にはある。ブンガクでも、文学でも良いけれど、所詮面白くなければ誰にも読んではもらえない。知的好奇心を満足させるとか、ストーリーがハラハラどきどきさせるとか、登場人物に感情移入するとか、いろいろな楽しみ方がある。そのいずれの楽しみ方にせよ、広い意味で“面白い”ことが必要だ。ぶっ飛ぶ作品がある。今まで読んできた「小説」という既成の概念を軽々と飛び越えた設定。ブンガクとは？とか言う前に、読めば良い。とにかく面白いのだ。万城目学のデビュー作『鴨川ホルモー』がそんな作品だった。表紙のイラストに騙されてはいけない。ふざけたタイトルを侮ってはいけない。映画化された映像を（予告編か何かで）観た人は、先入観を捨てて欲しい。ばかばかしいくらい面白いけれど、読み終わった後にばかばかしさは微塵も残らない。満足感と次の作品を読みたいという欲望が残るだけ。
そんな私の欲求を満たす万城目学の第2作が待望の文庫化。（お気楽夫婦のルールで、特定の作家以外は文庫しか買ってはいけない）『鹿男あをによし』が発刊。本屋に走った。『1Q84』BOOK3を買いに向かうスピードより速く。そして満足感と、さらに次の作品を読みたいという欲求は増してしまった。この作品もドラマ化された。（万城目学の作品は映像化したくなるインパクトがあるんだろうな）けれど、ドラマを観た人は出演した玉木宏や綾瀬はるかの顔や姿を忘れて読んで欲しい。やはりふざけた設定だけど、これまたばかばかしいくらいに面白い。かと言って全く現実感がないかというとそうではなく、あり得ない奇想天外なストーリーが史実や文献に裏付けされた（されていそうな？）物語。異空間が現実の世界と隣り合わせに、それも異空間が人格を持てば「あ、現実さぁ〜ん。異空間で〜す。ここです、ここ！」てな感じでお気軽に、すぐ隣に存在する雰囲気。
何を隠そう、隠したことはないけれど、学生時代に私は上代文学の研究サークルにいた。上代文学と言っても耳慣れないかと思うけれど、上代とは日本に漢字が輸入され、万葉仮名が生まれた時代。つまり、上代文学とは日本で初めて文字によって成立した『古事記』や『万葉集』などを指す。それを研究していたと言えば硬いけれど、犬養孝の名著『万葉の旅』を片手に、奈良や出雲を旅していたというのが正しい。当時、アテネフランセに通いながら、授業の合間にアルバイトをして、さらに空いた時間に大学の授業を入れ、週に2回程度のサークルの活動もまめに参加していた。ということで、『鹿男あをによし』は、何度か訪れた奈良が舞台。奈良市近辺以外にも、飛鳥、三輪山、天理など当時訪れた懐かしい地名が並ぶ。密かに（隠してはいないけど）そんな過去も持つ私。現実の裏にある、ファンタジーを紡ぐ、あるいは掘り起こす万城目学にすっかりやられてしまった。
京都『鴨川ホルモー』、奈良『鹿男あをによし』と来て、次は『プリンセス・トヨトミ』という作品。もうタイトルだけでわくわくしてしまう。やはり映画化されるらしいが、私にとっては文庫化が待ち遠しい。これまでの２作品は、現実と異空間の狭間に登場人物を放り投げて、彼らが動き回るのを作者も楽しんでいるような気配もある物語。天才のペンは予測不能。新作が待ち遠しい作家が1人増えた。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/05/鴨川ホルモー.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-3364" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/05/鴨川ホルモー-100x133.jpg" alt="鴨川ホルモー" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">ブ</span></strong></span>ンガクとは何か、エンタメとは、などという議論がたぶん世の中にはある。ブンガクでも、文学でも良いけれど、所詮面白くなければ誰にも読んではもらえない。知的好奇心を満足させるとか、ストーリーがハラハラどきどきさせるとか、登場人物に感情移入するとか、いろいろな楽しみ方がある。そのいずれの楽しみ方にせよ、広い意味で“面白い”ことが必要だ。ぶっ飛ぶ作品がある。今まで読んできた「小説」という既成の概念を軽々と飛び越えた設定。ブンガクとは？とか言う前に、読めば良い。とにかく面白いのだ。万城目学のデビュー作『鴨川ホルモー』がそんな作品だった。表紙のイラストに騙されてはいけない。ふざけたタイトルを侮ってはいけない。映画化された映像を（予告編か何かで）観た人は、先入観を捨てて欲しい。ばかばかしいくらい面白いけれど、読み終わった後にばかばかしさは微塵も残らない。満足感と次の作品を読みたいという欲望が残るだけ。</p>
