お母さんと一緒♬「Stall Restaurant(ストールレストラン)」

TokyoSweetsFactoryMember由が丘駅南口、平日の午後5時15分。身長170cmの細身で手足が長く、小顔でおかっぱ、制服姿の女子中学生がケータイで話しながら、改札の手前にいる私に近づいて来る。メールで確認した通り。ん、間違いない。彼女だ。視線が合い、ぺこりと小さく頷く。改札を挟んでブツを受け渡す。楽しんでおいで。ありがとうございます。そんな短い会話を交わした後、女子中学生は混雑した人混みの中に消えて行く。無事にミッションを完遂し、ふっとため息を漏らす。思いのほか緊張していた自分に気付く。どこからどう見ても怪しいオヤヂだ。誰か知り合いに見かけられなかったことを祈る。

HamTomatoうもありがとう♡楽しかったぁ。ビールも半額だったし」翌日、女子中学生の母親からお礼の連絡が入る。スカッシュ仲間の彼女は“大”のジャイアンツファン。高校生の頃、父親に連れられジャイアンツの試合観戦に何度も東京を訪れ、試合終了後に夜行列車に乗って(自宅のある長野に)帰ったというエピソードの持ち主。そんな彼女に、とある筋から手に入れた東京ドームのバックネット裏のチケットをプレゼント。何度目かのその日は、初めて娘を連れての観戦。そして、事前のチケットの受渡を学校帰りの彼女に委ねたのだった。「ほとんど会話なく手渡したんだって?」えぇ、不本意ながら。

ScampiSalmon由が丘で娘さんも一緒に食事でもしようか。今後のチケット受渡の際のスムースな会話のために…という理由は伏せる。「良いねぇ。予定を聞いておくよ」と朗らかな返信。数日後、もう1人のスカッシュ仲間と「Stall Restaurant」という店に向かう。以前「Tokyo Sweets Factory」という店名だったスイーツの有名なカフェレストラン。「あら、おっしゃれぇ♬」と無邪気にはしゃぐ母親を醒めた目で眺める娘。この手の店は行き慣れてるもんね、という風情を醸し出そうとしている。ふふふ、可愛い。待ち合わせで迷った際も、私はこの街を良く知っているのに、ママのナビが悪かったと主張。

SetagayaRollMotherラダもスカンピも美味しいね。ほぉら、IGAIGAって料理を取り分けるの上手でしょう」いつも以上にテンション高く、何とか娘も巻き込んで会話をしようと試みる母親。そんな母の気遣いはどこ吹く風で、マイペースの娘。そこがツボ?と思うところで笑いたい時に笑い、関心のない話題には目を泳がせる。言葉遣いを注意する母。いったんは直すものの、すぐに戻ってしまう娘。それでも仲の良さがにじみ出る、息の合ったような、ずれているような2人の会話。初めて目にする母の姿をした友人。子供がいない私にとっては、とても新鮮な、親娘共演の愉しいエンタテインメント。

しかったらしいよ、この前は。ずいぶん良くしゃべってたしね」数日後、母親からのメール。それは良かった。One Directionが好きだという彼女。だったらと、「Story of  My Life」を口ずさんだり、NTTドコモのCMのこと、SEKAI NO OWARIは好きだけど、などとワカモノ音楽系の知識を総動員。当たりもあり、ハズレもありの感触だったけれど、そこそこ刺さったらしい。それにしても、母親の友人(それもオヤヂ)との酒の席に、フツーに付いて来て、会話ができる“都会の女子中学生”って、凄いね。田舎で育った母親と、その友人のやはり田舎育ちのオヤヂの素直な感想だった。これで、次回のブツの受渡は改札を挟んで、女子中学生と立ち話?チョー受けるんですけど…古い(笑)。

Mのある風景「フラトン ベイ ホテル/マリーナベイサンズ」

Marina8Marina7リなら凱旋門かエッフェル塔。NYCは自由の女神像、エンパイアステートビル、911以前ならWTC。TOKYOだったら東京タワーか、今ならスカイツリー。その都市を象徴する建造物がある。シンガポールのシンボルは間違いなくマーライオン、だった。マーライオンはブリュッセルの「小便小僧」、コペンハーゲンの「人魚姫像」と並び、世界三大ガッカリ名所と称(?)されたシンガポールのアイコン。シンガポールはマレー語でスィンガプラ:ライオンの町という意味だから、まさしく象徴たるに相応しかった。けれども今のシンガポールを代表するのは、「M」を模した巨大な建築物だろう。

Marina5Marina6SMAPが出演したCMのロケ地として話題になったマリーナベイサンズは、シンガポールの新たな中心マリーナベイに面する巨大なホテルだ。3棟のビルの上に巨大な舟のような構造物を乗せてひとつに結び、屋上に巨大なインフィニティプールを設置する大胆な設計。それが横から見ると「M」に見えるのだ。お気楽夫婦が前回シンガポールを訪れた2010年夏には、ホテルは完成していたものの、周辺の建物は建築途中だった。その際、話のネタにと1泊だけ宿泊。その際のエピソードをブログ記事に残した。あれから4年、シンガポールを紹介する画像や映像に出て来るのはもっぱら巨大な「M」となった。

Marina2Marina3リで滞在の後、シンガポール入りしたお気楽夫婦が予約したホテルは「ザ フラトン ベイ ホテル」。2007年に2人が宿泊した「ザ フラトン シンガポール」の姉妹ホテルで、2010年に開業したばかり。このホテルのウリのひとつは、マリーナベイの風景だという。お気楽夫婦のシンガポール訪問は4度目。大好きな街のシンボルになった「M」は、このホテルからどのように望めるのだろう。チェックインして部屋に入ると、窓全面に圧倒されるほど巨大な「M」。凄い。部屋のデッキや窓際のソファからはもちろん、ベイビューのバスルームからも「M」が見える。それだけでもワクワクと心躍る風景だ。

