アンニュイで冷汗ものの夜「コットンクラブ」
2009年 7 月05日(日)
ある日、仕事でご一緒しているノルウェー人社長にメールで尋ねられた。「IGAさんはジャズ好きですか?ノルウェーのシンガーでインガー・マリエって知ってますか?コットンクラブ行きませんか?」ジャズはあまり、というかほとんど聴かないです。インガーさん、名前はちょっと「IGAさん」に似ていて親しみが持てますが、知りません。コットンクラブも、ブルーノートも行ったことはないです。でも行ってみたいです。というような稚拙な英語でやり取りをした後に、妻にノルウェー人社長とのやり取りを頼んだ。何度かメールが行き来し(私にはCCで届き)ある夜、コットンクラブにご一緒することになった。
英語は聞き取れるが、話すのは苦手な典型的な日本人の私。ノルウェー人社長の日本語が最近上手くなってきたとは言え、ちょっと困った。会話は妻に任せようか。「えぇ〜っ、日本語でも口数が少ないのに、英語じゃ話題が提供できんよ」と妻。う〜む。そんな夫婦の会話があったことを知ってか知らずか、ノルウェー人社長の友人のフランス人社長がライブに同行することになった。大学受験はフランス語、学生時代に1ヶ月余りのパリ短期留学経験のある私。それを知っているノルウェー人社長が気を遣ったらしい。うぅ〜む、もっと困った。フランス語での会話など、数年に一度のフランス旅行の際にしかチャンスはない。日本語では口数が多いのに、無口な日本人になってしまいそうだ。
ライブ当日。その日のセカンドステージを観に行くことになった。会場のコットンクラブで待ち合わせ。ウェイティングスペースでメンバーが顔を合わせた。「Bon soir!Je m’appele Francois」ボンソワァ、ジュマペルIGA。ウエスクヴザビテオウジャポン?「J’habite en AKASAKA・・・」無難な会話でスタート。妻と2人の社長の会話の場合は英語、フランス人社長と私の会話はフランス語という一見インターナショナルな4人。妻はにこにこと相槌を打っているが、緊張のためかやや汗をかいている。私はと言えば久しぶりのフランス語会話で冷や汗たらたら。開場が押し、ウェイティングスペースでの会話は続く。ふぇ〜ん(涙)もう私の現在持っている全ては吐き尽くした。フランス語での会話は限界だぁ、と思ったタイミングで開場。ステージすぐ前のテーブルに陣取る。コンパクトでゴージャスで、ワクワク感が満ちている良い会場だ。
「IGAさんはぁ何飲みますか、何食べますかぁ?」ノルウエー人社長、私には日本語で話しかけてくれる。メニューは本格的でボリュームたっぷりなモノが多い。小食のお気楽夫婦はサラダとメインの2皿づつをオーダー。時間が押していることもあり、食べている途中でノルウェーの女性ヴォーカル、インガー・マリエが登場。キチンと美味しい料理だったのに、慌てて平らげる。ちょっと甘くセクシィな声、アンニュイな歌声。ピアノ、ベース、ドラムのトリオも良い感じ。ゲストのギタリストもなかなか聴かせてくれる。なかなか良いステージだった。「彼女の声、素敵ですね。cozyなステージでしたね♪」妻がきちんと会話をしている。日本語の会話よりも頑張っている感じ。ちっ、羨ましいぜ。自分の気持を英語で伝えられないもどかしさ。「あぁ、それは良かったですね♪」ノルウェー人社長が私を気遣い日本語で返してくれる。
音楽は歌詞が分からなくても楽しめるが、会話はそうはいかない。成田決心ではなく、ライブ決心。英会話を習おうか。「フランス語、話してたじゃない」と妻。フランス語では会話の相手がめったにいない。それも旅行会話程度。引退したら英会話とフランス語を習い直して、春にパリ、夏にタヒチ、秋にニューヨーク、冬にニュージーランド・・・なんて生活ができたら良いね♪「それには宝くじそろそろ当ててくんないとねっ!」よしっ、待っとれサマージャンボ!