音楽と観客が溢れる日を…「ぴあアリーナ MM」

PiaArena01PiaArena02あアリーナ MM」が今春竣工、社員・関係者向けの内覧会が開催された。1972年に情報誌「ぴあ」創刊、1984年に「チケットぴあ」スタート、1999年にはチケット販売Webサイト「@チケットぴあ」開設と、ぴあは時代の要請に応じて事業の形を変貌させて成長してきた。

PiaArena03PiaArena09して2020年、着席時に12,000席!!という音楽専用のアリーナを建設した。ぴあはかつて、汐留貨物駅跡に期間限定で「PIT(Pia Intermedia Theater)」というライブ会場を作ったり、東日本大震災の支援に都内と東北各地にPIT(Power Into Tohoku !)というホールを開設してきた。

PiaArena05PiaArena06あアリーナ MM」は、いわばそれらの事業の集大成ともいえる会場だ。自らが必要だった「エンタメ情報」を集めたメディアからスタートし、そのライブに参加するための「チケッティングサービス」を創り上げ、それらをネットに集約し、そしていよいよ会場建設、運営…。

PiaArena04PiaArena10イブエンタテインメントが成立するために必要なものは、コンテンツ、チケッティング、そして会場だ。エンタメという大河の上流である会場運営、そして主催公演も行うとなれば、ぴあが目指す「感動のライフライン」の実現も近い。これはぴあOBとしても実に感慨深いことだ。

PiaArena11PiaArena12覧会の当日、まずは内部の大きさに驚いた。アリーナ着席時で3,980席(ちなみに日本武道館は2,946席)。4階席まであるスタンドを合わせ総キャパ12,000席(武道館は14,471席)。そりゃデカいはずだ。そして縦に長いハコ型構造で、ステージがどの席からも近く感じるのが嬉しい。

PiaArena07PiaArena08布された(社員用マル秘)資料によると、民間企業が単独で1万人規模の会場を建設、運営するのは日本初であり、民間ならではの視点で音楽業界のニーズを汲み取ったという。例えば、演出しやすいように座席は黒、観客の快適さを追求し座面と背面はクッションシート。good!

PiaArena17PiaArena18らには、シャワー付(一部)楽屋、セルフレジの売店、開演前に利用できる有料ラウンジ、VIP用ラウンジ、アーティストにスマートフォンでメッセージが送れる「メッセージウォール」など、ホスピタリティに溢れ、斬新なアイディア満載の見学するだけでもワクワクする会場だ。

PiaArena13PiaArena14場の外にも楽しみが。「All Day Cafe Dining”The Blue Bell」はパンケーキが看板メニュー。ほんと、これは美味しい。他にもペストリアンデッキには、故安西水丸さんのタイル画があったり、コロナ禍の中、大勢の人に来てもらえないのが残念で悔しいくらいの施設だ。

会場を後にし、お気楽妻が呟いた。「一日でも早く音楽とお客様が溢れる日が来るといいなぁ」本当にそうだね。ほんっとにそうだね。

伝統食文化と街並み探訪「加賀百万石の矜恃」

Kanazawa01本全国、どこへ行っても画一化された同じような街並み、食文化になりつつある今、金沢を訪ねると嬉しくなってしまう。例えば金沢の観光名所、茶屋街や武家屋敷跡の通りだけではなく、格子戸が街中に目に付く。それも格子の割付けが細かい「木虫籠(きむすこ)」と呼ばれる独特なもの。それが例えば地元料理の飲食店だけではなく、ホテルやオフィスビルの意匠にも使われ、街をあげて金沢らしさを演出している風情。

Kanazawa02気楽夫婦が金沢で訪れた「すし屋 小桜」にも粋な格子戸が。店内も白木の一枚板のカウンターが磨き上げられ、自ら「粋」と書かれた書の額装もあるから、間違いなく(笑)粋な佇まい。2人が予約したのは遅い時間のランチ。早めに到着した所、相次いで先客が精算を始める。どうやら昼は2部制で、客の全員が入れ替えの模様。カウンタ席の6人が揃うと大将が誰にともなく「お嫌いなものはありませんか」と聞く。ん?

