忘年会<新年会「用賀 本城/萬来軒」

NewYear1年会シーズンが嵐のように去り、新年会もようやく落ち着いた。気が付けば、あっと言う間に如月2月だ。忘年会は、文字通り年忘れの宴会。1年間お疲れ様と杯を交わす。それに対し新年会は、これまた文字通り、新しい年を祝う会。忘年会よりもオフィシャルな意味合いが強く、会社単位で開催されたり、賀詞交換会という呼称で公的機関が開催する場合が多い。同窓会やクラス会などの開催も新年の場合がほとんどか。

NewYear2人同士の場合は、忘年会でスケジュールが合わなかったから、新年会というケースが多い。けれども、年末の慌ただしさに追いかけられず、年が明けたという新たな気持ちで、何となく時間的にも落ち着いて会える新年会が割と(いや、かなり)好きだ。年末に伺った際に、「用賀 本城」が2月ひと月お休みと聞き、では新年早々に京都の白味噌仕立ての雑煮を食べに行かなければと予約。スカッシュ仲間と新年会という企画だ。

NewYear3方の故郷が京都というスカッシュ仲間も、愛知の味噌文化が近いお気楽妻も、西京白味噌の雑煮が好物。この店で初めていただいた際に、お気楽夫婦のお気に入りの料理になった。そして、そこにもう一人のスカッシュ仲間、と言いってはおこがましいが、元日本チャンピオンの千夏ちゃんをお誘いした。 昨年夏以降は大会にも出ていなかったので、もしや?と思っていたら、予想通りにご懐妊の報告があったばかり。

NewYear4調も安定したものの、まだ以前のようには食べられないという彼女は、確かに驚くほど少食になった。けれども、無事に出産したら現役に復帰するとの宣言だけではなく、全日本にも出場したいと言う。嬉しい!素晴らしい!その意気や良し。何て新年会に相応しい話題だ。思わず独りで(残念ながら他は誰も酒は飲まない)乾杯。お土産にと、バゲットを買って来てくれたパン好きは相変わらずの千夏。どうか母子共に健康で!

NewYear5して今年初めて参加したのは、やはりスカッシュ仲間たちとの新年会。昨年末にお気楽夫婦が揃って入会した鬼沢コーチのレッスン生たちが30人程集まった賑やかな会。“鬼”沢という名前の通り、レッスン中にカウントを取り、敗者には笑顔で罰ゲームを課す。千夏ちゃん同様に、日本代表にも選ばれたことのある女性コーチだ。我ながら年齢の割に走れるのが災いして、汗まみれになるレッスンが続く。今年はお手柔らかに。

NewYear7生日おめでとう!」「ありがとう!(×3)」と、新年会を兼ねた、誕生日(何と1月生まれが3人!)のお祝いをしたのも、スカッシュ仲間たち。ご近所の四川の名店「萬来軒」で、持ち込んだシャンパン(グラスも持ち込み)で乾杯だ。余りにも愉しげに(騒がしく)していたせいか、見知らぬ独り飯のご老人が混ざり込んで来たのもご愛嬌。嫌がりもせず、鷹揚に大先輩の話に合わせるのは酔っ払い(女子たち)の懐の深さ。LOVE♡

NewYear8カッシュを通じて、良い仲間と出会ったとしみじみ思う年の始め。仕事のしがらみや、ストレスを抱えることもなく(お付き合いするのに面倒な相手もいるが)、同じスポーツを愛すると言う共通項で、一緒に汗を流し、美味しい酒が飲める。シンプルに嬉しく、つくづく有り難く、心から幸福なことだと思う。…あぁ、何だかまるでジイさんの心情だ。私も間もなく61歳。何だか不思議だが、今年も元気な1年のスタートだ。

