食い道楽?住まい道楽?「住空間の美」
2006年 3 月12日(日)
土曜の朝。「うぁ~っ、気持良さそうなお風呂だなぁ」とか、「この書斎欲しい~」とか呻きながら観るTV番組がある。「渡辺篤史の建もの探訪」。(実は彼の住まいに関する本も持っている)そして日曜の夜、「何ということでしょう!その闇に覆われていたリビングの風景が光の帯に包まれ・・・」というサザエさんのナレーションと、大変身した住まいに感激した家族の姿に涙する私。「大改造!!劇的ビフォーアフター」を観ながら、毎週うるうるする。・・・私の“住まい”に関する興味・関心度は高い。
『日本の美術館 建物の魅力で訪ねる全国110館』というMOOKS(マガジンとブックの中間的な出版物)がある。前職で一緒に仕事をしたことのある故Mくんが編集を担当した、私の好きな1冊。単なる美術品を納める器としての建物ではなく、美術館そのものを訪ねるだけの価値がある空間と捉えたコンセプト。バブル期の“箱モノ”先行政策、税金の無駄遣いと批判されることもあるが、建物自体が“美術品”だ!と開き直っても良い。世界各地の寺院建築などを例に出すまでもなく(バルセロナ大聖堂を誰が贅沢と批判できよう)魅力的な空間を創るためには、贅沢なぐらいな資金が必要なのだと。
ところが、個人の住宅となるとそうはいかない。なかなか実現できない自分の理想空間。新築で購入した拙宅(マンション)も入居10年を超え、そろそろリフォームしたい。でもまだローンが・・・。う~ん。そんなある日、理想に近い“住空間”を見学することができた。スカッシュ仲間、建築家Hくんの手がけた住宅。都内有数の住宅地、ただし敷地には住宅密集地というハンデがある。しかし、そこを逆手にとって、外には閉ざされ、内部では開放的で魅力的な空間を実現している。周囲の視線を遮るだけではなく、積極的に“宙”や“風”や“光”を取り込む仕掛け。それに何より、住む、暮らす、過ごすことに“楽しさ”を求め、それを“建物”という形で表現していることが分かる。建築主と建築家の良い出会いで生まれた素晴らしい空間。
招待へのお礼メールをお送りしたら、これまた魅惑的な写真が添付された返事が来た。昼間の風と光と水の演出に対し、光と影の演出。夢に出てきそうな夜の空間。(写真は中庭から眺めるリビング・ダイニング:Hくん撮影)写真を見ながら独りごと。「ん~、外食を徹底して減らせば、もう一回買換えできるなぁ・・・」それを耳ざとく聞いていた妻。「(減らすことは)できない!」キッパリ!