戦争の余波「水たき 玄海」
2007年 3 月05日(月)
すっかり春めいた季節に、浮かれたお気楽夫婦は「春物のセーターを買いに行こう!パーカーを買換えよう!」・・・と、“買物モード”100%で新宿に向かった。目指すは高島屋。土日出勤の代休とした平日の夕方。いつもより店に向かう人が少ない。平日の特権だなぁ、などと思いつつ店に入る。と、目の前には大きな白い壁。改装中ご迷惑をお掛けしますという貼紙。そうだったと思いつつハンズ方面へ歩こうとすると行き止まり。うへっ!仕方なく迂回して東急ハンズへ。やはり客はまばら。
“百貨店戦争”が起こっている。工事中の東京メトロ13号線が<地下鉄副都心線>という、もう少しどうにかならなかったの?という名前で2008年に開通する。池袋と新宿、渋谷を結ぶ新路線。山手線と同じじゃないか?という指摘には、さらに説明がいる。池袋発着の東武東上線、西武池袋線がこの<副都心線>に乗り入れるのだ。つまり、池袋は“通過駅”となってしまうリスクもあり、駅の東口の西武百貨店、西口の東武百貨店が改装。そして新駅<新宿三丁目>の最寄り駅となる伊勢丹新宿本店に対抗し、京王百貨店、高島屋も大改装中、という訳だ。そして、2012年には渋谷経由で東横線と乗り入れし、横浜方面の商圏とも競合する文字通り“百貨店戦争”が勃発ということらしい。
ということで、“買物モード”から“食い物モード”に気持をシフト。お気楽夫婦は気持の切替が早い。先行改装済のレストラン街に向かう。季節は春、山菜の天ぷらかなぁと一軒の店に向かうが、スタッフの対応の悪さに入店中止。水炊き専門店<玄海>へ。改装後、ぐっと落ち着いた内装になり、禁煙席のテーブル間は距離に余裕があり、良い雰囲気。小さな器にちんまりと何種類もの料理が並ぶコース料理がお徳感あり。いずれもきちんと仕事がしてある美味しい品々。
水炊きは、胸肉、腿肉、つくねに加え、レタス、ズッキーニ、水菜という鍋には珍しい取り合わせ。この新鮮野菜が鶏ガラスープに相性抜群。しゃきしゃきと実に旨い。柚子胡椒でさっぱりといただく。メインの鶏肉はいずれも滋味豊かでうまうま。スタッフの対応も細やかで柔らかい。つい頼み過ぎで食べ残した<鶏レバの山椒煮>の持ち帰りをお願いしたところ、快く引き受け丁寧に包んでくれた。なかなかの対応。百貨店戦争の余波で買物を諦め、偶然入った店で美味と出会い、心地良い時間を過ごした。「後は贔屓の寿司屋探しだねぇ」・・・妻は、山本さんのいない<鮨源>には距離を置くらしい。やれやれ。