<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/05/鹿男あをによし.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-3365" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/05/鹿男あをによし-100x133.jpg" alt="鹿男あをによし" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">そ</span></strong></span>んな私の欲求を満たす万城目学の第2作が待望の文庫化。（お気楽夫婦のルールで、特定の作家以外は<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2006/12/10/264/" target="_blank">文庫しか買ってはいけない</a>）『鹿男あをによし』が発刊。本屋に走った。『1Q84』BOOK3を買いに向かうスピードより速く。そして満足感と、さらに次の作品を読みたいという欲求は増してしまった。この作品もドラマ化された。（万城目学の作品は映像化したくなるインパクトがあるんだろうな）けれど、ドラマを観た人は出演した玉木宏や綾瀬はるかの顔や姿を忘れて読んで欲しい。やはりふざけた設定だけど、これまたばかばかしいくらいに面白い。かと言って全く現実感がないかというとそうではなく、あり得ない奇想天外なストーリーが史実や文献に裏付けされた（されていそうな？）物語。異空間が現実の世界と隣り合わせに、それも異空間が人格を持てば「あ、現実さぁ〜ん。異空間で〜す。ここです、ここ！」てな感じでお気軽に、すぐ隣に存在する雰囲気。</p>
<p style="text-align: left"><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff00ff">何</span></strong></span>を隠そう、隠したことはないけれど、学生時代に私は上代文学の研究サークルにいた。上代文学と言っても耳慣れないかと思うけれど、上代とは日本に漢字が輸入され、万葉仮名が生まれた時代。つまり、上代文学とは日本で初めて文字によって成立した『古事記』や『万葉集』などを指す。それを研究していたと言えば硬いけれど、犬養孝の名著『万葉の旅』を片手に、奈良や出雲を旅していたというのが正しい。当時、アテネフランセに通いながら、授業の合間にアルバイトをして、さらに空いた時間に大学の授業を入れ、週に2回程度のサークルの活動もまめに参加していた。ということで、『鹿男あをによし』は、何度か訪れた奈良が舞台。奈良市近辺以外にも、飛鳥、三輪山、天理など当時訪れた懐かしい地名が並ぶ。密かに（隠してはいないけど）そんな過去も持つ私。現実の裏にある、ファンタジーを紡ぐ、あるいは掘り起こす万城目学にすっかりやられてしまった。</p>
<p style="text-align: left"><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">京</span></strong></span>都『鴨川ホルモー』、奈良『鹿男あをによし』と来て、次は『プリンセス・トヨトミ』という作品。もうタイトルだけでわくわくしてしまう。やはり映画化されるらしいが、私にとっては文庫化が待ち遠しい。これまでの２作品は、現実と異空間の狭間に登場人物を放り投げて、彼らが動き回るのを作者も楽しんでいるような気配もある物語。天才のペンは予測不能。新作が待ち遠しい作家が1人増えた。</p>
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		<title>さらばスペンサー「ロバート・B・パーカー逝去」</title>
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		<pubDate>Sun, 11 Apr 2010 02:04:04 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[ロバート・B・パーカー著『儀式』を手に入れたのは1984年だった。あるパーティの席で、出版社に勤務する友人から「今これが一番おもしろい！」と言われ、酔っぱらっていた彼の読みかけを無理やりプレゼントされた1冊だった。（その私にとって最初の1冊を読み出すまでには、なぜか数年かかった）ボストンを舞台にしたスペンサーという私立探偵が主人公のハードボイルド小説。そのシリーズ9作目。デビュー作でもあるシリーズ第1作『ゴッドウルフの行方』が日本で発売されたのが1976年、それから30年以上シリーズは続いた。そしてシリーズ第37作『プロフェッショナル』でシリーズは終わった。主人公スペンサーの死などという作者の意思によってではなく、作者ロバート・B・パーカーの死によって。
『儀式』の冒頭に「ジョウンに捧げる　太陽は、現実に彼女のために昇りかつ沈む−−−あるいは、彼女の意に従って」という献辞がある。ジョウンとは追悼記事にあるように、53年間連れ添った妻。ハードボイルドの巨匠である以上に、愛妻家でもあったパーカーはスペンサー シリーズに1人の女性を登場させている。スペンサーの恋人であり、心理学者であり、カウンセラーでもあるスーザンだ。スーザンとスペンサーの関係は、パーカーとジョウンの関係になぞらえる研究者や読者がいるけれど、それは無粋というもの。シリーズの中でのスペンサーとスーズは、お気楽夫婦の憧れの関係だ。結婚という形態をとっていない彼らは、愛し合う恋人同士であり、母と子であり、父と娘であり、友人であり、同志であり、互いに唯一無二の関係だ。
