アウェーな街で「なんば・ワンダーランド」
2013年 3 月16日(土)
初めにお断りしておくと、大阪に関して、ましてやミナミに関しての土地勘、知識はほとんどない。キタと呼ばれる梅田・大阪駅周辺と、ミナミとの雰囲気の違いはぼんやり分かる。けれど、ミナミと呼ばれるエリアと難波と呼ぶエリアはどう違うのか、「難波」と「なんば」の使い分け方、こんな基本的なことがまず分からない。だいたい、難波駅となんば駅がぎょうさんあり過ぎ。JRは「JR難波駅」、近鉄と阪神は「大阪難波駅」(でも、路線は阪神なんば線)、南海と大阪市営地下鉄の表記は「なんば駅」(正式名称は難波駅らしい)。それらの駅と多くの路線が複雑に交わる。これは、分からんぜ。
新宿や渋谷駅も分かり難いと言われたらその通り。大手町をひとつの駅だというのは無理があるとの指摘には頷くしかない。確かに、慣れだけの問題かもしれない。関西出張の際には、今では自然とエスカレーターの右側に乗り、左側を空けられる。きつねうどんと、たぬきそばに関しても頭では理解しているつもりだ。関西には「きつねそば」、「たぬきうどん」はないということも。*赤いきつねと緑のたぬきで覚えた。けれど、難波駅は分かり難かった。iPhoneの乗換案内で調べつつ、どの駅で降りるべきか迷った。出張の重いバッグを担ぎ、久しぶりに道を尋ねた。ようやくチェックイン。ふぅ。
街は蠱惑的だった。3Dで迫り来る巨大看板。手頃で美味しそうな店が軒を連ねる。ワクワク感が高まる。ちょっと小綺麗な香港のよう。けれど店を選べない。客引きのお兄ちゃんに声を掛けてもらえない。一度ホテルに戻り情報収集だと出直す。エレベータに乗り込もうとすると、目の前にワインボトルが並んでいる。お店のワインセラーかと思ったら、どうやらワインショップのようだ。聞けば「WINESHOP FUJIMARU」の支店で国産ワイン専門店だという。これは面白い。部屋飲みにするか。「お酒のアテやったらタカシマヤさんへ」と勧められ、iPhoneのマップを頼りにデパ地下にてお買物。
選んだアテは点天の揚げ餃子、北野坂串カツ、菜の花の辛子合え、イイダコの甘辛煮。合わせたワインは広島県三次ワイナリーのシャルドネスパークリング。ホテルの部屋でひとり、ソースは一度づけ!と呟きながら串カツを食べる。ほのかに温かいレンコンがさくっと美味しい。辛口の泡をぐびり。うん、良い香りだ。揚げ餃子をぱくり。旨い。泡をぐびり。ん、旨い。さすが食い倒れの街、安くて美味しい。食べ物にハズレはない。けれど…ちょっと侘しい独り飲み。だが、アウェーな街をひとりで彷徨うには、余りに疲れており、何よりお腹が空き過ぎていたのだ。
「よしっ、散歩に行こうか!」仕事が終わって駆けつけて来た妻と深夜に合流。妻は初めての難波。「おぉ〜っ!すごぉいっ、香港のようだ!」視点が近い。「おぉ〜っ、これが法善寺横町かぁ。あっ!なんばグランド花月だ♬」すっかりテンションが上がった妻。道頓堀、戎橋、千日前、延々と猥雑で未知の繁華街が南北に続き、東西に広がる。お気楽妻 イン・なんば・ワンダーランド。「なんだか楽しいねぇ」同感。次回は、難波がホームな誰かに案内してもらいながら。