ひと月遅れのHBD♬「中華バル808」

HBD1子食べたぁ〜いっ!IGA-IGAん家の手前にある店の♬」スカッシュ仲間から、そんなリクエストが入った。一緒にスカッシュをやった後、持ち込みタイプのビストロ開店のメニューとして、何を食べるか問題の答えだった。スカッシュとビストロ開店は同じ日には両立できず、新年早々にデパ地下でデリを買い込んでシェフの負担を減らす作戦に出た。それがお気楽で好評だったため、第2回目の開催となったのだ。

IMG_4522子は調布の1号店から、あっという間に各地に拡がった「肉汁餃子製作所 ダンダダン酒場」の焼き立てを持ち帰り。餃子の味はもちろん、“餃子とビールは文化です”と言うキャッチも異議はなし。とすると、他の料理も中華寄りにしなきゃだな、とスーシェフと作戦会議。結果、「砂肝の柚子胡椒和え」と「豚ロース肉とパプリカ炒め」「春菊のサラダ熱々ドレッシング」に決定。初めての「中華バル808」の開店だ。

HBD3カッシュで汗を流し、PARCO(調布のパルコには何と食品売場がある!!)で中華惣菜とワインを買い込み、最寄駅近くで餃子をテイクアウト。準備は万端だ。「砂肝美味しいね、柚子胡椒たっぷり」使い切れず賞味期限を迎えてしまうことの多い、調味料の大量消費メニュー。まるでしっかり者の主夫♬。アツアツとまではいかないけれど、餃子もキチンと美味しい。餃子とビールだけではなく、スパークリングワインも文化だ。

HBD4ロース肉とパプリカはバルサミコ酢で炒め、大皿に盛り付けた生の春菊の上に。エグ味の少ない生食に向いている春菊と、豚肉とパプリカの甘味が合う合う。残った春菊は、ごま油を熱して市販の玉ねぎドレッシングを加えたソースを掛けるだけで、もうひと品完成!「うわ〜っ、すごく美味しいです!」春菊好きと宣言していた新婚の奥様が唸る。中華料理“寄り”の「中華バル808」もなかなか好評のようだ。ひと安心。

HBD5インのボトルがほぼ人数分空になった頃、“乾き物”の皿がスーシェフからスッと差し出された。干しイチジクなどのドライフルーツ、アーモンド、チーズのハチミツがけ。ほぉ、これは旨い。普段からナッツ類やポップコーンなどの乾き物を主食としている(!!)お気楽妻のセレクト。そして、メインの料理を食べ終え、デザートに移ろうかという絶妙なタイミング。更にワインが進んでしまうじゃないか。

IMG_4526してデザート第1弾は“白いイチゴ”。自分ではとても買えない高級フルーツ。新婚の奥さまのご主人(その日はお留守番)が気を遣ってくれたとのこと。良いダンナさまじゃないか。そしてメインのデザートは、バースデーケーキ。実はその日のメンバーの内、2月生まれが私自身を含めて4人。合同でお祝いしようと調整したスケジュールが3月にずれ込んで、ひと月遅れのHBDになったのだ。とは言えお祝いはいつでも楽しいっ。

IMG_4524BDケーキは、お気楽夫婦の地元が誇る3大スイーツ店*のひとつ「パティスリー・ユウ・ササゲ」で調達。*残る2店は、もちろんお馴染みの「ショコラティエ・ミキ」「ル・プティ・ポワソン」。赤丸急上昇中のこの店は、スカッシュ仲間のスイーツ番長も太鼓判だ。ローソクの火を一緒に吹き消そうとすると、「へへっ!」と言いながら一気に消してしまったのは、スカッシュ仲間のお花の先生。子供かっ!と皆んなで大笑い。

HBD8日も飲んだねぇ」ん、楽しかったねぇと、2人で後片付けをしながら飲み干したワインの瓶を並べてみる。餃子と同様に、飲みたい!と切望された「クラウディ・ベイ」のソーヴィニヨン・ブランあり、高畠ワイナリーの「嘉」あり、お手頃で美味しいワインばかり。まるでその日、気の置けない仲間たちと過ごした時間のように。これだからビストロ開店は止められない。さて、次回の開店は、どなたをお招きしようか。

