正しい日本のお正月「江ノ島、横浜中華街」
2009年 1 月11日(日)
「日本の正しいお正月が楽しみです・・・」5年以上駐在したNYCから帰って来た友人夫妻から年賀状が届いた。日本における正しい年末年始の過ごし方とは何だろう。こたつミカンでだらだらとTVを視ながら年末を過ごし、年越し蕎麦を食べ、初日の出を拝み、お年玉をもらい、お雑煮を食べ、お節をつまみながら朝から酒を飲みつつ箱根駅伝を見る。皆揃って初詣に行き、時間を持て余す人はそのままスーパー銭湯やパチンコ屋に向かう。日本にいたら至極当たり前の(一部は特殊な例かな)時には退屈なお正月だけれど、NYCでは望んでも叶わない過ごし方だったに違いない。じゃあ、皆で正しい日本の正月を過ごそう!ということで友人夫妻のお宅へ泊まりがけで押し掛けた。
友人夫妻の住まう横浜というロケーションを活かし、まずは箱根駅伝の生観戦。復路9区の激走を皆で応援しよう!と最寄り駅近くの沿道で観戦。通過予定時間のはるか前から観客で溢れかえる国道一号線。駅前では応援旗を無料で配布。各大学の旗竿も並ぶ。寒風の中おしゃべりをしながらランナーを待つ。あぁ、このY売新聞社の旗を一度振ってみたかった。大会運営車がやってきて、その後を学生アスリートたちがあっという間に走り去る。凄いスピード。我々がスポーツクラブで走っている速度の倍以上。鍛えられたしなやかな身体が皆印象的。ライブで見るスポーツはやはり素晴らしい。実に正しい日本の正月風景。
駅伝観戦の後は初詣。NYC帰りの友人夫妻が新婚当時に住んでいたという縁の江ノ島へ。年末からずっと眺め続けて来た富士山がここでも奇麗に見える。これまた正しい日本のお正月。普段眺める富士よりも一段と神々しく見える。のんびりと海を、富士を、烏帽子岩を眺めながら神社に向かう。しかし余りの人の多さに参道の途中、鳥居の前で初詣は挫折。そこで遥拝。沈む夕陽を眺めながら片瀬江ノ島駅へ。竜宮城を模したこの駅。正月に眺めると妙に縁起が良さそうに思えるから不思議だ。向かったのは中華街。中国で国を挙げて盛大に祝うのは春節(旧正月)。獅子舞や竜踊りが街を練り歩いたり、爆竹を鳴らしたり、厳かな日本の正月とは大きく趣も違う。とは言え、日本のお正月にも大勢の人々で賑わう中華街大通りを歩けば、ますます正月気分は盛り上がる。
予約してあった状元樓は上海料理の店。確実に美味しい安心の店でもある。さっそく「蒸し焼きスープ入り饅頭」「カニと干貝柱の卵白仕立て」「芝エビのロンジン茶炒め」などをオーダー。「美味しいっ♫」「優しい味付けだねぇ」「やっぱり食べ物は日本だよねぇ」「料理やサービスが繊細だし。NYCと全然違う。帰って来てホントに良かったぁ」思わず友人夫妻も唸る。確かに当たり前のように美味しく食べている中華料理もNYCでは微妙に違う。味付けの好みの違いもあるが、明らかに違うのはサービス。中華料理店で、これほど丁寧な接客は日本以外にはそうそうないだろうなぁ。ということで、大勢で美味しい料理をわいわいと食べる。これもまた正しい日本のお正月。
「美味しかったし、楽しかったぁ。やっぱり日本は良いねぇ♪」その夜、ドミノゲームなどに興じつつ友人(妻)が呟いた。9.11から数年後に赴任し、リーマン破綻直前に帰国した2人。大変な時期だっただろうし、5年は長かった。こうして久しぶりに日本で過ごす正月の感慨も深そう。「次は何を理由に集まろうか!」「いつか香港に皆で一緒に行きたいねぇ」友人たちと一緒に過ごし、更けて行く夜は、NYCでも日本でも変わらない。