お気楽夫婦は大のハイアット好き。ハイアットとは、正式には「Hyatt Hotels & Resorts」という、グランドハイアット、パークハイアット、アンダーズ等のブランドを有する世界的なホテルグループ。2人にとって、結婚パーティを開いた「パークハイアット東京」をはじめ、「グランドハイアット香港」等、お気に入りホテルが多い。そんな2人が会員になっているのが「WORLD OF HYATT」というメンバーズプログラムだ。
以前は「ハイアット ゴルドパスポート」という名称で、特典のレベルの高さが魅力だった。例えば、6,000ポイントで、スタンダードルームからスイートルームへのアップグレードが、“3泊”まで可能だったのが、現在は“1泊あたり”6,000ポイント必要。3泊滞在する場合は、ポイントが今までの3倍必要となり、すなわちポイントの価値が1/3になってしまったのだ。これはかなり残念な規約改悪。改定後は妻の評価も低い。
とは言え、ハイアット好きは辞められない2人。せっせとハイアットグループのホテルに宿泊する日々。今年も2月のパークハイアット東京での宿泊(なんとディプロマットスイート!に2泊!)とパーティーから始まり、合計年間13泊という記録的な実績を上げた。ちなみに1usd利用で5p獲得、すなわち6,000ポイント貯めるためには1,200usd≒13万円分の宿泊や食事、宴会の利用が必要ということになる。ハードルは高い。
その高いハードルを超えて、メンバーズのランクをアップする方法は、年間の宿泊数や獲得ポイント。例えば宿泊が10泊、または獲得ポイント数が25,000ポイントで「メンバー」から「ディスカバリスト」になる。お気楽夫婦のランクは頑張っても、せいぜいこのステージだった。ディスカバリストの特典は、ポイントが10%増しになり、レイトチェックアウトが可能になる等、可もなく不可もなくのレベル。
ところがある日、ハイアットからメールが届いた。あと00ポイントでエクスプローリストになるよ!という悪魔の囁きのような内容。それもどうやら到達可能な数字。すると妻がそのメッセージに食い付いた。「どこか近くに1日だけでも泊まるか、これぐらいのポイントだったらゼータクな食事だけでもいっちゃうね♬」むむっ。ハイアットのプロモーションに乗せられて、まんまと罠にハマりに行く獲物状態。やれやれ。
今年1年を振り返ると、相変わらずのハイアットホテル三昧。春のパークハイアットを皮切りに、2018年に開業した「ハイアットセントリック銀座 東京」、夏にはお馴染みの「グランドハイアット香港」、秋には「ハイアットリージェンシー那覇 沖縄」と開業したばかりの「ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド 沖縄」、そしてこの冬、「グランドハイアット香港」を友人たちと一緒に再訪した。
ハイアット以外にも、プーケットの「トリサラ」をはじめ、「ウェスティン都ホテル京都」「フォーシーズンズホテル京都」「パレスホテル東京」などにも宿泊しているのだから、お気楽夫婦のホテルジャンキーっぷりが分かる。その上、年末にホテルに泊まろうとまで言う妻。むしろ天晴れと言うべきレベルだ。その押しの強さに屈し、結局「ハイアットリージェンシー東京」で食事をすることになり、中国料理の「翡翠宮」へ。
「美味しかったねぇ」と食事の後に「ハイアットリージェンシー東京」名物?豪華なシャンデリアの下で満面の笑みの妻。普段なら、いくらぐらいになるだろう?と予算を考えて食べるのを、いくら“以上”食べなきゃいけないからと、ロブスターやアワビなどゼータクな食材を選んだディナー。「がっちり買いまショウ!のようで、楽しかったね」と年齢のバレる(決して「ゴチになります」ではない(笑))会話をしながら帰る2人。
