60歳の手習い?「沖縄バドミントン合宿」

seragaki01seragaki02縄が観測史上最も早く梅雨明けした!例年より10日も遅く梅雨入りし、わずか20日弱で梅雨明け。予約した頃には予想していなかった。う〜む、とやや困惑の2人。何しろお気楽夫婦の訪沖の目的は、バドミントン。マリンスポーツの閑散期、すなわち師匠がまだ暇な内に訪問しようという目論見。忙しい中、我々2人のために時間を取ってもらうのは些か申し訳ない。とは言うものの、こりゃ夏だ!と誰もが納得し、満足する青い空と海が広がれば、心は弾む。日々表情を変え、時間によってその色香も変わる絶世の美女。見飽きることのない絶景が眼前に広がる。夏だ!ビールだ!バドミントンだ!?

seragaki03seragaki04う、夏でもバドミントン、それも“合宿”だ。今回で通算7回目、そしてこのホテル(ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄)に滞在するのは、今回で10回目とのこと。*チェックインの際にスタッフにそう告げられ、記念のワインやらをいただいた。バドミントンの練習は2時間×3日間、加えて今回は1時間のパーソナルトレーニングまで。合宿だ。7回目ともなると、スタート時点では素人だった妻も目に見えて上達し、ショット練習のバリエーションも増えた。すると俄然楽しくなるらしく、練習にも一段と熱が入る。60歳目前で始めて3年目。新しいことに取組むのに年齢は関係ないと思わせる妻の上達ぶりだ。

seragaki05seragaki06宿と言っても“オトナの合宿”だから、バドミントン練習以外の時間は、クラブラウンジでビール、ビール、ビール♬ 何しろこのホテルのラウンジでは、朝からオリオンの生ビールが(無料で)飲めるという太っ腹サービスがある。そして日中でも本格的な日替わりスイーツ、ミックスナッツなどが無料で食べ放題。これは嬉しい。もちろんこれまた恒例、ご近所にある(歩いて行ける)沖縄そばの名店を訪れることも忘れない。「なかむらそば」では麺にもアーサーを練り込み、たっぷりのアーサーでスープが緑に見える「アーサーそば」を、「花村そば」ではソーキと三枚肉が乗った「花村そば」をいただく。どちらも甲乙つけ難い旨さながらそばのタイプが異なり、どちらも毎回訪問。

seragaki07seragaki08トナの合宿の打上はホテル内の和食レストラン「シラカチ 炉端」で。師匠の“ちなみん”は富山出身の魚好き。お隣の「シラカチ 鮨」に事前オーダーしてあった寿司もペロリと平らげる。*ちなみに「シラカチ」とは、「瀬良垣」のウチナーことば。店の境が曖昧な炉端、鮨、和食、鉄板焼きの店が全て「シラカチ」という店名。ジュニアの時代からバドミントンのトッププレーヤーだった彼女は実業団時代に鍛えた?肉体と胃袋で、何でもきっちり召し上がる。若いしね。実に気持ちの良い食べっぷり。そんな彼女の的確でかつ楽しいコーチングのおかげで、すっかり妻はバドミントンにハマった。

seragaki09seragaki10の外には狂おしいほどの夕焼け。不思議な形の雲が落陽を囲み、複雑な色合いの絵を大きな空いっぱいに描く。超大作。インフィニティプールも、ジャグジーも、赤く染まる夕暮れ。やがて陽が沈み、黄昏時のブルーモーメントが現れる。昼の青より青い、深い青。レストランの灯りが水盤に映える。なんて美しい時間と空間だ。師匠ちなみんとアスリート時代の苦労話、セカンドキャリアの話、そしてこれからのキャリア形成について、逢魔が時には人の心が正直になるのか、魔物に誘われことばをと連ねてしまうのか、不思議な時間が過ぎて行く…。

seragaki11seragaki12宿で溜まった疲労は「スパ はなり」で解放するのがお約束。オーシャンビューのジャグジー付きのスイートルームで、2人揃ってトリートメントを受ける。全身のマッサージの後にヘッドマッサージ。途中で心地よい眠りに落ちる。筋肉は整っているが、巻き肩になり勝ちだから深呼吸をするように、などとアドバイスを受けつつトリートメントを終える。至福の時間。すっかり疲れも取れ、ぐっすりと眠った翌朝は鳥たちの囀りに気づき目覚める。ベランダに出てみると、ベタ凪の朝焼けの海と空、パステルカラーの穏やかな風景。鳥の囀りがBGM。なんて豊かで贅沢な旅の終わり、良い締めくくりだ。