1999年の夏、お気楽夫婦はボストンに数日間滞在した。バッグの中には『スペンサーのボストン』という1冊の本。ページを開くとボストンの地図。ボストンの春夏秋冬の美しい写真。そして、スペンサー シリーズから抜粋された短い文章が引用されている。例えば、こんな一節だ。「チャールズ川沿いにメモリアル・ドライヴを下って行き、マサチュセッツ・アヴェニュ橋を渡った。橋からのボストンの景色はいつ見てもすばらしい。明かりがつき、星空を背景に浮かび上がっている建物の線、海に向かって優雅にカーヴを描いている川筋がくっきりと見える夜はとくに美しい。−−−ゴッドウルフの行方」そんな文章を読み直しながら、やはり愛読者である妻と一緒に、夏の日射しに溢れるボストンの街を歩いた。小説の主人公であるに過ぎないスペンサーの、スーザンの、そして相棒のホークの気配が濃厚に感じられる街だった。
ロバート・B・パーカーはスペンサー シリーズ以外にもいくつかのシリーズを並行して書いていた。ニュー・イングランドの小さな町、パラダイスの警察署長であるジェッシイ・ストーンが主人公のシリーズ、そして元警官で女性探偵であるサニー・ランドルが主人公のシリーズだ。パーカーの描く、どこか屈折した、それでも愛すべき人物たちが活躍する物語のいずれもが、お気楽夫婦にとっては待ち遠しいSTORYだった。そして、パーカーの（当時の）全著作を解説し、それらの物語の中に登場する、料理、音楽、登場人物たちの関係をまとめたのが『ロバート・B・パーカー読本』だ。お気楽夫婦の本棚には、これらの関連本『スペンサーの料理』などを含め、早川書房の全著作67作が並んでいる。
スペンサー シリーズの最新作であり、最後の作品『プロフェッショナル』は、まだページを開いていない。シリーズの最新作を発売と同時に購入し、翌年の春か夏のヴァカンスまで読まずに大切にとっておき、南の島やどこかの街のホテルのプールサイドで、慈しむように読むというのがお気楽夫婦の愉しみだった。その愉しみも今年の夏が最後になってしまう。全作品が傑作ばかりではなかったけれど、偉大なるマンネリでもあったけれど、スペンサーの台詞が、私立探偵としてのアナクロ的なスタイルが、そして何よりも愛するスーズとの距離感が好きだった。今年の夏、例年以上に大切に読まなければいけない1冊になった『プロフェッショナル』を読むのは、いったいどこのホテルになるんだろう。
それでも思うのだ。亡くなったパーカーには申し訳ないけれど、彼の死によってスペンサーは死なずに済んだ。スーザンと別れることもなく、物語は終わらない。ボストンの街を訪ねれば、スペンサーがいて、スーザンがいて、ホークがいる。物語は続いている。
■IGAの本棚へ　『スペンサーのボストン』
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/04/初めての１冊「儀式」.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-2748" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/04/初めての１冊「儀式」-100x133.jpg" alt="初めての１冊「儀式」" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">ロ</span></strong></span>バート・B・パーカー著『儀式』を手に入れたのは1984年だった。あるパーティの席で、出版社に勤務する友人から「今これが一番おもしろい！」と言われ、酔っぱらっていた彼の読みかけを無理やりプレゼントされた1冊だった。（その私にとって最初の1冊を読み出すまでには、なぜか数年かかった）ボストンを舞台にしたスペンサーという私立探偵が主人公のハードボイルド小説。そのシリーズ9作目。デビュー作でもあるシリーズ第1作『ゴッドウルフの行方』が日本で発売されたのが1976年、それから30年以上シリーズは続いた。そしてシリーズ第37作『プロフェッショナル』でシリーズは終わった。主人公スペンサーの死などという作者の意思によってではなく、作者ロバート・B・パーカーの死によって。</p>
