海を眺める宿「亀や/HOURAI」湯野浜温泉

WelcomeTeaSunsetBeerの目的は何にせよ、お気楽夫婦は旅することが好きだ。じっくりと旅のプランを練る。お気楽妻にとっては、どこに宿泊するかが最大の関心事。宿の情報を収集し、部屋のタイプを選ぶ。その宿でどのように過ごすかをイメージできれば旅程は自ずと決まる。早めに羽田に着いて、ラウンジでのんびりとランチ。目的地の空港に到着後はまっすぐに病院に向う。…夏の日の週末、故郷で入院した父親の見舞いに向った。胃癌の術後検診で発見されたリンパ腫の治療のために入院。入院中に軽い脳梗塞を発症した。病名の響きは重篤だけれど、父親は至って元気。ほっとした気持を抱えて宿に向かう。

SunsetSunsetBeach港にほど近い湯野浜温泉「亀や」という老舗旅館に2度目の投宿。前回はKAMEYA514-519という和モダンの室内温泉付きのツインルーム。今回は、最上階にできた特別フロア、HOURAI。東北芸術工科大学との産学協同プロジェクトとして、建築家の吉村康孝氏と学生たちがリノベーションに加わった。部屋数はわずかに6室。その6室のためだけにラウンジがある。HOURIの宿泊客はここでウェルカムドリンクを飲みながらチェックイン。1室毎に趣の異なる部屋に案内される。ちなみに、ラウンジや客室でのビールや日本酒などのドリンクは全てオールインクルーシブ。酒飲みには嬉しい設定。

ZensaiMenu本海に面する湯野浜温泉。亀やの客室は全室オーシャンビュー。HOURAIでは、ラウンジでも客室でも、穏やかな夏の海を、砂浜を、海に沈む夕陽を眺めることができる。お気楽夫婦の宿泊したのは、根岸正典氏が設計した1112。広めのダイニング・リビングルーム、ウォークスルーで一体感のあるベッドルーム、琉球畳の端正な表情の和室、そして温泉付き浴室のいずれもから海を眺めることができる。「こんなにゆったりと夕陽を眺めるのは久しぶりだなぁ」酒を飲めないC/Pの悪い妻が山形特産のフルーツジュースをすすりながら満足げに微笑む。

BedroomOceanView室のダイニングテーブルで、2人で沈む夕陽を眺めながら夕食。前菜は夏の日本海の名産である岩牡蠣と地の夏野菜の盛り合せ。太陽をたっぷり浴びた野菜の甘さが、ミネラルたっぷりの岩牡蠣の滋味が、お気楽ながらも心配していた2人の緊張を溶かして行く。赤坂にある系列料理店の「阿部」がミシュランの星を獲得したように、この宿の料理もまた満足の品々が並ぶ。きりっと冷えた地酒を飲みながら、刻々と染まる海と空の色合いを楽しむ。そんなゼータクな演出が味わえる良い宿だ。

本木のリッツカールトンよりも良いかも、だよ♫」と妻。急な帰省、お見舞いに予定を変更した週末。実はリッツを予約していた。クラブフロアでのんびり過ごす予定だった。「スポーツジムはないし、夜景も楽しめないけど、海の眺めも、食事も良かったし、良い宿だったね」ホテルマニアである妻の、気遣いも含めた最大級の賛辞。多謝。

夏は中華料理だ!「蜀彩・萬来軒・広東料理Foo」

FritesNikomiい。身体が溶け出してしまうくらい、暑い。きっと日本は熱帯になったのだ。そう言い聞かせなければ身体が納得しない程、暑い。けれど、ただ暑いと言い続けても涼しくはならない。食欲もなくなってしまう。蕎麦だ、素麺だ、心太だ、とあっさりした料理ばかり食べてもいられない。暑い夏を乗り切るには…。「中華だね」お気楽妻が宣う。「それも四川料理だね」なるほど。唐辛子や山椒の香りで食欲を刺激し、辛さまみれになり、いっそ開き直ってたっぷり汗をかき、新陳代謝のアップを図るという作戦だ。

ShiromiZakanaToumyoる週末、スカッシュ仲間を誘い、経堂駅近くにある四川料理の名店「蜀彩」に向う。この春に初めて訪問した後、中毒性を持つ辛さと美味しさに惹かれ通い始めた店。「わぁ〜っ!すごい辛そうだけど、美味しそう!」スカッシュ仲間の女性たちが歓声を上げる。妻がオーダーした料理はどれも挑戦的な赤系の料理。赤色の正体はラー油や唐辛子。辣(ラー)と花椒の麻味(マーウェイ)という痺れる辛さ、食材の鮮(シェン:旨さ)が一気に舌と口と胃袋を襲って来る。旨い。汗が流れ出る。「美味しいねぇ♫」私を除く女性たちは汗さえかかずに平らげる。私はと言えば、こうして思い出すだけで汗が出る。女性の方が辛さへの耐性があるのか。

ShisenSuiGyouzaTanTanMenの翌日、ご近所の四川料理「萬来軒」に向う。ご一緒するのはご近所に住むパティシエのマコちゃん。「明日はお店休みだから、たっぷりギョーザ食べちゃいますよ」彼女は仕事の性格上、営業日に匂いや刺激の強いものは食べられない。五葷を避ける食生活。プロなのだ。「あぁ〜、この四川水餃子良いですね。とっても美味しい♫」とマコちゃん。自家製ラー油と芝麻醤の香りが食欲をそそり、その日は特別に持ち込ませてもらったシャンパンを啜る。「担々麺も美味しいよ」と妻が満足げに勧める。「うん、いけるいける、美味しい♫」お気楽夫婦が20年来通い続けるご近所の名店。彼女にも気に入ってもらえたようだ。楽しくシャンパンを干す。

