ご近所なのに、ご近所だから「李朝」成城

kimuchiKARA、少女時代、超新星…日本のヒットチャート上位にK-POPがずらりと並んでいる。2001年にBoAが、2005年に東方神起がデビューした頃は、個々のアーティストが日本で活躍しているという程度だった。けれど最近は、J-POPとK-POPは(アルファベットでもJとKは隣だし)溶け合っている。K-POPのアーティストが日本語の歌詞で歌い、インタビューにも日本語で答えるという戦略的に日本マーケットを意識している結果。そして、スポーツでも日韓の選手が同じ舞台で競うことが多い。ゴルフでは、連続賞金王が期待された遼くんと横峯さくらを抑え、今年の賞金王は共に韓国の金庚泰と安宣柱。バンクーバーオリンピックでは、浅田麻央と金妍児(キム・ヨナ)のライバル対決が話題になり、麻央ちゃんが涙の銀メダル。

makkoriれど、ご近所だからと言って仲が良いとは限らない。韓国が日本の大衆文化(マンガ、歌、映画、TV番組など)を解禁し始めたのは1998年の金大中政権以降のことだし、日本が韓国に対して妙な優越感を持っているのは(韓国では侵略者の評がある)豊臣秀吉以来の歴史が影響しているのかもしれない。良い意味でライバル意識を持ったり、連携しようと思う気持もたぶんお互いにある。スポーツで言えば2002年日韓共催のサッカーワールドカップしかり、経済で言えば世界にアピールしなければいけない極東の輸出国としてのポジションしかり。ところで、日本で韓流がブームの如く韓国で日本のアーティストが人気なのか、日本で焼肉を始めとした韓国料理が人気なように韓国で和食が一般的かというと、否。輸入超過、輸出不足。日本ではフツーに韓国風焼肉屋はあっても、韓国には日本料理屋は少ない。

hasamiyaki気楽夫婦が住む街に絶品の韓国料理店「李朝」がある。本店は成城学園前。からだがよろこぶ韓国料理。それが店のコンセプト。ある日、やはり成城にある足裏マッサージ「Foot Advance」の帰り、李朝成城店に立ち寄った。早めの時間にも関わらず、入口付近の大きなテーブルにはオシャレな奥さまたちのグループが、他のテーブルも家族連れの先客でいっぱい。それでもなんとか最後のテーブルに座ることができた。ほっとしながらメニューをながめつつ、隣の席をふと見ると、TVで見慣れた顔。週のはじめにみのもんたと一緒にTBSの朝の番組でお見かけするコメンテーター。奥様、お嬢様たちと一緒にお食事中。お住まいがご近所なのだろうか。和やかで、リラックスして料理を楽しんでいる雰囲気が伝わって来る。良い感じのご家族。

cahpuche気楽夫婦も負けじと?さっそくチャプチェ、キムチとナムルの盛り合わせなど、お馴染みのメニューをオーダー。「うん、やっぱりこの店は美味しいよね♫」と妻も満足げ。でも、メニューは同じだし、味も同様に美味しいのだけれど、お気楽夫婦の住む街の、同じ店とは雰囲気がやや違う。どちらの店も落着いた内装で、丁寧な接客。初めて味わう料理の内容を尋ねても優しく教えてくれる。優劣は付け難い。たぶん、違いはホームとアウェー(笑)の差。つい身贔屓になるし、落ち着けるホーム。ややよそ行きの気分になり、適度の緊張を伴うアウェー。それぐらいの違い。「客層も違うんじゃない」う〜む。それも否定できない。同じ世田谷でも下町の風情も漂うお気楽夫婦のホームタウンと、成城とは確かにちょっと違うかなぁ。

reimenDean & Delucaもドミニクサブロンも、スタバやマックもないしね。まちづくりでなんとかして!」う〜む、まちづくりとは微妙に違うけれど、気持は良く分かる。小田急線の連続立体交差化による駅前の再開発が進む成城と、これから事業が始まろうとしているお気楽夫婦のホームタウン。日韓の関係のように近くて遠い高級住宅地には、街並の形成など見習うべき部分も反面教師とするべき部分もある。「そんな面倒なことは言ってないんだけど、せめてスタバが欲しい」…妻の言い分は分かりやすい。