翌日、ハイアットから待望のメッセージが届いた。無事に獲得ポイントが規定に達し、エクスプローリストとして無料宿泊券をいただけるという嬉しいお知らせだ。「これだとパークハイアットには泊まれないんだよね。グローバリストだったら泊まれるんだけどね」…それは、年間60泊か100,000ポイントで達成できるという禁断のクラス。まさか?「ライフタイムグローバリストなら生涯…」その先の妻の説明を聞くのが怖い。
「香港スカッシュオープン 2018」が、今年も香港スカッシュセンターと香港パークスポーツセンターで開催された。お気楽夫婦は今年も(もちろん試合を観るだけ)参戦!初めて観戦に行った1998年以来、今年で4年連続8回目の観戦だ。最初の観戦、1998年はまだ男子のみのトーナメント。第1シードはピーター・ニコル。以下、ジャンシール・カーン、ジョナサン・パワー、ロドニー・アイリスと懐かしい選手の名前が続く。
1998年の優勝者はジョナサン・パワー。テニスで言えば、ジョン・マッケンローのようなやんちゃな存在のチャンピオンだった。スカッシュを始めたばかりのお気楽夫婦は、選手の名前と顔が一致せず、同行のスカッシュマニアの友人にその存在を教えてもらった。*それでも写真は一緒に撮る(笑)。2005年からは男女共に開催。その年から2015年までニコル・デイビッドが11連覇!圧倒的な強さを誇ったレジェンドだ。
ところで、今回は「スカッシュセンターでスカッシュしたい!」と、同行のスカッシュ仲間が宣言し、全員ラケットやシューズ持参で香港に行っていた。プロ選手が試合を行なっている同じ会場で、素人スカッシュプレーヤーがちょぼちょと練習をしていると、見覚えのある女性がコートサイドに現れた。伝説のチャンピオン、ニコル・デイビッドだ!すかさず記念撮影をお願いすると、にこやかに応じてくれた。スゲーっ!
スカッシュは(良し悪しは別にして)マイナースポーツであるが故、選手との距離感が近い。有名な選手でも会場のあちこちで見かけることができ、撮影をお願いすると多くの選手はフレンドリーに応えてくれる。*世界ランキング2位のアリ・ファラグ、怪我から復帰したアマンダ。
香港OPENは男女共賞金がUSD22,800=約250万円とスカッシュとしては高額で、有力な選手がほとんど全員参加するレベルの高い大会。テニスで言えば、グランドスラム大会クラス。スカッシュの盛んな香港であるからこそ実現しているイベントだ。美味しい中華料理を楽しむというもう一つの目的と共に、それが日本から(わずか4時間余りのフライトで行ける気軽さもあり)わざわざ観戦に行く理由だ。
香港滞在最終日、準決勝を見終えて大会会場前で記念撮影。「お兄ちゃん、強かったねぇ。でもやっぱりマーワン(弟:怪我で欠場)観たかったなぁ」エジプトのエルショーバギー兄弟を応援する友人が呟く。昨年初めて大会を観たとは思えない堂々たるハマりっぷりだ。そんな話をしながら駅に向かう。すると、その日の女子準決勝で敗退したサラ・ジェーン・ペリーとすれ違う。こちらは知っているから(笑)Hi!と気楽に挨拶。
その後、ホテルに戻り荷物をピックアップし、空港に向かい、出向手続きの列に並ぶ。すると、ラケットバッグを背負った短パン姿の長身の女性がすぐ前に並んでいた。うわっ!数時間前にすれ違ったサラだ!聞けば、彼女も帰国(イギリス)するのだと言う。すかさず記念撮影をお願いし、バッグの中からTシャツとペンを取り出した友人はサインまで頼んだ!「ところで、彼女名前何だっけ?」と友人に聞かれたのは内緒(笑)。
帰国後、決勝を観られなかったからと、妻は早速「スカッシュTV」をチェック。*何と彼女はスカッシュ専門のNET有料チャンネルを契約し、各トーナメントを観戦している。「やっぱりお兄ちゃん、優勝だ!」いそいそと友人に結果を報告。こうして1998年に友人から妻に感染したスカッシュ観戦シンドロームは、2人の友人たちに感染が拡大した。「来年も香港行くよ!」お気楽妻の周囲には、感染注意報が発令中だ。