ヴァレンタインデー・キッ鮨♬「鮨いち伍」

Gift1生日に何が欲しいかと妻に問われ、考えてみた。広尾駅から徒歩2分のマンションが売りに出ていたなぁ。第二期販売が始まった恵比寿駅から5分の新築マンションも魅力的だ。今の住まいを買い換えるつもりもないのに、そんなモノが浮かぶ。実は私は物件情報収集が趣味なのだ。欲しいかと言われれば、欲しい。けれども今自分に何を問われているのかは、さすがに60年以上生きていれば理解できるので、脳内に留めた。

Gift2に問われた場所がパークハイアットのペストリーブティックの前だったから、瞬時に発想を切り替え、目の前のショーケースの中で輝いていたマロングラッセが欲しいと伝えた。その場しのぎではなく、実はかなりマロングラッセが好きなのだ。その上、パッケージが荒井由実の『14番目の月』のジャケ写のようで魅力的。「え?これで良いの?」と訝しむ妻。けれども、その心遣いだけで嬉しいと、心から喜んだ私だった。

Gift3ァレンタインディナーに寿司はどう?と妻にメッセージを送ると、「いち伍、良いねぇ」と返信があった。お気楽夫婦にとっては、寿司=「鮨いち伍」、すなわち他の店では鮨を食べない、という明確なルールがあるのだ。さっそく電話をすると、当日にも関わらず、何とか予約ができた。困った(嬉しい)ことに、以前は知る人ぞ知る店だったのに、最近は日によっては予約が取れないこともある、すっかり人気の店なのだ。

Gift4待たせしてすいません。これ食べてもうちょっと待っててください」忙しそうに立ち働く大将からそう言われて出てきたのは、私の大好物のカラスミ!待ちます待ちます。こりゃあ日本酒だ。鼈甲色に輝く粒々を、少しづつ大切に食べなから、キリッと冷えた酒をグビリ。んまい。「あれっ!もう無くなっちゃうじゃないですか!速いですよ」そう言われても、ちびりグビリは止まらないから仕方ない。ん、んまい。

Gift5待たせしました」付け台に飾り包丁の付いたイカが乗せられる。その日は2組の予約客向けのコース料理の前菜に手が掛かっていた模様。何枚もの小皿に美しく料理が盛り付けられていた。「ヴァージョンアップしたんです」と大将。少食のお気楽夫婦は、ずっと縁がないメニュー。2人はいつもの通り、お任せの握り。鯛の昆布締め、サヨリと好みの白身魚のネタが続き、マグロ、コハダと絶妙な組合せで絶品鮨が供される。

Gift6の日の逸品はシラウオ。突き出しのシラウオの卵豆腐で、その予兆は感じていた。けれど、こんな姿で出て来ようとは!シラウオの握りの上に、エスプーマ!寿司屋で、それも地元の店で、まさかこんな!と2人は驚き、大将は照れる。「ウチも今年で10周年なんですよ」ほぉ、もう10年かとも思うし、もっと長くお付き合いしているような気もする。「最初の頃は、ホントIGAさんのブログで助かりました」てへ、テレるぜ。

Gift8Gift」には、贈り物や贈与という意味以外に、“天”が与えた才能という意味がある。誰かに何かを贈ろうとする時に、相手のことを思い浮かべる。あれこれと、相手が好きなもの、喜んでもらえることを想像する。それが自然にできる人も、選ぶ楽しさを味わえる人も、どちらもプレゼントの才能がある人だ。大将に何かを贈ったつもりはなく、却って嬉しいメッセージを受け取った。受け取り上手もきっと才能だ。そうありたい。

年もいっぱい頂いたねぇ」2月は妻の喜ぶ季節だ。その妻から、スカッシュ仲間から、会社の部下たちから、宝くじ売り場のおばちゃんから、ヴァレンタイン・ギフトをいただいた。贈っていただくこと自体の嬉しさ満載。大半は妻が消費するにしても、倍返しを期待されたものだとしても、甘く嬉しい頂き物だ♬

*GIFTは「もうけもの」という意味もある。頂けるだけでもうけもの♬

Happy Birthday to ME !「年齢はただの数字」

HappyBD1Age Ain’t Nothing but a Number」年齢はただの数字よ!と、R&Bの歌姫アリーヤが歌ったのは1994年。彼女はまだ“わずか”15歳だった。そして2001年、飛行機事故により“わずか”22歳の若さで亡くなってしまう。「年齢はただの数字、記号さ」と嘯く、年齢を重ねた男女が使う言葉とは逆の意味。15歳は子供じゃないわと彼女は歌った。この曲は、山田詠美のエッセイで知ったのだが、詠美のエッセイではこう続く。