<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/04/追悼記事.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-2749" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/04/追悼記事-100x133.jpg" alt="追悼記事" width="100" height="133" /></a>『<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800080">儀</span></strong></span>式』の冒頭に「ジョウンに捧げる　太陽は、現実に彼女のために昇りかつ沈む−−−あるいは、彼女の意に従って」という献辞がある。ジョウンとは追悼記事にあるように、53年間連れ添った妻。ハードボイルドの巨匠である以上に、愛妻家でもあったパーカーはスペンサー シリーズに1人の女性を登場させている。スペンサーの恋人であり、心理学者であり、カウンセラーでもあるスーザンだ。スーザンとスペンサーの関係は、パーカーとジョウンの関係になぞらえる研究者や読者がいるけれど、それは無粋というもの。シリーズの中でのスペンサーとスーズは、お気楽夫婦の憧れの関係だ。結婚という形態をとっていない彼らは、愛し合う恋人同士であり、母と子であり、父と娘であり、友人であり、同志であり、互いに唯一無二の関係だ。</p>
<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/04/スペンサーのボストン.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-2750" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/04/スペンサーのボストン-100x133.jpg" alt="スペンサーのボストン" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">1999</span></strong></span>年の夏、お気楽夫婦はボストンに数日間滞在した。バッグの中には『<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2005/05/04/42/" target="_blank">スペンサーのボストン</a>』という1冊の本。ページを開くとボストンの地図。ボストンの春夏秋冬の美しい写真。そして、スペンサー シリーズから抜粋された短い文章が引用されている。例えば、こんな一節だ。「チャールズ川沿いにメモリアル・ドライヴを下って行き、マサチュセッツ・アヴェニュ橋を渡った。橋からのボストンの景色はいつ見てもすばらしい。明かりがつき、星空を背景に浮かび上がっている建物の線、海に向かって優雅にカーヴを描いている川筋がくっきりと見える夜はとくに美しい。−−−ゴッドウルフの行方」そんな文章を読み直しながら、やはり愛読者である妻と一緒に、夏の日射しに溢れるボストンの街を歩いた。小説の主人公であるに過ぎないスペンサーの、スーザンの、そして相棒のホークの気配が濃厚に感じられる街だった。</p>
<p style="text-align: left"><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008000"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/04/パーカーの全て.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-2760" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/04/パーカーの全て-100x133.jpg" alt="パーカーの全て" width="100" height="133" /></a>ロ</span></strong></span>バート・B・パーカーはスペンサー シリーズ以外にもいくつかのシリーズを並行して書いていた。ニュー・イングランドの小さな町、パラダイスの警察署長であるジェッシイ・ストーンが主人公のシリーズ、そして元警官で女性探偵であるサニー・ランドルが主人公のシリーズだ。パーカーの描く、どこか屈折した、それでも愛すべき人物たちが活躍する物語のいずれもが、お気楽夫婦にとっては待ち遠しいSTORYだった。そして、パーカーの（当時の）全著作を解説し、それらの物語の中に登場する、料理、音楽、登場人物たちの関係をまとめたのが『ロバート・B・パーカー読本』だ。お気楽夫婦の本棚には、これらの関連本『スペンサーの料理』などを含め、早川書房の<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/bookshelf/2009/06/27/%E3%80%8E%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%80%8F/" target="_blank">全著作67作</a>が並んでいる。</p>
