ライフスタイルホテルとは「ハイアット セントリック銀座(2)」

Room1室のロールスクリーンを開けると、向かい側のビルが近くに見えた。けれどもそれは想定の範囲内。「NYCのフォーシーズンズもこんなだったね」ポジティブな妻の発言。部屋のタイプはデラックス47㎡。面積よりも広く感じる。「やっぱりこの部屋の方がいいね」と妻。実は予約していたのは35㎡のスタンダード。部屋に案内され、窓の外を眺めると隣接するビルの屋上ばかり。上層階だと言われたものの、これは残念。

Room2木通り側に変えて欲しいとリクエスト。すると、フロントの対応が素晴らしかった。「残念ながら同じタイプで並木通り側のお部屋は空きがございませんが、オプションが3つございます」とスタッフの回答はスムースで合理的。1つはツインタイプ、2つめは低層階だがデラックスタイプの部屋、そして念のために(笑)スイートという選択肢だという。迷わずツインとスイートは除外し、部屋を見せてもらって決めると回答。

Room3頭のシーンに戻り、即座に決定。窓の両側にはエレベータ内にあったイラストと同じ作家のパネル、窓際にはカジュアルなカウチ、ティーテーブル、居心地の良さそうなスペースだ。キングサイズのベッドの両側にはデザインの異なる読書灯、水回りと居室コーナーの境にはダイニングテーブルにもなりそうなデスク、マルチユースのテーブル、コンセントがあちこちにあり、機能的かつデザイン性に優れる2人の好みの客室だ。

Room4ッドサイドのパネルはスライドドアになっており、広いワンルームとしても、水回りと仕切ることもできる。この客室の広さなら、起きている時と眠る時に2wayで使い別けられるこの仕様は嬉しい。このセントリックも含め、“ライフスタイルホテル”というカテゴリのホテルが増えているという。宿泊することを楽しみ、肩肘張らずに過ごし、リラックスして滞在することができるホテル。まさしくお気楽夫婦の嗜好そのもの。

Room5回りと居室の間に白と黒の、ピアノフィニッシュの塗装がされた、見た目では用途が分からないスタイリッシュな台がある。マルチファンクションテーブルと呼ばれるその家具は、例えば水回り側のカウンタを上げると、裏側が鏡になっており、その中に隠されていた洗面台が登場する。その横の引き出しを開けるとハンドタオルや洗面キットが現れ、逆サイドには冷蔵庫やカップ類などが収納されている。イッツマジック♬

Room6イフスタイルホテルというキーワードは、これからお気楽夫婦のテーマになりそうな予感。と言うよりは、元々2人はそんな嗜好性をもってホテルを選び、旅をしていた。テーマは、どこに行きたい!と言う前に(何せほとんど観光はしないのだ)、泊まりたいと思ったホテルにのんびりと滞在すること。ジムで汗を流し、プールサイドで読書し、スパで身体を解し、ホテル内で食事をする。まさしく宿泊を楽しむ旅。

Room7気楽夫婦がこれまで宿泊先として選んで来たホテルは、まさしく(まだこのネーミングにはピンと来ないけれど)ライフスタイルホテル。それを後付けで名前を付けてもらったようなもの。「時代がようやく追いついて来たってこと?(笑)」と妻。窓の外には丸源ビルのネオンが輝く客室で、銀座のコンビニで買った缶ビールを飲み、新橋演舞場で食べようと買った弁当を頬張る。ある意味、まさしくこれが2人のライフスタイル。

…曲解している気がするので、考察は次回にも続く。

遊びゴコロ満載♬「ハイアット セントリック銀座」

Centric1座に新しいホテルができた。お気楽夫婦のお気に入りホテルグループの新ブランド「ハイアット セントリック銀座」だ。OPENは1月末。日本初上陸であり、アジア初進出。ハイアットホテルズのカテゴリは、ラグジュアリーの「パークハイアット」、プレミアムの「グランドハイアット」など、7つに分けられているが、セントリックは「アンダーズ」と共に、「ライフスタイル」というカテゴリ。意味不明(笑)。

Centric2業早々のホテルは避けるべし!というのが、お気楽夫婦がこれまでに数多くのホテルに滞在して得た経験則。新規OPENの情報にワクワクし、期待して出かけると痛い目に合うこと必至。スタッフのオペレーションが熟れておらず、確実に必要以上に時間がかかる。お気楽夫婦が愛する、あのパークハイアット東京ですら、OPEN早々の頃は(呆れたり怒ったりすることを超えて)笑ってしまう程の混乱ぶりだったのだ。

Centric3まってみたいんだよね」何度か開業間もないホテルに懲りているはずの妻が明確な意思表示。色々と事前に調べた結果、ホテルの佇まいに惹かれた様子。場所は銀座の真ん中、6丁目、並木通り沿い。新橋演舞場で芝居を観た後、のんびりと銀座を散策し、10分程で到着。場所柄、並木通り側には大げさなエントランスや車寄せもなく、エントランスではベルだけが迎えてくれる。エレベータでフロントのある4階へ。

Centric4レベータを降りると、階下に吹き抜けの空間が広がり、「NAMIKI667」というオールデイダイニングを見下ろす。小規模ホテルを広く見せる開放的で巧みなレイアウトだ。壁一面の活字のオブジェ(ここが朝日新聞社創業の場所であることによる)、“銀座”などの歌舞伎文字を織り込んだカーペット、バーに向かう階段など、アクセントカラーの赤が斬新。フロントカウンタは島型で、スタッフの制服はカジュアル。新鮮な印象。