Kanazawa03を掛けたのは、どうやら全員に対して。わずか6席だけだから、誰かにという訳でもなく伝わる。すると若い女性2人連れの1人がサビ抜きでと返す。ちなみに、他の席を見渡すと、私(は酒)以外は全員がお茶。隣の若いカップルも含め、全員が観光客であろうに、お茶。うん、確かに妻のように酒を飲めない体質もあるしね。「では、最初に…」と、6人に順番に同じネタを握っていく。そうなのだ。ランチはお任せコースのみ。

Kanazawa04海老、白海老、ブリと、金沢ならではのネタは、どれも唸る旨さ。パパンっと威勢の良い音で握り、ネタを合わせ、煮切りを塗るパフォーマンスと解説付き。そうか、この店は若い観光客向けの、回らない寿司入門の店だ。食べ終え、最後の客となり大将と話をする。しばらくランチは予約で一杯だという。GoTo効果。この料金はお得ですよねと言うと、「厳しいけど、頑張ってます」と大将。涙。次回はオトナの夜の部に。

Kanazawa08沢は美術館の街でもある。すっかり有名になった「金沢21世紀美術館」だけではなく、「石川県立美術館」「石川四高記念文化交流館」など、幅広いジャンルの美術館や博物館が点在する。中でも、都内から移転したばかりの「国立工芸館」や「鈴木大拙館」「加賀本多博物館」などが隣接する出羽町周辺の景色は素晴らしい。紅く燃える樹々、広々とした芝、洋館造りの建物のコントラストが美しく、雨でも楽しい散策だった。

Kanazawa10沢では海鮮以外に何を食べたらいかと、旅行前に転勤経験者に尋ねると、意外なことに「おでん」と返って来た。なるほど、調べてみると人気の店が多く、専門店もある。その中の1軒を訪ねて人気の理由が分かった。あっさりと上品な出汁が、バイ貝、車麩、赤巻、レンコン団子など、金沢ならではのタネに染みている。気軽でお手頃。この味に慣れ親しんだ地元の人々にも、地元の食材を楽しめる観光客にもぴったりだ。

Kanazawa12して金沢の伝統食文化と言えば、料亭でいただく加賀料理。お気楽夫婦が選んだのは、「杉の井 穂濤(ほなみ)」と言う明治末期の数寄屋と書院造りの邸宅を使った由緒ある店。人数に応じて全6室のお座敷で金沢の食文化を味わえる。打水をしたアプローチを通ると、意外なほどにこぢんまりとした玄関。迎えてくれた楚々とした美人若女将にお気楽夫婦が通された部屋は、手入れが行き届いた庭に面した落ち着いた部屋。

Kanazawa13前酒をちょっとだけ舐めた妻は、目にも美味しそうな前菜盛り合わせを味わうと笑顔が零れた。清浄で静謐な空間。ゼータクな時間が流れる。昼の会席料理でも、ゆったりと食事ができる。但し、その日は早めの新幹線に変更。*東京に戻ってすぐに『アラフェス2020』に参加する予定を入れてしまったのだ。何時までに出たいと告げると、「頑張ります」と若女将。申し訳ない。「タクシーも呼んでおきますね」と細やかな気配り。感謝。

Kanazawa14部煮や「蕪蒸し」ならぬ「レンコン蒸し」などの加賀料理をいただき、最後はこの店ならではの逸品、出来立ての「葛切り」をいただき無事に完食。ズワイ蟹の解禁にはわずかに早く、残念ながらいただけなかったが、次の機会にはぜひ!と店先まで若女将に見送られてTAXIで金沢駅に向かう。また訪れたい街は、心残りを敢えて作る。これぞお気楽夫婦の旅の極意。もちろんこの店も夜にぜひ、ゆっくりと(反省)。

「やっぱりいい街だったね」新幹線のシートでお気楽妻が呟く。御意。何度訪れても味わい深く、人が優しく(TAXIの運転手さんが人懐っこく温かい方が多い)、街そのものの佇まいが魅力的。街歩きが愉しく、京都とはまた違った伝統文化、加賀百万石の矜恃を楽しめる。「某国の観光客がいない間に、また来なきゃね」これも御意。「金沢駅前のマンション、買っちゃう?」それは無理(汗)。

友を呼ぶ酒、日本酒愛に満ちた店「久保田酒店」鯖江市

Kubota012012年11月、当時馴染みだった料理店の企画で出会った福井県鯖江市で酒販売店を営む久保田夫妻。地元を、日本酒を、自分達の仕事を、そしてお互いを愛する、ほんわかと温かな2人に魅せられた。以降、何度か(…と思っていたら1回だけ!)一緒に飲み、そしてSNSでずっと繋がっていた。何しろ、彼らの書込は2人の仲の良さが伝わる、実にチャーミングで愛おしくなる内容なのだ。お気楽妻はすっかり桐ちゃん(奥様)ファン♬

Kubota02らの住む鯖江をいつか訪ねたいと、ずっとチャンスを窺っていたお気楽夫婦。そこにグッドニュース。金沢駅前に2人が贔屓にしているホテルグループの「ハイアット  セントリック金沢」が開業するという。よしっ、COVID-19の状況次第で金沢と福井を訪ねるぞ!と決めた。8月の金沢のセントリック開業を待ち、訪問計画がスタートした。そして今冬に危惧されるインフルエンザとの同時流行の前、10月末決行と決まった。

