お気楽妻の卒業旅行記(2)「妻の好みは、フリスコ<ウィンディシティ>フィリー」
2024年 8 月24日(土)
お気楽妻の卒業旅行、2つ目の街はサンフランシスコ(フリスコ)。2人にとって初めての街♬とは言え、コロナ禍以降に治安が悪化し、危険な地域もあるとの情報で、ややビビりながら空港に降り立ち、ホテルへ。ハイアット修行中の2人の宿泊先は「グランドハイアットフリスコ」。設備面でやや寂しいものの、クラブラウンジからの眺望は見事。眼下に中華街、遠く「コイトタワー」、サンフランシスコ湾に浮かぶアルカトラズ島が一望できる。その北米最大の中華街に出かけた2人。それも食事のためではなく洗濯のために。長丁場の旅にはコインランドリーの所在確認が重要だ。それでも中華料理好きの2人にとって、細い路地が入り組む怪しい街の散策は刺激的で心弾む。
不安が先行し、余り期待していなかったフリスコの街は意外に楽しく、フィッシャーマンズワーフにある「ミュゼ・メカニーク」というコイン式の古いアーケードゲームの博物館では本気で遊び、フェリービルでウィンドウショッピング、ケーブルカーは眺めるだけだだった(運賃がやたら高い)が、路面電車やバスなどの市内の公共交通に乗りまくった。そして最大の収穫は「サンフランシスコ近代美術館(SF MoMA)」だ。展示作品の意外なほどの充実ぶり(失礼)に加えて、中庭の造形の素晴らしさ、そして「The Visitors」というインスタレーションに感涙。この作品に出会えただけでもこの街に来た甲斐があったというものだ。*真っ赤なトイレも驚愕ものではあったけれども。
続いて訪れたのはウィンディシティと呼ばれる街、シカゴ。この街には前職の友人夫妻が2人の到着を待っていてくれた。「アメリカに来るのなら、どこでも飛んでく!」と言ってくれていた彼女。宿泊先のひとつがシカゴだと伝えると、「じゃあ車で行けるから」と気軽に言うので安心していたら、何とその距離400Km!!。さすがアメリカ感覚(汗)。ともあれ、4人で乾杯しさらに部屋飲み。翌日はホテルの目の前のシカゴ川を船で巡り、建築物を鑑賞するクルーズツアーへ。川沿いに建つ「リグビービル」や「トリビューンタワー」をはじめとした歴史的建築物、かつて世界一の高さを誇った旧シアーズタワーなど、見所が満載。英語の解説が判らなくても、これが期待以上に楽しい♬
船を降りて4人が向かったのは街の中心部にある広大な「ミレニアムパーク」。その公園のイチオシが通称「Bean」と呼ばれる巨大な屋外オブジェ「雲の門(Cloud Gate)」だ。鏡のように磨き上げられたオブジェに映るスカイスクレイパーや自分たちの姿に、子どもたちだけでなく大人も歓声を上げる。そして、妻の卒業旅行と言いながら、私が便乗してどうしても行きたかった「Route66」の起点へ。66歳のうちに訪ねることができたお祝い?に珍しく1人で記念撮影。それにしても、66歳からの私のRouteはどこに続くのか、いつまでどこまで(笑)続くのか。いずれにしても、シカゴが思いもかけず良い街だったと言う印象が残ったのは、友人夫妻のおかげでもあった。感謝。
4番目の街はフィラデルフィア(フィリー)。4番の割には知名度が低く、かなり地味である。お気楽夫婦がこの街を訪ねた理由はひとつだけ。「USスカッシュセンター」を訪問したかったのだ。常設の観客席付き4面グラスコートが2面、ダブルスコートも含め22面のスカッシュコートを有する巨大な施設。2人にとって夢のような、天国のような場所。そこを見学するだけでなく、何とネットで予約し、グラスコートでスカッシュまで(それも2日間も)やってしまった。夢が叶った。Dreams Come True!!。内部には「US SQUASH National Headquarters」があったり、歴代の選手が紹介されていたり、まさにUSスカッシュの殿堂。日本にもこのような聖地が欲しいと涙する2人。
アメリカ建国に縁のあるこの街を訪れたのは、タイミング良く「4th of JULY」。敢えて日程をそのように組んだのだが。街は熱狂的なお祭りムードに包まれ…てはおらず、パレードのルート周辺だけが関係者を中心に賑わい、終わったらささっと帰って行く、そんな観客の反応。それでも楽しもうぜ!と言う雰囲気が溢れ、ルーツは関係なく俺たちゃアメリカン!と言う参加者(世界各国をルーツに持つ国ごとに民族衣装を身に纏った参加者が多かった)が潔い。所詮(ネイティブアメリカンを除き)国民全員が移民の子孫である訳だし、と今更思う東洋の島国からやって来た2人。アメリカの自由と寛容と、良い加減さとスケールの大きさを感じることになった街だった。
「それにしても、フリスコよりもフィリーの方が危険な街だね」と妻。確かに、街の中心のオフィス街でも、交差点ごとに縄張りを持つ浮浪者が物乞いをしていたフィリー。地下鉄ではゾンビ(のように頭を垂れたジャンキー)を駅の警備員が電車から引き摺り下ろしている現場に出くわした。アンモニア臭が立ち込め、ゴミが散乱している路地も多い。「シカゴなら再訪アリかもしれないけど、フリスコも、フィリーも、もう来なくても良いかな」と妻の感想。「あ、スカッシュコートだけはまた来てみたいけど」全くの合意。そして続いての街は…。