今年も香港スカッシュOPENに行くぞぉ!と仲間と一緒に宣言をして約半年。事前に丸の内で香港を学び、三茶で香港を味わい、予習もばっちり。万全の態勢で香港に飛んだ。去年一緒に行って“ハマった”友人と、香港は20年ぶりぐらいだと言う友人は1日遅れで現地に到着。前日にあちこち下見をして、いかに香港を楽しんでもらうかを塾考して友人たち2人を迎える。まるでお気楽妻は現地コーディネーター状態(笑)。
旅のメインはスカッシュの試合観戦だけれど、もうひとつ大切な目的があった。カクテルタイムに「モアシャンパン?」とスタッフがグラスに注ぎ続ける、グランドハイアット香港のクラブラウンジの名物(笑)“わんこシャンパン”だ。友人たちは2人とも飲んべで、中でも1人は度々ランスのセラーを訪ねシャンパンを大量に(自宅用として)買い付けるツワモノ。そんな彼女たちと一緒に延々とシャンパンを楽しめるのだ。ワクワク。
香港初日、さっそく31階にあるクラブラウンジに向かう。ヴィクトリアハーバーを臨む広々としたスペース。九龍半島側、尖沙咀(チムサーチョイ)の摩天楼群、九龍湾の巨大な埠頭や、香港島側の銅鐸湾まで望める大パノラマが目の前に広がる。「わぁ〜っ!凄いね!天井高い!素晴らしい眺めだね!」と、初訪問の友人が声を上げ、「良いでしょう♬」と、妻がまるで自宅を褒められたように嬉しそうに微笑む。
「豪華ぁ〜っ!」カクテルタイムに供される料理の数々は(以前より減ったとは言え)冷製オードブルからホットミール、チーズやデザートまでゼータクに並べられ、終了時間ギリギリまで補充される。その上、どれも美味しいのだ。少食のお気楽夫婦はここでの食事が夕食になってしまう。「どれも美味しい♬私たちもこれが夕食で良いよ!」レバーペーストを気に入ったと言う友人が満面の笑顔。それを聞いた妻も嬉しそう。
夕食はホテルのラウンジで取るなら、せっかくの香港、中華料理を食べるのはランチ、という事になる。そこで香港2日目は「香港大會堂(シティホール)」にある「大會堂美心皇宮」で飲茶。香港でも珍しくなったワゴン方式の巨大なレストラン。受付の前には大勢の人だかり、聞けば1時間待ちだと言う。そこで、私1人が残り、3人の奥さまたちでジェニーベーカリーまでお土産を買いに行くという作戦に。
「チャーシューパイ、追加しようかな」「腸粉、滑らか!本場は違うね」ハイテンションのまま、賑やかに食事を終える。やはり中華は大勢で食べるに限る。そして最終日は前日と打って変わって高級路線。フォーシーズンズ香港の「龍景軒」で、豪華なゼータクランチだ。前菜の盛合せに入れてもらったローストグース、チャーシューは感涙もの。「クラゲ、ヤバい!」クラゲをリクエストした友人も美味しい歯応えにびっくり。
そして真打ちは「海老ワンタン麺」。お気軽なワゴン飲茶の店でも、ミシュランの星付きの店でも、シメで食すべきは、これだ。なぜか奥ゆかしく、どの店でも具のワンタンは麺の下に沈んでいる。そのワンタンを表に浮かび上がらせ、インスタ映え(インスタやってないけど)する写真を撮る。これがお約束。「このゴム麺(香港麺)がたまんないんだよね♬」お気楽妻が日本にいても発作的に食べたくなると言う大好物。んまい。
「香港、やっぱりイイね」「来年もまた来たい!」友人たちのそんなセリフが妻にとっては最大級の賛辞。君は香港政府観光局か!と思うぐらい熱心に、いかに香港の魅力を友人たちに伝えるかを腐心した妻。思えば、ひと口も飲まない“わんこシャンパン”を、実に嬉しそうに、得意げに、友人たちに勧める妻なのだ。気が付けば今回で記念すべき20回目の香港旅行。お気楽夫婦は、つくづく、しみじみ、香港LOVE!