美味しいキャッチボール「名産フルーツ」

Fruits1Fruits2夏の頃、自分たちでは買うこともない高級フルーツが届いた。美しい網目の模様が入ったメロン。北関東に引っ越した友人が“地元の名産”として送ってくれた。彼女が遠くに引っ越してしまったのはとても淋しいけれど、代わりに彼女に新しい“地元”ができ、名産物を送ってもらえるという嬉しい誤算が生まれた訳だ。さっそく冷暗所で保管し追熟させ、食べる数時間前に冷やし、朝食用のデザートとして美味しくいただいた。とは言え、朝食用だけで食べ切るのはゼータク。夕飯には生ハムを乗せ、ワインを合わせる。メロンの濃厚な甘さと高貴な香り、それに生ハムの塩加減と舌触りとが絶妙にマッチする。この組合せを考えた先人に感謝。ん〜、これはさらにゼータクだ。

Fruits3Fruits4いて、やはり自分たちのためには決して買い求めることもない高級フルーツが到来。山形名産のさくらんぼ。山形県は私の故郷ではあるけれど、さくらんぼが名産の内陸地方ではなく、米どころの日本海側の庄内地方。山形=さくらんぼと言われてもピンと来なかった。ところが、末弟が結婚し新居を構えたのが、同じ山形県内でも正にフルーツが名産の内陸部の街。ありがたいことに、季節ごとにさくらんぼやブドウなどが届くようになった。フルーツ好きの妻は大喜び。とは言え、さくらんぼはデリケートなフルーツ。早めに食べねばと、朝食のデザートだけではなく、妻のサラダランチ弁当用にミニ容器に入れアドオン。彩りも鮮やかなゼータクランチBOXになった。

Fruits6Fruits7夏に届いたのは、箱いっぱいのセクシーで美しいお尻、のような桃。長野の実家に帰省した友人からのギフト。やはりこんな見事でたっぷりな量の桃は自宅用では手が出せない。嬉しくありがたい。せっかくなので、今まで苦労していた皮の剥き方と変色の防ぎ方を調べてみた。すると、お尻の谷に添って切れ目を入れ、アボカドと同じように回しながらタネを外すと美しく剥くことができ、レモン汁に浸けておけば変色も防止できることが分かった。すると、生ハムやブルーチーズと合わせてサラダにするなど、食べ方が広がる。これは美味しい。ブルーチーズと桃の相性は抜群。前週のビストロ料理を再現し、パテドカンパーニュやキャロットラペまで作ってみる。これは楽しい。

Fruits5ちろん、頂くだけではなく、お気楽妻の故郷の名産である「ハウスみかん」を送ることも忘れない。冬の「青島みかん」も糖度が高く美味しいけれど、夏場に出荷されるハウスみかんの甘さ、皮の薄さ、食べやすさは、私にとって“King of Fruits”と称しても良いほど。え?夏にみかん?と思いながら、初めて食べた時の衝撃は、今でも忘れない。その衝撃の美味しさを北関東に、山形に、長野ではなく世田谷に、送っている。つまり、お互いの名産フルーツを、キャッチボールのように送り合っているという訳だ。自分たちが食べて美味しい自慢の名産フルーツを送り合う、美味しく楽しいキャッチボール。それも、自分たちのためにはゼータクだけれど、お送りするには手頃。美味しいものを相手にも食べて欲しいという気持ちも込めて。

ころで、狭義のフルーツとは、樹になる果実。つまり、メロンやイチゴは、厳密な植物分類上は果実的野菜、すなわち「果実のように食べられる野菜」らしい。逆に、その定義上ではアーモンドや栗なども果実に分類される。「だから私はフルーツ好きで、ナッツ好きなんだ」とお気楽妻。風呂上がりに身体を冷ますためにと冷凍のベリーミックスを貪り、夜中に身体に良いからとナッツを抱えて大量に齧る彼女は、間違いなくげっ歯目の血が濃く流れている。

酔っ払い双六「ビストロ808 vol.20」

Bistoro808-1Bistoro808-2度のビストロ808、ワインを宅急便で送っていいですか?」記念すべき20回目の「ビストロ808」のゲストは常連のI葉夫妻、そしてスカッシュ仲間の酒豪奥様たち。お気楽妻は飲まないから、せいぜい6本くらいのワインが届くのかと思っていた。ん?重いぞ。と、開けてびっくり。10本ものワインが入っていた。それも全部白ワイン。「今回のワインのテーマは、シャルドネ以外の全部制覇!なんです」飲めばサダコと化すI葉妻、ただの酔っ払いかと思えば、実はオランダ駐在時代はワインショップで仕事をしていたという筋金入りのワイン好き。夫婦2人で飲むワインの量も生半可ではない。そんな彼らの選んだワインラインナップは、白ワイン好きとしてはかなり嬉しいぞっ♫

