画竜点睛を欠く?「リッツ・カールトン沖縄」
2019年 7 月15日(月)
リッツ・カールトンの日本初進出は、大阪の駅近く。1997年のことだった。開業早々からホテル人気ランキングでは1位になることが多く、西のリッツ・カールトン、東のパーク・ハイアットと讃えられた。レストランなどで使用するコバルトブルーのグラスが有名で、ホテル好きの憧れだった。ホテルマニアのお気楽夫婦は、大阪はもちろん、2007年に開業したリッツ・カールトン東京にも何度か宿泊した。
ロバート・B・パーカーの小説「スペンサー・シリーズ」にもボストンにあるリッツのバーが度々登場した。スペンサーファンの2人は初めてボストンを訪ねた際には、もちろんリッツに宿泊した。他にもバリ島、シンガポールなど各地のリッツに宿泊したこともある。いずれの滞在も満足なものだった。リッツの信条はクレドとして有名で、最高のサービスと施設を提供することを明記している。そんなリッツには特別感があった。
沖縄のリッツは名護湾を望み、喜瀬カントリークラブというゴルフ場に面する抜群のロケーション。ロビーに入るとすぐに水盤を赤瓦の建物が囲む中庭がある。琉球王朝風なのだろうけれど、まるでバリのリゾートに迷い込んだような錯覚に陥る。そしてフロントに案内され、ソファに座った…ところまでは好感度が高かった。その日は大切な仕事の電話を待っており、一刻も早くチェックインして部屋に入りたかった。ところが…。
10分経っても、フロントから誰もやって来ない。お気楽夫婦はフロントの前にあるソファに放置されていた。「少々お待ちください」の声もない。そうしている間にも約束の時間は迫る。フロントにいるスタッフは電話をかけたり事務所に出入りしたり、慌てる様子もなく、信じられないことに、ただ放置。驚いた。ウチナー精神でおおらかに待ってもいた。でも、待っているお気楽夫婦の方が、ハラハラ。大丈夫なのか?
さらに10分、温厚な(笑)お気楽夫婦ですら、チェックインお願いします!と声を荒げ、手続きを急ぐようにお願いして、ようやく終わったチェックインの後、責任者の方がお詫びに客室までやって来たけれど、あとの祭り。不快な気分を一掃するためにジムに向かう。ジムの設備も、ジムに向かう途中にあったライブラリーも、“施設”は高いレベルなだけに、残念。気持を落ち着かせ、汗を流しようやく気分転換。ふう。
翌日は快晴。梅雨明け宣言も出た。リッツのグラスのような青空が広がった。気分爽快。ジムで走って汗と一緒に不快な記憶もシャワーで洗い流した。フロントでの出来事以外、スタッフの対応は大きな不満もなく、快適に過ごしていた。逆に受付での予約の際に、一度だけ短い会話を交わしたレストランのスタッフが、我々の顔と名前を覚え、それ以降名前で呼ぶというクレドにもあるリッツ対応を実践し、感心した程だった。
客室での娘夫婦(ではないけれど)との部屋飲みの後(深夜ということもあり)、彼らのホテルに帰る際にタクシーを呼んでも来ないとスタッフがすかさず判断し、リッツの車で送ってもらえることになった。さすが!リッツ!と我が事のように喜んだ。ところが、チェックアウトの際に、あの悲劇が再来したのだった。フロントにスタッフは3人、客はお気楽夫婦を含めて2組。先客がチェックアウト手続き中。そこでまさかの放置!
呼んでもらったタクシーは既にエントランスで待っている。フロントスタッフは2人空いている、はず。そこで確認すると「チェックアウトを担当できるスタッフが1人しかおりません」と、信じられない答え。まさか!事前の調査でこのホテルの評価が極端に2分されていた理由が分かった。賛否両論。マニュアルが徹底されていないのだ。リッツのフロント責任者、滝川クリステルの「グレイステクノロジー」に今すぐ電話だ!
…そう言えば、娘(じゃないけど)この店がおススメだと言って、頑張って予約をしてくれて、一緒に食べに行ったなぁ。「賛否両論」いい店だったなぁ。…遠い目。