<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/04/最新刊.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-2758" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/04/最新刊-100x133.jpg" alt="最新刊" width="100" height="133" /></a><strong><span style="font-size: large"><span style="color: #ff00ff">ス</span></span></strong>ペンサー シリーズの最新作であり、最後の作品『プロフェッショナル』は、まだページを開いていない。シリーズの最新作を発売と同時に購入し、翌年の春か夏の<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2007/04/07/298/" target="_blank">ヴァカンス</a>まで読まずに大切にとっておき、南の島やどこかの街のホテルのプールサイドで、慈しむように読むというのがお気楽夫婦の愉しみだった。その愉しみも今年の夏が最後になってしまう。全作品が傑作ばかりではなかったけれど、偉大なるマンネリでもあったけれど、スペンサーの台詞が、私立探偵としてのアナクロ的なスタイルが、そして何よりも愛するスーズとの距離感が好きだった。今年の夏、例年以上に大切に読まなければいけない1冊になった『プロフェッショナル』を読むのは、いったいどこのホテルになるんだろう。</p>
<p style="text-align: left"><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #008080">そ</span></strong></span>れでも思うのだ。亡くなったパーカーには申し訳ないけれど、彼の死によってスペンサーは死なずに済んだ。スーザンと別れることもなく、物語は終わらない。ボストンの街を訪ねれば、スペンサーがいて、スーザンがいて、ホークがいる。物語は続いている。</p>
<p style="text-align: left"><span style="color: #0000ff"><strong>■IGAの本棚へ　『<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/bookshelf/2009/06/27/%E3%80%8E%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%80%8F/" target="_blank">スペンサーのボストン</a>』</strong></span></p>
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		<title>シングルモルトの夜「OU」恵比寿</title>
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		<pubDate>Sun, 28 Feb 2010 01:54:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>IGA</dc:creator>
				<category><![CDATA[■幸せの酒]]></category>
		<category><![CDATA[■読書の愉しみ]]></category>
		<category><![CDATA[フォト・エッセイ（全件）]]></category>

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		<description><![CDATA[ある週末、京鼎樓恵比寿本店で絶品の小龍包を味わったお気楽夫婦。ちょっと早めの食事だったこともあり、飲み足りない気分。久しぶりに、も〜やんの店に行こうか。恵比寿駅東口の坂を下りる。大小の路が交わる複雑な交差点に出る。慣れない頃に、いつもここで迷ってしまった。今では通い慣れた小路に入る。通りに面した人気のバルを横目に、こぢんまりとしたエントランスからエレベータに乗り込む。ビルの最上階でエレベータを下りると落とし気味の照明と柔らかな音楽に迎えられる。恵比寿で食事をした後は、この店に来ることが多い。店名を書いたり、サイトで紹介するのはちょっと躊躇う。日によって、時間によって、空席がない場合があるから。という理由もある。前職の会社の大先輩が経営しているバーで、OBたちが集まる場所だから。というのも言い訳。早い話、ちょっとこっそり通いたい店。
お久しぶりです。「あぁ、久しぶりだね」マスターである大先輩との挨拶は短め。短期間ではあるけれど、妻の上司でもあったその人は、会社に在籍していた頃から肩の力が抜けていた。取締役まで勤めたその会社で、良い意味で浮いていたとも言える。カウンタの奥の席に妻と2人で陣取る。目の前にはシングルモルトを中心としたボトルが並ぶ。「今日は何にしますか」うぅ〜ん、今日はアイラではなく、ハイランドの何か…。「ハイランドねぇ、そうだなぁ、これ飲んだことはあると思うけど」マッカラン12年のボトルを棚から取り出す。はい、それお願いします。「今日はね、ソフトドリンクはグレープフルーツのフレッシュジュースができるよ」「あ、それお願いします」と酒が飲めない妻。コチンと乾杯。