あなたは誰のサンタクロース?「SILIN 火龍園」六本木

Shampagneかが誰かのサンタクロース」東京ミッドタウンのクリスマスシーズンのキャッチコピーだ。お気楽夫婦にとってお気に入りのフレーズ。ほぅっと気持が優しく温かくなるコピー。お気に入りと言えば、食いしん坊な2人の恒例行事となった年末の挨拶を兼ねたお気に入りの店回りの季節。また今年もお世話になりました、ごちそうさまでした!と馴染みの店を訪ねる日々。ある週末、お馴染みの1軒、SILIN 火龍園を訪問しようと電話をする。この店はミッドタウンの芝生広場で開催されているイルミネーションプログラム「スターライトガーデン」を眺める絶好のロケーション。電話を受けてくれたのは総支配人の根本さん。「あぁ、IGAさん、こんばんは。この日は窓際は空いてないんですけど、キャンセルが出たら窓際に変更しておきます」早めの予約にも関わらず、窓際は満席とのこと。凄い。

Oister約当日、早めにミッドタウンに到着し芝生広場へ。会場に近づくにつれ歓声が大きくなる。黄昏時のイルミネーション。薄闇の青空が美しい。ただ、余りの人出と底冷えの寒さに辟易し早々に広場を離れる。見上げればSILINの窓ガラス。あの窓から眺めれば良いやと自分を納得させる。店を訪れると案内されたのは窓際の席。目の前にイルミネーションが広がるベストポジション。席にやって来た根本さんにお礼。「今日は海鮮が少ないんですよ。あっ、焼物、取っておきました」と根本さんが呟き、ほくそ笑む。了解。そして、牡蛎を焼いていただくことに。「こちらは、究極の薬味と言われている暮坪蕪で召し上がってみてください」ふぅ〜ん。ぷりぷりの牡蛎にたっぷりとおろした暮坪蕪をかけ、ぱくり。うっ、うんまぁ〜いっ!ジューシーな牡蛎をほんのり辛く上品な香りで包み、そしてさっぱりと美味しくさせる。聞けば『美味しんぼ』で紹介された薬味らしい。そんな事に関係なく、旨い。

EggShangHai krubニラともやし炒め、芝エビと卵炒めを美味しくいただきつつ、窓の外のイルミネーションを楽しむ。芝生広場が一瞬闇に包まれ、流れ星のような光が広場に飛んできたのを合図にブルーを基調にした華やかながら上品なイルミネーションが始まる。「あれ?IGAさんに差し上げましたっけ?」根本さんがやって来て小さな手書きメモを見せてくれる。いえ?何ですか?「それは失礼しました。このプログラムのパターンを観察してメモしたんですよ」見れば、15分単位で変わるプログラムを詳細にメモした手作りのガイド。15分に1回クライマックスが訪れ、そのチェックポイントは3連の流星だという。「始まった頃は余り忙しくなくって、一所懸命メモしたんですよ」小学生の自由研究のようにスターライトガーデンを観察する根本さんの姿が目に浮かぶ。なんとも微笑ましい風景。そして、心温まるクリスマスプレゼント。

starlightgardenilluminationころで、シメに上海がにのチャーハンはどう?「えっ!食べたいけど、×,000円もするよ。良いの?まるでお金持ちみたいだねぇ」妻がはしゃぐ。2人で一皿。小食の2人だからこそできるゼータク。「うわっ!美味しいぃ〜♡」上海がにの剥身がたっぷり入った豪華な一品。独特の香りも素晴らしい。幸せなくらい美味しいと告げると、「ありがとうございます。お2二人にはクリスマスのプリフィクスメニューよりも、アラカルトの方がおススメです」根本さんからも太鼓判。(実は今回、クリスマスシーズンに予約しようと電話をして、プリフィクスメニューだけと言われて日程を変更した)手書きのガイドを眺めがらゆったりとお茶を飲み、イルミネーションを楽しむ。幸福な時間がイルミネーションの流星と共に流れて行く。