HappyBD2齢を単なる数字、などと強がるのは、もう止めましょう。意味のある数字と受け入れる方が、人生はるかに楽しいよ、と。ん〜、どっちも違って、どちらも合っていると“61歳”の私は思う。世の中の多くの日本人には定年もあるし、元気だと思っていても確実に老いもする。年齢を数字だとばかりは言っていられない。けれども、年齢を気にして、自分を制限する必要もない。その意味では、年齢は単なる数字に過ぎない。

HappyBD3生日おめでとう♬」ありがとう&おめでとう!と一緒にお祝いをしようと同行した2月生まれの友人に返す。場所は、前年に私の還暦と、妻との25周年を祝ったホテルのバーだ。事前にお世話になった宴会のご担当に挨拶に伺い、友人たちと記念撮影をした場所で自撮りをした後で、友人と落ち合った。「このピッツアむちゃ美味しいね。やっぱりこのホテル良いわぁ」と笑顔。ひと回り年齢の違う彼女は、大切な友人だ。

HappyBD4上の方に敬意は払うけれど、年齢の違いが儒教的な上下関係になるのは違和感がある。逆も然り。年上だからと、敬語ばかり使われる相手との距離感はなかなか縮まらない。ビールの後は、シャンパンにする?「おっ、良いね。飲もうか♬」私をIGA-IGAと呼ぶ友人が応える。そうか。タメ口ができるかどうは、年齢や親しさを測るだけではなく、彼女のようにキャラ勝ちの要素はあるな。*IGA-IGAと呼ぶ女性を数えたら、現在7人いた!

HappyBD64年後に、お気楽妻の還暦パーティもここでやろうか!と、冗談とも本気とも聞こえるように言うと、「良いねえ」と友人は答え、妻は「きっとそんなに大勢集まらないよ」と戸惑いながら、それでも満更でもなさそうに返す。2人一緒の写真を撮るよと言うと、「恵方巻き!」と言いながら、2人揃って同じ方向を向いてピッツアを咥える。こんな時は(うっかり)友人の子供のようなテンションに(嬉しそうに)釣られる妻。

HappyBD8Happy Birthday to You ♬」ピアノトリオの演奏に合わせ、ヴォーカルの女性が歌い始めた。へぇ。私以外にも誕生日の人がいるのか、と思っていたら、キャンドル付きのプレートが我々の席に向かってやって来た。え?え?店内にいる全員の視線が集まる。わ・た・し?どうやらそうらしい。そう言えば、直前にスタッフが執拗にデザートを勧めるから、数種類の中から一つだけ頼んだのに、何と全部盛りだ!サプライズ!

HappyBD7N田さんの手配だね♬」お気楽妻が動揺した私を愉快そうに眺めながら呟く。そうか、確かにちょうど1年前のパーティでお世話になってと言う会話があった。昨年の巨大なイチゴのケーキサプライズに続き、2年続けてしてやられたぜ。「すごい!初めて!こんなの!」友人は興奮を隠せない様子、どころか「次のステージでもう一回お願いしようよ」と宣う。え?本気?止める間もなく、女性スタッフに無謀なリクエスト。え?

HappyBD515分後、何事もなかったかのように、「Happy Birthday to You」が繰り返され、さすがに今度は小さなアイスにキャンドルを付けて、スタッフが登場した。素晴らしい。ホテルのスタッフも、度胸があるだけではなく徹底的に楽しもうという友人も。ちょっと恥ずかしいと思ってしまった自分が恥ずかしい(笑)。節度や品位を保てば、もうオトナなんだからとか、まだ子供だからとか、年齢と同様にそんな概念も関係ないのだ。

しかったぁ♬ありがとう!」と友人が微笑む。こちらこそ。文字通りお腹を抱えて笑った。実に楽しかった。61歳の誕生日も、記憶に残る夜になった。年齢はやはりただの数字だ。けれども、その数字が増える毎に、妻や友人たちとこんな愉しみを味わえたら良いなぁ。友人とお気楽妻と、そして何よりも愛するホテル(パークハイアット東京)と、スタッフの皆さんに感謝!

002290775

SINCE 1.May 2005