「ところで、IGAね、さっきハイランドって言ったけど、これだけの地域のことを指すんだよ」マスターが棚の中から『モルトウィスキー大全』という本を取り出し、掲載されているスコットランドの地図を指し示す。あぁ、広いんですね。「そうなんだよ。だからモルトの傾向もいろいろあってね。薦めるのも難しいんだよ」あらら、中途半端な知識でお願いしてしまってお恥ずかしい。「へぇ〜、この本面白いですね」図鑑好き、地図好きの妻が興味を示す。ぱらぱらとページをめくるとボトルの写真、蒸溜所の紹介記事、詳細データが記載されている。「ベッドの中でちょっとだけ読むのに良いですね」確かに妻は、この類いの本を眠る前にちょっとだけ読んで眠りにつく。『香港飲茶読本』だったり、『シンガポール公式ガイドブック』だったり。活字だったら何でも良いらしいが、向き不向きもあるらしい。
「うん、この本は良い感じだね」かなり気に入ったらしく、フレッシュグレープフルーツをちびちび舐めながら、ダウンライトの灯りの下で読み耽る妻。「気に入ったみたいだね。土屋守さんっていう有名な人なんだけどね、この人の本はなかなか良くできてるよ」とマスター。そうですね。この本を抱えてスコットランドに行ってみたいですね。「良いね。俺も行ったことないんだけど、一度は行ってみたいね」良いですよね。目の前にシングルモルトの酒棚と、荒涼としたスコットランドの風景が広がる。その日の2杯目はエドラダワーという小さな蒸溜所の、芳醇で柔らかなシングルモルト。「うん、これあなたが好きかもね」テースティング程度ならOKの妻の評。「おぉ、IGA」あぁ、こんばんは。ご無沙汰してます。常連のOBが来店したのを潮に、帰り支度のお気楽夫婦。失礼にならない程度の間で席を立つ。恵比寿の夜、シングルモルトの夜を満喫。
「買ってきたよ♡」ある日、妻が1冊の本を差し出した。土屋守さんの『シングルモルトウィスキー大全』。『モルトウィスキー大全』よりも馴染みのある蒸溜所の紹介、中には日本の白州、山崎などの蒸溜所の紹介も。なかなか良いねぇ。「良いでしょ♬」その本は、さっそく妻のベッドサイドに、ナイトキャップの1杯に代わる、1冊として。
「ところで、こっそり通いたいとか書いてるけど、「OU」ってきっちりタイトルに掲載してるじゃない」･･･あ、そうだね。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/02/マッカラン12年.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-2488" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/02/マッカラン12年-100x133.jpg" alt="マッカラン12年" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #0000ff">あ</span></strong></span>る週末、<a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/2010/02/27/2471/" target="_blank">京鼎樓恵比寿本店で絶品の小龍包</a>を味わったお気楽夫婦。ちょっと早めの食事だったこともあり、飲み足りない気分。久しぶりに、も〜やんの店に行こうか。恵比寿駅東口の坂を下りる。大小の路が交わる複雑な交差点に出る。慣れない頃に、いつもここで迷ってしまった。今では通い慣れた小路に入る。通りに面した人気のバルを横目に、こぢんまりとしたエントランスからエレベータに乗り込む。ビルの最上階でエレベータを下りると落とし気味の照明と柔らかな音楽に迎えられる。恵比寿で食事をした後は、この店に来ることが多い。店名を書いたり、サイトで紹介するのはちょっと躊躇う。日によって、時間によって、空席がない場合があるから。という理由もある。前職の会社の大先輩が経営しているバーで、OBたちが集まる場所だから。というのも言い訳。早い話、ちょっとこっそり通いたい店。</p>
<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/02/エドラドール.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-2489" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/02/エドラドール-100x133.jpg" alt="エドラドール" width="100" height="133" /></a><span style="font-size: large"><strong><span style="color: #993300">お</span></strong></span>久しぶりです。「あぁ、久しぶりだね」マスターである大先輩との挨拶は短め。短期間ではあるけれど、妻の上司でもあったその人は、会社に在籍していた頃から肩の力が抜けていた。取締役まで勤めたその会社で、良い意味で浮いていたとも言える。カウンタの奥の席に妻と2人で陣取る。目の前にはシングルモルトを中心としたボトルが並ぶ。「今日は何にしますか」うぅ〜ん、今日はアイラではなく、ハイランドの何か…。「ハイランドねぇ、そうだなぁ、これ飲んだことはあると思うけど」マッカラン12年のボトルを棚から取り出す。はい、それお願いします。「今日はね、ソフトドリンクはグレープフルーツのフレッシュジュースができるよ」「あ、それお願いします」と酒が飲めない妻。コチンと乾杯。</p>
