誂え向きの二人「サローネ・オンダータ」(後編)
2006年 5 月14日(日)
姪の夫君から電話が入る。「お久しぶりです!」分かりにくい場所のため、迎えに行くことに。エレベータでサロン代表の滝沢さんと一緒になる。「この店は敢えて分かりにくい場所に出したんですか?」「そうなんです。例えば、今日のIGAさんのように、寛いでいただいている処にフリーでお客様が出入りするのは避けたいと思いまして」…なるほど。会員制ではないものの、ふらっと入れる店ではない。ピックアップした夫君も、店の佇まいに、やや緊張気味。
フィッティングルームにいる姪をおいて、とりあえず二人で乾杯。私は誂えられた1杯目、柔らかく滑らかなアランモルト。彼も薦められるまま、初めて飲むというラガヴリンで。「美味しいですね。ウィスキーって普段は飲まないんですけど」そんな彼と、Keisukeさんとの3人でお酒談義。「アイラ・ウィスキーほど好きと嫌いがはっきり分かれる酒もないでしょうね」…同感。BAR808でアイラをチョイスした客は、今まで5人ほど。4人までは女性。独特のピートと潮の香りに、うっとりするか、顔をしかめるか。続いて私の2杯目は、ハイランドのオーバン。爽やかな甘みと香りの一杯。ご機嫌!
そこに姪が戻ってくる。「私も飲んでみます」差し出されたストレートグラスで「ボウモア」をひと口。「あ、良い香り、美味しい♪」そして飲み比べと、彼の「ラガヴリン」をひと口。「ふぅ~ん、香りが鼻に抜けて良い感じ。こっちの方が飲み易いですねぇ」それに驚いたKeisukeさん、思わず小さくジャンプ。より癖のあるアイラのシングルモルトの方を飲み易く美味しいと言う姪に、私も思わずにんまり。「あ、そろそろ予約の時間だ。行かなきゃ」残業続きの妻とは食事の場所で待ち合わせ。しかし、姪はグラスに残った飴色の液体が心残りらしい。ビールのようにくいっと飲むわけにもいかない。「食事が終わったらまた来ますので、グラスをキープしても良いですか?」…またまたわがままな申し出も快く受け入れてくれる。感謝。
そして食事を終え、妻も含めた4人で店を再訪。姪には飲みかけのグラスが。「良い店ですねぇ。ブラウスもオーダーなんて、お姫さま気分だったし。今日はほんとうにありがとうございます」夫君もすっかり気に入ったアイラ・ウィスキーをオーダー。「今まで飲んだことなかったんですが、今度探して買って飲んでみます」「それも良いけど、ブラウスが仕立てあがったら送ってもらわずに取りに来て、またここで飲もうぜ!」…誂えたようにお似合いの2人と、楽しみな約束がまたできた。
※サローネ・オンダータ(バー)は残念ながら閉店。