「次の合宿は12月だよ!」と妻。そうなのだ。お気楽妻はすでに次の予約もコンプリート。ホテルだけではなく航空券も。60歳にして目覚めたバドミントン。スカッシュに戻ったら戸惑う(オープンスタンスのバドミントンに対し、スカッシュはクローズドスタンスが多い)のも厭わず、妻は嬉々としてこの場所に帰ってくる。この空と、この海に再会するために。「ちなみんにもね♬」もちろん。

いつものように、いつもと違う「GWの風景」

GW01GW02ってセミリタイア生活に入ったお気楽夫婦。どこに行っても混み合うGWにわざわざ出かける必要はない…はずなのに、諸々の事情であちこちに出かけた2025年の春。まずは世界各地に駐在した後に何故か世田谷からつくばに居を移した友人を訪ねた。調査によれば魅力度で毎回最下位近辺に沈む茨城県。訪ねてみれば決してそんなことはない。関東平野を一望する(はずの…曇天でした)筑波山や、広大な敷地にゆったりとした施設が点在する筑波大学など魅力たっぷり。ベランダに出るちょっとした時間も日焼け止めを忘れないと言うお肌ピカピカの友人からはワタシの卒業祝いのサプライズ企画もあり、“茨城再評価”の旅になった。*間もなく古希を迎えるはず?の友人の美魔女ぶりは健在。

GW03GW04日はひたちなかに住む妻の従妹を訪ね、偶然にもネモフィラが満開の「国立ひたち海浜公園」を散策。小さい頃から仲の良かった2人は今でも頻繁に連絡を取り合い、近況はお互いに知っているものの、会うのはなんと16年ぶり。菜の花やネモフィラ、チューリップの咲き誇る広大な丘を肩を並べて歩きながら、話は尽きない。小柄な2人は姉(妻)のお下がりのワンピースをピアノの発表会(従妹はピアノの先生)で着たり、妹(従妹)からお礼だと送ってくれる干し芋を楽しみにしていたりする、そんな微笑ましい擬似姉妹。これからはもっと頻繁に会えるだろうし、また会おうねと別れた2人。卒業したからこそ、そんな精神的・時間的な余裕ができたことが側からも見ても嬉しい。

GW05GW06校時代の同級会が都内で開催されたのはGWに突入する直前の週末。故郷山形からも大勢の懐かしい顔がやって来た。ほとんどは卒業して以来初めて、すなわち50年ぶりに会うメンバーばかり。同級会あるあるで、会場に入って席についても誰が誰やら、ほとんど判らない。胸の名札を見ながら相手の変貌ぶり(お互い様だけど)に驚きながら、昔話に花が咲く。あっと言う間に50年前にタイムスリップする時間も不思議で、それにも増して楽しい。かつての若々しい同級生たちの姿が蘇る。乾杯の前に亡くなった同級生たちに献杯というお約束の進行ではあるが、その物故者の多さに驚愕。いかに見た目が変貌し劣化(失礼!!)しようが、こうして元気に集まることができる幸福を胸に刻む。

*会場で急遽作られたLINEグループでのやり取りに、近所に熊が出た!猪も!などというやり取りがあるのもご愛嬌。かつては熊が出る!などと聞いたこともなかったのに、今や田舎あるある?

