あぁ阿佐ヶ谷の夜は更ける「ラピュタ/山猫軒」

ラピュタ人暮らしを考えていて、阿佐ヶ谷の物件を仮予約したんですけど、後から後から迷いが出て来てます。こんな時には止めた方が良いでしょうかね」前職の会社での飲み&ランチ仲間だった元同僚(♀)からメールが入った。即座に止めた方が良い(きっぱり)と返事を送った。あぁ止めておけば良かったと思いながら日々過ごすのなら、気持がマイナス方向に向かってしまうとアドバイス。ところで、阿佐ヶ谷は学生時代に私が一人暮らしをした街。甘酸っぱい思いと共に、馴染みだった店、懐かしい場所、忘れてしまっていたエピソード、そんないろいろな記憶が一気に溢れ出した。よしっ、阿佐ヶ谷に一緒に飲みに行こうか!「了解でぇ〜す♪」…ということで、ある週末、懐かしの街、阿佐ヶ谷に向かった。

山猫軒年ぶりかで降りる阿佐ヶ谷駅。約束の時間よりちょっと早めに到着。ひとり散策をしてみる。北口のロータリーはそのままだ。あの角の2階にあった「銀杏パートⅡ」というスナックで、毎晩のようにビールを飲んで焼きそばを食べたなぁ。今は不動産やかぁ。駅前のアーケードは立派になったけど、ちょっと安っぽくなったなぁ。あぁ、残念!深夜までバイトをした後に立ち寄ったサウナはもうないかぁ。おぉ、イチゴ大福の「うさぎや」は健在だ。う〜む、パールセンターはこんなに道が狭かったかぁ…。そんな物思いに耽っているとメール着信。「新宿でバーゲンにつかまり少し遅れそうです!」散策を続ける理由ができた。オデオン座(映画館)の跡地にはスポーツクラブ。オデオン座が壊される直前に、第七病棟(廃屋で上演するので有名な劇団)の「湯気の中のナウシカ」を観たなぁ。オヤヂのセンチメンタルな逍遥は続く。

トマトサラダれて来た飲み仲間と合流し、ラピュタ阿佐ヶ谷の「山猫軒」に向かう。『天空の城ラピュタ』に出て来るロボット兵を思わせる外観。地下に小劇場「ザムザ」、2階に映画館「ラピュタ」、そして3階、4階にあるのが山猫軒だ。3階から螺旋階段を上り、4階のテラス席へ。心地良い空間、感じの良いスタッフ。料理も本格的で、リーズナブルで美味しい。前菜2品、メイン1品、デザート1品をそれぞれ選んで1人3,800円。ビールの後にワインを軽々と空にする。「美味しいですねぇ♪」すっかりご機嫌。お代わりのワインに進もうとした時、妻からのメール。「家に帰りました」すっかり酔っぱらった私の返信。今から合流する?「家だって言ったでしょ?」と妻。すっかり良い加減の酔っ払い。「飲み足りないですねっ!もう1軒行きましょうか!」阿佐ヶ谷の街を彷徨う2人。「良さそうな店いっぱいありますねぇ。やっぱり阿佐ヶ谷に住もうかなぁ」

豚っ!ここにしましょう♪良い感じですよ」ん、良いかもね。飲み屋に関して鼻が利く2人。店に入ると常連客が何人かカウンタに座っている。一斉に視線が2人に集まる。しかしそんなことに酔っ払いは怯まない。カウンタに座り、きりっと冷えたカヴァで乾杯。旨い。瞬間的に場に馴染む。しばらくするとカウンタに並んで座っていたオヤジが爆睡しながらくしゃみをし出した。「ビックショイ!」がったん!船を漕ぎカウンタに額をぶつける。それでも目覚めないオヤジ。くすくすと笑い始める客たち。すっかり空気が緩む。それをきっかけにマスターと女性の常連客との会話が始まり、すっかり意気投合。酔っぱらったオヤジが帰った後、彼が頼んでひと口も食べなかったピザをつつきながら話が弾む。「なぁんか、良い街ですねぇ。やっぱりこの街に住もうかなぁ」と飲み仲間。住め!また阿佐ヶ谷で飲もうぜ!気が付けば2時を回っている。ん?メール着信。「いい加減にしなさい(怒)」妻からのメール。うっひゃぁ〜!確かに私はメールも返さず数時間、消息不明。

はもう帰るよ(汗)「何言ってるんすかぁ」…さらに1時間が経過。さすがにお開き。「また一緒に飲みましょう!」すっかり仲良くなった女性2人がメールアドレスを交換している。ふぇ〜ん(涙)帰らなきゃ。家に帰ると妻が起きて待っていた。はい。反省。久しぶりに中央線の人懐っこく、70年代の匂いがする空気にハマってしまった。恥ずかしく、くすぐったく、青い日々が蘇ってしまった。「その辺で行き倒れてるかと思って心配するでしょ!」ふぅ。帰って来た。厳しく、ちょっとだけ優しい妻の元に。

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