Happy Lunar New Year !「春节去香港/大晦日編」
2017年 2 月05日(日)
「春節に香港に行こうか!」そう言って、お気楽妻が目を輝かせた。春の頃に忙しい妻。旧正月の時期に香港に行ってみたかったけれど、これまではスケジュール的に叶わなかった。ところが今年は、1月末にLunar year(太陰暦:旧暦)の新年を迎える。忙しさは始まっているものの、1月中ならと自分に言い訳ができるらしい。行くと決まったら妻の行動は早い。往復の航空券を予約して、いつものホテル、馴染みのレストラン…あっという間に手配を完了する。「わぁ〜い。春節に香港へ行くぞ!(春节去香港)♬」浮かれる妻。ウォシュレット装備が嬉しい最新鋭機に乗って、旧暦の大晦日に香港に到着。
X’masシーズンには何度か訪れたことがあるものの、正月(旧暦、新暦いずれも)の時期は初訪問。ホテルのロビーでは、クリスマスツリーの代わりに、ピーチツリーがお出迎え。桃の木にめでたい正月飾りをぶら下げたもの。赤と緑のオシャレなクリスマスに比べ、赤一色に近い香港の正月はとても中国的。大晦日の街の雰囲気を味わおうと、正月飾りの金柑や水仙などを買い求める人で溢れるヴィクトリア公園の花市や、正月用の食材を買いに集まる湾仔の市場を巡る。いつもエネルギッシュな香港の街が、一段と賑やかで、街を歩く人々の顔も晴れがましい。「良いなぁ、この感じだよね」妻が微笑む。
「おぉっ!何だかオシャレだぞ」猥雑な湾仔の市場のすぐお隣、再開発で完成したばかりの利東街には、いつの間にやら高級ホテルや高層マンションが聳え、ビルの間にはショッピングモールや広場がある。広場には銅像やベンチがあったり、他の再開発ビルとは趣が違い、シックで落ち着いた雰囲気。ヨックモック(ショップ以外にレストランも)や銀座Westなどの日系の店舗もあり、頑張れ!日本!と密かに声援を送る。周囲には不良西洋人の溜り場になっっているこぢゃれたバーも何店か点在している。昔ながらの湾仔の街が好きだったお気楽夫婦にとって、嬉しいような寂しいような微妙な気分。
ホテルに戻れば、定宿の安心感もあり、すっかりリラックス。いつものクラブラウンジに立ち寄ると、顔なじみの女性スタッフから「ウェルカンバック♬」と挨拶される。国内では口数の少ない妻は、香港ではすっかり別人。にこやかに、実に嬉しそうにスタッフとおしゃべりを続け、海外では別人のように無口になる私は放置される。でもまぁ、いいか。これも彼女が香港に来たがる理由のひとつだし。ラウンジからの眺めは清々しいし、食事は相変わらず美味しいし、わんこシャンパンも嬉しい。この場所ほどストレスなく過ごせる場所は、他に余り知らない。香港に帰ってきたぞ!という気分。
「ここは野菜もシャキシャキ美味しいし、パンも美味しいんだよねぇ♬」そう言いながら、たっぷりとブラックオリーブが乗ったフォカッチャを頬張る妻。ふふふ。すっかりリラックスモードに入り油断していたのか、子供のような無防備な表情になる53歳。部屋に戻れば、窓の外には中環(セントラル)の夜景が広がる。ビルのひとつには「萬事勝意」のイルミネーション文字が輝く。万事うまく行く、そうあって欲しい1年の始まりだ。