スシ食いねぇ♬「鮨いち伍」千歳烏山

IchigoTaisyoKimoIGAさんのブログに載ってた鮨屋に行きたいんですよね」スカッシュ仲間のアスリート系女子に、きっぱりとお誘いを受けた。喜んでぇ〜っ!チェーン系の居酒屋のように快諾。一度その店にご一緒したところ絶賛していた役員秘書に声を掛けると、「えっ、えっ、あの鮨屋?行く、行く、行きたぁい♬」とメンバーに加わった。するとそれを聞きつけた風呂屋の娘から「私も連れてってくださぁ〜い♡」と色仕掛けで迫られた。「鮨いち伍」は、世田谷の外れ、住宅街にある小さな鮨屋。7〜8人で満席になるカウンタだけの店。ある週末、お気楽夫婦を含めた5人のスカッシュ仲間で店に向った。

ChutoroOotoroらっしゃいませ」入口の引戸を左から開けるという間違いをわざとやってみる。前回のように敢えて間違いだと指摘せず、カウンタの向こうの店主がにやっと笑う。よし、つかみはOK。これは毎回のお約束にしようと心に決める。こざっぱりとした清潔な店内。店主が無口だ、愛想がないと書き続けたブログを読んでいた仲間たちはやや緊張気味。それが店主にも伝わってしまったか、やや空気が硬い。仕込み途中のカラスミをカウンタの中に発見し、話題を振る。「まだこれから時間が掛るんですよ」饒舌に説明を始める。滑り出しも上手く行ったようだ。しかし、私は前説役か。

SmokedOysterKohadaっそくお任せで握ってもらう。ネタは確かで、季節の味も押さえているこの店はお任せに限る。カワハギに零れんばかりにたっぷりの肝。ひと刷毛の醤油。眉目麗しい端正な姿はいつも通り。「うわぁ〜っ、美味しい」初めてのメンバーが声をあげる。お気楽夫婦と2度目の役員秘書はちょっと自慢気味。「ね、美味しいでしょう」上から目線で歓喜に震える仲間を眺める。「今年いちばんのマグロです。三厩であがったものです」中トロと大トロの波状攻撃。うっ!やられた。旨い。三厩と言えば、有名な大間は下北半島の先端であるのに対し、津軽半島の先端、竜飛岬の近くにある漁港。同じ海峡を泳ぐマグロとして赤丸急上昇のブランドマグロ。捌く時から店主も嬉しそうだった。

AnagoBar808蛎のスモークです。これを握りで出すのはウチの店くらいのもんだと思います」「あ、そう言えば『東京カレンダー』に載ってたのがこれですね」情報収集能力に優れるアスリート系女子が突っ込む。「雑誌に載るとやっぱり予約が増えますか」と続ける。「いやぁ、でもIGAさんのブログの方が集客効果ありますね。ありがたいです」おっ、嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。スシ食いねぇ♬すっかりメンバーもリラックス。「あ、私貝がダメなんです」好き嫌いの多い風呂屋の娘が遠慮なしに告げる。「代わりに何を握りますか」「やっぱり、口の中でとろけた中トロかなぁ」「今年一番のマグロですから」おぉ、店主の舌も滑らか。さっきも同じセリフを聞いたけど。すっかりネタになっている。鮨屋だけに…。

IGAIGAのブログに書いてあったより、もっと店の感じが柔らかくなってた。前よりずっと美味しかったぁ」と秘書嬢。「またすぐに行きたいですぅ」と風呂屋の娘が甘えた声を出す。「いやぁ、ホントに美味しい店ですね」アスリート系女子も絶賛。自分たちのお気に入りの店を、友人たちが美味しいと言ってくれるのは嬉しいね。スシ食いねぇ♬…いや、また一緒に食べに行こうか。

■食いしん坊夫婦の御用達 「

そうだ パリ行こう!「カフェ ドゥマゴ」

Project1:6Bearbrickの娘が持っている物体が気になっていた。どこかで見かけたことがある、可愛いと言えば…可愛い、きも系と言えばそうも言える動物の人形。学生時代から映像制作を手がけ、今も子育ての合間に今でもビデオカメラを回す。お気楽夫婦の友人、その娘の母のグループが定期的に開催する映像作品発表会に出かけた会場で、彼女の娘が持っていたカラフルな物体。会場から駅までの帰り道、その正体が分かった。フィギアなどの制作販売を行うメディコム・トイのオフィシャルショップが会場近くにあったのだ。店内に無数にあったカラフルな物体。かつて何かのメディアで紹介されていたブリックベアという商品であることが分かり、喉元にひっかかっていたものがすとんと落ちた。

LesDeuxMagots2LesDeuxMagotsい出せずにすっきりしなかった居心地の悪さが解消。すっきり。お腹も空いた。さぁて、何を食べようか。「台湾料理!」おぉ、麗郷も良いね。「天ぷらは?」東急本店の天一ね、悪くない。駅までのんびり歩きながら、お気楽夫婦のやり取りが続く。初冬の空気が身体を冷やす。温まるものが良いかな。そうだ、ヴァンショーを飲みに、ご近所のパリに行こう。さっそく東急文化村に向う。お目当ての店は「ドゥ マゴ パリ」。パリ、サンジェルマン・デ・プレにある老舗カフェ「ドゥ マゴ」。その海外提携店としてOPENして20年以上。日本における先駆的フレンチカフェとしてすっかり街に馴染んだ。地下1階のテラスに並ぶ丸い小さなカフェテーブル。店のロゴ、内装などのデザインも、店内よりもテラス席が人気なのも、パリのカフェ同様。