GatsuDonabeらに翌週、肘が順調に快復していることを祝って2人で「広東料理Foo」に向う。「あぁ、IGAさん、肘の具合はいかがですか」ねもきちくんに心配されてしまう。ブログやFacebookに書き込んだから、私の肘痛はすっかり周囲に知られるところになった。肘の快復促進のためにと、ガツの湯引き、春雨と吉川茄子の土鍋煮込などをいただく。どれもきちんと本格的に旨い。ガツの歯応えがたまらん。煮込みを味わうと、すっと魂だけがビジネスクラスで優雅に香港に飛んで行く。んまいね((C)ねもきち)これ!とシェフの慎ちゃんに声を掛けると「ありがとうございますっ!」と照れたように微笑む。

っぱり夏は中華だねぇ♫」と妻。ん?考えてみたら、ウチは夏じゃなくても中華料理が多いよね。それにハナっから夏バテなんかしてないし。「それはね、いっつも美味しい中華料理食べてるからだよ!毎日中華食べてる中国人も、ロンドンでメダルたくさん獲ってるじゃない!」妻の言い分は、正しい…のであろう。

肘痛よさらば!?「テニス肘PRP治療」

Houtai2008年春、右肘に激痛が起きた。診断の結果は、いわゆるテニス肘。正確には私の場合はスカッシュ肘。いろいろな治療を試みた。整形外科に通い、整体、鍼灸治療などを続けた。1年近く左手でスカッシュを続け、初心者レベルのラリーは可能になった。そして痛みが和らぎ、右手でプレーできるようになったものの、痛みは消えなかった。かつてのプレーはできなくなった。“かつて”、決してそれ程のプレーヤーだった訳ではない。けれど、以前は可能だったことができなくなった。強打は控えなければならない。身体が温まるまでは痛みが酷い。手首を固定できず、ボールコントロールが甘くなる。長時間のプレーは痛みを呼び覚ます。ストレスを抱え、時には諦め、自らに呆れながらプレーを続けて来た。

SankakuKin2012年初夏、右肘の痛みは日常生活に支障を来すレベルに変わった。ビールジョッキを持つのも辛い。あるスポーツ専門の整形外科で診察を受け、痛み止めのステロイド注射を打つか、PRPという耳慣れない治療を行うことを勧められた。PRPとはPlatelet Rich Plasmaの略。日本語では多血小板血漿と呼ばれ、自らの血液から組織の修復を行う血小板を抽出し、損傷している部分に注射するという治療法だという。但し、保険治療が認められておらず、自費治療。その上、患部が快復しようとするため炎症を起こし、人によってはかなり痛いらしい。主治医はこともなげに「かなり痛いらしいです」と宣う。らしい、とは無責任だとも思うが、自分では体験してないのだから正直なコメントか。それにしても痛さにめっぽう弱い私。正直怖い。けれど長年苦しんで来た痛みが消える可能性があるのならと、PRP治療を選択した。

PRPをCT、MRIで撮影したデータを元に最終判断。やはり患部の腱が損傷しており、そこに注射することで治癒する可能性が高いという。決断。術後数日は患部の腫れや痛みが想定され、2週間は肘を固定する必要があるとのことで、3連休の直前にPRP治療を行うことを決めた。CT、MRIを含めると10万円近い出費。痛い。その上患部も痛いとなると辛い夏になりそうだ。と、ビビり続けた上に、覚悟を決めて臨んだ当日。治療は順調に行われ、三角巾で固定されて帰宅。ところが患部麻酔が切れても、なぜか痛くなぁ〜い。嬉しい反面、効果がないのではと不安にもなる。とは言え、患部の腫れは予想以上。炎症も確実に起きている。3日間はシャワーのみで風呂は入れず、アルコールもだめ。これは別の意味で辛い。いや、こちらの方が辛いかもとさえ思ったのは、幸いにも痛みがないから。友人の情報ではテニスのクルム伊達公子さんも同じPRP治療を同時期に行い、痛みが数日間続いたという。

BeforeAfterみはいかがですか」2週間後、術後の診察を受け、主治医に患部を触られる。あれ?痛くない。けれど、2週間ずっと肘を固定する訳にはいかず、ふとした弾みに右肘の痛みが走った。良くなっているのか、いないのか。患部を超音波検査で比較してもらった。先生の解説によると、写真右上の患部が、左側の術前は黒い(破損している)部分が多いのに対し、右側の術後写真は白い筋のようになった腱が快復しつつあるとの見立て。「また2週間後に経過を見ましょう。それまでは手首や肘はなるべく使わないようにしてください」う〜む。それは難しい。現にこの記事も右手を使って作成している。過度にパソコンは使わない、重いものは右手で持たない、などと緩めの自己規制を定め、日常生活に戻った。

ぁ、マダムと一緒にスカッシュするんだから、それまでに治すんだよ!」旅行の時には普段は持たないスーツケースを持ち、重いドアは先回りして開けてくれる。「右手使っちゃだめ!」ずっと私に代わってやってきた家事は、私の元に帰って来た。「私の家事強化週間は終了!」妻は、優しく、厳しい。

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