Marina4Marina刻、屋上のプールサイドにあるバー「ランタン」で乾杯。青から藍色の背景に、そして蠱惑的な夜景に移り変わる「M」を、のんびりと心穏やかに眺める。実に美しく艶やかで、セクシーなベイエリアのランドマーク。周囲の個性ある建築物を率いて、それらをも圧倒する独特のフォルム。毎夜開催されるレーザーショーではさらに新たな「M」の魅力が闇に浮かび上がる。前回は滞在したマリーナベイサンズを、こうして眺めることに徹するのも一興。フラトンベイホテルは、そのミッションにぴったりのロケーション。きめ細やかなサービスにも満足。お気に入りのホテルになった。

んだか幻想的な眺めだね」帰国予定の朝、べた凪のマリーナベイに映る、息をのむような「M」の美しい姿が。「ヴァカンスが終わっちゃうねぇ」妻が淋しそうに続ける。帰国すれば待っている些事を思い出す。リゾート滞在の後の都市滞在をリハビリ期間と位置付ける2人。スムースに仕事に戻れるように、帰国の前に街に身体を慣らす。「来年はどこに行こうか。あ、でもその前に、冬には香港かな!」妻の目が輝いた。…今回のリハビリ期間は逆効果だったかもしれない。

朝シャンの日々♬「リゾートダイニング」

MorningChampagneOutdoorChampagneゾートの朝は1杯のスパークリングワインで始った。2013年夏、ヴァカンスで訪れたヴェトナムのコンダオ島のホテルで、毎朝レストランで一緒になる家族がいた。2人の幼い子供を連れた夫婦は、朝から毎回ドンペリのロゼをボトルでオーダー。ミネラルウォーターのようにボトルを飲み干す“ピンドンファミリー”。良いなぁ。せめてグラスシャンパンでもあれば…と羨ましく思っていた1年前。そして2014年夏、ありました!朝食バイキングのレストランにロゼのスパークリングワインが。うわぁ〜嬉しいっ!去年の私の悔しさを知る妻も1杯ならと頷く。オードブル系の料理も充実。これは堪らんぜっ♬

JuiceBamboo食をいただくのはリゾートの中央にある「バンブー」というレストラン。メインプールの傍にあり、お気楽夫婦のヴィラからのんびり歩いて2,3分の距離。吹抜けの高い天井がゆったり気分。プールサイドと水路の側にも開放的な席があり、室内よりも人気がある。豊富なビュフェ形式のメニュー以外にも、卵料理やフレンチトーストなどがオーダーできる。妻はお約束のエッグベネディクト、ワッフル、フレンチトーストなどを日替りで楽しむ。そして私はもちろん、毎朝ピンクの1杯をじっくりと楽しむ。グリークサラダをひと口、ワインをぐびり。くぅ〜っ、これぞ至福のリゾートの朝。

GadogadoNamaharuつもより多めに摂ったカロリーを消費するために、午前中はジムでたっぷり汗を流す。濡れた身体のままでヴィラに戻ってシャワーを浴び、ウェアを洗濯する。さっぱりした後には、インヴィラダイニング(ルームサービス)でお気楽ランチ。タイガーやビンタンなど、キリキリに冷えた地元ビールをぐびり。ちなみにビールは到着後にバリの空港で安くゲットして持込み(笑)。これもインヴィラダイニングの良いところ。何しろリゾート内の物価はむちゃ高い。そしてアジアンリゾートのお約束メニュー、ガドガドサラダ、サテー、生春巻き、ナシゴレン、ミゴレンなどを涼しい室内でいただく。

OutdoorCaesarSaladンヴィラダイニングは室外でもOK。プールに飛び込み、ジャクージで身体を温め、シャワーの後にランチというコースもある。そんな日はガゼボ(東屋)の下で。シーザーサラダ(なぜかリゾートのメニューには必ずある)、フィッシュアンドチップス(これも確実にメニューにある)、フルーツの盛合せなどで軽く済ます。爽やかなリゾート気分を満喫し、これぞヴァカンス!とシチュエーションそのものに満足していると、思わぬ敵がやって来る。猿の一家だ。厳重なセキュリティを誇るリゾートも、彼らには通用しない。目を逸らさず、怯えず、慌てず、料理を室内に運び込む。あぶない、あぶない。

JuMaNaPepperゾート最終日は、人気のメインダイニング「ジュマナ」でディナー。夕暮れ時、隣接するジュマナバーで1杯飲んでからレストランへ。エッジの利いたこぢゃれたデザインの建物、スタッフはボディコンシャスな制服の女性。こけおどしの巨大なペッパーミル!まるでバブル時代のTOKYOのよう。うっかり短パンで入店してしまった私は、ドレスコートに引っかかり、強制的にサロン(腰巻き)を巻かれてしまうという失態。料理はどれも美味しいけれど、関心は料理以外に向いてしまう。お気楽な2人にとって、リゾートでの食事はローカルフードをのんびり食す方が向いている模様。やれやれ。

っとここで暮したいなぁ」という妻。忙しかった日々を経たからこそ、味わえる心身ともに開放された日々。けれど、こんな生活を続けたら社会復帰は困難。オンとオフのメリハリがあるから味わえる悦楽もある。リゾートはきっとそんな場所だ。とは言え、気持は分る。…後ろ髪を引かれつつシンガポールへ。

002315218

SINCE 1.May 2005