正月気分の残る夜に『お正月』玉造小劇店配給芝居

Oshogatsu1西弁って、えぇなぁ…。そう思わせる芝居がある。劇団「リリパッドアーミーⅡ」を率いる座長のわかぎゑふが、1994年に立ち上げたもうひとつの劇団「ラックシステム」だ。ただ関西弁、と言っても京都と大阪を一緒にすな!とか、突っ込みが入りそうで怖いが、正確にはわかぎの生まれた“大阪弁”なのだろう。いずれも「お」で始まる公演タイトルの、大阪を舞台にした、登場人物の台詞のほとんどが大阪弁の物語。

Oshogatsu2気楽夫婦が初めて「ラックシステム」の芝居を観たのは2000年、代表作の『お正月』だった。その数年前にリリパの舞台を観て、2人揃ってすっかりファンになり、その流れで東京でほぼ初演(1995年のホントの初演は大失敗だったらしい)の公演を観て、完璧に打ちのめされた。わずか2時間の芝居で、舞台転換もなく、早替わりもなく、ある一家の明治から平成までの、それも元旦だけの場面で、100余年の物語を紡ぐのだ。

*正確には、お気楽夫婦が最初に観た『お正月』は「中島らも事務所プロデュース公演」。

Oshogatsu3弁当』『お祝い』『お見合』『『お願い』『お弔い』…その後のラックシステムの芝居は、リリパと同様にほぼ(残念ながら大阪のみの公演もあるのだ)観に出かけた。いずれも繰り返し何度か再演され、それでもきちんと客が入ることから「関西小劇場界のネオ商業演劇」とも呼ばれている(出典:wiki)…らしい。お気楽夫婦も、新作、再演関係なく迷わず出かけて行った。そしてどの公演も満足して帰って来た。

Oshogatsu4めつけは、ラックシステム15周年の記念公演として上演された『お代り』と言う『お正月』の姉妹編。『お正月』の主人公鈴木家のお隣に住む山田家の物語。やはりお隣さんだった「萱野家」の小椋あずきも登場する、ファン泣かせの企画。女性の家族全員が同じ顔をしており、母か娘か妹かお隣さんでも分からないけれど、正月には決まって黒豆のお裾分けを持ってくるという、お約束ネタで笑いが取れる“おいしい役”だった。

Oshogatsu5して、2019年1月、待望の『お正月』15年ぶりの再演だ。会場の受付では怪優「コング桑田」が物販の告知をしている。声を掛けるとニカッと笑い、「お寒い中ありがとうございます」とハスキーなバリトンボイスが返ってくる。お気楽夫婦がリリパとラックシステムを観続ける理由のひとつが、彼の存在だ。ステージ上での初見で驚愕。存在感あり過ぎの見た目と、良く通る声。惚れた。でも喰われるかと思った。ナマハゲか。

Oshogatsu7台上では猛獣(コング)使いの座長わかぎの前でこそ、まるで大きな子猫のようだが、今や『レ・ミゼラブル』などのステージにも欠かせないゴスペル歌手でもある。彼のミニライブに出かけた際にことばを交わし、観劇の度に挨拶する程度の中になった。以前は東横線沿線に住んでいたようで、車内や改札で何度か偶然出くわし、短い会話を交わしたことも数度。そのコング桑田も(粗っぽいが)この舞台では良い芝居をするのだ。

Oshogatsu8は3役。前回とも、前々回とも違う役回り。*写真は別の公演の際に撮影。配役同様に、物語の結末は毎回違う。関東大震災を経験し、地震のない関西に嫁いだ主要登場人物のハルが、阪神淡路大震災を経験することで、ある結論を出すという前回までのストーリーに、今回は東日本大震災のエピソードが加わった。じんわり泣けて、思いっきり笑えて、正月の観劇にぴったり。次回の再演(あるのか?)も期待したくなる傑作だ。

カラスミ尽くしとガレット・デ・ロワ「公現祭の夜」

Rois1レット・デ・ロワ食べたい!」フランス人でも、キリスト教徒でもないスカッシュ仲間が年末にそう宣言した。それも受付初日の朝に電話が繋がらず、1時間余りで完売するという人気店のガレット。1月3日、朝9時からの予約開始。「なかなか手ごわいですな。繋がらない」と友人からメッセージ。妻が店のサイトをチェックすると売切れの案内。そう伝えると、「67回も掛けたのに…」と涙。大丈夫。他に良い店がある♬

