Archive for 10 月 2nd, 2005

藍ちゃんの1%「スカッシュ国際大会」

P100Tある種のスポーツ観戦人口のかなりの割合は、同じスポーツの競技者だ。典型的なのはゴルフ。藍ちゃん人気で、4日間に5万人弱が集まった日本女子オープン。その大部分がゴルファーだったと思う。そして、同じ日程、同じ最寄り駅の会場で行われた「WISPATRADERS UNITED YOKOHAMA OPEN2005」の観客は、100%競技者だったと断言して良い。知らない人の方が圧倒的に多いだろうこの大会は、相鉄線緑園都市駅から程近い、横浜スカッシュパーク「コータコート」で開催された。・・・残念ながら観客動員数は二桁違う。

スカッシュは、日本ではマイナーなスポーツ。この大会は、日本のスカッシュプレイヤーにとっては待望の、10年ぶりに日本で開催される国際大会。世界ランキング上位の選手が何人も顔を揃える、現在の日本ではなかなか開催を望めないレベル。競技人口が少なく、観戦人口はさらに少ない。全日本選手権の結果でさえ、新聞には掲載されることはない。でも、一度観て欲しい。透明な壁で囲まれ、コート内の照明が周囲の薄い闇に浮き上がったセンターコートを。その中で、サイドウォールぎりぎりに打ち込まれる、素人では手も出せないようなボールを難なく返し合う美しいラリーを。驚異的な反応で身体を移動させ、瞬時に相手プレーヤーの逆をつくコースに打ち込まれるボールを。床ぎりぎりに飛ぶボールを、軽いステップで追いかけ、左右のサイドに打ち分けるフットワークを。

私たちが観戦したのは、準決勝2試合。プレーヤーのタイプも、試合展開もそれぞれ異なる、しかしどちらも素晴らしい試合だった。この水準の試合が身近で開催されることで、競技全体のレベルが上がり、結果、このような試合で勝ち進める日本選手が出現する。・・・そんな他の競技では当然のようになった状況をスカッシュはようやくつかめるか、手放してしまうかの分水嶺にいる。アマチュアの愛好家ができることは、ごく僅かだが、その一助になりたい。週一回コートに通い、レッスンを受け、ラケットを買換え、大会の観戦をし、ローカル大会に参加する。それが、わずかながらもスカッシュ関連マーケットを活性化させ、このマイナースポーツを支える。そう信じたい。ふだんは“お気楽”スカッシュを楽しんでいても、こんな機会には真摯に考えてしまう、“世界レベル”の大会だった。

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