3人の奥様たち「紫陽花のある風景」
2007年 6 月24日(日)
暑い。ビールが一段と美味しいのは嬉しいが、暑い。「週末にかけて梅雨前線が活発になり、傘の手放せない一日となるでしょう」などという天気予報のコメントも聞くこともない。見事な空梅雨である。それも湿度の低い、梅雨明けを思わせるからっと気持の良い快晴が続いている。水不足は、困る。実は、お気楽夫婦は心配性でもある。「首都圏の水瓶<八木沢ダム>の貯水率は50%を割り・・・」とか言われると、ただちに節水を開始する。水を出しっぱなしで歯を磨かないのは勿論、お風呂のお湯も控えめ、洗い物がでないように外食に努める・・・って、これはいつものことだけれど。
紫陽花が悲しそうに咲いている。雨に濡れ瑞々しく咲く花が、陽光に焼かれヘナヘナになっている。すまんなぁ、と自分に責任がある訳でもないのに紫陽花たちに謝ったりする。それにしても、これ程雨に似合い、陽射しに似合わない花も他にない。近所の私鉄沿線に紫陽花が見事に咲いている駅がある。駅員の方々が丹精して育てた紫陽花の群。ホームに面する土手一杯に咲く花を眺めるために、経路を変えて観に行ったりしたこともある。それ程好きな花のひとつでもある。土壌によって、赤味を帯びたり、青味が強かったり、一つとして同じ色がないぐらいにヴァラエティに飛んだ花びら(実は額)たちを眺めていると、優しく、ちょっと淋しい気持になる。
紫陽花の花を眺めていると、思い浮かぶ風景がある。5年前の梅雨時。鎌倉の“紫陽花寺”として有名な<名月院>で撮った写真。実際にはそこに私はいなかったのだけれど、その写真を見る度に、そこに写っている3人の会話まで聞こえてきそうな気がする。その中の一人はお気楽妻。一人はご近所に引っ越して来た友人。そしてもう一人はNYC駐在の友人。夫婦3組で、食事に行ったり、芝居に出かけたり、スキーに行ったりという友人同士。NYC転勤が決まったというニュースに、妻たちだけで鎌倉に行こうかと出かけた3人。雨の日なのに、雨の日だから、楽しそうで、淋しそうな3人。
彼らが渡米した後、翌年のクリスマスにはお気楽夫婦が、その翌年にはご近所の友人(♀)だけがNYCを訪ね、そして今年の夏は2組でNYCを訪ねよう!と計画していた。なのに、ご近所の友人(♂)は、先週入院してしまった。そしてまた入院中の友人からメールが入った。二度目の検査の結果が分かったらしい。どきどきしながらメールの本文を開く・・・。無事、来週退院!おめでとう!ひゃっほぉ♪お祝いをしよう!一緒にNYCには行けなくなったけれど、彼らが日本に帰ってきたら皆でヴァカンスに出かけよう!来年の今頃は、きっと紫陽花を3組で眺めながら、そんな計画を立てているに違いない。