VinChaudBlancLa salade niçoiseっかり身体が冷えたお気楽夫婦。テラス席を避け、店内のベンチシートに腰を下ろす。ふぅ。取り合えずビールではなく、ヴァンショーブラン。ほっとワイン。フランスでは冬になるとオレンジピール、シナモンなどの香辛料と一緒に温めた赤ワインを飲む。映画『アメリ』に何度も出てきた赤がお馴染みだけれど、白ワインの産地アルザスなどでは白のヴァンショー(Vin Chaud)も飲むらしい。サラダニソワーズ(ニース風サラダ)を食べながら、ワインをひと口。あ、熱っ!戌年生まれ、猫舌の私には熱過ぎて冷まして飲むしかない。ビールをぐきゅぐきゅ飲むのも良いけれど、ちびちびと熱い液体を身体に注ぎ、ゆっくりと温まるのも悪くない。

RoastedBeefVinChaud体が温まったところで、さらにヴァンショーの赤。シナモンスティックで熱々ワインをゆっくりとかき混ぜる。ふぅ。すっかりリラックス。メインの料理はがっつりとローストビーフ。文化村の美術館「ザ・ミュージアム」で開催中の「巨匠たちの英国水彩画展」に合わせたタイアップメニュー。この店はいつも空いていて大丈夫か?と東急グループに対して余計なことを心配するのだけれど、開催中のイベントとのタイアップやシアターメニューという当日のチケットを見せると割引になるメニューがあったり、何より芝居などを観た後の余韻に浸れる店があることは嬉しい。特にフランス映画を中心に上映する「ル・シネマ」の帰りにはぴったり。まさしくご近所のパリ。

ギリスで食べたローストビーフよりずっと美味しいね」ローストビーフ好きの妻。パリの香り漂う店内で、ロンドンよりも美味しいお肉を食べる。各国のいいとこ取り。そして自分たちの文化や生活に取り込み、洗練させる。遣唐使の時代から、さらに明治維新以降、これが日本の得意技になったと思うのだけれど、ドメスティックに閉じ過ぎてしまったのは残念だなぁと思う冬の日だった。

スリムビューティは男前「用賀 本城」

Honjo1Honjo5IGAさん、美味しいモノ食べたいです。本城さんに連れてってください!」スカッシュ仲間のスリム美女にそう言われ、断る理由は全く見つからなかった。すかさずお馴染みの「用賀 本城」のカウンタ席を予約。もちろん(残念ながら)デートではなく、妻も含めたスカッシュ仲間と一緒。新進気鋭の建築家、フルマラソンをサブフォーで走る女性アスリートというメンバー。いつも通り、ちょっと早めに店に到着しカウンタ席の端に座る。「お待ちになりますか」いやいや、先にやってますとビールをぐびり。仕込み中の本城さんにその日のメンバーを説明しながら、鮮やかな仕事ぶりを眺める。どんな料理になるのか、想像しながらビールをぐびり。これも至福の時間。

Honjo2Honjo6ンバーが揃い乾杯。その日の主役はスリム美女。本城さんや他のメンバーとのコミュニケーションを取り易いようにと、5人の中央に座ってもらう。穴子と雲丹の先付け。柔らかな穴子がほろほろと、そして甘くとろける雲丹と共に絶妙な舌触りで攻めて来る。旨い。「これとっても美味しい。お酒が進みますね」アルティメットやハンドボールなど、マイナーなスポーツをサポートするお仕事の彼女。アスリートに強く、酒にも強い。ワインの栓を抜いたらひとりでも飲み切る、というスタンスらしい。

Honjo3Honjo7が男だったら、すぐに口説いちゃうなぁ」とアスリート系女子。電車でお年寄りが目の前に立っているのに席を譲らない男性を睨みつけていたら、その男性が彼女の視線に気付き(都合の良い)誤解をしてしまい、ヘアスタイルを直し始めたのを見てわざと足を踏んづけた…というエピソードを聞き、男前なスリム美女に惚れてしまったらしい。「私、火の通ったニンジンが苦手なんです」おぉ〜!それは意外。好き嫌いなどないさっぱり系の女性だとばかり。「実は椎茸も」本城さんが聞きつけ、「例えば、椎茸が細かく刻んで入ってたらどうされます」とすかさず尋ねる。「除けて食べますっ」「分かりました」ダメな物はダメ、物言いはきっぱり。はっきりとした好みがある様子。

Honjo4Honjoれも繊細で、幸せな味だねぇ」メンバーが声を揃える。イクラと菊花の霙和えが、牡蛎の味噌焼が、このわたが、お造りが、全て酒との美しいハーモニーを奏でる。「こちらだけ、西京焼です」私がずっと仕込み仕事を眺めていた、一度焼いて、丁寧に巻かれ、蒸され、美しく盛り付けられた鰆の代わりに、鰆の焼物がスリム美女スペシャルとして登場。「わぁ〜!凄い」うぅ〜む、いつの間に。これぞ本城マジック。とは言いながら、アスリート系女子と両方の料理を分け合って、ちゃっかりどちらの味も確かめる。「ん、どっちも美味しい!」と、満面の笑み。彼女のさっぱり爽やかな笑顔が周囲の空気を温かくする。

じ列で写真に収まるのは失敗だったなぁ」若手建築家が零す。参加した女性3人は、妻も含め全員がショートカットで小顔。(その上、いずれもはっきりした性格な男前な女性たち)遠近法を活用して最後方で撮られるという作戦が功を奏した私はにんまり。「楽しかったし、美味しかったぁ!またご一緒しましょう!」スリム美女は積極的。「美味しいモノを美しい人とご一緒するのは最高だね」とアスリート女子。激しく同意。次は、忘年会で美味しいモノを!

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SINCE 1.May 2005