ミッドタウンで味わう香港「SILIN 火龍園」
2010年 8 月22日(日)
「IGAさんご夫妻が吉祥寺通だったことにびっくり!今度情報交換しましょう」SILINの総支配人、根本さんからのメッセージ。はい、しましょう。…という訳で、ある週末、東京ミッドタウン「SILIN 火龍園」を訪ねた。店の前で根本さんが迎えてくれる。「何だか、お呼び立てしてしまったみたいで」はい、お呼び立てされました。それも、実に良いタイミングで。今の季節は、食事をしながら目の前のミッドタウン・ガーデンで開催される「水花火」を眺めることができる。水花火を観ながらSILINで食事しなきゃね、と妻と話をしていたところ。その上、偶然前日に『チューボー…』を観ていたら、世田谷の火龍園のシェフが街の達人として登場。「これは神の啓示だ!明日SILINに行くよ!」と意気込む妻。これは行かねばなるまい。
「お飲物はどうなさいますか」メニューを眺める。ん?ハッピーアワー?!どうやら平日に実施して好評だったサービスを週末にも始めたらしい。プレミアモルツをチョイス。嬉しいワンドリンク、ワンコイン。おや、前菜の小皿もハッピーアワーメニューに。これまた嬉しい。2人でいろいろ食べたい小食で食いしん坊のお気楽夫婦。小盆のメニューが多いのはありがたい。お約束の絶品XO醤と一緒に茹で鶏をお願いする。そこに「焼物を取っておきましょうか」と根本さんがやって来る。お願いします。これまたお約束。「福臨門から焼物師が来たんですよ」へぇ、香港の?「銀座なんですけど、なかなか良いんですよ」それは楽しみだ。他にも、鱸の醤油蒸し、アオリイカと空芯菜の蝦醤炒めをオーダー。
XO醤をつまみながらビールをぐびり。相変わらず旨い。流行の食べるラー油よりも早かった、この店の食べるXO醤。さっぱりとした鶏に合わせても抜群に旨い。続いておススメの皮付き豚の焼物が登場。ほほぉ、美味しそうだ。ひとくち大の豚をぱくり。うっ!旨いっ!カリカリの皮、ジューシーな肉、その間にある脂の甘さ。抜群の焼き加減。添えられたピーナッツとカラシとぴったり。思わず妻と目を交わす。旨いね。「うん、これは凄い♬」妻も唸る。これは香港まで行かなくとも味わえる香港だ。美味しいですねぇ♡根本さんに伝えると、にっこり。「銀座の福臨門より、この店で食べる方が美味しいね」と妻が頷く。お気楽夫婦が求める味は、リラックスして食べられる空気にも味付けがある。余りの仰々しさ、空気の重さは美味の一部を失う。その点、この店の空気は軽やか。
「IGAさん、吉祥寺の麦グループの店で…」根本さんがにこやかにやって来る。総支配人たる彼が創る、良い意味での空気の軽やかさが、この店の味に深みこそ加えないけれど、広がりを持たせる。彼が最近の香港では一番のおススメだという龍景軒にも似た、心地良いサービスと食材の良さ、そして美味の組合せ。そう言えば、フォーシーズンズホテル香港の龍景軒からレーザー光線のショー「シンフォニー・オブ・ライツ」が眺められた。ミッドタウンのSILIN火龍園の窓際の席、目の前でちょうど始まったレーザー光線と噴水のショー。15分間の水花火を眺める。香港に行かなくても、ミッドタウンで味わう香港があるなぁ。「あるねぇ」…お気楽夫婦が揃って呟いた。