Archive for 5 月 26th, 2013

店と客の相性「鮨いち伍」

IchigoCAVA京のような巨大都市で、数多ある飲食店の中から行きたい店を選ぶことは難しい。溢れる食の情報。誰もが気軽に店の情報や評価をサイトに書き込める。料理の写真を撮り、拙いコメントを呟き、アップする。それはお気楽夫婦も同様。それらは、美味しかった!という肯定的なものばかりではなく、お店の接客や料理に関するネガティブなメッセージが含まれることがある。何様だ!と読む側が思う場合もある。お客様だ!と開き直られればそれまでだけれど。これらのメッセージは、公正で客観的なものではなく、極めて個人的な主観だ。と、捉えるべきだと思う。もちろん自分のブログも含めて。

IkaSushiを選ぶ唯一の基準は、行ってみることだ。行って味わってみることだ。行く前に店を選びたいんだ、という意味では矛盾する。けれど、行ってみて失敗したら仕方ない。店と客との出会いは、絶対的なものではない。誰もが、どんなタイミングで行っても相性が合うなどということはない。そんな店は存在しない。☆がいくつ付いても、美味しくても、経済的に満足できない人(高い!と思う人)の方が圧倒的に多いはずだし、緊張で美味しく味わえない人がいるのは間違いない。「食」に対してどれだけ思い入れがあるかによっても異なる。もちろん、誰と一緒に行くかという大事なキーワードもある。

AjiIwashi屋などは最も選択が難しいジャンルのひとつだ。廻る場合は明朗会計だけれど、多くの人にとって廻らない鮨屋の敷居は高い。カウンタに座り、店主と対面で、一貫づつ値段を聞いて食べる訳にもいかない。経済的に許せば、お任せだったり、お好みで食べたいところを松竹梅のセットメニューで(あれば、だけれども)オーダーするしかない場合もある。ましてや客と店主の相性が最も出やすい店の造り。お互いに逃げようがない。美味しいはずの鮨が、店主との関係で美味しく味わえなかった経験は、お気楽夫婦にも数多くある。いちいちそんな書込みはしないけれど。

KohadaNihamaハマって美味しいんだねぇ♫」同行したスカッシュ仲間の役員秘書が呟いた。そんなひと言が嬉しい。他の店では食べなかったものを、食べてみたら美味しかったというコメントは、ご一緒して良かったとしみじみ思える瞬間だ。その日は鮨にスパークリングワイン(CAVA)を合わせてみた。初めての試みだけれど、これがなかなかの組合せ。実に旨い。相変わらず端正な鮨。きちんと丁寧な仕事。ひと手間かけ、ネタが最適な状態で供される。その日同行した友人たちも何度目かの訪問。店を出て「今日も美味しかったねぇ」と口を揃える。この店「鮨いち伍」との相性が良かった幸福な仲間たち。

が店を選ぶように、店は客を選ぶことができる。料理の味はもちろん、料理の価格、店の立地、接客のスタイルなどによって。客はその店に合わなかったら、行かなければ良い。声高にネガティブなメッセージを発する必要はない。飲食店選びは恋愛と同様。恋愛が成就できなかったからと相手を攻めるのはお門違い。お気楽夫婦が訪れ、集めたショップカードの数はおそらく1,000枚を超える。そしてサイトにアップしているのは、ほんの数10店。お気に入りの、恋した大切な店として。

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