Kubota03っ先に久保田夫妻に計画を伝え、彼らの感染予防ポリシーが許せば、ご一緒して欲しいとお願いした。すると間もなく快諾の報。伺う予定をしていた土曜の夜だけでなく、店がお休みの日曜日も福井県内をご案内いただけると言う。ステキだ♬ そう言えば数年前、彼らが私の故郷である庄内地方(山形県)を2人で訪ねると聞き、オススメの店やスポットをSNSでご案内し、遠くからでも楽しんでもらえた様子が嬉しかった。

Kubota04回は立場は逆…どころか、ご一緒いただけるとのことだから、希望は最小限にしてお二人にお任せすることにした。東尋坊で火曜サスペンスごっこ(汗)をしたい、三国湊の街歩きがしたい、そして改装されたと聞いていた久保田酒店を訪ねたい、という3つ。すると、三国の街を下見したり、福井での夕食を手配してくれたりと、何だかお二人も我々の訪問だけでなく、計画すること自体も楽しんでいる様子。それは嬉しい♬

Kubota05の初日、福井駅で恐竜を狩った後、待望の「久保田酒店」に向かう。鯖江の駅に降り立ち、線路越しに駅舎を見ると、見覚えがある人影が2つ!久保田夫妻だった。改札を出てすぐ、予想していなかった出迎えに、久しぶりと言い合いながらソーシャルディスタンスを保ったハグを(嘘です。そんなハグはない!)してしまう4人。そして駅前にある彼らの店へ。「きゃあ、ステキ!」と妻。外からの眺めだけで魅了される佇まい。

Kubota06内に入ると、建材の木と酒の香りに包まれ、外観と同様に素敵な造り。壁には酒樽を利用したディスプレーや、ショーケースが美しく並ぶ。日本酒のバーカウンターには、オススメの酒が用意されていた。ひとつひとつ、試飲をしながら久保田さんの説明を聞く。どれも蔵元への愛情が溢れ、酒の旨さに深みを加える話。ではと、お勧めの3本と、普段飲み用に「黒龍」のミニボトルを選び、配送の手配をする。これは楽しみだ。

Kubota08の夜、お二人が初めてデートしたという福井市の居酒屋へ。2人の馴れ初めを伺い、絶品の魚を味わい、酒屋の店主のオススメの酒を飲む。これ程の幸福な夜があろうか。翌日、驚く程明るい(実は暗いイメージだった)東尋坊で遊び、北前船の記憶を刻む三国湊の街を歩き、絶品「甘海老天丼」を堪能する。余りに楽しく別れ難いと思っていた所に、金沢まで車で送っていただけるとの申し出。それは嬉しいと4人でドライブ。

Kubota10沢に到着し、お帰りが遅くなっては申し訳ないと躊躇いながら、一緒に夕食をとお誘いすると是非との返事。ではと、初めて4人が出会った時と同様に中華料理にしようと近くの店に出向いた。いくつか料理をオーダーし、日本酒は中華料理にも合うよね、と話していた時にサプライズがやって来た。お店のスタッフがなぜ小さなグラスを用意したのだろうと訝ってはいた。そこに、日本酒が運ばれて来た。答えはそこにあった。

Kubota12保田さんが「実はこのお酒はIGAさん達が結婚された年に採れた米を使って作られた…」と説明を始めた時は、よくそんな酒がこの店にあったなと誤解していた。ところが、それは彼が持ち込んだ酒だった。そう言えば、ずっと大きなバッグを肩に下げていた。あれは酒を入れたクーラーバッグだったのだ。我々が入籍して20年とSNSで知り、用意していただいていたのだ。凄いぞ、この気遣い。これはまいったな、久保田さん。

Kubota14の名は「呼友」。(偶然にも)久保田で名高い朝日酒造が主催する「久保田塾」という酒の勉強会の卒業生たちを「呼友会」と称し、全国100店弱の酒販店だけが販売できる限定酒なのだ。それも、20年低温熟成古酒。希少酒×希少の何乗かのお酒だ。味わいと言えば、古酒なのに爽やかで、深みがあり、夫婦の20年という歳月もこうありたいと思わせる酒。友を呼ぶ酒。人との出会い、日本酒との出会いに涙しそうになる。

「またね!」とハグして別れた夜、しみじみと楽しかった2日間を味わう。東京に戻り、数日経った日に届いた酒に記憶を反芻する。「またぜひ、今度は私たちが東京へ!」と嬉しく可愛いメッセージをいただき、では案内する場所をセレクトしておくね!と返す。憎っくきCOVID-19がまだ跋扈しているけれど、万全な感染予防対策の下、またいつかきっと会おう!日本酒愛と地元愛と、友愛に溢れた2人と。

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