Bistoro808-3Bistoro808-4招きありがとうございまぁす♪」乾杯をしたのは、まだ明るい時間。早くウチに帰れるということではなく、早くから長く飲めるとノンベたちが設定した時間。とは言え、まだ皆んな1本目くらいまでは上品な奥さまの風情。まずはオードブル盛合せからスタート。今回の新作はとうもろこしのムース。師匠のシェフ「ビストロトロワキャール」の聡ちゃんが作ったモノが余りに余りにも美味しかったので、再現は無理でも作ってみたかった。「うわぁ〜!おいしぃ♡とうもろこしの甘さが自然でいいね」うん、よかった。試作を何度か繰り返し、スーシェフのOKが出た苦心の作だ。ちなみに、なぜか味見をして客に出せるかどうかはスーシェフ(妻)が決定権を持っている。

Bistoro808-5Bistoro808-6バのリエットおいしぃ!作り方教えて!」と、I葉妻。ん?デジャビュ。常連の彼女には前もレシピを伝えたはずだけど、最後はいつもサダコだから、きっと記憶にないんだろうなぁ。と、サバ缶を使った簡単レシピを伝授。「生ハムとブルーチーズとフルーツって合うねぇ」ネクタリンを使ったサラダも好評。順調にワインも空になっていく。メインを出す前に、追加のパテ食べる?と聞くと「はいっ!」と全員が一斉に手を挙げる。またも美味しいと満面の笑顔になり、さらに美味しいと何度も何度も繰り返す。その生態は同じ酔っ払いとして理解できる(笑)。話題もあちこちに飛び、その度に笑いが弾ける。皆んな食いしん坊で明るい酔っ払いだ。

Bistoro808-7Bistoro808-8インのローストビーフです!」I葉夫が得意そうに皿を持っているのは、その日唯一スーシェフが作った肉料理。合わせるのはシェフの作った4種のベリーを使ったベリーベリーソース。この頃になると空いたワインのボトルは軽く半ダースを超え、“あいつ”の登場が近い気配が感じられる。酔っ払いたち(自分も含む)は既にかなりご機嫌で、飲む→食べる→笑う→ふりだしに戻る→飲む→食べる→さらに飲む→酔うという「酔っ払い双六」で順調にコマを進め、上がり(または1回休み)に向かっている。酒豪の奥さまたちからは、遠慮とか、おすまし、という表情がすっかり消え去り、生き生きとした“私はご機嫌な酔っ払いだぁ”という顔になっている。あ、またグラスが倒れた!

Bistoro808-9Bistoro808-10日はダイジョーブです!絶対、寝ません!」空のワインボトルが9本を超えた頃、あいつがやって来た。不思議なことに、大丈夫と言った直後に、あいつは突然やって来る。燃え尽きる前のロウソクがフッと明るくなる、そんな感じ。現れたのは、いつも通りのサダコだ。この日はダイニングテーブルに突っ伏し、顔が多少見えてはいるから真性サダコとは言い難いが、周囲が警戒しつつも登場を楽しみに待っている気配もある人気者(笑)が現れ、宴の終わりを感じる一抹の寂しさも味わう。きっと彼女は全力で飲み、全力で楽しみ、力尽きるのだろう。燃え尽きた彼女を労わるでもなく、証拠写真を撮るダンナと仲間たち。双六の“あがり”、サダコは1回休みでゲームセット。

日はごちそうさまでした。千夏ちゃんの結婚式の映像みたかった〜」「えっ!繰り返して2度見てたよ!」「覚えてない〜」「私もどうやって帰ったか記憶にない!」翌日、ビールを数本飲んだ後、9本半のワインを飲んだ酔っ払いたちと、唯一素面のお気楽妻の間でメッセージが交わされる。ゲストに何を食べてもらおうかと楽しみ、飲んで食べて愉しく、楽しく酔っ払った(恥ずかしい)記憶を味わう、1度で3回味わえる楽しさ。これだからビストロ開店は止められない。次回開店は、きっと秋。さて、どなたをお招きして、どんな料理を作ろうか。

