百万石の味「金沢美味紀行」
2018年 1 月06日(土)
冬の金沢の魅力は食にもある。日本海のきときとの(新鮮な)魚介類、加賀伝統野菜など、年中美味しいものが多い金沢なのだけれど、中でも冬は美味しいものが豊富。日中に偶然出くわした(同じ合宿ツアーで金沢入り)スカッシュ仲間と待合せ、「水魚」というかっぽう居酒屋に向かう。その日は忘年会集中日のためか、数日前に何軒か電話を入れたものの、どこも満席。この店も最後の1テーブルを何とか予約できた人気の店だ。乾杯の後、さっそく地元ならではの料理をオーダー。メスのズワイガニの甲羅に身、外子、内子、カニミソを盛り混んだ「蟹面」が痺れるほど旨い。地元の人は高価なオスガニ(金沢では加能ガニ)ではなく、この香箱ガニを好んで食べると言う。納得の味。
続いて豪華な刺身の盛合せがドカンと登場。寒ブリ、甘エビ、ノドグロなど、日本海の冬の幸が美しく並ぶ。文句なく旨い。中でも寒ブリが良い。脂が乗り、食べ応えがある厚めの切身は、旨ウマ。他にも、まるでワカメのような加賀野菜の金時草(きんじそう)のおひたし、治部煮などの地元料理を堪能。ところで、一緒に酒を酌み交わすのは、お気楽夫婦のスカッシュコーチを始めとした3人。東京早朝出発の新幹線車内から飲み始め、近江町市場の回転すし屋などを巡り、その日通算5店(車内飲み含む)目というツワモノたちだ。「日中食べた寿司に比べて、圧倒的に旨いっす!」という感想。それはそれで不思議。金沢では美味しくない店を探すのが大変だと思うのだけれど(笑)。
金沢2日目の夜は、地元のスカッシュプレーヤーとの懇親会。他クラブの合宿参加メンバーも含め、初めてお会いするのに「スカッシュ」という共通の話題があれば、話も弾む。美味しい料理に、酒もススム。*「白身魚のピッツア」という珍味?も旨し。最終日、地元メンバーも含めたスカッシュレッスンの後は、交流戦。初めての対戦に戸惑いながらも、和気藹々とコートの中を走り回り、真剣な中にも笑いあり、驚きありのプレーに歓声が湧く。最後は若手コーチと全メンバーのリレー対決。1人2分×参加人数(20人弱)分の試合。メンバーはわずか2分間でもひーひーと走らされ、逆に呼吸も乱れずプレーし続けるコーチの体力に感嘆。期待以上に楽しいレッスン&イベントだった。
帰路は、新幹線の車中でお気楽夫婦2人だけの宴会でシメ。土産物、駅弁などが充実した金沢駅ビル「百番街」で、駅弁2種をゲット。もちろん地酒「加賀鳶」の小瓶も忘れずに。宴会場となった(笑)北陸新幹線は普通席でも座席間のピッチが広く、電源も用意され、、トイレはウォシュレット付き。実に快適。まずは、加賀棒茶(ペットボトル入りの棒茶が売られている!!)とビールで乾杯。鼓の形をした器の「鼓御前」も、2段重ねの輪島塗風の籠に前田家の家紋が入った豪華な「利家御膳」も、カニ飯や治部煮などが入っていて金沢らしいし、酒の肴になるという点で合格。加賀鳶をちびりと飲み、金沢の旅の余韻を味わう。ゆったりとしたスペースで最後まで百万石の味を堪能する。
「金沢、また違う季節に来たいね」お気楽妻の感想は「再訪したい」という最高ランクの評価。各地方ごとの独自色が失われていく街が多い中で、金沢には独自の文化があり、味があり、街並みがある。学生時代から何度か訪れ、出張でも縁があった金沢。好きな街を妻に気に入ってもらえるのは嬉しいことだ。では次回は、加賀伝統野菜を味わう夏の旅で。