味しかったね。「うん、大満足♡ウチは買い替えれば10年は使う布団カバーはなかなか買わないけど、すぐに食べ終わる×,000円のチャーハンは迷わずオーダーするよね」なるほど。私が買い替えようと主張する布団カバーは、言い出して2年は使い続けている。そして、布団カバーは上海がにチャーハン約2杯分で買える。う〜ん、これがお気楽夫婦のお気楽たる所以かぁ。

X’mas Carolの似合う街で「状元樓 自由が丘店」

XmasCarol in JiyugaokaMegamihiroba12月に入ると、クリスマスツリー、リース、イルミネーションで着飾った街にクリスマスソングが溢れる。ある週末、お気楽夫婦は自由が丘に出かけた。♬クゥリィスマァスキャロルがぁ〜♫という稲垣潤一のハイトーンヴォイスが似合う街…ではなく、クリスマス聖歌が似合う街。自由が丘商店街でクリスマスに行われるのはクリスマスセールではなく、JIYUGAOKA CHRISTMAS THANKS LIBERTY 2010と銘打ったHAPPY CHRISTMAS CAMPAIGN。そのスタートのイベントは、地元幼稚園児によるクリスマスキャロルの合唱だったり、自由が丘ゴスペルクワイアのライブだったり。駅前ロータリーの全面改修により女神像が一時撤去されているために、白いドレスを着せたマネキンにライトを当てて光のオブジェを演出したり、イベントで集めた廃油を使ったエコキャンドルの点灯式があったり。

Xmas TreeGospelつもながらオシャレだねぇ」と妻。確かに駅前でクリスマスキャロルやゴスペルを歌っても街の雰囲気に良く似合う。見ている方が照れてしまうような、いかにも借モノの上滑りするイベントではなく、街に馴染んでいる。広場に集まった人々も拍手をし、手拍子を取り、実に楽しそう。ステージの裏に回ると、イベントを担当する商店街の若手スタッフたちが忙しそうに動き回り、観客に混じった幹部たちはそんな姿を温かく見守っている。一通り挨拶をした後は観客として、買物客のひとりとして街を楽しむ。南口の緑道に廻ると、根付きのままで群馬県嬬恋村から運んできたもみの木が、クリスマスツリーとして優しく上品に輝いている。クリスマスが終わるとオーナメントは土に還り、ツリーは森に還って行く。エコを徹底して意識したイベント。

JougenrouShanghai Crabろそろお腹が空いてきたねぇ」と急かす妻を連れて、状元樓自由が丘店に向う。カード会社と組んでクレジットカード利用促進キャンペーンを仕込んだ立場上、期間内にカードを使って食事しようという企て。上海料理の名店で、上海がにを食べようという企画を提案すると妻は大歓迎。ちなみに、恒例の上海がにを友人たちを集めて食べる企画は例年通り、地元の中華料理店で開催済み。ということで、その日は少し捻りを入れて、上海がに入り小龍包をいただく。運ばれてきたのはオレンジ色の小龍包。レンゲに乗せ、注意深く端を齧り、慎重にスープを少し啜る。小龍包を食べる時の大事な儀式。上海がにのミソの香りが口中に広がり、濃厚なスープが舌の上で踊る。旨いっ♫

ShoronpouShrimpれは幸せな味だねぇ♡」と妻も満足げに微笑む。満席の店内では、上海がにコースを食べるグループも多く、あちこちでカニスプーンを持ち奮闘している人が目に付く。蒸す前の上海がにを見せられる度に歓声が上がる。不況もどこへやらの幸せそうな風景。ところで、いつも声を掛けていただく店長が見当たらない。スタッフに尋ねると「本店の店長として異動になりました。あちらでも頑張っています」とのこと。それは残念だけれど、嬉しくもあるご栄転。「じゃあ、中華街の店にもまた行かなきゃね」なるほど。食べに行く(または買物に行く)という行為は、何かのモチベーションが必要な時もある。それもまた良し。

を元気にするためには、イベントやキャンペーンだけではなく、人と人との繋がりが大切。あの店の、あの人に会いに行く、というモチベーションは人を動かす。商店街での接客は、小さなコミュニケーションの積み重ね。良い商品や価格だけではなく、心地良い接客が人を集める。「中華街にはいつ食べに行こうか?」妻のモチベーションは、味らしい。

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SINCE 1.May 2005