Happy Wedding!「プロスカッシュプレーヤー松井千夏」

Chinatsu1Chinatsu2のスカッシュ人生の前半は、皆さんと一緒に過ごした用賀のクラブでした」千夏ちゃんの挨拶は、そう始まった。大勢の招待客を招いた結婚式と披露宴の翌週末に、プロスカッシュプレーヤー松井千夏の結婚を祝うささやかなパーティが開催された。彼女の挨拶通り、日本スカッシュの広告塔として長く活躍してきた松井千夏のスカッシュの原点であり、学生時代から初めて全日本を制した頃まで、彼女のホームコートだったクラブで共にスカッシュをプレーした仲間たちが集まった。披露宴での笑顔も美しかったけれど、その日の新婦はリラックスした実にいい顔をしていた。「千夏もオトナになったな」そんな軽口も飛び出す和やかな会に、新郎の清水くんもすぐに溶け込んだ。

Chinatsu3Chinatsu42001年夏、お気楽夫婦は千夏ちゃんと共に香港にいた。香港に長期滞在しトレーニングを積んでいた彼女が出場した香港OPENを観戦(残念ながら本戦に出られなかった彼女の試合は観られなかったけれど)し、一緒に食事をした。当時の千夏ちゃんにはマンゴーブームが訪れており、メインの料理よりもデザートのマンゴープリンに目を輝かせていた。その年の秋、全日本スカッシュ選手権で初優勝。当時、最年少でのチャンピオンだった。その後、長く師弟として共に歩んできた山崎コーチ(お気楽夫婦のコーチでもある)の元を離れ、現在の所属チームで全日本通算4回優勝、ファイナリストになること12回、日本を代表するプレーヤーとなり、マスコミにも多く登場した。

Chinatsu5Chinatsu6女はコートの中でずっと輝いていた。いつも真剣な目でボールを追っていた。その美しいフォームはエンジョイスカッシュプレーヤーであるお気楽夫婦の憧れだった。松井千夏は、スカッシュを愛し、楽しんでいることが周囲に伝わるプレーヤーだった。マスコミに登場しアイドル的なアスリートとして取り上げられたのも、自己顕示のためではなく、スカッシュを一人でも多くの人に知ってもらうため、興味を持ってもらうためだった。山崎コーチから離れてしばらくは、会う機会も減ってしまった期間があったけれど、お気楽夫婦はずっと彼女のファンとして応援し続けて来た。とは言え、せいぜい試合の応援をしたり、一緒に美味しいモノを食べに出かけるくらいのもの。

Chinatsu7Chinatsu8報告と相談があるんですが、ご都合いかがですか」そんなお気楽夫婦に千夏ちゃんからメッセージが届いたのは冬の終わり頃。すると、この夏に結婚するので式に出席して欲しいという嬉しい報告と(フラワーコーディネーターのスカッシュ仲間に)パーティ用のブーケを作って欲しいとの依頼だった。喜んで!と乾杯し、お祝いにフカヒレをしこたま食べた。そして初夏の頃、婚約を祝って「ビストロ808」にご招待。たまたまその直前に彼女のブログで結婚を発表したばかりというタイミング。ネットで「スカッシュ界のマドンナ結婚!」と大きく報道され、我が家の前では見知らぬ人から「スカッシュの人だ!」と言われたという。改めて彼女の果たして来た役割を実感。

Chinatsu9Chinatsu10婚式当日、千夏ちゃんのドレスと共に、お気楽夫婦はブーケに注目し続けた。白のドレスにはカサブランカ、ティファニーブルーのドレスにはスカッシュラケットのブーケ。ドレスに良く映えて素晴らしい出来だ。隣に座るスカッシュ仲間もホッとした様子でワインを飲み干す。他のクラブのメンバーが作ったスカッシュボールを模した胸章や、2人の似顔絵イラストなど、細部まで心配りとアイディアが溢れ、豪華な会場の中にも手作りの温かさが感じられる良いパーティだった。千夏ちゃんも終始“公の笑顔”が素晴らしく美しく、スポンサー企業の方々も出席する中、いい意味でプロとしての自覚を持った花嫁の佇まいだった。

ロスカッシュプレーヤー松井千夏は、新たなステージに立った。結婚を機に、良き家庭を築く為に互いに支え合い、可能な限り試合に出続けると思う。スカッシュに関わり続けると思う。千夏ちゃんに試合で勝利する女子選手は現れたけれど、彼女のようにNEWSになる存在は現れてはいない。スカッシュの魅力をより多くの人に伝え、後に続くプレーヤーの目標となり、憧れの存在になる。彼女の役割はまだまだ残っている。お気楽夫婦は、そんな松井千夏を応援し続けます♡

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