<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/02/シングルモルト大全.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-2493" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/02/シングルモルト大全-100x133.jpg" alt="シングルモルト大全" width="100" height="133" /></a>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #808000">と</span></strong></span>ころで、IGAね、さっきハイランドって言ったけど、これだけの地域のことを指すんだよ」マスターが棚の中から『モルトウィスキー大全』という本を取り出し、掲載されているスコットランドの地図を指し示す。あぁ、広いんですね。「そうなんだよ。だからモルトの傾向もいろいろあってね。薦めるのも難しいんだよ」あらら、中途半端な知識でお願いしてしまってお恥ずかしい。「へぇ〜、この本面白いですね」図鑑好き、地図好きの妻が興味を示す。ぱらぱらとページをめくるとボトルの写真、蒸溜所の紹介記事、詳細データが記載されている。「ベッドの中でちょっとだけ読むのに良いですね」確かに妻は、この類いの本を眠る前にちょっとだけ読んで眠りにつく。『香港飲茶読本』だったり、『シンガポール公式ガイドブック』だったり。活字だったら何でも良いらしいが、向き不向きもあるらしい。</p>
<p style="text-align: left"><a href="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/02/マッカラン.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-2491" src="http://iga-iga.com/iga-iga.com/blogs/files/2010/02/マッカラン-100x133.jpg" alt="マッカラン" width="100" height="133" /></a>「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #800000">う</span></strong></span>ん、この本は良い感じだね」かなり気に入ったらしく、フレッシュグレープフルーツをちびちび舐めながら、ダウンライトの灯りの下で読み耽る妻。「気に入ったみたいだね。土屋守さんっていう有名な人なんだけどね、この人の本はなかなか良くできてるよ」とマスター。そうですね。この本を抱えてスコットランドに行ってみたいですね。「良いね。俺も行ったことないんだけど、一度は行ってみたいね」良いですよね。目の前にシングルモルトの酒棚と、荒涼としたスコットランドの風景が広がる。その日の2杯目はエドラダワーという小さな蒸溜所の、芳醇で柔らかなシングルモルト。「うん、これあなたが好きかもね」テースティング程度ならOKの妻の評。「おぉ、IGA」あぁ、こんばんは。ご無沙汰してます。常連のOBが来店したのを潮に、帰り支度のお気楽夫婦。失礼にならない程度の間で席を立つ。恵比寿の夜、シングルモルトの夜を満喫。</p>
<p style="text-align: left">「<span style="color: #ff00ff"><strong><span style="font-size: large">買</span></strong></span>ってきたよ♡」ある日、妻が1冊の本を差し出した。土屋守さんの『シングルモルトウィスキー大全』。『モルトウィスキー大全』よりも馴染みのある蒸溜所の紹介、中には日本の白州、山崎などの蒸溜所の紹介も。なかなか良いねぇ。「良いでしょ♬」その本は、さっそく妻のベッドサイドに、ナイトキャップの1杯に代わる、1冊として。</p>
<p style="text-align: left">「<span style="font-size: large"><strong><span style="color: #ff0000">と</span></strong></span>ころで、こっそり通いたいとか書いてるけど、「OU」ってきっちりタイトルに掲載してるじゃない」･･･あ、そうだね。</p>
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