GW07GW09の故郷浜松を訪ねる前に「富士スピードウェイホテル」に数日滞在するのも最近のお約束。ホテル名の通り、サーキットに面するホテルの客室から高速で走るスポーツカーを眺めるのも楽しいが、朝に夕に眼前に眺めることができる富士山が実に素晴らしい。富士山のいろいろな表情を観られる幸福。さらには外資系のリゾートホテルとしては珍しいと思うのだが、客室から部屋着とサンダルで温泉大浴場に行くことができる。そして浴室から雄大な富士を眺めることができ(それもだいたい空いている)、なんと(笑)湯上がりのコーヒー牛乳を(無料で)飲めるという贅沢。レストランの質の高さ(味もサービスも)と並び、お気楽夫婦がこのホテルを気に入っている理由のひとつだ。

GW11GW12の故郷で待っているのは義父母だけではなく、「割烹 弁いち」という老舗の料理店。毎年お節料理を頂いてはいるけれど、店に伺うのは久しぶり。そしてこの季節、この店に伺うのは格別。楽しみにしていた春の山菜、そして筍が待っていてくれた。全国各地の旬の厳選食材と酒を2人が“幸福のカウンタ”と呼ぶ個室(厨房に隣接する最大で4人までのカウンタ席)で味わう。絶品料理に合わせ、厨房から顔を出してくれる店主の鈴木さんがセレクトしてくれる酒(蔵や杜氏のエピソード付き)を堪能する。いつもと変わらぬ、なのに毎回新鮮にその味に唸る、料理と酒と時間と空間。妻と2人、満足の笑みを交わし合い、やっぱり美味しいねと頷く。これを幸福と言わず何と言おうか。

GW13GW14岡には「しぞーか(静岡)おでん」という名物がある。イワシを使った黒ハンペンも薄い色に見えるほど真っ黒な煮汁。浜松の人はあまり食べない。東西に広い静岡県は伊豆(東部)、駿河(静岡市を中心とした中部)、遠江(浜松市を中心とした西部)に別れ、少しづつ文化、風土が違う。そして静岡市と浜松市には微妙なライバル意識(群馬県の前橋と高崎のような?)もある。けれど、「だもんで」という方言を多用することとか、共通することももちろん多い。同じ県だしね。とは言え、円く焼いて真ん中にもやしを配する「浜松餃子」などは、静岡市民は「この辺じゃ食べんもんで」とか言っているのだと思う。でも、もちろんどちらも旨い。そんな因縁?の料理も仲良く?2人を待っていた。

こうしていつものように慌ただしくGWは過ぎて行った。ただし、違うものもあった。重ねた時間の分だけ、ひとり娘を待っていた義父母は緩やかに老いた。50年ぶりに会った同級生たちが確実に年齢を重ねたのと同じように。客観的に比較する対象が一同に集まった場で、そう思わざるを得なかった。あぁ、自分はこんな年齢なんだと。ましてやその親の年齢は言うまでもない。妻は月に一度以上、家事のサポートのために帰省している。*親子だけの時間を過ごしてもらうために、私は3回に一度くらい。妻も親元を離れて40年以上経ち、改めて親子の時間を過ごしている。かつての親子の形とは違うけれど、それも幸福な時間なのだと思う。

来年のGWも、いつものように、少しでも長い間親子の時間を過ごしてもらうために、あらゆる家事に活躍するマスオさんとして浜松に同行できますように。

サクラサク♡春が来た♬「43年目、卒業の春」

IMG_2537IMG_25521982年春、大学を卒業した私は西武百貨店に入社した。当時はかなり人気の(特に男女雇用機会均等法施行前の女子学生に)企業だった。家庭外商という高額所得者を対象とした営業を担当し、お客さまと一緒に沖縄旅行(と言う名の販売会)に出かけたりしていた。その後、1986年にぴあ(チケットぴあがスタートしたばかりだった)に転職。店舗開発担当、コールセンター、ぴあカード担当などを経て、事業開発などの戦略部門を担当した。国内外の出張(アトランタや長野オリンピック、台北、香港、上海など)も多く、*数えてみたら国内300泊以上、海外は75日間もの出張の日々。いろいろな経験をさせてもらった。