Centric5ェックインを済ませ、客室に向かう。するとエレベータの内壁に、銀座周辺の地図がイラストで描かれていた。セントリックはどこだろうかと探すまでもなく、ひとつだけ赤く彩られた建物が。まさしくそれがセントリック。その日たままたま真っ赤なコートを着ていた妻と、セントリックとでエレベータ内で記念撮影。それにしても、館内のあちこちの意匠が、訪れる人をくすぐり、心浮き立たせる、遊び心溢れるデザインだ。

Centric7室のあるフロアに降り立つと、また新たな仕掛けが待っていた。機能的で無機質なフロア表示ではなく、エレベータホールの壁一面に、階数を示す巨大なオブジェ!「6」という数字は、壁に貼り付けられたお椀。その横には、升やら、和菓子の型、トコロテンの天突き器など、思わず近寄って正体を確かめたくなる小物が貼り付けられている。きっと外国人観光客はそれらが何か分からず、スタッフに質問しているに違いない。

IMG_1226のホテル、他にも遊びゴコロ満載の意匠が散在するのだけれど、秀逸なのはスポーツジム。24時間利用可能なホテルのジムの壁にも巨大な地図のイラストが描かれている。中央の大きな緑のスペースには「皇居」の文字。むむっ。主要な通りが白く描かれ、住所表示はアルファベットの頭文字の連続だったり、漢字一文字だったり。まるで謎解きのヒントが埋められているクイズのようで面白い。さて、肝心の客室はと言うと…。

次回に続く。

弁当LOVE「幕の内 vs 駅弁」

Bento1の内弁当」の由来は諸説あるらしいが、芝居の幕間に観客が食べた弁当が始まりというのが有力らしい。さらに、その定義も諸説あり、俵形にした白米を並べ、黒ゴマを振り、汁気の少ないおかずを少しづつ複数詰め合わせた弁当というのが一般的。劇場で食べる弁当と言えば、歌舞伎座や明治座などの劇場が浮かぶ。座席での飲食禁止の劇場と、幕間で食べる弁当も観劇の楽しみとする劇場の違いは、演目や設備などによる。

Bento2舞伎座を久しぶりに訪れ、“食べられる派”の劇場と芝居を楽しんだ。幕間には食事をすることを前提としており、劇場内には食事処があり、弁当も売っている。お気楽夫婦が選んだのは、「地雷也」の天むす弁当と、「銀座ひらい」の穴子弁当。どちらも感激するほどの美味しさではないけれど、観劇のついでに20分ほどの休憩時間に食べるにはお手頃。きちんと食べたいなら、幕間ではなく芝居の後にゆっくりと楽しめばいい。

Bento3じ弁当でも駅弁の趣はまた別種、というか別格。駅弁の歴史としては、明治時代に鉄道が走り始めてからだから、江戸時代あたりの芝居小屋で食べ始められたであろう幕の内弁当の方が歴史は古い。けれども、新幹線や特急列車のシートに座った途端にビールと駅弁が欲しくなる性癖を持つ身としては、どうしても駅弁に軍配が上がる。旅情と言う名の味付けが決め手。車窓からの風景が駅弁の味を増し、出張の際の駅弁ですら◯。

Bento4る週末、所用で藤沢に行く予定ができた。せっかくの藤沢だから小田急ロマンスカー、ロマンスカーと言えば、駅弁だ。藤沢での所用の後、ロマンスカーの座席を予約し、駅弁を物色。すると、日本初の駅弁だという大船軒の「サンドウィッチ」と「鯵の押寿司」を妻が発見。グッジョブ!早速ビールを買い込み、車内で宴会だ!サンドウィッチは昔ながらのムニャムニャの味。涙。気を取り直して、鯵の押寿司に期待。

Bento5で強めに締めた鯵と酢メシの上に、添えられた生姜を少々乗せて、ひとくちに頬張る。そして、冷えたビールをぐびり。んまい。良い組合せだ。こちらも大正2年から販売しているという、100年を超えるロングセラー。素朴ながら、直球で攻めてくる伝統の味。その街に行かなければ買うことができず、相模湾の鯵という地元ならではの食材を使う。これこそが駅弁のくすぐりポイントだ。いいぞいいぞ!

Bento7華で美味しいね♬」とお気楽妻が絶賛したのは、笹巻き寿司で有名な「ゆしま 扇」のお手頃弁当だ。見た目も上品で、きちんと美味しく、食べ易い。狭い客席で食べるにはぴったり。新橋演舞場での芝居見物用に購入したもの。とは言え、幕間で食べるには空腹になっておらず、その日の宿泊先「ハイアット セントリック銀座」でいただいた。やはり狭い劇場の椅子で食べるより、ゆったりと味わえる。旨し。

場で食べるなら、桟敷席だね」とゼータクな発言のお気楽妻。ふむ、けれどもそれは同意。桟敷席であれば、劇場の雰囲気を楽しみ、芝居の余韻を味わいながら食事ができる。「幕の内なら桟敷席、それ以外なら駅弁の勝ち、だね」この勝負に関する妻の判定は、次回の歌舞伎鑑賞では桟敷席に座るということか。怖っ!

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