Rois2約できたよ!」代わりの人気店で無事に予約。後は公現祭の日に集合し、今年最初のスカッシュ、そしてデパ地下のデリと組み合わせた「ビストロ808」でガレットを食べるだけ。スカッシュで汗を流し、オードブルとメインの料理とワインを買い込みビストロに向かう。全ての料理を作る普段の開店よりもお気楽お手軽。新たな営業スタイル。とは言え、いつものキャロットラペと新作「タコ焼きチーズ」を準備していた。

Rois3〜!何これ!本当にタコ焼き?冷たいよ!あらっ、美味しい。何だろう?」ふふふ。正体はクリームチーズのカラスミ和え。小さなボール状にしたクリチに炙ったカラスミをおろして塗し、青ノリ代わりのパセリ、紅ショウガ代わりのピンクペッパーを散らしたもの。続いてグリーンアスパラのミモザサラダの上にゼータクにカラスミを振り掛けた一品。「うわぁ〜っ!このサラダもキレーで美味しいね」ワインがすすむ。

Rois4ってきた鴨のスモークと焼き野菜サラダを盛り付ける。「美し〜!」盛り付けもまた料理。そしてダメ押しはカラスミのパスタ。オリーブオイルと粗挽きのブラックペッパー、残ったカラスミを全て投入し、固めに茹でたパスタと和えるだけ。シンプルながらカラスミを味わうにはぴったりの一皿だ。「うひゃーっ!参った!」「ゼータクだねぇ」お節と一緒に「割烹 弁いち」で購入した自家製カラスミが大活躍だ。

Rois6していよいよ主役の出番。ガレット・デ・ロワの登場だ。発祥はフランス。キリスト教の公現祭(1月6日にイエス・キリストの顕現を祝う祭日)が起源のお菓子。豆(フェーヴ:fève)や小さな陶製の人形をパイの中に入れて焼き、切り分けて食べる際にフェーヴが入っていた人がその日1日だけ王様や王女様になって祝福されるというもの。日本ではまだ浸透していないが、フランスでは年明けの風物詩となっている。

Rois5約したのはマロンクリームのガレット・デ・ロワ。どの店のガレットもパイ生地の表面を繊細で綺麗な模様で飾るが、この店のマロンは中央に大小2つの栗の模様が可愛いし可笑しい。ところで、その日のメンバーは4人。散々食べて飲んだ後に、ホールのパイを食べ切るのは厳しい。「じゃあ、1/8づつ半分食べて、フェーヴが誰にも入っていなかったら残りも食べよう!」まるでロシアンルーレット。

Rois7なみに、ガレットを買ったパティスリーの名前は「Yu Sasage(ユウ・ササゲ)」というお気楽夫婦のご近所にある人気店。週末は店の前の小さな通りに遠方のナンバープレートを付けた高級車がよく停車している。何度かこの店のケーキを食べたスイーツ番長のスカッシュ仲間、役員秘書も太鼓判を押す店だ。「あぁ〜!入ってない!」4人が4人とも同じ声を上げる。「ん、でもここも美味しいね」では、好評につき2周目。

Rois8様は私。けれども王冠も含め、被り物全般が悲しいぐらい似合わない。すかさず退位。被り物が何でも似合うお気楽妻に王位を譲る。むっ!悔しいほど王冠が似合う。「では、みんなで腹筋30回!」女王の命令は絶対。酔っ払い3人が揃って腹筋を始める公現祭の夜。「楽しかったぁ。ビストロ808の新スタイル、良いね♬またやって!」友人たちにも好評のデパ地下持込スタイルを取り入れて、2019年のビストロ808営業開始♬

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SINCE 1.May 2005