IMG_8831IMG_81392005年、ぴあデジタルチケットの担当の際にご縁があったNTTコミュニケーションズに転職。さらにNTTコムのポイントサービスで(東急電鉄からのご紹介で)繋がった自由が丘商店街とのご縁で、JASPASという会社で20年近く仕事をさせていただいた。西武で社会人としての基礎を叩き込まれ、ぴあで多岐に渡るダイナミックな仕事を経験し、NTTコムで巨大企業の方法論を学んだ。その経験とノウハウの全てを自由が丘のコンパクトな会社に活かすことができた。そしてこの春、卒業(退任)した。振り返れば幸福な仕事人生だった。*さらにこの後は経営顧問として緩やかに仕事を続けることになった。感謝。

IMG_8196IMG_8172を観に行こうかと、ひと足先に卒業したお気楽妻(彼女もアドバイザリー契約で緩やかに仕事を継続中)からの誘い。毎年この時期に最繁忙期だった妻は、今までは心穏やかにお花見をすることができなかった。それではと、“平日に”“シニア料金で”(これがとても重要なポイント)映画を観に行った帰りに六本木の桜坂でお花見。インバウンド観光客で溢れる桜並木の下で、それでも週末よりはずっと空いているのであろうとサクラ色の時間と空間を堪能する。他にも芦花公園の花の丘、恵比寿の明治通り沿いの桜並木など、今年はサクラの季節をたっぷりと味わうことができた。これもセミリタイアの賜物だ。

IMG_8227IMG_8226んな春にPSA(プロスカッシュ協会)の国際大会が横浜で開催された。日本人選手も何人か出場したけれど、世界の壁は厚く高く、1回戦、2回戦で負けて姿を消す選手がほとんどだろうと予想された。準決勝、決勝は週末に行われるが、日本選手を応援するためには“平日の観戦”が必須。それではお気楽夫婦にお任せくださいと、内1日はスケジュール調整ができた横浜在住の友人夫妻を誘って、毎日のように会場に通い詰めた。国際大会を国内で観戦でき、日本選手を応援できるのは貴重な経験。結果的に日本人TOP、世界ランキング50位の机龍之介くんが優勝し、試合の内容も大会結果も満足の日々だった。

IMG_8260IMG_8277業祝いだ‼︎と2人で出かけた馴染み(馴染みと言うならもう少し頻繁に食べに来てよ!と大将に言われるだろうが)の「鮨いち伍」では、相変わらず秀麗で端正な春の寿司をいただいた。金沢の名店で食べても旨いのだけれど、「この店の鮨とはジャンルが違うんだよね」と、妻のコメント。ふむ、良く分かる。大将にそう伝えると、そうでしょう!と、言いつつ照れる。他の客に供した料理を(たぶん物欲しげに)見ていたら、同じものがさっと目の前に現れた。「食べたいんだろうなと思って」と、また照れる。この店とのお付き合いは16年。幸いなことに、どうやらこの店からの卒業は必要なさそうだ。

IMG_8263 2IMG_7424 2ころで、ビールグラスを持つ(振りの)妻の手首には赤いベルトの腕時計。少し前にネット上で見かけ、クリックしたらまんまとWEBトラッキングの罠にかかり、何度も画面上に現れ、「買って!買って!」と洗脳されたらしい。それではせっかくだからと私の卒業の記念にと妻にプレゼントした腕時計だ。彼女好みの“少し変わったデザイン”の真っ赤なベルト。差し色として我が家のインテリアなどにも多々採用されているお気に入りの色。「付け心地も悪くないよ」といつものように上からコメントの妻。決して高価なものではないけれど、記念の品として記憶に残るものになりそうだ。

「今度の土曜日、この日はまだ何も予定がないよ!映画に行く?その後にそのままジムに行っちゃう?あ!来月のブリティッシュオープンのドローは来週発表されるらしいよ!」と、スケジュールを確認する妻。ハイアットの修行も続いており、のんびりと過ごす生活は当分の間やっては来ない模様だ。

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